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鹿児島市電と指宿枕崎線でW最南端

2014年04月05日 | 乗り鉄
桜島+市電の撮影が出来る場所はそれ程多くないが、東側の終点鹿児島駅前はそのうちの一か所。
 電柱と重なっているが右奥に見えているのが桜島だ。

 所用で鹿児島と枕崎(!)に行く機会があったので、未乗車路線の一つである鹿児島市電と、学生の頃に乗車した指宿枕崎線の指宿以西の区間に40数年ぶりに乗車してきました。

 まず初日、2時間程時間があったので、鹿児島市電に乗車しました。 鹿児島市電は、鹿児島駅前から谷山を結ぶ、第一期線+谷山線(鹿児島駅前〜谷山9.4km)と、第一期線の高見馬場から分岐して鹿児島中央駅前を経由して谷山線の郡元を結ぶ第二期線(3.7km)の大きく2つの路線で構成されていて、運行系統としては第一期線+谷山線を全線走行する1系統と、鹿児島駅前から高見馬場、鹿児島中央駅前を経由して郡元に至る2系統があります。 
 このうち、谷山線の南側終点にあたる谷山電停は日本最南端の電停(鉄道駅としては後述の指宿枕崎線の西大山駅が、またモノレールを含めると沖縄ゆいレールの赤嶺駅が最南端となる)ということで、駅を出たところに下の写真の様な碑が建っています。


日本最南端の電停の碑。こういうものがあると来た甲斐があるというものだ。
奥に見えている電車は低床車ユートラム


鹿児島中央駅前。芝生化された軌道敷やセンターポールの様子が良く分る。
ここは花壇もあって綺麗。

 鹿児島市電は架線柱のセンターポール化や、軌道敷緑化(芝生化)など、都市の景観や環境に良く配慮されているのが特長で、特に軌道敷緑化(芝生化)についてはこちらに詳しく紹介されているように、見た目が美しいだけではなく、走行音の吸収や路面の蓄熱現象の低減といった環境面の効果があり、さらには自動車の軌道内侵入の抑止効果もあって電車の定時運行にも大きく寄与していると思われます。 
 また、車両面では近年ユートラムの愛称で呼ばれる低床車の導入が進められており、感覚的には3〜4本に1本ぐらいの頻度でこれらの低床車が運行されているようです。 運行頻度は各系統日中は6〜7分毎の高頻度ですが、私が乗った電車はいずれも末端区間を別にすれば座席が埋まって数人の立客が居るという感じのまずまずの乗車率で、良く利用されている印象を受けました。 路面電車は外が見えて街の様子が良く分るし、乗り降りも電停へのアクセスも楽なので、これで通勤通学時の輸送力が確保されるならもっと見直されて然るべき交通機関だと思います。

 さて翌日は指宿枕崎線で枕崎に向かいます。 指宿枕崎線は喜入あたりまでは鹿児島市への通勤輸送、指宿までは「指宿のたまて箱」という観光特急も走る温泉・観光輸送で支えられている訳ですが、その先枕崎までは純然たるローカル線で、指宿(山川)〜枕崎直通列車は一日6本しかありません。 また鹿児島市対枕崎のアクセスでは、ショートカットルートを走る特急バスの所要が約1.5時間であるのに対し、三角形の2辺を辿る列車は約2.5時間も掛かりますので、特にローカル区間の指宿〜枕崎区間の利用者としては沿線の高校生と車に乗れない老人・子供、さらには極少数の鉄道ファンといったことになりそうです。 
 

喜入あたりまでは時折車窓から桜島が望める。平川-瀬々串間にて。


山川駅で15分程停車。指宿をめざす多くの列車は一駅先のこの山川駅で折り返す。
 写真右側は直ぐに海岸。 駅前にヤシの木もあって南国ムードが漂う。

 この路線の西大山駅は本土の鉄道の最南端駅になります。 列車が駅に近づくとホームに人が溢れていて驚いたのですが、結局これらの人は写真やビデオを撮影するだけで列車に乗る訳では無く、列車はガラガラのまま出発することになりました。 尚、この駅では列車は2分間停車し、さらに発車前にはタイフォンを鳴らして知らせてくれるといったサービスがありますので、安心して写真を撮ることが出来ました。


西大山駅では多くの「客」が居たが、結局「乗客」にはならず仕舞い。
無人駅で入場券収入にもならずJR九州にとっては? 列車正面に見えているのは開聞岳


東開聞-開聞あたりでは車窓左側に開聞岳が美しい姿を見せる。 
窓を開けて写真が撮れるのもローカル線ならでは。

 40年近くも前になりますが、学生の頃訪問した枕崎には、鹿児島本線の伊集院から加世田を経由して枕崎に至る鹿児島交通と、この指宿枕崎線の2つの路線が通じており、立派な駅がありました。 当時枕崎はカツオ漁で栄えており、経済的な位置づけも今よりずっと高かったようです。 その後1984年に鹿児島交通が廃止になり、さらに駅跡地の売却で指宿枕崎線の枕崎が東に移設(路線長が100m短くなった)され、しばらくは駅舎も無くホームだけの終着駅という寂しい姿だったのですが、2013年に市民の寄付で駅舎が建設され今の姿になりました。 ローカル線乗車ファンとしてはやはりこの駅は本土最南端の記念すべき終着駅なので、このような駅舎が建設されたのは有難いことですね。


記念撮影用のモニュメントや駅舎が整備された枕崎駅。 
この日はテレビ撮影があっていつもより乗客が多かった様だ。
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