goo blog サービス終了のお知らせ 

【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
身近な疑問の解説と役立つ情報の提供をさせていただきます。

金融機関の人と会う際の服装

2015-07-17 12:30:00 | 起業(会社設立など)と経営
金融機関の人と会う際の服装について気にする人がいます。というのは、最近ではノーネクタイやカジュアルで仕事をする職業が増えていますが、金融機関はいまだにスーツにネクタイ着用が基本だからです。就職してから一度もネクタイを締めたことがない人も増えています。そのような人たちが事業を始めて、資金調達のために金融機関の人に会うに際して気にするのが服装です。

★清潔が服装の基本です!
スーツであれカジュアルであれ、不潔な服装は相手に不快感を与えます。ですから、普段仕事をしているときの服装で、それが清潔であれば問題はありません(作業服を着用する職業で服装の汚れが激しい場合には着替えておく必要があります)。

★指先に注意!(「らしからぬ」外見には不信感を抱かれる)
「相手のウソを見抜くには指先を見ればよい」というノウハウ(言い伝え)が金融機関にはあると聞いています。「自動車整備業を営む人の指先があまりにも綺麗」、「育児中の専業主婦が派手なネイルアート」、普通はおかしいです。金融機関の融資審査担当者は、このような些細なことで相手の信用をチェックしているようです。

要するに、服装に関しては金融機関に合わせる必要はないということです。

会計事務所(税理士)に依頼すべきか?どの会計事務所に依頼すべきか?

2015-07-03 18:30:00 | 起業(会社設立など)と経営
会計事務所(税理士)に関する情報はネットで簡単に入手することができますが、そのことがかえって混乱を招いているケースが目立ちます。

★会計事務所(税理士)に依頼すべきか?

これに関しては「リスク許容度」だと思います。会計事務所に依頼せずに決算申告を行った場合、「税務調査でもめる」、「金融機関に融資を申し込む際に決算内容を上手く説明できない」などといったリスクが高まることがあります。

「税務調査で3日間拘束されて、数十万円程度ならば追加で納税してもよい」
「金融機関に決算内容を上手く説明できず、融資が受けられなくてもかまわない」

そうであれば、会計事務所に依頼する必要はありません。会計事務所に依頼したからといって全くリスクがなくなるわけではありません。ですから、最終的には「費用対効果」です。会計事務所に依頼することによって防げるリスク(損失)が、会計事務所に支払う報酬を上回れば依頼すればよいのです。

会計事務所は依頼を受けるに先立って、必ずこれらの「リスク」について説明をしますので、数件の会計事務所に相談すればリスクについて明確になってくると思います。

★どの会計事務所に依頼すべきか?

「多くの会計事務所」がホームページを開設しています。しかし、「全ての会計事務所」がホームページを開設しているわけではありません。

「知人(既存の顧客や金融機関など)の紹介がない者からの依頼は受けない」
「見ず知らずの者からの電話やメールでの相談には乗らない」
「報酬額を下げてまで仕事は受けない」

このような姿勢を頑なに貫き、しかも、顧客の信頼を得て高収益の会計事務所もあります。また、ネット社会だからこそ、そのようにしている会計事務所もあります。

「気軽さ」「簡単さ」「楽しさ」「明るさ」「親しみやすさ」をアピールして集客するという方法は、会計事務所業界には向かないのかもしれません。

ネットで知ることができる会計事務所に関する情報は氷山の一角なのです。ネットで情報発信している会計事務所は少数派であることを知るべきです。

勤務先の社長が引退することになった(社長にならないか!?)

2015-06-13 19:30:00 | 起業(会社設立など)と経営
「勤務先の社長が引退することになったけれども、後継者(次期社長)がいないので会社が存続できない・・・。自分はどうすればよいのか?」

この相談が非常に多いです。これはわが国全体の問題です。というのは、わが国の企業の大多数がいわゆる中小零細企業で、そのほとんどが現経営者(創業者で全出資もしている)一代限りであるのが実情であるからです。また、後継者がいるとしても現経営者の親族である場合がほとんどです。

「ならば転職します!」といえる人はいいのですが、「今さら転職なんて・・・」という場合には大変です!この人生における「想定外の出来事」に遭遇した人の多くは気が動転すると思います。

「社長になってほしい(会社を継いでほしい)・・・」

その最中、このようなことをいわれると動揺に拍車がかかります。上場企業などの大企業の場合ならば舞い上がるような言葉ですが、中小零細企業で、しかも親族でもない経営者からこのようなことをいわれたとすれば「天と地がひっくり返った」ような心境になります。

★まずは税理士(会計事務所)に相談を

親族以外の者を次期社長に指名する場合には、経営者は自社の税理士(会計事務所)に相当入念に相談していると思います。ですから、多くの場合はこのような話のプロセスで「税理士との面談」がありますので、その際に自身の疑問や不安をぶつけてみることです。

★精神的な問題が大きい場合もある

「人生の全てを捧げた、全財産を投じた・・・」「生涯現役(会社が消滅するのを見たくない)」というのが経営者の心情です。これは、人目には「吹けば飛ぶような中小零細企業にしか見えない」場合であっても同じです。また、経営者にすれば後継者に指名した者に対して「今までサラリーマンであった者に経営者が務まるのか・・・」という不安もあります。

「出資金」「(既存の)借金」「現経営者の退職金」「雇用の継続」など、中小零細企業の経営者交代には技術的に難しい問題が多々あるのも事実です。しかし、精神的な問題がネックになっている場合も多く、現経営者と後継者の意思が通じ合えば技術的な問題は「事務手続」に過ぎない場合もあります。

「サラリーマン根性」を捨てて社長の話に真摯に耳を傾ければ、この先の人生は素晴らしいかもしれません!

今も昔も一から事業を起こすのは大変です。近年、急成長している新興企業の多くはM&A、いわゆる企業買収で事業を拡大させているケースが非常に多いです。中小零細企業を承継することもM&Aの類型であると捉えられます。昨今では、中小零細企業の経営者でも自社を売却する(親族以外の者に譲渡する)ということに対して抵抗感のない人も増えつつあります。

前向きに検討してみてはいかがでしょうか!

年末調整・総勘定元帳の印刷はオプション!?【顧客をミスリードする会計事務所のサービスメニュー】

2015-05-06 13:00:00 | 起業(会社設立など)と経営
会計事務所(税理士)に依頼する人のほとんどが「あの訳のわからない『決算と申告』を何とかしてほしい!」と考えています。特に初めて会計事務所に依頼する人であれば、これ以外、会計事務所に対する要望などは思い浮かばないでしょう。

【次の業務はオプションです-別途報酬となります】年末調整、総勘定元帳の印刷、・・・・・・

このサービスメニューを見て顧客はどう考えるでしょうか?

「年末調整も総勘定元帳の印刷も不要ということだな。だったら別料金を支払ってまで依頼する必要はないな!」と考える人が少なからずいると思います。

実際このようなサービスメニューで大変な目にあっている人がいます。数年間も年末調整をしていなければ「社会から消えた」という扱いになります。会計ソフトへの入力はしていても紙に印刷した総勘定元帳がなければ税務調査において「帳簿がない(申告内容を裏付ける証拠がない)」という扱いになります。

会計事務所が提供するサービスメニューの全てが顧客に必要なわけではありません。例えば、個人事業者で従業員を雇用していない場合には年末調整は不要です。従業員を雇用している場合でも、顧客自身で年末調整ができる場合には、年末調整を会計事務所に依頼する必要はありません。

会計事務所のオプションサービスは、スマホやタブレットの「ケース」や「液晶保護フィルム」とは違います。セキュリティソフト?あるいはそれ以上に重要なものが含まれている場合もあるのです。この点を会計事務所から十分に説明を受けてください。


個人事業者の国民健康保険料(政府管掌健康保険よりはるかに安い!)

2015-04-03 18:00:00 | 起業(会社設立など)と経営
国民健康保険料の通知を受けて愕然とする人がいます。激怒する人もいます。国民健康保険料の年額は最高で「52万円」です(大阪市、平成27年度)。

たしかに、52万円を「安い!」とか「はした金(笑)・・・」といえる人はいないでしょう。また、国民健康保険料は10分割(6月から翌年3月まで)で納めますが、1回あたり5万2千円という金額も決して安くはありません。

自ら計算して申告する所得税の確定申告と違って国民健康保険料の通知は、まさに「不意打ち」です。国民健康保険料の大部分は「所得」に応じて決まります。所得は確定申告の結果です。国民健康保険料が通知されるのは、確定申告から2か月後の5月です。この時間的なずれが衝撃をより強烈なものにします。

「52万円÷12か月=約4万3千円」

★ところでサラリーマン(政府管掌健康保険に加入)はどれだけの保険料を支払っているのでしょうか?

サラリーマンは毎月の給料から保険料を天引きされます。4万3千円保険料を天引きされている人の給料は約90万円です。

「毎月の給料が90万円!!年収1000万円以上でそれだけの保険料しか払っていないのか!?」と憤慨されるかもしれません。しかし、サラリーマンの保険料は会社と折半ですので会社負担分と合わせると倍の8万6千円ということになります。

会社とサラリーマンの合計負担額が4万3千円の人(国民健康保険料の最高額と同じ人)の給料は約45万円です。

「それでも年収500万円以上か・・・。自分の事業所得はもっと少ないぞ!」

給料30万円で保険料は約3万円になります。

★法人成りするか(笑)!

それは「早合点」です。「法人成り」とは、個人事業者が会社を設立して以後は会社で事業を行うことをいいます。

政府管掌健康保険は「健康保険と厚生年金がセット」ですので、「厚生年金保険料」も負担しなければなりません。ちなみに健康保険料が3万円の場合、厚生年金保険料は約5万2千円です。健康保険料と厚生年金保険料を合計すると8万2千円です。年額で98万4千円です。国民健康保険料の最高額52万円に国民年金保険料(月額約1万5千円)を足した金額よりも多いです。

この8万2千円という金額を会社として毎月支払わなければならないのです。苦しいですよ!8万2千円という金額は、小さい会社の場合は事務所の家賃と同じくらいです。パートの給料と同じです。しかも、8万2千円の内5万2千円は将来もらうことができないであろう厚生年金の保険料です。

だから!「個人成り」が続出するのです。個人成りとは、会社で事業をしている人が会社を消滅させて、以後は個人事業者として事業を行うことです。保険料の負担が「いたたまれなく」なって衝動的に会社という衣を脱ぎ捨てるのです。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【参考】
平成27年度保険料額表
(全国健康保険協会のサイトより)