会社を設立した際の登記事項が実情に沿わないとか、不都合であるとの理由から、これを変更するための登記が必要になる場合があります。変更するための登記には費用が必要です。また、変更のための手数や労力が大きい場合もあります。ですから、会社設立時には登記事項を慎重に決め、早々に変更が必要にならないように「設計」をしておく必要があります。
■商号(会社名)
変更できます。商号は登記しないとその名称を名乗れません。例えば、「ABC株式会社」と登記されている会社が「XYZ株式会社」と名乗って活動することはできません。
■本店所在地
本店は活動の拠点ですので、活動の拠点が変わった場合には本店所在地を変更する登記をしなければなりません。
■役員(取締役、監査役)
「役員を辞めたい(役員であることのリスクに耐えたれない)」「役員にふさわしくない」「役員給与の税務上の規制が障害となる」など、設立当初の役員を外す必要に迫られる場合があります。その場合には役員辞任の登記をすればよいのですが、欠員が生じる場合には後任者を探す必要があります。また、欠員が埋まらない場合には機関設計(取締役の人数など)を変更しなければならないこともあります。
■会社の目的
会社の目的として「登記されていること」あるいは「登記されていないこと」が様々な障壁になる場合が多々あります。例えば、公的支援(融資や補助金など)の対象業種が限定されている場合です。
■資本金を減らしたい
これは非常に多いと思います。「出資金(資本金)を返してほしい」「資本金が多いと均等割が高くなる」がその理由です。手続は非常に大変です(わざわざ官報に公告しなければなりません)。また、先走って誤った「致命的経理処理」をしていることがほとんどです(多額の貸付金勘定の発生)。
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★設立時には必ず会計事務所(税理士)に相談を!
最近では、ネットショップで買い物をするのと同じ感覚で、簡単に「会社設立というサービス」をネットで購入することができます。そんなことから、誤って設立後に不都合が生じるような登記事項を決定・選択してしまうこともあります。
「会社設立登記の申込書」、つまり、設立登記手続の代行をする業者に「登記事項の決定・選択を伝える書面」は、必ず会計事務所にチェックしてもらってください。良心的な会計事務所なら無料でしてくれます(以後の顧問契約も強制しないでしょう)。
「貴方の場合は、これは〇〇とするのがベターです」、というアドバイスを真摯に聞いてください。