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日本国債は暴落するか?

2012-02-03 20:12:35 | Innocent joke
日本国債バブル「18カ月以内に崩壊する」
米サブプライム危機を予見した男、「日本売り」公言

2012/1/29 12:01  日本経済新聞


URL引用の日本経済新聞の記事を先ずは良く読んで頂きたい。

日経のリードで構成されているインタビュー記事だが、カイル・バス氏は米国大手ヘッジファンドの創設者であり、ヘッジファンドのプロである。

日本国債を含む債券とは、一種の借用証書である。株式には配当が付く代わりに、債券には利息が付く。債券価格や株価は、経済実態や経済環境等の発行者(日本国債なら日本)や企業に関する様々な「情報」を織り込んで瞬時に価格が決まるのだが、こうした「情報」で債券価格や株価が上がったり下がったりするのにタイムラグが発生する場合と、実態よりも割安な水準に置かれている債券・株式もあれば、逆に実態よりも割高な債券・株式も存在するのだ。ヘッジファンドとは、そうした「価格のゆがみ」に注目し、先物取引等を利用して利益を上げようというファンドの事だ。因みに「先物取引」とは、価格や数値が変動する各種商品・指数について、未来の売買についてある価格での取引を保証する事。

日本国債が揺るぎない信頼を持っていれば、単純に市場金利と比べ続ければ良いのだが、EU各国で発生しているデフォルト騒ぎでも明らかな通り、「日本国債でも絶対にデフォルトしないとは言い切れない」とすれば、その危険性は僅かと云えども無視できない事となり、日本国債デフォルトへのヘッジの必要性が増大するだろう。

彼の立場では、「日本国債でも絶対にデフォルトしないとは言い切れない」と正しい事を云い、日本国債への不安をクローズアップさせる事がビジネスの種になる訳だ。日本国債への不安は、通貨としての「円」への不安にも波及し、単なる債権利回り対市場金利の問題ではなく、そこに為替損益と云う複雑な問題も加わってくる。大方の世界の常識では「円高局面は、いずれ終わる」となっていて、利回り最低の日本国債だが円安局面となれば実効利回りは、大きく化ける可能性があるのだろう。何れにしろヘッジファンドは、伝統的な金融取引や実物商品・債権取引の相場変動によるリスクを回避する為の金融商品であり、カイル・バス氏はヘッジファンドのプロである。

円安局面への移行は瞬時に行われるだろうから、そのタイミングで「円売りドル買い」で大儲け(?)を虎視眈々と見守っている中で、日本国債の危機を謳う事は当然の手法だ。ネットでは個人向け情報サービスでの「ステマ(ステルス・マーケッティング)」事案が多く報告されているが、その巨大版だと思って良いだろう。

タイムトラベルしてやって来た未来人が日本を襲う恐るべき未来(経済的占領)を告げたとしても、そのシナリオ通りに行動しなければならない義理は、我々には無い筈だ。先の記事に書いた通り、日本国債を大部分買っているのは日本の金融機関であり、その原資は日本の金融機関の「預金超過額」だ。その「預金超過額」とは、日本の個人や企業の預金額から貸出金を引いた残り・・・だ。日本の金融機関の預金額がカイル・バス氏の云うシナリオ通りに減少し始める日は、確かに遠くないカモ知れない。だからこそ、緊縮財政で緊縮した国内経済の行き場を失った「預金超過額」を、成長分野への投資で国内経済を再生しなければならない。

「預金超過額」が生じる=企業が金を借りない・・・事とは、金融機関から見て貸すに値する企業が金を借りない事だ。貸したくない企業(貸してはリスクの大きい企業)しか金を借りたがらないのだろう。そして、貸すに値する企業が金を借りないのは、彼らが投資すべき成長分野が見出せないからだ。

その成長分野が何か・・・と云うのが「空白の20年間」の課題だった。このまま10年腕組みして考えても答えは出ないだろう。我々にとっては当たり前の事である「ジャパン・クオリティ」を、この際の売り物にすべきだと以前から書いてきた。GoogleやAppleに代表される成長株には、当初の内は新規性は乏しく、従来からある使い古された技術を上手く並べ替えて金に換える工夫からスタートした。過去記事にも書いてきたが、日本では既に先進性の無い「枯れた技術」でも上手くブラッシュアップし「ジャパン・クオリティ」で展開すれば、一時は時間稼ぎが出来る筈だ。成長分野に最先端を求め続けてきた日本には物足りないカモ知れないが、コンペディターが「枯れた技術」のブラッシュアップで攻めてきているのに先端技術で応戦しようとは無駄の極致である。先ずは、金に換えられるモノを金に換える、それから考えても遅くない・・・と思うのだが如何だろう?

一般国民は知らないのカモ知れないが、脱原発を自然エネルギーで行おうと云うドキュメンタリー番組等の中で「枯れた技術」の分野でも、日本は最先端技術を多く保有し、多くの国に商品展開している事実が報道されていた筈だ。地熱発電プラントでも、太陽熱発電プラントでも、環境負荷の少ない超臨界圧石炭火力発電もある。家電分野でも解放してしまった「枯れた技術」は多いが、未だ金に換わる日本では新規性に乏しく商品価値が失われたと思われている「枯れた技術」は多いだろう。中小零細が保有する「枯れた技術」は折からの不景気で風前の灯火であり、卓越した「枯れた技術」が日々失われいっている。知財権の問題(技術の権利維持)を国策として取り組み、過去の遺産をも金に換える事で当座を乗り切るべきだ。それをイノベーションと呼ぶ。日本ではイノベーションを技術革新と訳してきた。技術革新とは新規技術だけを指すのではなく、「枯れた技術」に於いても新たな価値を創造する事だ。新規技術に限らずとも、「新しい切り口」「新しい捉え方」「新しい活用法」を見出し、高品質な「ジャパンクオリティ」で「枯れた技術」への需要を再創造すべきだ。

日本人は終末論好きで不幸な結末に魅了される傾向が強いのカモ知れない。不幸な結末は多くの識者から既に多く提示されているが、そのまま蕭蕭と不幸な結末に向かって突き進むのが国民の総意だとは思えない。21世紀の世界で成功した企業は、先端技術(だけ)を売り物にしていない。先ず国会議員の先生方にこそ、イノベーションが最も必要なのカモ知れないが・・・。

日本国債大暴落の日、円安局面へ反転加速する日、日本株式大暴落の日・・・全世界から暴落した「日本」は買い漁られて、大部分の上場企業は株式持合も虚しく外資に買収されてしまうので、実質的に日本は経済占領されてしまうだろう。その日が来ない事を願うしか無いのだろうか?

大廈の顛れんとするは一木の支うる所にあらず
(大きい建物が崩れそうになっている時には1本の木では支えきれない)

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