ラヂオデパートと私

ロックバンド“ラヂオデパート”におけるギタリストとしての津原泰水、その幾何学的な幻視と空耳。

ドミソドミソ

2007-02-05 13:11:58 | ギター
 どうも精神的にいけない。凹んだ時こそ練習しろと石黒くんに命じている手前、ギターを手に取らぬ訳にはいかぬ。頭を使わない超基礎練習に徹する事とする。
 超基礎と書いた。音楽的には確かにそうなのだが、云うなれば「楽曲的」な構造であるギターという楽器では、「ドミソドミソ」のようなフレーズは意外と直観的に弾きにくい。最初からコードを押さえて歌えてしまうからね。
 作家で作曲家の鐸木能光(たくきよしみつ)氏は、三十代半ばにしてドレミを弾けない自分に気づき愕然。一念発起してギターを学び直し、ギターインストゥルメンタルの新境地を拓いた。ホテルでテレビを点けっ放していたら、インディーズ販売されている氏の曲が流れてきて吃驚した事がある。

 さて第五絃ルートのドミソドミソ。こっちから行こう。弾くべき音は下図。ルートはどこでも宜しいが、自分がよく使うコードで練習するのが吉。レパートリィにキイGの曲が多ければ、憶さず10フレットから始めるといい。左の指は人差指と薬指のみがいいでしょう。もし君がジャンゴ・ラインハルトなら人差指と中指で演る事になる。

+-+-+-+-+-+R+
+-+-+3+-+-+5+
+-+-+R+-+-+-+
+-+-+5+-+-+-+
+R+-+-+-+3+-+
+-+-+-+-+-+-+

 下、上昇する時のピックのアップ(U)ダウン(D)を図示する。

+-+-+-+-+-+D+
+-+-+D+-+-+U+
+-+-+D+-+-+-+
+-+-+D+-+-+-+
+D+-+-+-+U+-+
+-+-+-+-+-+-+

 所謂エコノミーピッキングだ。オルタネイト(交互)ピッキングが駄目という訳ではないが、失うものが多いので、ここは僕を信じてスウィープしてください。初めは右手でブリッジミュートするのもいいだろう。
 下降する時はオルタネイト。

+-+-+-+-+-+D+
+-+-+D+-+-+U+
+-+-+U+-+-+-+
+-+-+D+-+-+-+
+D+-+-+-+U+-+
+-+-+-+-+-+-+

 この上昇下降をスムースに繋げると、タララタララ(↑)タララタララ(↓)という三連符×4のアルペジオになる。コードを押さえっ放しのアルペジオと違い、中抜けの音が無いのでクラシカルなイメージ。
 という文章と矛盾するようだが、ジャンゴは少々複雑なコードの時でも、お構いなしにこのドミソドミソで押し切ることが多く、そういった思い切りの良さが彼の音楽に、独特の民俗音楽風な「熱さ」を注入していたように思う。以下次号。

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