つらねのため息@gooブログ

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『戦後日本共産党私記』

2008-08-10 19:49:09 | 日本のこと

安東仁兵衛『戦後日本共産党私記』現代の理論社(1976)を読了。全学連創設前後の学生運動の雰囲気が活き活きと描写されていて大変面白かった。

どうも学生運動というと内ゲバのイメージが(一般的印象としても、実感としても)あるのだが、どことなく、ほのぼのと、のびのびとして色々な意味で、左翼運動にエネルギーと可能性そして現実感があったんだなあということを実感(もっともリンチ事件なども描かれていて、後年の内ゲバにつながるようなものの萌芽もすでにあったのだろうが)。また、旧制高校や東大の中にあるエリート意識的なものも自覚的に描き出されているところもよかった。

それと、なんとなく不破哲三のイメージが改善した。党官僚的なイメージしかないのだが、最初からエリートコースを歩んでいたわけでもなく、また色々と人間的な側面を窺い知ることができた。

また、活動家時代の堤清二の描写があったのもよかった。なんとなくセゾングループに対する好感度が増した(笑)。

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