Nasebanaru

アメリカで趣味と生活を綴る

アメリカのクレジットスコア制度

2005-12-20 05:34:11 | アメリカの生活
こちらでは全国民、それとアメリカに居住して納税する人全てにソーシャルセキュリティー番号がつけられ、その番号は一生変わらない。だからこの番号は政府がその人個人の納税記録、年金など社会保障を管理する番号として使い、それと同時に金融会社もこの番号を使用して個人の口座を管理することを認められている。そして金融会社はその人のクレジットカードの使用履歴に応じて個人に点数を与える。それがクレジットスコアと呼ばれるものだ。買い物をして、きちんと支払いをした人には良い点を与え、そうでない人には悪い点を与えるようにしてある。付け加えて言えば、これはクレジットカードの使用歴のみにとどまらず、家賃や電気代、医療費など、ソーシャルセキュリティー番号がなければサービスを基本的に受けられないものへの支払いが滞っていた場合も減点される。
クレジットスコアの基本的なルールはそういうものだが、この説明を読んだだけなら、「なるほど、よく出来ている」と思うだろう。事実、この仕組みは今の米国の個人の経済力を測ることの出来る基本として機能している。同時に私には弱い立場の人間をなるべく長くその位置においておくためにも機能しているように思えてならない。
そのクレジットスコアはこういう場合に利用される。車や住宅のローンを組むとき。電気、ガス、水道などの公共サービスを受けるとき。アパートを借りるとき。

まず車のローンを組むとき。
スコアの良い人は安い金利でローンを組める。スコアの低い人は高い金利を払わされる。結局同じ車を買ってローンを組んでも、お金を持っている人のほうが安く車を手に入れることになる。

公共サービスを受けるとき。
スコアの良い人は保証金をとられない。ただこれはたとえ取られても数年後には帰ってくる。公共サービスで言えば、大体通常の料金の10か月分位を前払いのような感覚で求められる。

アパートを借りるとき。
スコアが悪いと貸してももらえない。いくら手元に現金があってもである。だが借りないわけにはいかないので、結局融通の利くところを探し回り、余計な時間とコストがかかる。

スコアの低い人達というのはたいがい収入の少ない人達で、ただでさえ収入が少なくて困っているのにこの仕打ちである。ここではスコアが低い、と書いたが、スコアが悪い人とは区別して欲しい。スコアの悪い人は支払い義務があっても支払いをしなかった過去のある人だ。この場合は当然何をするにももっと過酷になる。

しかしこれがアメリカの現実として受け止めるしかない。
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