暗号句= 偶然、作った句が他人の句と同想であったり、 同じであったりすることをいいます。俳句で言う「類想類句」(同類の発想・同類の句という意味です) 似たような発想の元に、似たような句ができるのは、短詩系文学の宿命です
剽窃句=他人の著作から、部分的に文章、語句、筋、思想などを盗み、自作の中に自分のものとして用いることです。 他人の作品をそっくりそのまま自分のものと偽る「盗作」とは異なります。
文芸にはオマージュとパロデイーという概念があります。
オマージュはオリジナルをリスペクトし、同様な描写・フレーズ・シチュエーションなどを、引用したり、匂わせたりといった形で創作されます。作品そのものがオマージュの性質を帯びているものは「オマージュ作品」と呼ばれることもあります。
パロデイーも既存の作品を引用し自分の作品に取り入れることであり、オマージュと共通する点はあります。ただ、パロデイーは風刺、批判が主眼になることが多く、必ずしもリスペクトが必要とされず、対象作品から敬意が欠落したものが多いようです。川柳という文芸はその性格上パロデイーは多くありますが、オマージュ作品はあまりないように思います。しかし、当然、読者の知識、感性、理解力によるものなので個人差はあると思います。
暗合句と剽窃句は取り下げもしくは辞退されるべきもので存在しないのが当然ですが、作者、選者、あるいは出版社の怠慢により残っているものもあります。
パロデイーの川柳
貸付けのかねは上野か浅草か 古川柳
花の雲鐘は上野か浅草か 芭蕉
煮うり屋の柱は馬に喰われけり 古川柳
煮うり屋とは飯とおかずの魚や野菜などの煮物を売る小さな店で中には酒を提供する店もあった。この句は馬方が煮うり屋に入り一杯やり出したのだろう。表に繋がれた馬が退屈そうに柱を舐めたり噛んだりしている場面を詠んだのだろう。
道のべのむくげは馬に喰はれけり 芭蕉
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