精神科医院の三叉路を右に曲がり、大通りを越えて調剤薬局へ向かう道すがらの記念公園の手前。

毎夏、午後の立ち飲み酒場に、くっきりとした木陰を刻む、街路樹の根本に、
今年も産声を聴いた。
それはひと際濃い、深海水に揺蕩う瑠璃の色彩で、角膜と網膜のみならず、脳も、auraまでも一途に、深く清しく染めてしまう、預言だ。

五月雨に
濡れて滲みし
水彩画の色彩で
耀り咲みませ
紫陽花の幼子
さみだれに
ぬれてにじみし
ゑのいろで
ひかりゑみませ
はなのをさなご
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2020/05/07,12,13