風台風の襲来で主要ライフラインの電気で飯を食べている
私たちの職場は,主に倒木による設備損傷,停電のいち早い復旧にこの週を過ごしている。
風の通り道では予想をはるかに超える大木の倒壊で高圧線がばたばたと切れている。
広範囲なので人海作戦でもかなりの時間を要するのは経験で分かる。
そうした中で,思わず頭を抱えて揺れの納まりを待つことになった大地震がきた。
50年位前の十勝沖とどちらが大きいか分からないけど
最近ではもっとも大きな揺れと感じた。
瞬時に停電になったので「電源」だなと想像は出来た。
この停電のために,台風の復旧工事が頓挫してしまった。
一部停電している配電線を復活させるときに,全部が停電していては
その故障箇所に手をつけられないのだ。
一つは停電しているから感電の心配もないし,早く工事が進むのではと
思うところだけど,今の設備ではそうはいかない。
停電していても,発電所が復活したときには突然電気が流れてくるので
うかつに触れることが出来ない。非常に危険なのでこういうときには
復旧工事はいったんストップとなる。丸一日台風停電の復旧工事ができなかった。
そして,仮に停電したまま故障修理を行っても,正常に戻ったかどうかを
確認できないのである。確認できなければいきなり電気が来たときに不具合が起こることもある。
それなら放って置いた方が効率的だ。修理と状態確認を一度にやれるように作業し,面で
故障箇所をつぶしていくのが一般的なやり方だ。
このため風で停電したところは電源の発電所の順次復旧で
送る順番の前のほうにいないと,いつまでも取り残されるのである。
私の住む地区は約12時間の停電でラッキーだったが,
今日の夕方にようやく点灯したところもある。50時間は経っていた。
この差はいろんな意味でとても大きい。
台風の被害に地震被害が上乗せされ,夏だから良かったという長時間停電と
なってしまった。色々な技術が進んだとは言っても,こうした非常時は
人海戦術が主体だ。普段は煙たがられる工事やさんたちだけど,
今日の午前中のある街区の人たちから贈られた「拍手」で仕事を終えることがあるのだ。
みんなびっくりしたと言っていた。
実感としては水の次に無いと困るのが「電気」だと思う。
ガソリンは給油したばかり,カセットボンベは買い置きがあった,
停電が短かった,食料も割りと在庫があった,etc 本当に申し訳ないくらい
ラッキーだったけど,12時間とはいえ停電のプレッシャーはかなりのものだった。
復電したときのあの晴れやかな気持ちはなんともいえなかった。バンザイしたかも。
きょうも遅くまで復旧に当たり,明日はほぼ休めるところまで来た。
自分が現場に行くわけではないけど,それなりに疲労は蓄積する。
裏話では,ここにかけない種類の笑い話や,悲しいくらいおそまつな参謀本部の
実態などがある。また,普段はあきれるくらいの安全推進を図る人たちが
何のためらいもなく「突貫」体制の陣頭指揮をしている。
「非常時」は皆で目を瞑るということだが,何かあって結局傷つくのは現場の汗を流しているものだ。
この辺はもっと文明国としてもっと進化しなければと思う。クールに平常心で坦々とね。
実は私の職場は高齢者も複数いるので,連日の「頑張り」は不可能。
申し訳ないけど3日前から日曜は休みますと数度お願いをして
予防線を張った。おかげで昔のような無茶な突貫にはならないかもしれない。
そんな偉そうなことを言いながらも,このたびは,いかに自分のライフライン対策が
お粗末かということを嫌というほど思い知らされた。
今度こそ!
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