優しい心

今日はご近所でご不幸があり、お葬式に行ってきました。
家のすぐ近所の方で、1ヶ月ほど前に脳内出血で倒れて病院に入院されていたのですが、一昨日とうとう帰らぬ人となられました。
いつも家の前を通る時にワンちゃんに声をかけて言って下さって、やさしいおじさんでした。

このおじさん、もうかなり前に奥さんと別れて、子供さんが二人いらしたのですが、お二人とも独立して別々に暮らしていらしたので、一人暮らしされてました。
長年、付き合っていらした女性と一緒にあちこち出かけていらっしゃる姿をよく見かけてましたが、周囲から「結婚したら～」って言われても親族の方の反対で結婚はされず、一緒に暮らすこともされなかったようでした。
倒れて入院されてからはその彼女が毎日介護にいらしてたようです。
もちろん、彼女もお通夜とお葬式には列席されていました。
一般席に座ってこぼれる涙を何度もぬぐっていらっしゃいました。

葬儀を終わって、親族の方が棺にお花を入れるときに、ポツンと遠くでハンカチで顔を覆いながら立っていらっしゃる彼女の姿を見て、その気持ちを考えるとつらいだろうなあって思ってました。
すると棺の傍にいた長女さんがツカツカと彼女の傍に来て、手を引いて棺の傍まで引っ張って行ってくれたのです。
彼女も少し表情が緩んで「ありがとう」と言いながら、おじさんにお別れを言いに棺の傍へ。

私はホッとしました。
よその家の事情なので出しゃばる訳にはいかないので、私たちは様子を見てるしか無かったのですが、きっと周りの皆さんもホッとしたはずです。
長女さんの優しい思いやりにきっとおじさんも喜んでくれたと思います。

悲しいお別れの場所のお話でしたが、優しい心に触れた出来事でした。