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代田橋からこんにちは

写真展(E410)

2009-11-13 06:15:16 | Weblog
配属先である短期大学にてJAPAN Festival in Tegbareidと称して写真展を中心としたエキシビションを今日から行っている。
これは先日エチオピア隊員有志で行ったJAPAN Festivalの縮小版ということで行い、今日はその一日目であった。
前回は多種多様の展示があったのに対し、今回は自分が撮り貯めてきた日本とエチオピアの写真1000枚の展示を中心として行った。
準備を進めるに当たって、平日に開催するということもあって準備に人が足りない状況であった。
なので開催日前日に一人で出来るところまでやってしまい、当日の朝から、夕方からの開場までには当日準備にかかれる人で終われるだろう、そう考えていた。
前日準備を一人でして居ると自分が受け持っている生徒たちが次から次へとやってきて、ほぼ全ての作業を行ってくれた。
彼らは共同作業というものが慣れて居ないらしく最初写真展示の手順を飲み込んでもらうまではかなり難儀であり、結果として作品が少々傷んだり、彼らが帰った後に一人で修正をしていたりと必ずしも仕事が素晴らしかったわけではない。
しかし何も期待していなかった彼らが自主的に会場であるホールに現れて、「何か手伝う事はないか?」と聞いてくれてすべてを行ってくれた事はとてもとても嬉しい体験となった。
最初から彼らの仕事に期待していたわけではないが、ここは折角の彼らのオファーに応えてお願いしようと思ったが、終わってみると本当にお願いしてよかったという様に思える彼らの頑張りを見られた。
自主的に何かをする、自主的に何かを頑張ってみる、そういったことは途上国共通の問題かと思うのだが、彼らのその頑張りには本当に嬉しい思いであった。

写真展の趣旨は、日本とエチオピアの写真をジャンル毎に分け、上に日本の都市の写真であれば、下はエチオピアの都市の写真、と言った具合にその場で見比べて違いや共通点を感じてもらおう、という試みであった。



自分がエチオピアに来てからという物、最初の三ヶ月くらいは違いの連続で、いつも「なんで?なんで?」と考えていた。
考えるとすぐに答えが見つかることもあるが、分からずじまいで置いておく疑問も結構あった。
それを解く為に何かをもっと知りたいと思い、知った後でそれから何か行動が生まれてきた。
違いに出会うことはそれほどに大きな体験であり、違いはいつも自分に何かきっかけを与えてくれている。
写真展の目的はそこで、小さなきっかけでも良いから日本へ旅行へ行くような気持ちで疑似体験をし、生徒に何か感じてもらえないか、というものであった。
そしてその傍らに今見ているものと同じ種類の自分の知っている風景を手にとって見比べることが出来たらどうだろうか、と。
今のところどこまでどう感じてもらっているのかは分からないが、ひとまずはやってみて良かったと思っている。



エチオピア隊員が作ったアムハラ語(エチオピアの公用語)のナレーションつきの日本紹介のムービーがある。
内容は四季を目次の様に使った日本の紹介、日本の近代史、日本のテクノロジーの一端についてなど、本当にうまい具合に日本を軽快な音楽とともに紹介している。
これを見終わった後は騙されている気もするが日本に生まれてよかったと心底思える。
日本を離れて1年5ヶ月経っている僕には相当なインパクトを持っている。
元々予定にはなかったが、明日急遽このムービーを会場で流してみたいと思う。
今日色々質問してくれた彼らにもっと色々なものを見せたいし、動くものという、より現実に近い馴染みやすい媒体によってかれらの本能的な興味は恐らく写真の比では無いだろうし、感じる違いもより強烈であると思う。
生徒はどんな反応をするであろうか?
自分が強烈なインパクトと共に眺めたこのムービーが彼らの何かを刺激しないわけは無い。
じゃあその刺激はどんなもので、そこから何か生まれるであろうか?
何か生まれるか生まれないかはとりあえずなんだかどうでも良い。とにかく彼らの反応が楽しみで仕方ない。
恐らく上映中は皆スクリーンに釘付けになるだろうが僕だけは正反対のほうを向いて彼らを観察するだろう。

写真展の企画もそう、明日急遽ムービーを上映しようと思ったのもそう、何か考えて、それを行動にして行く。
自主的に考えて何かを企画するというのは何て楽しいのだろうと思う。
何か今まで続けてきたものが楽しくなくなってきたり、元々楽しくなかったりする場合は往々にしてこれが欠けてしまっているのではないか、と思う。
とにかく今はその楽しい面に居られている。
これを続け、そして結果に結び付けていければ本望だな、と思うのである。

Photo: Me and my students in the exhibition.