朝7時、波の音で目覚めた。打ち寄せる波の音は大きいが全く気に成らずに熟睡する事が出来た。未だ寝ている娘を起こさない様に夫婦で霧多布岬展望台に行ってみる事にした。娘を起こして連れて行っても視程20mの海霧では何も見えないだろうし、夜遅くまで宿題をしていた様なので少しでも寝かしてやろうと思った次第。
他の車中泊の皆さんは朝早い様で7時には我が家1台だけがポツンと残っていた。
晴れていれば看板に書かれたイラストの様に、おめでたい紅白の灯台と色とりどりの花の咲く緑の岬が見えるらしいが・・・
一応、紅白の霧多布灯台。
霧多布展望台にはカモメがキチンと整列して待っていた。
展望台から岬先端を見ても濃い海霧で殆ど何も見えない。
展望台からの光景は判らないが兎に角、取り敢えず霧多布岬に来た!と云う事で良しとする事にしておいた。霧多布と云うからには霧の多い処なのだろうから霧が晴れる時の方が珍しい、普段の当たり前の夏の光景だと思うしか無いだろう。
起きだしてきた娘さんと共に車内で道の駅「忠類」で買ったパンと「コープさっぽろパセオ堺町」で買った珍しいモノ等の朝食を食べた。
この「シベリア」は県民ショーで紹介されていたので興味本位で購入。「羊羹カステラ」
展望台駐車場に隣接している霧多布キャンプ場(バンガローは1500円?だがテントキャンプや車中泊は無料らしい)のペットサイトにキャンパーの方が到着してサイトを築き始めていた。海霧が激しいのでキャンプ・ファニチャーを出す端から結露していって大変そうだった。買い食いをした後のゴミを外部ゴミ入れに整理して再出発した。
先日の釧路湿原探訪では、三日月湖等の川の屈曲の様子が見えにくかったので霧多布湿原の琵琶瀬展望台に立ち寄って双眼鏡で琵琶瀬川が蛇行する大パノラマを堪能した。
根室に入り本土最東端の納沙布岬を目指す前に「花咲車石」を見る。花咲灯台下の崖に露出する放射状の柱状節理をもつ奇岩であり、車輪石ホイール・ストーンと呼ばれている。6500万年~1億3000万年の間に堆積岩の軟泥層へ溶岩が貫入し海水中で急激に冷やされ柱状節理が形成されたが、その先端部で狭い穴からニュルニュルと吹き出す溶岩が海水中で放射状に柱状節理を形成したと云う全世界でも珍しい奇岩であり国の天然記念物として根室を代表する景勝地・・・だと思っている。が・・・、観光駐車場には車中泊車両が1台居たモノの車石周辺は完全に我が家の貸し切りで天然記念物独り占め状態だった。奇岩マニアの妻は大喜びで・・・直径6mの車石を登って触れ満喫していた。
納沙布岬を見てから昼食の予定だったが、この「花咲車石」で思いの外に時間が掛かったので既に昼飯時を過ぎつつあるので、根室の名物料理だと聞いている「エスカロップ」を食べに「ニュー・モンブラン」へ。事前調査では「どりあん」か「ニュー・モンブラン」かで人気を分け合っている様だ。そもそも論で云えば、今は無き「モンブラン」と云う洋食屋さんで開発されたメニューで、その「モンブラン」で働いていたシェフが独立してやっているのが「ニュー・モンブラン」であり、「ニュー・モンブラン」で修行したのが「どりあん」のマスターなのだそうだから・・・系統樹的に元祖に近いのは「ニュー・モンブラン」だと決めた次第。(・・・と云う話を、厚かましくも店内で妻子相手に講釈していると地元の方から「どりあん」の方が「モンブラン」に近い味だと教えられたので、次の機会が在れば「どりあん」で「エスカロップ」をチャレンジしたい。但し、「どりあん」には駐車場が無いらしいので車を置く場所を考えないと無理カモ?)
昼ご飯時を少し過ぎた位だが「ニュー・モンブラン」は満席の状態だった。駐車場所を聞くと裏手の駐車場を指示された。何でも40分待ち・・・なのだそうだが、これは恐らく炊飯器の炊飯時間+の待ち時間だと思う。ここ「ニュー・モンブラン」の「エスカロップ」は細かく刻んだ筍入りのバターライスの上に薄い豚カツを細く切った(肉を細く切る=エスカロップ)モノを載せ洋食屋さんらしいデミグラスソースが掛かった食べ物だ。「ニュー・モンブラン」か「どりあん」かと騒がなくても根室市内の大部分の喫茶店や洋食屋さんでは定番のメニューだそうだし、釧路市以北のコンビニではエスカロップ弁当(これは赤エスカ=ケチャップライスのエスカロップ)も売られている根室の定番メニューなのだそうだ。(と・・・、店内に居合わせた地元のエスカ通の方に聞いた話。因みに、「ニュー・モンブラン」や「どりあん」の「エスカロップ」は「白エスカ」なのだそうだ)
因みに、これにスープがついて840円。量は普通盛りだが高カロリーなので腹保ちは良いカモ?この後、茹で立て花咲カニを食べる機会が在ったのだが本領発揮出来なかった。メニューには特に書いていないが・・・地元の常連さんは「白エスカ大盛」を頼んで居られた。
いよいよ納沙布岬である。本土最東端と云う碑が建っている場所よりナビの地図で見ると灯台の在る辺りの方が更に東にあるので先ずは納沙布岬灯台の方に行き本土最東端を感じてみるが、良く判らなかった。土産物屋さんの前の納沙布岬本土最東端の地の碑の前は記念撮影のメッカだったので我が家は辞退し、その奥の独立行政法人・北方領土問題対策協会の公園を見て回り北方館では四島返還を願う署名を家族全員で書いてきた。が・・・9000万人に迫る方々が署名を連ねて見ても、今までの延長線上でロシアが四島返還を行うとは到底思えない。又、歴代閣僚や総理大臣もこの地を訪ねたそうだが、まさか四島返還を願う署名に名を連ねただけでは無いのだろうか?もし四島返還が我が国民の悲願であるならば、その強い意思をロシア側が見過ごし放置出来ない形で伝え続けるしか無いのだろう。だが、実際は・・・二島返還ですら覚束ない様だ。
土産物屋さんと並ぶ食堂では花咲ガニを茹でていたので、茹で立て花咲カニを食べる事に・・・。臭みが無くて甘くて美味しい。カニの味だが、他の種類のカニとは明らかに違う香味を感じる。2~3杯は食べられると思っていたが・・・エスカロップが効いて1人1匹ずつで良しとした。(因みに、重さにも拠るが花咲カニ一杯は3~4000円である)既に夕方が迫っているが緯度が高いからか曇り空の癖に不思議に明るい。このまま次の目的地野付半島に向かって走る事にする。
夕食が食べられそうな場所を暫定的に道の駅「スワン44ねむろ」と決めナビをセットして走り始め到着は18時前だったが、ナンとレストランの営業時間は10:00~15:30(4~10月)でオーダーストップが30分前なので15時までに辿り着かないと食事には有り付けない様だ。駐車場には4~5台のキャンピングカーと共に10台余りの車中泊車両が駐車していたが、10時まで朝食が食べられない道の駅で車中泊しても仕方がないのでトイレ休憩だけで離脱した。
夕食が食べられそうな店は海沿いの国道243号→244号線の野付国道沿いには無い様で別海温泉がある内陸部に入るしか無いのだが、これから行っても営業時間内に辿り着けるか判らない。(そもそも、妻が持ってきた「るるぶナビ・ドライブ北海道」には観光客向けのレストランの情報しか無いので営業時間等は判らない。停車してスマホで調べると云う事をせずズルズルと走ってしまった)せめて風呂は入りたいと思って(野付半島を通り越えた国道272号との分岐当たりに「るるぶナビ・ドライブ北海道」の地図には温泉マークが在ったので、そこを目指して)走っていると、国道244号線から海側を見下ろした処の赤い屋根に「野付温泉 浜の湯」と大書きしてあった。
積んでいるパナソのナビの周辺検索では「温泉」項目では引っ掛からなかったので勘を頼りに国道から海側へ降りて探すと「野付温泉 浜の湯」を見つけた。ナビ画面には店名が表示されていて調べるとパナソニックのHDナビの情報では「温泉」ではなく「銭湯」の項目で収録されていた様だ。
娘さんは銭湯系は嫌いらしいので恐る恐る入ったが、この入浴料大人1人420円の銭湯扱いの温泉は実は素晴らしい温泉だったのだ。
〒086-1643 北海道野付郡別海町尾岱沼港町235-5
「野付温泉 浜の湯」
0153-86-2600 日帰り入浴10時~22時半
銭湯だけど源泉掛け流しの温泉が2種類愉しめる。第1源泉は源泉温度28.8℃、成分総計277ミリグラムの低張性単純泉だがpH9.3のアルカリ泉だ。高松の仏生山温泉でアルカリ泉好きになった私だが仏生山温泉のアルカリ度はpH7.7で、ここはpH9.3だ。化学の世界では弱アルカリだろうが源泉掛け流しで入浴する部類では当に正真正銘のアルカリ泉だろう。もうヌルスベである。足の裏の角質も勝手にヌルスベになってしまう強力さだ。そして第2源泉は道東では比較的普通の源泉温度55.3℃、成分総計10,500ミリグラムの高張性ナトリウム塩化物泉だ。だが、このナトリウム塩化物泉も只者ではなく湯上がりに洗い流さなくても海水のようにベタベタしない不思議な感じである。
露天風呂には2つの浴槽があり、片側は第1源泉の源泉そのまま無加温の28度が入っていて温めの水風呂として愉しめる。(水風呂なのにヌルスベだ)アルカリ泉は薄い緑色だ。もう片側は42度に冷却した第2源泉の高張性ナトリウム塩化物泉が入っている。コチラの色はやや淡い茶褐色で北海道らしい柔らかなモール臭が漂う。
内湯も同じく2つの源泉が愉しめるが、内湯の第1源泉は第2源泉の熱交換(第2源泉を入浴可能な42度に下げる為)で39度程度に加温している源泉100%掛け流しであり、第2源泉も100%源泉掛け流しである。下世話なカルキ臭など皆無で源泉100%の湯がザァ~ザァ~と贅沢に溢れている。ここの低温の第1源泉は最高だ。今回の北海道キャラバン中に入った全ての温泉中で勿論最高だが、今までの生涯で考えても5位以内(3~4位)の最高レベルの温泉だった。そんな素晴らしい温泉が銭湯扱いで眠っているなんて恐るべき北海道だと思う。
我が家では暗黙の了解で1時間ルールと云うモノがありナンの約束もしなくても1時間で出る事になっているのだが、既に1時間を遙かに超えていて・・・妻子が怒っているカモと思い急いで出たが妻もヌルスベのアルカリ泉の堪能していた様で1時間半で出て来た。(体の芯から温もるようで、後刻野付半島ビジターセンター周辺を徒歩で探検したが何時までもホカホカだった)
大満足の温泉銭湯420円だった。尚、銭湯なのだがボディシャンプーとリンスインシャンプーが備え付けてあり、蛇口から出湯するのも温泉水と思しいが泡立ちには問題がなかった。(ま、ここでは銭湯のマナーとして体を洗うだけで、第1源泉の中でもヌルスベしていると体表面の老廃物はみんな取れてしまいそうだ)機会が在れば再訪したい素晴らしい温泉である。
結局、夕食が食べられぬまま温泉を満喫してしまい、このまま野付半島ビジターセンターの駐車場に行ってみる事にした。先客はキャブコン1台だけがトイレ横で車中泊モードで駐まっていただけだった。我が家は夕食準備で電子レンジを使うだろうから最も離れた普通車枠に駐車した。砂州周囲は波の音も大きいので短時間なら発電機使用も問題ないかと・・・思うしか無い。キャンプ場で炊いて冷凍していた炊き込み御飯と白御飯の残りを電子レンジで温めて、コープさっぽろパセオ堺町で買ってキャンプ場で作って冷凍しておいたおかずとの食事をした。ZIL520の中だけで料理を作ってホームフリージングしていく事は多少無理が在りそうだが途中でキャンプ場泊を交えれば、こうして食事に溢(あぶ)れた車中泊中でも普通の食事を食べる事が出来そうだ。イザとなればインスタント食品も積んでは来ているが・・・インスタントは極力食べたく無いモノだ。(渡道するフェリーの中では電源を要求しない方が駐車場所や入船の順番が楽なのでキャンピングカーに代えてからはフェリーで電源を要求した事がない。だからサブバッテリーを温存する為にフェリー乗船前に冷蔵庫を停止するので冷蔵や冷凍が必要な食品は北海道で購入し北海道で消費する事にしている。今回は最初の段階で、釧路市のイオンが21時閉店だと知らなかった事で早い内に食糧確保が出来なかったが、キャンプ場泊で仕切り直ししてからは冷凍冷蔵庫を上手く活用出来たと思う。野付半島を出れば食事に困る場所には行かない筈なので、この時点でフリーザーが空になるのは逆に良かったのだと思う。後は離道までのアイスクリームやヨーグルト等と飲み物が冷えていれば問題無い筈)このまま調子に乗って、明日朝の為にガス炊飯器で御飯を炊いておかかと梅干しのおにぎりを作っておいた。
久し振りに落ち着いた夜を過ごして久し振りにTV鑑賞でもしようと思ったがブロックノイズが多く視聴に耐えない。毎夜試験的にBSでニュースは見てきたが霧多布より北では全国版の筈の自動追尾BSアンテナでも仰角の関係で満足に受像出来ないのカモ知れない。後日、千歳や苫小牧で試したら問題なくBSが受像できたので緯度の問題だと思っておく事にする。TVも見られないので懐中電灯を頼りに周辺探検に出掛ける。駐車場脇の堤防の向こう側は海のようで激しく波が砕ける音が聞こえるが、暗闇の中で砕ける波の音を聞くと・・・ナンダカ怖い。曇り空で星1つみえず懐中電灯を消すと周囲は鼻を摘まれても判らないカモ知れない漆黒の闇だ。日常生活では何かの人口光が必ず身近にあり全くの漆黒の闇なんか体験する機会が無いのだが・・・。換気の為に天井の換気口を僅かに開けて22時前には就寝した。
他の車中泊の皆さんは朝早い様で7時には我が家1台だけがポツンと残っていた。
晴れていれば看板に書かれたイラストの様に、おめでたい紅白の灯台と色とりどりの花の咲く緑の岬が見えるらしいが・・・
一応、紅白の霧多布灯台。
霧多布展望台にはカモメがキチンと整列して待っていた。
展望台から岬先端を見ても濃い海霧で殆ど何も見えない。
展望台からの光景は判らないが兎に角、取り敢えず霧多布岬に来た!と云う事で良しとする事にしておいた。霧多布と云うからには霧の多い処なのだろうから霧が晴れる時の方が珍しい、普段の当たり前の夏の光景だと思うしか無いだろう。
起きだしてきた娘さんと共に車内で道の駅「忠類」で買ったパンと「コープさっぽろパセオ堺町」で買った珍しいモノ等の朝食を食べた。
この「シベリア」は県民ショーで紹介されていたので興味本位で購入。「羊羹カステラ」
展望台駐車場に隣接している霧多布キャンプ場(バンガローは1500円?だがテントキャンプや車中泊は無料らしい)のペットサイトにキャンパーの方が到着してサイトを築き始めていた。海霧が激しいのでキャンプ・ファニチャーを出す端から結露していって大変そうだった。買い食いをした後のゴミを外部ゴミ入れに整理して再出発した。
先日の釧路湿原探訪では、三日月湖等の川の屈曲の様子が見えにくかったので霧多布湿原の琵琶瀬展望台に立ち寄って双眼鏡で琵琶瀬川が蛇行する大パノラマを堪能した。
根室に入り本土最東端の納沙布岬を目指す前に「花咲車石」を見る。花咲灯台下の崖に露出する放射状の柱状節理をもつ奇岩であり、車輪石ホイール・ストーンと呼ばれている。6500万年~1億3000万年の間に堆積岩の軟泥層へ溶岩が貫入し海水中で急激に冷やされ柱状節理が形成されたが、その先端部で狭い穴からニュルニュルと吹き出す溶岩が海水中で放射状に柱状節理を形成したと云う全世界でも珍しい奇岩であり国の天然記念物として根室を代表する景勝地・・・だと思っている。が・・・、観光駐車場には車中泊車両が1台居たモノの車石周辺は完全に我が家の貸し切りで天然記念物独り占め状態だった。奇岩マニアの妻は大喜びで・・・直径6mの車石を登って触れ満喫していた。
納沙布岬を見てから昼食の予定だったが、この「花咲車石」で思いの外に時間が掛かったので既に昼飯時を過ぎつつあるので、根室の名物料理だと聞いている「エスカロップ」を食べに「ニュー・モンブラン」へ。事前調査では「どりあん」か「ニュー・モンブラン」かで人気を分け合っている様だ。そもそも論で云えば、今は無き「モンブラン」と云う洋食屋さんで開発されたメニューで、その「モンブラン」で働いていたシェフが独立してやっているのが「ニュー・モンブラン」であり、「ニュー・モンブラン」で修行したのが「どりあん」のマスターなのだそうだから・・・系統樹的に元祖に近いのは「ニュー・モンブラン」だと決めた次第。(・・・と云う話を、厚かましくも店内で妻子相手に講釈していると地元の方から「どりあん」の方が「モンブラン」に近い味だと教えられたので、次の機会が在れば「どりあん」で「エスカロップ」をチャレンジしたい。但し、「どりあん」には駐車場が無いらしいので車を置く場所を考えないと無理カモ?)
昼ご飯時を少し過ぎた位だが「ニュー・モンブラン」は満席の状態だった。駐車場所を聞くと裏手の駐車場を指示された。何でも40分待ち・・・なのだそうだが、これは恐らく炊飯器の炊飯時間+の待ち時間だと思う。ここ「ニュー・モンブラン」の「エスカロップ」は細かく刻んだ筍入りのバターライスの上に薄い豚カツを細く切った(肉を細く切る=エスカロップ)モノを載せ洋食屋さんらしいデミグラスソースが掛かった食べ物だ。「ニュー・モンブラン」か「どりあん」かと騒がなくても根室市内の大部分の喫茶店や洋食屋さんでは定番のメニューだそうだし、釧路市以北のコンビニではエスカロップ弁当(これは赤エスカ=ケチャップライスのエスカロップ)も売られている根室の定番メニューなのだそうだ。(と・・・、店内に居合わせた地元のエスカ通の方に聞いた話。因みに、「ニュー・モンブラン」や「どりあん」の「エスカロップ」は「白エスカ」なのだそうだ)
因みに、これにスープがついて840円。量は普通盛りだが高カロリーなので腹保ちは良いカモ?この後、茹で立て花咲カニを食べる機会が在ったのだが本領発揮出来なかった。メニューには特に書いていないが・・・地元の常連さんは「白エスカ大盛」を頼んで居られた。
いよいよ納沙布岬である。本土最東端と云う碑が建っている場所よりナビの地図で見ると灯台の在る辺りの方が更に東にあるので先ずは納沙布岬灯台の方に行き本土最東端を感じてみるが、良く判らなかった。土産物屋さんの前の納沙布岬本土最東端の地の碑の前は記念撮影のメッカだったので我が家は辞退し、その奥の独立行政法人・北方領土問題対策協会の公園を見て回り北方館では四島返還を願う署名を家族全員で書いてきた。が・・・9000万人に迫る方々が署名を連ねて見ても、今までの延長線上でロシアが四島返還を行うとは到底思えない。又、歴代閣僚や総理大臣もこの地を訪ねたそうだが、まさか四島返還を願う署名に名を連ねただけでは無いのだろうか?もし四島返還が我が国民の悲願であるならば、その強い意思をロシア側が見過ごし放置出来ない形で伝え続けるしか無いのだろう。だが、実際は・・・二島返還ですら覚束ない様だ。
土産物屋さんと並ぶ食堂では花咲ガニを茹でていたので、茹で立て花咲カニを食べる事に・・・。臭みが無くて甘くて美味しい。カニの味だが、他の種類のカニとは明らかに違う香味を感じる。2~3杯は食べられると思っていたが・・・エスカロップが効いて1人1匹ずつで良しとした。(因みに、重さにも拠るが花咲カニ一杯は3~4000円である)既に夕方が迫っているが緯度が高いからか曇り空の癖に不思議に明るい。このまま次の目的地野付半島に向かって走る事にする。
夕食が食べられそうな場所を暫定的に道の駅「スワン44ねむろ」と決めナビをセットして走り始め到着は18時前だったが、ナンとレストランの営業時間は10:00~15:30(4~10月)でオーダーストップが30分前なので15時までに辿り着かないと食事には有り付けない様だ。駐車場には4~5台のキャンピングカーと共に10台余りの車中泊車両が駐車していたが、10時まで朝食が食べられない道の駅で車中泊しても仕方がないのでトイレ休憩だけで離脱した。
夕食が食べられそうな店は海沿いの国道243号→244号線の野付国道沿いには無い様で別海温泉がある内陸部に入るしか無いのだが、これから行っても営業時間内に辿り着けるか判らない。(そもそも、妻が持ってきた「るるぶナビ・ドライブ北海道」には観光客向けのレストランの情報しか無いので営業時間等は判らない。停車してスマホで調べると云う事をせずズルズルと走ってしまった)せめて風呂は入りたいと思って(野付半島を通り越えた国道272号との分岐当たりに「るるぶナビ・ドライブ北海道」の地図には温泉マークが在ったので、そこを目指して)走っていると、国道244号線から海側を見下ろした処の赤い屋根に「野付温泉 浜の湯」と大書きしてあった。
積んでいるパナソのナビの周辺検索では「温泉」項目では引っ掛からなかったので勘を頼りに国道から海側へ降りて探すと「野付温泉 浜の湯」を見つけた。ナビ画面には店名が表示されていて調べるとパナソニックのHDナビの情報では「温泉」ではなく「銭湯」の項目で収録されていた様だ。
娘さんは銭湯系は嫌いらしいので恐る恐る入ったが、この入浴料大人1人420円の銭湯扱いの温泉は実は素晴らしい温泉だったのだ。
〒086-1643 北海道野付郡別海町尾岱沼港町235-5
「野付温泉 浜の湯」
0153-86-2600 日帰り入浴10時~22時半
銭湯だけど源泉掛け流しの温泉が2種類愉しめる。第1源泉は源泉温度28.8℃、成分総計277ミリグラムの低張性単純泉だがpH9.3のアルカリ泉だ。高松の仏生山温泉でアルカリ泉好きになった私だが仏生山温泉のアルカリ度はpH7.7で、ここはpH9.3だ。化学の世界では弱アルカリだろうが源泉掛け流しで入浴する部類では当に正真正銘のアルカリ泉だろう。もうヌルスベである。足の裏の角質も勝手にヌルスベになってしまう強力さだ。そして第2源泉は道東では比較的普通の源泉温度55.3℃、成分総計10,500ミリグラムの高張性ナトリウム塩化物泉だ。だが、このナトリウム塩化物泉も只者ではなく湯上がりに洗い流さなくても海水のようにベタベタしない不思議な感じである。
露天風呂には2つの浴槽があり、片側は第1源泉の源泉そのまま無加温の28度が入っていて温めの水風呂として愉しめる。(水風呂なのにヌルスベだ)アルカリ泉は薄い緑色だ。もう片側は42度に冷却した第2源泉の高張性ナトリウム塩化物泉が入っている。コチラの色はやや淡い茶褐色で北海道らしい柔らかなモール臭が漂う。
内湯も同じく2つの源泉が愉しめるが、内湯の第1源泉は第2源泉の熱交換(第2源泉を入浴可能な42度に下げる為)で39度程度に加温している源泉100%掛け流しであり、第2源泉も100%源泉掛け流しである。下世話なカルキ臭など皆無で源泉100%の湯がザァ~ザァ~と贅沢に溢れている。ここの低温の第1源泉は最高だ。今回の北海道キャラバン中に入った全ての温泉中で勿論最高だが、今までの生涯で考えても5位以内(3~4位)の最高レベルの温泉だった。そんな素晴らしい温泉が銭湯扱いで眠っているなんて恐るべき北海道だと思う。
我が家では暗黙の了解で1時間ルールと云うモノがありナンの約束もしなくても1時間で出る事になっているのだが、既に1時間を遙かに超えていて・・・妻子が怒っているカモと思い急いで出たが妻もヌルスベのアルカリ泉の堪能していた様で1時間半で出て来た。(体の芯から温もるようで、後刻野付半島ビジターセンター周辺を徒歩で探検したが何時までもホカホカだった)
大満足の温泉銭湯420円だった。尚、銭湯なのだがボディシャンプーとリンスインシャンプーが備え付けてあり、蛇口から出湯するのも温泉水と思しいが泡立ちには問題がなかった。(ま、ここでは銭湯のマナーとして体を洗うだけで、第1源泉の中でもヌルスベしていると体表面の老廃物はみんな取れてしまいそうだ)機会が在れば再訪したい素晴らしい温泉である。
結局、夕食が食べられぬまま温泉を満喫してしまい、このまま野付半島ビジターセンターの駐車場に行ってみる事にした。先客はキャブコン1台だけがトイレ横で車中泊モードで駐まっていただけだった。我が家は夕食準備で電子レンジを使うだろうから最も離れた普通車枠に駐車した。砂州周囲は波の音も大きいので短時間なら発電機使用も問題ないかと・・・思うしか無い。キャンプ場で炊いて冷凍していた炊き込み御飯と白御飯の残りを電子レンジで温めて、コープさっぽろパセオ堺町で買ってキャンプ場で作って冷凍しておいたおかずとの食事をした。ZIL520の中だけで料理を作ってホームフリージングしていく事は多少無理が在りそうだが途中でキャンプ場泊を交えれば、こうして食事に溢(あぶ)れた車中泊中でも普通の食事を食べる事が出来そうだ。イザとなればインスタント食品も積んでは来ているが・・・インスタントは極力食べたく無いモノだ。(渡道するフェリーの中では電源を要求しない方が駐車場所や入船の順番が楽なのでキャンピングカーに代えてからはフェリーで電源を要求した事がない。だからサブバッテリーを温存する為にフェリー乗船前に冷蔵庫を停止するので冷蔵や冷凍が必要な食品は北海道で購入し北海道で消費する事にしている。今回は最初の段階で、釧路市のイオンが21時閉店だと知らなかった事で早い内に食糧確保が出来なかったが、キャンプ場泊で仕切り直ししてからは冷凍冷蔵庫を上手く活用出来たと思う。野付半島を出れば食事に困る場所には行かない筈なので、この時点でフリーザーが空になるのは逆に良かったのだと思う。後は離道までのアイスクリームやヨーグルト等と飲み物が冷えていれば問題無い筈)このまま調子に乗って、明日朝の為にガス炊飯器で御飯を炊いておかかと梅干しのおにぎりを作っておいた。
久し振りに落ち着いた夜を過ごして久し振りにTV鑑賞でもしようと思ったがブロックノイズが多く視聴に耐えない。毎夜試験的にBSでニュースは見てきたが霧多布より北では全国版の筈の自動追尾BSアンテナでも仰角の関係で満足に受像出来ないのカモ知れない。後日、千歳や苫小牧で試したら問題なくBSが受像できたので緯度の問題だと思っておく事にする。TVも見られないので懐中電灯を頼りに周辺探検に出掛ける。駐車場脇の堤防の向こう側は海のようで激しく波が砕ける音が聞こえるが、暗闇の中で砕ける波の音を聞くと・・・ナンダカ怖い。曇り空で星1つみえず懐中電灯を消すと周囲は鼻を摘まれても判らないカモ知れない漆黒の闇だ。日常生活では何かの人口光が必ず身近にあり全くの漆黒の闇なんか体験する機会が無いのだが・・・。換気の為に天井の換気口を僅かに開けて22時前には就寝した。
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