弊職、新型コロナウィルス関連でハノイの施設に隔離されておりましたが昨日4月2日に解放されましたので、時系列で報告いたします。
3月15日 ハノイからベトナム航空便でタイ・バンコクへ出張のため渡航した。
3月17日 午前中、翌日18日のベトナム航空便でハノイへ帰る予定だったがフライトが取り消しになった。振替便としてバンコク→ホーチミン→ハノイの便に予約変更した。
同日 21:00過ぎホテル滞在中にPCを開いたら、在ベトナム日本国大使館からメールが入っていた。
2020年3月18日00時から,査証免除の者,ベトナム系の人や親族訪問者に対する査証免除書の保有者,その他,特別な場合(例えば,専門家,企業管理者,高技能労働者)については,在住国の権限を持つ機関が発行するCOVID-19感染症の陽性でないとする証明書を持ち,かつ,この証明書に関するベトナムによる承認を得なければ,入国できない。上記の措置は,外交,公用目的のために入国する者に対しては適用されない。 入国する場合は,規定に沿って,検査を受け,適切な感染対策措置を遵守しなければならない。現在,集中隔離となっているケースに加えて,米国,欧州各国,ASEAN各国から入国する者に対する集中隔離を実施する。
あと3時間弱しかない。この時点で積みです。
隔離されること前提にすると、ホーチミンで入国してそのまま隔離されるよりは居住地であるハノイで隔離された方が頼れる人も多いので、急遽タイ国際航空のバンコク→ハノイ便を片道で購入した。
3月18日 バンコク・スワンナプーム国際空港。
3日前に到着した時とは空港の様子が全く異なっていた。ターミナル建屋への入り口を制限して検温等…。
TG564便にて定刻通りに出発した。
19:00頃、ハノイ・ノイバイ国際空港に到着。
飛行機を降りてイミグレーションホールへ向かう通路上でパスポートを預かられた。これはもう有無を言わさずって感じ。そして、通常とは違う状態になったイミグレーションエリアへ。撮影は出来なかったのですが、いつもは人が行列を作っているこの時間この場所、椅子が並べられそこで待機するように指示された。
小一時間待たされただろうか。名前が呼ばれた。
「Can you speal English?」
「You have 2 options.」
「1 is you return back to departure country」
「2 is Isolation 14days」
もちろん14日間の隔離覚悟で突入してきたわけだが、俺はResident Card持ちだし現法の責任者でもあるしもしかしたら、という淡い期待が全く無いわけではなかった。
でも引き返すわけにはいかない。どうせすぐに規制が厳しくなって外国人入国禁止になるに決まっている。ベトナムに入国しないという選択肢はないのだ。
「I chice option 2,Isolation...」と答えた。
ここからまたまた長いこと待たされた。到着したのは19:00頃なのに荷物受取所に案内されたのは日付を回っていた。
さらにここ荷物受取場でさらに待たされた。名前を呼ばれたのはたぶん1:30頃だったと思う。
そこで韓国人2人、中国人2人とオンボロ救急車に乗せられ隔離施設まで連れていかれた。
施設到着、この写真の撮影時刻は2:15だった。
↑隔離施設の入り口。軍管理の研修センター。
場所はココ↓↓↓ ハノイの街中から近い場所で良かった…
https://www.google.co.jp/maps/place/Canteen+A1+Khu+Nh%C3%A0+%E1%BB%9E+sinh+Vi%C3%AAn+Ph%C3%A1p+V%C3%A2n/@20.9560676,105.8491605,18.08z/data=!4m5!3m4!1s0x3135ad40e1310953:0xac68c6d97e1afe0b!8m2!3d20.9563694!4d105.8488338?hl=ja
↑室内。布団がない…。この日はこのまま寝た。
そもそも3泊4日の出張分の荷物しか持っていないので着替えがもうない。
明日は早速現地スタッフに連絡してモノを持ってきてもらうことしした。
・敷布団がなくゴザ1枚なので腰が痛い、尻が擦れて痛い。
技能実習生の送り出し教育に使われているようだ。
3月20日
やっと検査された。鼻と喉に綿棒突っ込んでサンプル採取する検査。
ここから先は何もなく暇な時間を過ごすだけ。
・基本的に部屋からは出られない。
・Wi-Fiはない。スマホでデザリング。
・1日2回、クリーンスーツを纏ったスタッフが検温に来るだけ。
・本当はダメなんだけど、ベランダがあったのでたばこは吸った。
・酒も本当はダメなのだろうが差入れに何本かまぎれさせてビールを持って来てもらって飲んだ。
ただし冷蔵庫はないので温いままだった。
・洗濯は洗剤と大きいたらいが置かれており手洗い。
・歯ブラシ、コップ、シャンプー、ボディソープは支給された。
・シャワーは2カ所あるトイレに併設。貯湯式電気温水器のため水圧が弱かった。
・エアコンはない。扇風機が置かれてあったが今回の14日間のうち気温は最高でも30℃であたっためこれについては本当にラッキーだった。
↓簡易マットレスを差入れしていただいた。
↓部屋の注意書き。ベトナム語だけなので完全には理解できない。
↓隔離部屋全体。
↓ベランダから見える景色。
↓避難経路。
↓トイレ兼シャワー室。
↓ゴミが凄いことになっていた。
↓新しく隔離されに来た人たち。
ちなみに食事はこんな感じでした。量が少ない。
VIETNAM AIR CATERING SERVICEと書いてあるので機内食工場製ですね。
不足分は焼き鳥缶やレトルトカレー、ふりかけ等で補いました。
そうこうしているうちに月も変わり4月1日、
スタッフが部屋に来て
「Good News!!」とか言った。
「皆さんは明日の朝八時にここを出ます!」と変な英語で。
「八時前に荷物をまとめておいてください」
…同部屋には韓国人2人と中国人2人と私の計5人いたのだが、
英語ができるのは私だけだった。
中国人には中国語で伝えた。(私はある程度の中国語はできる)
韓国人は先ほどのスタッフの説明で理解したようだった。
皆、笑みがこぼれた…
その後、血液採取され最後の晩餐。と言っても代り映えのしない機内食だったが。
そして最後の夜景を背景に記念撮影。
4月2日 出所日。
8:00前に荷物をまとめ終え、あとは呼ばれるのを待つだけ。
2週間ぶりにエレベーターホールへ行き1階へ降りた。
そこで最後の検温をされ、検疫証明書を受け取り、パスポートを返却してもらった。
管理スタッフが冗談交じりに「See you again!」なんて言うもんだから「No Again…!」と返してやった。
晴れてバリケードの外へ!外は小雨。
待機させていた会社の車までは何とスタッフが荷物運びを手伝ってくれた。
隔離が終わって…
隔離施設に入れられてすぐの段階では、スタッフがベトナム語でワンワン喚き散らすのでかなり文句言いましたよ。でも通じないのでGoogle翻訳で訳したベトナム語を紙に書いて、「指示を正確に守りたいので英語で説明してくれ」と。この旨は日本大使館にもベトナム政府に要望を出すよう電話・メールで伝えた。そうしたらベトナム語で喚き散らすのはなくなったな。簡単な英語で(例えばYour Name?程度)余計な話はしなくなった。大使館の方、」ありがとうございました。
隔離2週間の間、ベトナムでの規制がどんどん厳しくなっていく中、日本国内の様子もネット記事でチェックしていたが、オリンピック延期が決まった途端に出てくる感染者。
これを見て、ベトナム政府はよくやってるよ…と感心してしまった。
実際、この施設で働いている人は保健局と軍関係の人だと思うのだが、命懸けだなー、と途中からは協力的になってしまった。
とはいえこんなことは一生に一度の経験であってほしい。
出所して初めてみる施設の全景。こんなところ二度と来ねーぞ!