【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

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確定申告するので年末調整(源泉徴収)は不要→「悪魔のささやき」

2018-11-13 12:30:00 | 源泉徴収と年末調整
今年からの配偶者特別控除、大変複雑です。しかし、「ABC」に「①②③④」で考えればわかりやすいです。詳しくは「配偶者控除等申告書」をご覧ください。

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「自分で確定申告をしますので年末調整は必要ありません。また、毎月の給料からの源泉徴収もしないでください。」

サラリーマン(含むパートとアルバイト)で確定申告をする人(医療費控除を受ける、副収入の申告をするなど)の中にこのようなことをいう人がいます。

★この考えは認められません!

源泉徴収制度というのは、国家が確定申告に先立って税収を得る(税収を平準化する)ための手段ですので、源泉徴収の対象となる所得について源泉徴収を怠れば国家に損害を与えてしまうことになります。

源泉徴収義務者や源泉徴収される人にとっては酷かもしれませんが、法律でこのように定められているのですから、税務署は「確定申告していようが源泉徴収漏れは許さない!」という姿勢を「絶対に!」崩しません。安易に「確定申告さえしていれば・・・」とは考えないでください。

ただし、以下のような方法で、税額計算の一部(場合によっては大部分)を確定申告で計算するという「選択肢」があります。

■勤務先に扶養控除等申告書を提出しない(ただし、源泉徴収の税率は高くなる)

勤務先に扶養控除等申告書を提出することが年末調整をするための要件です。「年末調整をしてほしくない場合」は扶養控除等申告書を勤務先に提出しなければいいです。しかし、こうすると毎月の給料からの源泉徴収が「乙欄」という大変高い税率になってしまいます(最終的には確定申告で修正されます)。

この「乙欄」での徴収についても税務署は厳格な姿勢を崩しません。

■特定の控除については自ら確定申告でする

医療費控除や住宅借入金等特別控除(初年度)などは自ら確定申告するしかありません。また、年末調整で忘れた所得控除(配偶者控除、扶養控除、生命保険料控除、地震保険料控除など)は自ら確定申告で税額計算に反映するしかありません。

★「悪魔のささやき」にご注意を!

「自分で確定申告をするので・・・」、事業をしていればこのような要望を受けることがあります。事業者にとって源泉徴収や年末調整は面倒かもしれませんが、これを怠った場合のペナルティは大変過酷なものです。「源泉徴収すべき支払い」については相手の意思とは関わりなく「源泉徴収する」ことを徹底してください。また、給与以外にも源泉徴収すべき支払いはありますのでご注意ください(例えばデザイナーやライターなどの報酬)。

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