Nasebanaru

アメリカで趣味と生活を綴る

アメリカの動揺

2008-09-26 02:17:35 | 政治
アメリカと日本の新聞の論調をくらべてみると気が付くことがあります。

たとえば景気後退に関する記事。

日本の場合は景気後退が実際に数字に現れ始めるずいぶん前から「景気後退が始まりつつある」と書くことが多いです。

アメリカの場合は実際に景気後退が数字に現れてからもしばらくは「景気が悪くなっているかどうか分からない」と言う論調が続き、株価が暴落したり、大きな会社が倒産して初めて、「こいつは大変だ」となるみたいです。

どちらがいいとかではありません。ただ違いがある、ということです。

しかし今のアメリカの動揺は、日々こちらで商売をしていても肌で感じるほどになっています。商売が低調なこともそうですが、最近は「仕事を探しているのだけれど、雇ってくれませんか」と言うアメリカ人がたくさんうちの店にもやってくるようになりました。

私はコーヒー店を経営しています。アメリカで日本人が経営しているコーヒー店はかなり珍しいと言えるでしょう。しかもショッピングセンターの中のような華々しいところではなく、田舎にある一軒家を借りて商いをしています。このあたりに住んでいる日本人でさえ、私のことを変わり者と思っている人は大勢いるはずです(笑)。

日本人でさえそうなら、アメリカ人にしてみればなおさらです。つまり彼らが私のところに職を求めに来ると言うことは裏を返せばよそで当たってみたけれど仕事が見つからず、それでここに来た、ということです。

日本のバブルがはじけて経済がどん底に落ちていた00年に、日本に一時帰国したことがあります。友人の結婚式に参加するためでした。

あのときの日本は本当に不景気一色でした。肌で感じた、なんて言葉は生やさしすぎるかもしれません。あのころ私はアメリカで始めたすしの商売がうまくいき、好調なアメリカ経済にもあと押しされて大変羽振りの良い時期でした。

「日本の景気が悪いのはお金が巡っていないからだ、ようし、俺がアメリカで稼いだ金を出来る限り使ってやる」

景気の浮き沈みはそんな単純なもので決まるものではありません。所詮は自己満足です。しかし結婚したばかりの友人と酒を酌み交わしているとき、「今の景気は本当に悪い」とつぶやいてうつむいた彼を見て「俺に何か出来ないか」と強烈に感じたことは事実でした。

しかし今回破綻したアメリカ金融機関に出資しているのが日本の金融会社であることを聞き、感慨深いものがあります。バブル崩壊後のどん底不景気を「第二の敗戦」とまで言っていたのです。と言うことはこれは「第三の開戦」といえるのでしょうか。

外交、軍事的に一回、経済的にも一回大失敗を経験した日本です。そういう苦い経験も体験しなければなかなか身にしみて分からないものです。失敗の蓄積のある日本は今度こそうまくやれると思っています。

今回は相手を「殺す」戦いではなく、「生かす」戦いなのです。是非勝利して欲しいと思います。

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