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自由万歳

2012年07月01日 | 読書
『抱擁、あるいはライスには塩を』江國香織 著

「すごく良い、素晴らしい本だ!」と読んでるあいだに
何度も思ってしまうくらい、面白い本でした☆

…どこがどうって、伝えるのは苦手なんですけどね。

江國香織なので、やっぱり浮世離れしているというかクレイジーというか
ちょっと「自由すぎて普通でない」ひとたちがたくさん出てくるんだけど。

時代も語り手もばらばらで物語は進んでゆくのに、
どんどん自分の中でそれぞれの登場人物が出来上がっていって
一緒に柳島家の歴史を見ているような気になれたのが面白かったです。
江國香織すごいわぁ。。。と感心させられました。

初期の作品のほうが好きで、なんか最近あんまり…
と数年前まで思っていたけど、
またこのところ「やっぱり面白い!」と思える本がたくさんになった気がします。


この『抱擁、あるいはライスには塩を』、恋愛小説といってよいのか
何小説なのかわたしには難しいんですが。

わたしが強く感じたのは
「変わらないものはない」ということでした。

この本では柳島家の変化が書かれていると感じました。
最後、ちょっぴりさみしい感じがしたけれど、
時代も変わるし、人間は年をとるし仕方のないことかな…と。


わたしは、けっこう変化を嫌う人間です。
昔の、楽しかった思い出にすごくしがみついてしまって
それを取り戻そうとしたい気持ちがいつも強い気がする。
今が不満というわけではなくて、
「変わる=終わる」ってイメージがあって、それが悲しいのです。

わたしは変わっていなくても、
周りはお仕事の関係とか、結婚&出産の関係で
「これまでどおり」何かをすることがどんどん難しくなってく。
そしてそれをとてもさみしく感じてしまうわたし。。。

だけど、「変わらないものはない」んだよね。
わたし自身、変わっていないつもりでも
やっぱり昔とは違うものの考え方もしてるだろうし、
以前にはなかった何かを身につけているハズ。

周りの変化に対しても「変わる=新しい世界への前進」と考えて
いつもしなやかに対応してゆきたいな…。

と、江國作品を読んで思ったのでした。