川柳茶房 Toujirou

笑いの少ない川柳ですが・・・。

大晦日 3

2023-12-31 18:19:40 | 日記

大晦日母不器用な唸り声    古川柳

大晦日に借金取りが来ている。これまで何度も言い訳を並べて追い返している。今回はさてどうしたものか。母親が病気という事にして、言い訳していたら、奥から母親の病人らしいうめき声が聞こえてきた。と言うようなことだろう。もちろん仮病と分かるのだが結果は上手くいっただろうか。大晦日と借金取りの取り合わせは、古川柳の時代からよく詠まれている。

大三十日ここを仕切ってこう攻めて    

借金取りと攻防戦。

大晦日おぎゃあおぎゃあと防ぐなり

「赤ちゃんが出来て予想外の出費で」などと言い訳している。

元日にいけまじまじと甦り

大晦日は死んだことにして切り抜けたが元日には生き返る。

 


大晦日 2

2023-12-31 14:31:41 | 日記

大晦日定めなき世の定め哉  井原西鶴

「運命など解らない人の世でも、大晦日だけは決まったようにやってくる」という意味だろうか。人の「運命」は予測できない世の中でも、大晦日は「時間」として捉えれば必ずやってくる「終わり」の時だろう。「大晦日は必ず来る。そして翌日からまた混沌とした日々が始まる」のである。

この句、単に風習として、金銭的な決算、即ち『「ツケの督促」や「借金取り」など、「大晦日」=「一年の決算」』は定めがあると解釈する人が多いようだが少し深読みしてみたい。


大晦日

2023-12-31 12:32:53 | 日記

大晦日によせて

ただひとり風の音聞く大晦日  渥美清 俳号 風天

寅さんこと渥美清の俳句。「芝居も暮らしも贅肉がない人」と言われた人らしい一句。自由律の句も詠まれている。人を笑わせ、喜ばせ、時には勇気、希望を与え、自分はひっそりと風の音を聞いて年を越したのだろう。

行く年しかたないねていよう      

テレビ消しひとりだった大みそか

冬の蚊もふと愛おしく長く病み

立小便する気も失せる冬木立      風天

 

 

 

 

 

大晦日定め亡き世の定め哉   井原西鶴

大晦日母不器用な唸り声    古川柳


江ノ電に乗って

2023-12-31 10:44:30 | 日記

令和5年大晦日。どうにか今日にたどり着いた。今年は肺水腫に苦しみ8月からは人工透析をはじめた。透析わ始めると旅行も儘ならなくなるので6月に思いつくまま旅に出かけた。

軒先すれすれに走る江ノ電に乗ってみたかった。「スラムダンク」の聖地の踏切を車窓に眺め、長谷寺を参詣。翌日は上野の国立西洋美術館に行き、不忍池でボートを漕ぎ、アメ横で食べ歩きとミーハーまる出しの旅だった。

この踏切がアニメの聖地風薫る

明日は雨紫陽花咲き初める

昭和が匂う参道のラムネ瓶

スワンボート妻も少女の顔になる

ボート漕ぐ視線の先にスカイツリー

寛永寺芭蕉も聞いた鐘の音

 

 

 

 


川柳 自由塾

2023-12-25 20:52:05 | 日記

令和5年も残り一週間を切った。昨年6月に熊本番傘お茶の間川柳会を退会し、9月には、番傘川柳本社の同人も辞退した。今年の9月には本社も退会した。ただ、川柳を止めたわけではない。昨年11月に『川柳 自由塾』を立ち上げた。立ち上げたといっても当初会員は5名である。私の古い友人で、川柳に興味がある人がいて後先考えずにスタートした。途中、体調が悪くなって3ケ月中断しが、現在は会員も11名の定員に達した。例会は毎月1回、二題四句の出席者の互選である。少人数でも和気あいあいと運営できたらと思っている。

山の宿星のエールを受信せり

生き切った落ち葉夕陽に溶けていく

アルバムに匂う昭和のエレガンス