◆平均点は過去5年で最低。そのワケは?
昨年2018年度の入試問題は簡単すぎで、空前の100点満点者が続出した事態を見たのだろう。
今年は予想通り、問題が難化して平均点も下がった。
去年、予想していたとおりである。
◆得点分布はまんべんなく
2018年度は異常な得点分布だったが今年はなだらかになった。
英語で点数1ケタということはまず起こらない。それは4択問題だからだ。
ア・イ・ウ・エをいい加減にでも埋めていけば、少なくとも3~5問くらいは正解する。
偏差値40以下の受験生にとって都立英語は地獄だ。
独立した文法だけ、英単語だけの問題は出ない。発音問題も1つも出ない。
よって長文が読めなければ、何一つ手が出ないのだ。
分かって正解できるのは、せいぜいリスニングで1~2問である。
今回、正答率が80%以上の問題は1つもなかった。
ということは、偏差値40程度の受験生はカンで四択問題を答え、たまたま当たっていたにすぎない。
リスニングもカンで答えたであろう。
数学ではこういうことは起こらない。
記号問題が2~3問程度しか出ないし、誰でも答えられるような基本計算問題が5~6問は出るからだ。
低学力の子でも対策すれば、20~25点は狙って取れるようになる。
◆「リスニング問題が全滅」は珍しくない!?
普通の入試問題なら、大問1は比較的やさしい問題を出すだろう。
都立でも、国語しかり数学しかり理科しかり。
だが英語は違う。
リスニングはカンタンな問題と難しい問題が混在する。
しかも、問題を見てからやる・やらないという選択ができないのだ。
例えば社会なら、問題文を読んでみて「あ、こりゃ分からないな」と思ったら後回しにできる。
最終的に"捨てる"(=解かずにカンで記号だけ答える)ことになるだろう。それで正しい。
しかしリスニングは「最後まで聞いてみて、答えられるかどうかを判断しなければならない。答えられないとしても、先に他の問題を始めるわけにはいかない」という縛りがある。
"大問1のリスニングは全部捨てて、大問2以降から始める"
という作戦を取ることは可能だが、場合によっては激カンタンな問題は大問1のリスニングにしかない。というケースも多々ある。
実際、2014年度、2015年度には正答率95%超えの問題がリスニングで出ているのだ。
そりゃ捨てられないだろう。
これが過去6年分の大問1、リスニング問題の正答率である。
今年は正答率が2番目に低いだけでなく、正答率80%以上の問題が1つもない。
「分かって答えた解答」が全くなかった受験生もいるはずだ。全部カンね。
◆取りやすいリスニング問題は「Who~?」
今回いちばん正答率が高かったのはこの問題。
問いは
Who is the tallest in John's family?
選択肢は
ア John.
イ Bob.
ウ Mike.
エ John's father.
イ Bob.
ウ Mike.
エ John's father.
whatやwhere、whyに比べれば格段に聞きやすく、答えやすい。
たかがリスニング、何とかなる。
たかをくくっていたら、偏差値50程度の受験生でも全滅を喰らう可能性はある。
リスニングで点を取りたいのなら、それなりの準備をしよう。
リスニング対策については、後に記事にしよう。
◆結局、長文を読めなければ偏差値50は夢のまた夢
カンで答えることを禁止したら、平均点を取ることはまず不可能になるだろう。
くどいが都立英語は長文とリスニングしか出ないのだ。
ではそういう受験生は、何を取ればいいのか。
ずばり文全体を読まずとも、傍線部あたりだけ読めば解ける問題である。
今回、リスニング以外でもっとも正答率が高かったのがこの問題。
2行読めば答えられる。
もちろんこれを解くには英単語の語彙がなければならない。
英語の点が取れないと嘆く前に、1つでも多くの英単語を覚え理解しておくこと。
教材は教科書3年分で十分だ。太字の英単語はすべて理解するつもりでいい。
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