goo blog サービス終了のお知らせ 

【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
身近な疑問の解説と役立つ情報の提供をさせていただきます。

「平成28年分年末調整のしかた」

2016-10-22 12:00:00 | 源泉徴収と年末調整
国税庁のサイトで「平成28年分年末調整のしかた」が公表されています。今年から、マイナンバー制度が始まったので、昨年と内容が大幅に変わると予想していましたが、そんなことはありませんでした。考えてみれば、マイナンバーは扶養控除等(異動)申告書の一記入項目です。また、税額や従来の計算手順に一切影響がありません。さらに、マイナンバーは源泉所得税のみならず申告所得税(確定申告)とも関連します。ですから、「年末調整のしかた」でマイナンバーの説明を必要以上にする必要はないのです。

国税庁のサイトではマイナンバーに関するページを「特設」しています。

ホーム>社会保障・税番号制度<マイナンバー>について

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

★年末調整の準備

年末調整の準備、これが案外大変で、実際にできていないことが多いです。

◇個人別の給与は集計できますか?
給与計算ソフトを導入していない場合には、給与明細など支払った給与の内容がわかる資料を整理しておく必要があります。給与計算ソフトを導入している場合であっても、一部の給与を給与計算ソフトで計算していない場合にはその分の集計ができるようにしておく必要があります。

◇退職者の源泉徴収票は交付済みですか?
退職者の源泉徴収票は退職時に交付しておかなければなりません。退職者が再就職先で年末調整を受ける場合には前勤務先の源泉徴収票が必要ですので、交付していない場合には交付を要求されます。給与計算ソフトでは「退職した」という処理をしておかないと、退職者についても年末調整がされてしまいます(年末調整の対象になるのは年末に在籍する者だけです)。

◇給与計算ソフトはバージョンアップしましたか?
「昨年と比べて大した変更はない」、「毎年のバージョンアップなんてソフトメーカーの営業戦略だ」などといってバージョンアップしないケースがあります。給与計算ソフトは毎年バージョンアップしないと使い物になりません。

◇源泉所得税の納付は正しく行われていますか?
年末調整の段階で毎月(納期特例の場合には半年ごと)の源泉所得税の納付が間違っていることに気がつくことがあります。「税額そのものが間違っている」、「計算した税額は正しいが納付書への記入が間違っている」、いずれの場合も年内に修正しておく必要があります。

◇平成28年分の扶養控除等(異動)申告書
平成28年の最初の給与を支払うときまでに入手しておく必要があります。平成27年から勤務している者はともかくとして、平成28年中に採用した者で入手をしていない者がいる場合には至急入手しなければなりません。

源泉徴収義務者の方へ(国税庁サイト更新される)

2016-09-30 15:00:00 | 源泉徴収と年末調整
平成28年の年末調整に向けて国税庁のサイトが更新されました。

ホーム>源泉徴収義務者の方へ

年末調整のしかた
年末調整といえばこれです!年末調整の「公式マニュアル」です。

年末調整のための各種様式
「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」、年末調整といえばこれですよね。ほかにも様々な様式(用紙)が必要ですが、すべてがここから入手できます。

給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引
これを読むころにはクリスマスです。年末調整もゴールに近づいていることでしょう(還付額が算出され、源泉徴収票の作成に取り掛かろうとしている)。

給与所得者と年末調整
年末調整で大変なことのひとつが従業員への説明です。説明を聞いてくれない従業員もいます(笑)。このパンフレットが説明に役立ちます。説明にあたって大切なことは、「公的な見解」をもとに説明するということです。このパンフレットの信頼性と説得力は相当なものです。

情報は伝わる過程で歪曲されるものです。巷に氾濫する情報に翻弄されそうになったら国税庁のサイトを読むことです。年末調整のあらゆる情報はもとをたどれば国税庁のサイトなのです。

所得税徴収高計算書(納付書)の記載のしかた(国税庁のサイトより)

2016-06-25 12:35:00 | 源泉徴収と年末調整
ホーム>税について調べる>パンフレット・手引き>所得税徴収高計算書(納付書)の記載のしかた

税金に関する事務作業のゴールは納付書を作成して税金を納付することです。たとえどんなに税額が正確に計算されていたとしても、納付書の記載が間違っているとどうにもなりません。後日、税務署から問い合わせがある、最悪の場合には納付を受け付けてもらえない(注1)という結果になってしまいます。

国税の納付書は、地方税の納付書のように(注2)ネットから入手することができません。ですから、書き損じて予備の納付書がない場合には、税務署までもらいにいかなければなりません。納付書の記載にあたっては、記載のルールを十分理解して、「納付書をコピーした下書き用紙」に記入した後にそれを納付書に書き写すという慎重さが必要です。

(注1)金融機関は納付書に不備がある場合には納付を受け付けてくれません。
(注2)多くの自治体はそのサイトで納付書をPDF形式・エクセル形式にて提供しています。

報酬・料金などの源泉徴収(国税庁のサイトより)

2016-06-25 12:30:00 | 源泉徴収と年末調整
源泉徴収といえば、まずは給料や賞与から天引きされる所得税を思い浮かべますが、給料や賞与以外の収入でも源泉徴収されるものが多々あります。

【国税庁サイト】
ホーム>税について調べる>タックスアンサー>源泉所得税>報酬・料金などの源泉徴収
国税庁のサイトでは、給料や賞与以外の収入、つまり、報酬・料金などの源泉徴収について詳細に説明をしています。

◆「源泉徴収が必要な報酬・料金等とは

その報酬・料金等の支払を受ける者が個人である場合、下記のものからは所定の額が源泉徴収されます。

○原稿料や講演料など(原稿料、挿絵料、作曲料、レコードやテープの吹込料、デザイン料、放送謝金、著作権の使用料、著作隣接権の使用料、講演料、技芸・スポーツ・知識等の教授・指導料、投資助言業務に係る報酬・料金、脚本料、脚色料、翻訳料、通訳料、校正料、書籍の装丁料、速記料、版下の報酬など)
○弁護士、公認会計士、司法書士等の特定の資格を持つ人などに支払う報酬・料金
○社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬
○プロ野球選手、プロサッカーの選手、プロテニスの選手、モデルや外交員などに支払う報酬・料金
○芸能人や芸能プロダクションを営む個人に支払う報酬・料金
○ホテル、旅館などで行われる宴会等において、客に対して接待等を行うことを業務とするいわゆるバンケットホステス・コンパニオンやバー、キャバレーなどに勤めるホステスなどに支払う報酬・料金
○プロ野球選手の契約金など、役務の提供を約することにより一時に支払う契約金
○広告宣伝のための賞金や馬主に支払う競馬の賞金

「あの人の収入からも源泉徴収されるのか!?」と思われたことでしょう。そうです、報酬・料金等からの源泉徴収というのは大変身近なものなのです。

◆「報酬・料金等の源泉徴収義務者

源泉徴収制度においては、「源泉徴収義務者」が国に代わって給与や報酬・料金等を支払う際に税金を徴収し(天引きし)、それを国に納めなければなりません。源泉徴収しなければならない税額は報酬・料金等の種類によって異なりますが、その説明は下記でされています。

原稿料や講演料等を支払ったとき
弁護士や税理士等に支払う報酬・料金
司法書士等に支払う報酬・料金
外交員等に支払う報酬・料金
ホステス等に支払う報酬・料金
専属契約等で支払う契約金
広告宣伝のために支払う賞金等

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

★報酬・料金等の源泉徴収に関する仕訳
給料や賞与の源泉徴収と同じように、徴収したときは預り金勘定を増加させ(貸方)、納付したときは預り金勘定を減少させ(借方)ます。なお、報酬・料金等の納付書は給料や賞与の納付書とは異なりますので(一部の報酬・料金等は同じ)、納付書との照合作業をしやすくするためには、報酬・料金等と給料や賞与とで預り金勘定の補助勘定を分けておくと便利です。

★報酬・料金等と住民税
報酬・料金等からは住民税は徴収しません。これが給料との違いです。

★報酬・料金等から源泉徴収される人の確定申告
報酬・料金等から源泉徴収される人も確定申告が必要ですが、源泉徴収された税額は税金の前払ですので、確定申告で計算した税額から差し引くことができます。

≪参考≫国税庁のパンフレット
平成28年版源泉徴収のしかた(平成27年12月)
平成28年版源泉徴収のあらまし(平成27年11月)

源泉所得税の納付(国税庁のサイトより)

2016-06-18 22:00:00 | 源泉徴収と年末調整
◆「源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例

給与(給料と賞与)や報酬から源泉徴収した所得税(復興特別所得税を含む、以下同じ)は、原則として、給与などを実際に支払った月の翌月10日までに納付しなければなりません。しかし、給与の支給人員が常時9人以下の源泉徴収義務者は、半年分まとめて納付することができる特例があります。これを「納期の特例」といいます。

特例の対象となるのは、給与や退職金から源泉徴収をした所得税と、税理士、弁護士、司法書士などの一定の報酬から源泉徴収をした所得税に限られています。この特例を受けていると、その年の1月から6月までに源泉徴収した所得税は7月10日、7月から12月までに源泉徴収した所得税は翌年1月20日が、それぞれ納付期限になります。この特例を受けるためには、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出することが必要です。

◆「平成28年版源泉徴収のしかた

源泉徴収制度の趣旨や具体的手続を理解するためのパンフレットを国税庁が用意してくれています。

給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(納付書)の記載例

納期の特例を受けている場合の納付書の記載例です。税額の集計方法から懇切丁寧に説明されています。

報酬・料金等の源泉徴収事務

給与以外にも源泉徴収の対象となる収入はあります。「原稿料」「講演料」「技芸・スポーツ・知識等の教授・指導料」「税理士報酬」「外交員報酬」「出演料」「ホステスの報酬」などです。意外に知られていません。

これらを納付する場合の納付書は特定の報酬・料金等を除いて給与のものとは様式が異なります。また、上記の「納期の特例」が認められず、徴収した翌月10日までに納付しなければなりません。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

納期の特例を受けている源泉徴収義務者は1月から6月分の納付期限が目前に迫っています。「納税資金」はありますか?

半年分の納税は思いのほか辛いです。また、税額の集計作業も大変です。