取次営業orz

取次の営業とは何か

書籍新刊の予約はできるのか

2010-07-10 | 取次営業の仕事
書店「○○の客注入ったから付けて」
書店「版元に電話したら取次に言えって言われたから配本付けといて」

普通のことですよね。

新刊予約を受けた取次営業は、短冊を作って(未だに)、新刊配本担当者、乃至仕入系スタッフにお願いに行くわけです。

あいよ!って感じで何事もなく予約が完了する場合もありますが、そうでない場合が多いですね。

「仕入れ部数がわからないので、付けられるかわかりません」
「フリー分がいくつあるかわからないので付けられるかわかりません」
「とりあえず預かります」
「付けられないかもしれないから、短冊は預かれません」(これは"付けられるかもしれないけど預かりません"ということ)
「おぼえてらんねぇよ」
「あなただけを特別扱いするわけにはいかないんDEATHよねぇ」
「まだ誰が担当するか決まってません」
「あとで部数調べ回すと思うんでとりあえず自分で持っといてください」

まぁ、仕入系スタッフに言わせれば、
"なんでも客注っていえば配本付くと思ってんじゃないわよ。そもそもホントに客注なのかしら。版元に言ってよ。そんないちいち客注なんか受けてたら仕事終わんないわ。見落としたり忘れたりしたら、アタシのせいになっちゃうじゃない。どこの書店に送ろうがこっちは返品が少なければそれでいいのよ。めんどくさいわね。"
てな感じなんじゃないですか。

ムカつく気持ちを抑えつつ、冷静に考えてみれば、このスタッフの行動は間違ってはいないのかもしれないのです。

新刊委託制度については前回書きました。
『出版社や取次販売会社は、書店に対し出版物を配本し、書店は配本された出版物を販売し、売れ残った商品については一定期間内の返品が認められる制度。』
DEATH。

つまり出版物を配本する権限は「出版社や取次販売会社」に有り、書店には無いということです。だからこそ「売れ残った商品については一定期間内の返品が認められる」のです。

書店「バカヤロウ!カバチタレてんじゃねぇ!客注なんだぞ!返品しねぇんだよ!付けろやゴルァ!!」

そのとおりです。客注対応は書店の生命線です。1冊の本が、顧客のライフタイムバリューを決定付けることもあるでしょう。

そこでお願いDEATH。

書店は新刊の客注を受けたら、まず出版社に連絡しましょう。大事なお客様の注文なのですから取次営業に丸投げしちゃダメですヨ。

出版社は新刊の事前予約を受けてください。受けられない場合でも「取次に任せている」というような無責任なことは言わないでください。

仕入系スタッフは「事前予約は受けられない」と宣言してください。受けられるのでれあれば、締切日や提出先、提出方法を明確にし、営業と書店に開示してください。あなた方の高慢で曖昧な対応は、結果的に書店の客離れを推進していることに気づいてください。
「なんだ注文できないのか。じゃネットで買おっと」と読者に思っていただいた方が、書店へのダメージは少ないはずです。


それにしても、取次営業はあらゆるところに頭を下げて、こういったケースの対応に奔走していますよね。書店への営業活動以上に、社内営業に骨が折れます。

取次営業の社内カースト制度におけるヴァルナはシュードラですからね。
えっ?不可触だって!?

次回は社内カースト制についてです。