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【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
身近な疑問の解説と役立つ情報の提供をさせていただきます。

税金を滞納している場合の経理処理(金融機関への説明)

2010-06-15 17:00:00 | 起業(会社設立など)と経営
税金を滞納している場合の経理処理は次のとおりで、税金を滞納している(期限までに納付していない)ことが試算表や決算書に表れ、金融機関などの第三者にも判ってしまいます。

■源泉所得税(住民税の特別徴収)

預り金勘定が給料の額と比較して多額となります。毎月の給料に対して源泉徴収(住民税を特別徴収)する金額の比率は状況によって異なるでしょうが、預り金勘定が年間の給料の半額程度も残っているとすれば明らかに多額であり、源泉所得税(住民税の特別徴収分)を滞納していると察しがつきます。(納期特例を適用している場合、6月と12月は預り金勘定が6か月分計上されます。)

■法人税・事業税・住民税

決算時に計上した未払法人税等が納付期限を過ぎても残ったままになります。翌年度中に納付できない場合には、翌年の決算書だけでなく法人税申告書別表5(2)に滞納していることが表れます。

■消費税

決算時に計上した未払消費税が納付期限を過ぎても残ったままになります。法人税のように申告書に滞納していることは表れませんが、納税証明書で滞納していることが判明します。

【延滞税】
税金の滞納があれば延滞税の問題が生じます(源泉所得税の場合には不納付加算税も生じます)。延滞税の計上は期間に応じて発生主義で計上すべきですが、税務署から通知が来た段階で計上してもよいでしょう。なお、延滞税は法人税申告書別表5(2)に表れますので滞納の事実が第三者にも判ってしまいます。

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★金融機関には正直に説明する

金融機関は税金を滞納していることを決算書などから容易に突き止めますので、隠そうとしても無駄です。ですから、税金を滞納している場合には金融機関に正直に話すしかありません。担保提供資産や保証人の状況によっては新規の融資に応じてくれることもあるからです。

★なぜ金融機関は税金の滞納を嫌うのか?

租税債権は強力だからです。要するに、金融機関の回収よりも優先されるということです。税金の滞納が生じる前に金融機関が資産の担保提供を受けているならばよいのですが、そうでない場合には金融機関といえども勝ち目がありません。ですから、金融機関は新規に取引をする(追加融資する)場合には税金の納付状況について入念に調べるのです。