Nasebanaru

アメリカで趣味と生活を綴る

米国産牛肉輸入

2006-03-21 04:13:52 | 政治
タイトルとは関係ないが、WBCにて日本が韓国を破り決勝に進んだことを素直に喜びたい。一度は隣国のライバルにエールを送ったが、私の早とちりだった。ここまで来たらぜひ優勝して欲しい。

タイトルの内容に戻る。アメリカ産牛肉の輸入再開の件は本当によく日本とアメリカのお国柄が出ている。そしてどちらも相手が理解できないと嘆いている。アメリカの側から言えば、日本の基準は厳しすぎる、日本の側から見れば、アメリカの安全基準と、それを管理する体制が甘すぎると主張している。

アメリカにいる身なので言わせてもらうが、どちらの言い分も正しい。

アメリカの基準というのは大概の事柄において日本のそれより甘い。車の品質が顕著な例だ。日本の場合はねじ一本をとってみてもアメリカのそれより誤差の率を抑えてある。そういう部品で組み立てられた車がアメリカ車よりよく走るのは当然だ。だがこれは日本のお家芸とも言えるもので、アメリカ人にはなかなか真似ができない。だから日本の基準は理解できないという。

一方日本側はアメリカの管理体制が甘い、というが、それも事実だ。だがアメリカ人はそれでも一生懸命やっているのである。それに加え、アメリカ人は合理主義的な傾向を持つ国民柄で、科学的に食べても問題ない、と科学者が主張すれば、アメリカ人は何の心配もなくアメリカ牛を食べる現実がある。科学者の一言を鵜呑みにしない日本人にしてみれば、アメリカが理解できない。

こんなこともあった。

いつ誰がそういったのかは知らないが、産婦人科のお医者様か誰かが、赤ちゃんは母乳よりも粉ミルクで育てたほうがよい、という論文を発表し、それが権威を持つようになった。そしてそれからというもの、アメリカのお母さんは母乳よりも粉ミルクを積極的に飲ませるようになったのである。(日本でも同様なことはあったようだが、それはアメリカから渡ってきたものだと理解している。)最近また違う権威あるお医者様がやっぱり母乳がよい、と言い始めてからまた母乳が見直されてきた。

このように、アメリカ人は科学的に裏づけられている、とするものにはめっぽう弱い。

アメリカ政府のその後の対応といえば、輸入が再開されて本来取り除かれているべきものが混入したことに対しては、まあいいじゃないの、今回だけよ、という言い訳の仕方で、その後は、このままでは貿易戦争だ、と脅しをかけてくる。

まさにアメリカ的だ。

ここで日本人はひるんではいけない。日本基準の品質の立派な日本車は世界中で信頼を得ている。なんといってもわれわれは言ってみれば客の立場ではないか。客というのは注文する立場で、いろいろ細かく客の要望を述べるのは当然だ。ステーキを頼むときにレアががいいという人もいればウェルダンがいいという人もいるだろう。注文したものと違うのが出てきたときに突っ返すのは当然だ。それに対して買わないと戦争だ、などと言うほうがどうかしている。

とはいえ、アメリカ産牛肉を心待ちにしている日本人も多いことだろう。ここは彼らの性格を逆手にとって、もっと科学的に、アメリカにいる牛の数から始まって、どれくらいの確率でどれくらい人体に危険性があるかを日本側が文書で示せば、もっと話のテンポがよくなると思うのだがどうだろう。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 団塊の世代のつけを回すな | トップ | 祝 WBC日本優勝 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

政治」カテゴリの最新記事