１１月には衆院選挙？

私自身は、民主党に試しに日本の舵取りを任せてみようと思った事もない「人」なので大きな期待も抱かずに「歴史的政権交代とその後」を見守った「口」だったが、この３年程の民主党政権の御粗末さにはホトホト呆れ果てた次第である。国会空転開店休業で会期末を迎えたという今のタイミングで行われたマスコミによる世論調査では、野田内閣の支持率は５ヶ月ぶりに３０％台に回復している。この背景には、今年秋の臨時国会中に解散し総選挙をするだろうと云う野田総理の潔さを予め評価しているのカモ知れない。

マスコミに登場する識者の皆さんは、１０月中旬の臨時国会召集、（恐らく再選される）野田総理の所信表明演説や各党代表質問に翌１週間を使い、補正予算の衆参両院で審議・可決に１週間、解散を条件に懸案の特例公債法案可決に３日・・・そして解散、だから１１月中には衆院選挙と云うスケジュールを想定しているのだろう。マスコミ各社にとって総選挙は大きな飯のタネだろう。先の民主党による歴史的政権交代の裏には、マスコミへ歴史的な選挙協力費（マスコミ工作費）が流入している。マスコミ総体として民主党政権の誕生を望んだか否かは別としても、個々の番組編成上では民主党政権誕生に味方する材料をギャラの分だけ混ぜ込んだのだろう。その結果、マスコミに踊らされて無垢な一般大衆が政権交代に夢を抱いた。今や、マスコミの営業マンは以前の１番手だった自民党へ営業攻勢を掛けているだろうし、勿論、前回の上客だった民主党にも営業攻勢を掛けている筈だ。前回は長年政権の座に居座り続けた自民党の驕りから、民主党にマスコミ工作費で大幅に負けてしまい政権を奪われた反省から、両陣営から史上最高の工作費をせしめる事が出来るカモ知れない。こうなれば金を出さない第三極なんかマスコミの眼中には無くなるのカモ知れない。

拙ブログでは過去にも何度か書いてきたツモリだが、民主党政権は意地汚く任期満了ギリギリまで居座り続けるだろうと思っていた。２５０議席以上だった民主党衆院議員は、次期選挙で１００議席程度まで大幅に議席を減らす事は明らかだ。ならばギリギリまで衆院議員で在り続ける方が「お得」と云うモノだろう。そして、今では、決められない政治の為に任期満了ギリギリまで居直り続けるしか無いのカモとも思い始めた。

野田首相自身も「やるべきことをしっかりやり抜いた後、しかるべき時に国民の信を問う。それ以上でもそれ以下でもない」と当面は解散に踏み切らないと明言している。「やるべきことをしっかりやり抜いた」と云うのは、恐らく一票の格差是正の事だろう。最高裁から違憲状態と指摘される格差是正をせずに解散総選挙をしても、事と次第では選挙結果が無効とされるカモ知れないからだ。

この秋の臨時国会で、選挙制度改革法案の審議を開始しても輿石氏の妙案で紛糾し成案にはならないだろう。もしも、この秋の臨時国会で成立したとしても、有識者で構成される衆院選挙区区画審議会で区割りを決める作業には２～３ヶ月は必要で、その衆院選挙区区画審議会で得た成案を首相に勧告し、それを受けて政府が公職選挙法改正案を国会に提出し審議し可決し成立させた上で、１ヶ月以上の周知期間を経て初めて一票の格差是正された新しい区割りでの衆院選挙が行えるようになる。

つまり・・・、この秋の臨時国会で万が一にも一票の格差是正選挙制度改革法が成立したとしても合憲での衆院選挙が行えるのは最短で４ヶ月後となる訳。（２月解散で３月総選挙？）だが、一票の格差是正と云う憲法違反の解消と、議員定数削減と云う政治課題を同時に処理できる状況には無いのでズルズルと悪気もなく任期末ギリギリまで民主党政権は居座り続ける羽目になると思っている。もし、この秋の臨時国会で一票の格差是正と選挙制度改革法が成立しなければ、来年度の予算編成も政治空白の中で置き去りにされてしまい、その陰で震災復興や景気回復と云った国民の生活に直結する最低限の国の仕事が雨晒しで放置されていくのだろう。

まさか、違憲状態での総選挙が出来ないからと任期を超えてズルズル居座ったりして・・・

＃マスコミの論調が、１１月総選挙一色に揃っているので天の邪鬼の私として捻くれた考えを投じた次第。歴史的政権交代での今回の民主党政権こそが、政治空白であると思っている私なので、一日でも早く政権を明け渡して欲しいと思うのだが・・・。尚、特例公債法案が可決しなくても官僚集団に白旗を揚げれば国会審議不要の「財務省証券（蔵券）」で最低限の予算執行は可能だろう。そうすると・・・この秋の臨時国会も開催しなくても良いのなら内閣不信任案も出されないので民主党政権は当分は安泰となってしまう？（まさか・・・）