goo blog サービス終了のお知らせ 

【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
身近な疑問の解説と役立つ情報の提供をさせていただきます。

現金出納帳(金銭出納帳とも呼ばれる)

2018-03-16 17:00:00 | 経理業務(帳簿の作成)
現金出納帳とは、会社が保有している現金(硬貨と紙幣)の増減(日付、金額、内容)と結果としての残高を記録する帳簿です。事業活動の結果の多くは現金の動きとして表れますので、この帳簿を正確に作成することは非常に重要なことです。

資産の原形は現金です。会社の設立時には現金が出資され、それが事業のために投下され、再び現金となって回収されます。会社は現金を増やすために活動しているのですから。現金の記録をすることは当然のことです。

複式簿記においては取引を仕訳として記録し、それを分類集計して決算書を作成します。取引には現金の出入りを伴わないものもありますが、その取引の前後では現金の出入りがあります。ですから、現金出納帳は様々な取引の根源なのです。

中小零細企業では、現金の管理がずさんで現金が特定の場所に保管されていないことがあり、現金出納帳の残高と実際の現金残高を照合できないことがあります。また、代表者がポケットマネーで事業関連の支出を立て替え払いすることもありますので、現金出納帳に表れない出金があります。

簡単なように思えて、いざ作成してみると様々な疑問が生じてくるのがこの現金出納帳です。「残高がおかしい?」「何かが抜けているようだ?」といった具合です。

★★★現金出納帳の残高がおかしい?

◆マイナスとなる場合(社長借入金)

入金欄の記帳漏れが考えられます。まずは、銀行預金からの引出し(手元に現金としておいている)と売上代金の現金回収(預金に預けていない)の記帳を確認します。それでも現金がマイナスとなる場合は、「社長(代表者)借入金」の有無を確認します。中小零細企業では会社の資金が不足した場合、社長(代表者)が会社に個人の資金を提供するのが普通です。この社長借入金の入金処理を現金出納帳でしていない場合は、金銭出納帳の残高がマイナスとなる場合があります。

出金欄が二重記入などで過大になっている場合もマイナス残高になります。入念にチェックしてください。

◆考えられないほどプラスとなる場合(社長貸付金)

出金欄の記帳漏れが考えられます。現金出納帳の記帳は毎日行うのが原則です。しかし、現実には1か月分程度をまとめて記帳することがあります。領収書がすべてそろっている場合は問題ないのですが、領収書がすべてそろっていない状態で金銭出納帳を記帳すると残高が異常なほどプラスになることもあります。

入金欄が二重記入などで過大になっている場合も要チェックであることはいうまでもありません。

社長貸付金を記帳していない場合も問題が生じます。社長貸付金とは、社長(代表者)に対する資金の使途が明らかでない出金です。これについては、出金時に現金出納帳に記帳をして、後日返金を受けるか、使途を明らかにする(社長貸付金を他の勘定科目に振り替える)かしなければなりません。

【PR】記事の内容と直接的な関連はありません。

書き込み式で 経理実務が身につく本 第15版
クリエーター情報なし
TAC出版


売上を計上する日(代金入金の日ではない!?)

2018-03-14 17:00:00 | 経理業務(帳簿の作成)
お陰様で平成29年分の所得税確定申告も無事終了しました。確定申告に関してお伝えしたいことはたくさんありましたが、残念ながら確定申告期間中はそれができませんでした。またの機会にお伝えしたいと考えております。

それでは、久々の投稿をさせていただきます。

========================

企業経営者は、複式簿記や会計理論を離れて、自社の商品や販売形態からして合理的な売上計上の時点(日付)を考えてみなければなりません。

「この段階まで到達すれば販売をしたと考えて間違いがない」という時点を通過したならば、売上としてカウントするのです。

売上計上についての明確な尺度を確立し、それを遵守するということは、企業経営上の最重要事項であるといっても過言ではありません。売上計上のルールなくして、事業活動の成果を測定することができないからです。

★売上の計上は販売の時点にしなければならない(入金の時点に計上するのではない)

帳簿の作成を始めたころ、このことを知って、愕然とする人、反発をする人が非常に多いです。

販売の時点で代金を受け取る小売業などを除いて、ほとんどの業種では代金の受取りは販売よりも遅れます。ですが、売上の計上は入金に先行して販売の時点で行わなければならないのです。

例えば、事業年度が平成29年4月1日から平成30年3月31日で、平成30年3月31日に販売をして、代金の回収は翌事業年度の平成30年4月30日になった場合でも、平成30年3月31日に売上を計上しなければなりません。その事業年度に入金もないのに、売上が計上され利益が増えるということです。

これは「ルール」ですので受け入れるしかありません。このルールは、利益を抑えたい(法人税を少なくしたい)という場合には大変酷です。しかし、ルールなのです。

◇理由?
それは商慣習です。商慣習上、代金は後払いとなっているからです。

◇最終的に代金の入金がされなかった場合!?
大丈夫です。返品、値引き、貸倒れなどとなった場合には後から売上を取り消すことができます。

★業種別の売上計上日(例)

売上の計上が販売の時点であるとはいっても、「販売の時点」が何時であるかは、業種や業態によって異なってきます。

◆小売店

小売店の場合には販売(商品の引渡し)と同時に代金を受け取りますので、売上と入金の時点、つまり日付が一致します。しかし、顧客がクレジットカードでの代金支払いを選択した場合には売上計上が入金に先行します。

◆小売店以外で商品販売する場合(卸売業、ネットショップ、製造業の既製品販売など)

代金後払いの販売です。商品を引渡した日に売上を計上します。商品を発送する場合には発送(出荷)の日をもって売上を計上します。商品の発送を運送業者に依頼する場合には、運送業者が発行する受領書の日付で売上を計上します。

◆注文生産する製造業

注文生産する製造業の場合には、既製品を販売する場合と違って、製品が注文どおりに作られているかを顧客が点検(確認)する作業が必要となります。売上の計上は、この点検が済んだ日にします。

顧客が点検をしたことを証明するために、「受領書」や「引取書」などをあらかじめ用意しておき、それに顧客の署名と署名日の記入をしてもらいます。

◆ソフトウェア製作

既製品を製作して販売する場合には、商品を引渡した日に売上を計上します。その要領は、上記の「小売店以外で商品販売する場合」と同じです。

注文を受けて製作する場合には、完成したソフトウェアをユーザーが使用できる状態になった日に売上を計上します。

◆建設工事

受注した物件が完成し、引渡しをした日に売上を計上します。一軒家の建築工事でいえば、住めるような状態になったということです。なお、完成を見極めるのはあくまでも顧客です。

建設工事の場合は、この完成した日を明らかにするため、「工事完了書」などをあらかじめ用意しておき、それに顧客の署名と完成引渡し日の記入をしてもらいます。

◆サービスを提供する場合

サービスの提供が完了した日に売上を計上します。派遣業であれば派遣期間が終了した日、各種教室であれば授業が終了した日に売上を計上します。

◆ネットショップ(入金確認後に商品を発送)

ネットショップのほとんどが、代金の入金確認(クレジットカードの場合には決済確認)をもって商品を発送していると思います。売上の計上は商品を発送した日にします。

【PR】記事の内容と直接的な関連はありません。

新・現代会計入門 第3版
クリエーター情報なし
日本経済新聞出版社


法人(会社)が税務申告で使用する納付書の種類

2017-05-02 18:00:00 | 経理業務(帳簿の作成)
法人(会社)が年に一度決算申告をして、その結果納付する税金の納付書は次のとおりです。

●法人税の納付書
税目番号は030です。税額は、法人税・地方法人税確定申告書、別表1(1)の15の「差引確定法人税額」です。

●地方法人税の納付書
税目番号は040です。税額は、法人税・地方法人税確定申告書別表1(1)の42の「差引確定地方法人税額」です。

●消費税及び地方消費税の納付書
税目番号は300です。税額は、消費税及び地方消費税確定申告書表紙の26、「消費税及び地方消費税の合計(納付又は還付)税額」です。2種類の税目を1枚の納付書で合算して納付します。

以上は、いずれも国税で納付先は管轄の税務署です。なお、納付は金融機関でできます。

●法人道府県民税・法人事業税・地方法人特別税の納付書
これがややこしいです。法人道府県民税はともかくとして、事業税と地方法人特別税を道府県に納めることを知らない人もいると思います。税額は、申告書の第6号様式から転記します。「記入要領」を参考に漏れなく転記してください。

●法人市町村民税の納付書
これは比較的簡単ですが、法人税割と均等割を分けて記入し合計を算出しなければなりません。税額は、申告書の第20号様式から転記します。法人税割は13から、均等割は17から転記します。

【PR】記事の内容と直接的な関連はありません。

ルポ 税金地獄 (文春新書)
クリエーター情報なし
文藝春秋


経理担当者が定着しない

2016-08-20 11:30:00 | 経理業務(帳簿の作成)
経理担当者が定着しない中小零細企業が多いです。決算ごとに、最悪の場合にはわずか数か月で経理担当者が入れ替わることもあります。経理担当者が替わると、「事業内容」「帳簿の種類」「領収書の保存方法」など、会社の経理の基本的事項から説明しなければなりません。これでは安心して経理を任せることができず、落ち着いて経営をすることができません。

〇会社の雰囲気に馴染めない
これは経理担当者に限ったことではありません。中小零細企業というのは、そこの社長の個性が色濃く出るので、同規模の同じ業種であっても全然雰囲気(会社の方針や仕事の仕方)が違うことが普通です。ですから、他社では優秀であった者でも使い物にならないことも珍しくはありません。「当社の風土に馴染めるか?」が重要な採用基準となるのです。

〇経験が無いあるいは不足している
経理担当者の能力を見抜くことは容易ではありません。なぜならば、経理業務の範囲は非常に広くそのすべてを経験した者など皆無だからです。また、経理業務は業種や事業規模によって相当異なります。経理担当者を採用するにあたっては、経理業務のどの部分を任せるかを十分認識しその業務ができる者を採用しなければなりません。例えば、月次試算表の作成から決算申告は会計事務所(税理士)に依頼している場合にはこの業務の経験者は不要です。これ以外の請求書の発行、給与計算、支払い業務(請求書の分類集計)ができる者を採用しなければなりません。未経験の業務を無理やりさせると誰でもストレスが溜まります。そして、ストレスが限界に達すれば退職を余儀なくされます。

〇社長の認識が間違っている
「節税」に「銀行対策(融資をスムーズに受ける)」を経理担当者に過度に期待する社長がいます。また、パソコンさえ使えば何とでもなると考えることもあります。経理担当者に優劣があることは確かですが、どんなに優秀な経理担当者であっても「魔法使い」のようにはいきません。

★経理は経営者の生涯のウイークポイント?
「経理には自信がある」「経理は大丈夫」「税務署も銀行も怖くない」といえる社長はほとんどいないと思います。特に、幅広い経理業務の中でも相当ウエイトが大きい簿記と税務は極めて「特殊」で、相応の学習と経験がなければ習得することはできませんので誰かに任せるしかありません。経理担当者によって税額や銀行との関係が変わってくることがあります。そして、それが会社の運命を左右することもあります。経理業務を甘く見ることなく、根気よく最適な経理担当者を採用・育成しなければなりません。

請求書が送られて来たら

2015-06-23 17:01:00 | 経理業務(帳簿の作成)
簿記の教科書では請求書が送られてきた場合には次の仕訳をすることになっています(仕入代金の請求書であるとします)。

≪借方≫仕入≪貸方≫買掛金

請求書が送られてきたとしても直ちに支払わないというのがこの仕訳の前提です。仕入先など、一定の信頼関係を基に継続的に取引をする相手先との決済はこのようにするのが普通です。ですから、簿記の教科書でもこのような仕訳としているのです。

この仕訳をするにあたっては「仕訳をする時期」と「金額をどうやって集計するか」という問題がありますが、これに関しては「締日(しめび)」を設けておく必要があります。締日とは仕訳処理の対象となる請求書の日付の締切日です。例えば、締日が月末の場合には月末までの日付の請求書が処理の対象となります。締日は毎月設けますので、毎月の処理の対象となるのは前月の締日の翌日から当月の締日までの日付の請求書ということになります。

締日が過ぎて10日ほど経てば、締日の対象となる請求書が揃うと思います。締日が月末であれば、翌月の10日ごろになれば請求日付が月末までの請求書が揃うことでしょう。そこで仕訳をすればいいのです。請求書の金額を「仕入/買掛金」として仕訳をすればよいのです。この場合の仕訳の日付は締日である月末です。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

★請求書は締日ごとに保存する

請求書を締日ごとに保存しておけば、請求書と総勘定元帳の仕入勘定あるいは買掛金勘定との照合作業がスムーズに行えます。