Nasebanaru

アメリカで趣味と生活を綴る

ラスカルウイング、みたび!

2008-08-31 05:07:31 | ラジコン
零戦の離着陸にもひとつ区切りがつけられることが出来ましたので、早速本業の手作り機です。

最近私とラジコンを一緒に飛ばしたい、と言う変わり者の黒人のおにーさんが現れました。その名も「RJ」。ここに彼の写真がないのが残念です。なかなかのイケメンですし、海軍にいたときに横須賀基地に配属になった経験もあって、日本語も堪能です。

彼と私の仕事の都合から、毎週水曜と木曜の午後、2人で集まって一緒に飛行機を飛ばすようになりました。私がこれまでアップしてきたゼロ戦の飛行写真は、彼に撮ってもらったものです。

目標は「2人で日本機とアメリカ機の空戦をやる」ことです。

ですが、彼は今まで一度もRC機を飛ばした経験がありません。目標がああなので、彼はコルセアだとかムスタングなどの機体を物色しています。

もし初めっからそんな機体を彼に買わせたら、初飛行数秒後に私はRCフレンドを失うことになりかねません。

私がどれくらい機体を壊してきたかを説明し、納得してもらえたので、私の薦めにしたがって、入門用の機体を購入してくれました。私がRC機を始めるきっかけになったものと同じ機体でした。

「なあRJ、初飛行は手伝ってあげるから、なるべく俺も連れて行ってくれよ。」

彼はオーケーと言っていたのに、やはりはやる気持ちを抑えられなかったのでしょう、次に彼が店に現れたときは気まずそうな顔をして、主翼の折れた機体を持参してきました。

きれいに折れていましたので、エポキシとテープで元通りになりました。しかしその日は風が強く、そのまま飛ばしに行くことが出来ず、また来週、ということになりました。

次の週、また気まずそうな顔をしているRJがやってきました。

「今度はどこを壊したんだ?」

「んー、それが…」

そういって見せてくれた機体は、今度は胴体部分のカーボンパイプが折れていました。彼いわく、木にぶつかってしまったので折れちゃった、とのことでしたが、滅多に壊れることのないところを壊して持ってきたのでした。

それからは苦労の連続です。

このカーボンを取り替えれば済む話なのですが、あいにく予備のパーツがお店になく、2人が集まって飛ばせる時間は限られていることもあって、とりあえずは出来るだけの修理をして、初めて2人で飛ばしにいきました。

しかしやはり中途半端な修理だったのでしょう、まともに飛んでくれません。そのうち彼は送信機のアンテナも折ってしまいました。

それでも飛ばしたい気持ちがはやる2人は電波の到達距離が短くなった機体を走って追いかけながら飛ばしたのでした。

「RJ-、俺はもう駄目だー。」

完全に運動不足です。

その後も彼は走り続け、頑張ってどうにかバッテリーが無くなるまでは飛ばしました。

「トシ、ありがとう、面白かったよ」

確かに面白い一日ではありました。

次に彼が現れたとき、彼はまた別の、一回り大きな初心者用セットを小脇に抱えてきました。

「模型屋のボスが、初めて飛ばすのならこれがいいって言ってくれたんだよ。」

その機体には見覚えがありました。小さな町ですから模型屋も限られています。ある店に長らく展示されて箱も色あせていたものでした。

「あの模型屋の親父、在庫処分のつもりだな。」

そう思いましたが、新しい機体を得て光り輝いている彼には何も言うことも出来ず、とりあえず飛ばしに行くことになりました。

かなり大きな機体です。スパンは1メートル以上はあります。プッシャー式でダイレクトですが、モーターは280くらい、しかもテールは私には初めてのVテールです。

「これには墜落防止機能が付いているとボスが言っていたよ。だからこれにしたんだ。」

彼はそういいますが、「墜落しない飛行機」などありえません。彼にはダイレクトには言いませんでしたが、それとなく落ちることもあるよ、と言っておきます。

とりあえずバッテリーをつないで回してみます。

うーん。弱い。

感覚的に推力不足が気になりましたが、時間の無い二人にあーだこーだ言う暇もありません。とりあえず飛ばしました。

正直言ってこんなひどい飛行機は飛ばしたことがありません。推力は心配したほどではありませんでしたが、舵の利きが悪いです。しかも悪いことに時々ノーコンになります。ですから私が飛ばしてみてもさっぱりうまく飛びませんでした。

舵の利きはともかく、ノーコンだけは納得いきません。新品の飛行機なのですから。しばらく飛ばしては落としを繰り返しながら、墜落防止装置のスイッチをオフにすることでこの問題を解決しました。

どうもこの墜落防止機能なるものは、ある一定の角度で機体が下降したときにモーターを自動で止めて、勝手にアップを打つようでした。全くひどい出来です。

それからはよく飛ぶようになり、天候にも恵まれて週2回だけでしたが1ヶ月もするとRJは離着陸も出来るようになって来ました。しかし先週飛ばした時、送信機の故障からついに激しく墜落、飛行不能となってしまいました。

前置きがヒジョーに長くなりました。そこでとうとう私が彼にトレーナー機を作ることになったのです。そこで完成したのが写真のこれです。



RJはプッシャー式の機体をどうにか空中にとどめることが出来るようになっていますので、前回壊した機体と同等の安定性を求めることを第一の目的としました。

ラスカルの修理経験と、主翼がありましたので、2日で完成しました。高翼のラダー機です。なるべく軽く、を心がけ、2セルのバッテリー込みで250グラムで仕上がりました。鶏冠のような補助垂直尾翼と、固定フラップはいろいろ形を試してみましたが、今の形で非常に安定して飛びます。ただ楕円形のこの主翼は翼端失速を起こしやすく、そこが難点です。

もともとキットのラスカルはニッケル水素、ギヤダウンを前提に設計されていましたので、最近の軽くてハイパワーの取り出せるパワーユニットとは相性が良くありませんでした。どうよくないかと言いますと、後ろ重心になりやすいのです。ラスカルをブラシレス、リポ化した際、3セルの1320と言うとてつもなく大きなバッテリーでようやく重心が合った記憶があります。

今回は2セルをのせる予定でしたから主翼を少し後方に下げ、モーターはマウントの外に取り付けました。そうすることで、軽い2セル800でも重心が合いました。

来週の水曜が楽しみです。
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