3月20日 神奈川新聞
脱原発で大合流を、県内市民グループが参院選に向け野党に呼び掛け
要請文の回答を受け取る脱原発かながわ勝手連のメンバー=東京都千代田区の衆院第1議員会館
安倍政権が原発ゼロ政策見直しを明言するなか、脱原発を願う県内の市民グループが政治の流れを引き戻そうと模索している。今夏の参院選に向け、脱原発を旗印にした大合流を野党各党に呼び掛け。「政治の現実」の壁は高いが、「自分の1票が無駄にならぬよう、真剣に考えていることを伝えたい」と草の根の民意を届けていく。
このグループは、昨年12月の衆院選で脱原発を掲げる候補を応援した「脱原発かながわ勝手連」。震災3カ月後、横浜市内であったデモを企画した市民団体や個人で結成した。15日、衆院第1議員会館。野党の党首、代表の控室を訪ねて回るメンバーの姿があった。脱原発勢力の結集を求める要請文を先月20日に手渡しており、その回答を得るためだ。秘書が扉の向こうから応対したり、回答を受け取れなかったり、訪問さえ拒まれた党もあった。すげない態度に、メンバーの一人で被災地の復興支援を続ける杉浦幹さん(53)=相模原市南区=は「政治不信というが、政治の側もこちらを信頼していないと感じる」とこぼした。
衆院選では脱原発を唱える政党が乱立。票が分散し、自民党の圧勝につながったとの苦い思いがある。メンバーは埋没した民意を示そうと、賛同人集めを開始。野党間の候補者調整といった選挙協力の後押しになれば、との考えだ。だが、ここにも政治のリアリズムという壁が立ちはだかる。脱原発を鮮明にする社民党でも、秘書から「比例票につなげるため、独自候補者は必要」と告げられた。メンバーには「共倒れのやりきれなさは、もう味わいたくない」と落胆も漏れたが、「憲法も危ない。平和の党として議席を守らねば」。
平和運動に長年関わってきた錦織順子さん(68)=横浜市旭区=は、それでも前を向く。「市民運動の側は政治への関わりを避けてきた面がある。政党としての難しさを共有することからでもいい。デモで一方的に叫んでも変わらないのなら、こちらから飛び込み、互いの距離を縮めたい」これまで集まった賛同人は952人。今後も各党に働き掛け、意見交換の場を設けるなどしていきたいという。
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