50のひとり言~「りぷる」から~

言葉の刺激が欲しい方へ。亡き父が書きためた「りぷる」(さざ波)を中心に公開します。きっと日常とは違った世界へ。

・・・・・・それはよかったね。

2015-05-10 20:50:52 | 小説
・・・・・・それはよかったね。乳房形の青空が変形して広がり、男は目を小公園にもどす。が目は焦点が容易にむずばれない。再度の焦りに似る妬みを若者に放つと幾分気が晴れ、気が晴れると滑り台の象の鼻形目に愉快に入ってくる。女らが舗装面を足先でいじる者、砂場の子らを見守る者といやに口を閉ざしたままだった。一瞬、太陽が小公園に照る。

(つづく)

「あっ、止めてください。・・・

2015-05-10 04:47:31 | 小説
「あっ、止めてください。彼女ですよ」
とっさのしかも少しオーバーな声だった。クモには頭にピンときたものを感じた。さては今日の出会いは・・・・・・しかしまあ偶然じゃなかったにしても許そう、うわ手だったのか。腹立ちよりも先に感心がきている、クモだった。・・・・・・

(つづく)