四王天延孝著『ユダヤ思想及び運動』
附録第三 シオンの議定書
第十七 議定
弁護士制度の改正
・・・・・・・・宗教破壊
・・・・・・・・ユダヤ王が世界法王
・・・・・・・・義勇警察
・・・・・・・・スパイ
・・・・・・・・密告は恥ずべきことに非ず
〔弁護士制度の改正〕
弁護士業と云ふものは
人間を冷酷、惨酷、頑固、無主義にし、
儲け人間味の無い純粋の法律観に立たせる。
弁護士は如何なる弁護をも引き受け、
法理の小細工にこだわって極力無罪を主張する。
之で法廷には道徳が無くなるのである。
それであるから吾々は將來少範囲を限って弁護士業は許可するが、
之を役人とするのである。
弁護士は裁判官同様に、弁護を受ける人と交渉は出来なくする。
法廷から公訴書類を受取り裁判所の紀錄を調査して、
法廷に於ける裁判官の取り調べが濟んで事實が明になった後弁護をする。
弁護士は一様の俸給を受けるので事件の結果には關係はない。
弁護士の任務は官憲が有罪を主張するに對して
単に防護の位置に立て事件を論ずるのである。
それで裁判は短縮されて個人的利益の為ではなく、
眞に被吿の無罪を信じてやる正直な公平な弁護が行はれるのである。
この方式にすると弁護士界に行はれる腐敗行為が無くなり、
金を余計に出す者でなければ勝てないと云ふ弊風が除かれる。
〔宗教破壊〕
吾々はゴイムの僧侶の信用を墜とすことに尽力して今日迄その方に大なる成功を收めた。
民衆の上に及ぼす僧侶の勢力は日に日に下がって行くのである。
現今では到る處に信敎の自由が宣言されたから
基督教の転落はここ数年間の問題に過ぎなくなった。
他の宗教に至って之よりもモット容易である。
併しその問題を論ずるのはまだ過早である。
吾々は宗門や宗門人が昔持って居た勢力と較べにならない様な程度に
彼等の勢力を小範囲に局限して終ふ。
法王庁を決定的に破域して終ふ。
時が來たならば、隠れた手が民衆にこの法王庁を指してやる。
併し、民衆が法王庁に躍りかかろうとすると、
吾々は法王庁の保護者の様な姿で現はれて、
流血の惨を許さないことにする。
この轉換によって吾々が法王庁の内部に入り込み
之を全く沒落させる迄は出て來ない。
〔ユダヤ王が世界法王〕
ユダ王が全世界の法王となり、国際寺院の族長となる。
併し吾々が青年層を過渡的の新しい信仰に、
次で之をユダヤ教に育て上げる迄は、
吾々は表て向きに現存寺院には触れないで、
内部の軋轢を醸さして、
之を論難することで闘爭する。
概して吾々の近代新聞は国家問題、宗教、ゴイムの無能を指摘するが、
それには最も不正直な用語を使って百方中傷する。
之は天才的の吾々ユダヤ民族丈に出來ることなのである。
吾々の体勢は印度のヴィシュタ—神の支配を勧奨するので、
その象徴たる百本の手が一つ一つ社會機関の発條を握ってゐるのである。
〔義勇警察〕
表向きの警察は吾々がゴイムの為に造り上げ、
現在の政権には物が見えないようにしてあるものだが、
吾々にはその手を借らずに見えるのである。
吾々の計画では人民の三人に就いて一人が自發的に國家に御奉公の積りで、
他のものを義務心に基づき監視するのである。
〔スパイ、密告は恥ずべきことに非ず〕
その時にスパイになったり密吿者になることは恥づべきことでは無い。
之は褒められべきことだ。
併し根拠の無いことを密吿したものは之を厳罰して、密吿権の濫用を防ぐのである。
吾々の手先は社會の下層からも、最上階からも採用する。
それは遊び好きな連中の中の出版業、 印刷業、書店、商人、勞働者、馬車の禦者、
カフエのボーイなどから選び出す。
この警察には職権を持たせず、自ら行動することも許さないから、
権能はないので、唯證人となり告発をする丈である。
夫等の人の供述を確かめたり、逮捕を実施することは、
責任ある警察の監察官連のやることである。
逮捕そのものは憲兵隊及都市警察が実施するのである。
警察事件に就て見聞したことを報告しないものは
隠匿罪又は共犯又はその二罪倶罪と見做される。
今日於て吾々のユダヤ人兄弟は自己の責任を以て、
背敎者やユダヤ教會に反對せんとするものを教會に密告する義務を負はせてあると同様に、
吾々の世界王国に於ても凡ての人民は犯人を吿発する義務を負はせる。
此ゝる組織に関すると、権力の濫用や、腐敗を無くし
ゴイムの風習の中に吾々の非凡な権利親念が植えつけた凡ての事柄を破壊する。
吾々がゴイムの風習に種々植えつけたと言ふが、
彼等の政治に混乱を増させる爲には他の方法があったろうか、
如何なる方法で出来るか、
此等の方法の内最も大切なるは、
秩序の維持に任ずる高級の手先を使用することであった。
彼等は破壊的悪質を示すこと卽ち偏狭性、
権力の濫用特に賄路を受けるのを許すことであったのである。