ひとはある読書をして
その舞台へ行ってみたいと
思うもののようですね。
梨木香歩「家守綺譚」を読んだら
ここは全体どのあたりであろうかと
ーーすでにこの作品に同化した語り口ーー
思ったらすでに地図まで書いて
想定した人をネット上に見つけました。
想像したとおり
舞台は山科でありました。
内田百閒のときは麹町を歩き回って
ついに百閒の転々した住居跡
四箇所ほど突き止めましたぞ。
三四郎池なんぞはのべ何百何千人
跡を慕ってやってきたことでしょう。
というわけでヘッセだとドイツに飛びましたし
マルセル・パニョルのために
プロバンスに行った人も
いると思いますね。
どうしてそこへ行ってみたいのか
溢れる気持ちがあるのですね。
そこに漂うはずのある香気のようなもの
を
きっと求めて行くのでしょう。
うれしい話と思うのでした。