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日日是好日(?)日記

つれづれなるままにサッカー、フィギュアスケート、ときどき映画など。

今さらながらJOの感想2ほかもろもろ

2009-10-10 01:37:13 | 滑走一直線
先ほどの続きです。

さて、日本勢のトップである浅田真央選手。満を持してのFP「鐘」のお披露目でしたが…

どうも、この件についてはだいたい意見が2つに分かれるんですよね。
1つは、「鐘」素晴らしい!タラ&真央万歳☆という意見。
もう片方は、「鐘」ヤバくない?タラソワで大丈夫??という意見。

私はどちらかというと、後者の方ですね。
たぶんそれは、私が浅田選手にオリンピックで勝ってほしいと思っているからでしょう。

正直、彼女の演技を見終わって、また今年もか…と思ったのです。
今年も去年と同じく、滑るだけで精一杯の彼女を見ることになるのかと。

昨季のFP「仮面舞踏会」は確かに浅田真央にしか滑ることのできない高度なプログラムでしたが、同時に難しいエレメント、ステップがぎっしり詰め込まれ、技術的には彼女のレベルアップにつながったのでしょうが、毎回必死で滑っている姿は見ている者にも緊張を強いるような苦しいものでした。そのため、形として指先まで美しく見せることは意識していても、内面からテーマを表現することなんて考える余裕もなかったのではないかと思います。

まあ、「仮面…」はテーマがテーマなんだからそれだけ苦しさが感じられるのは逆に素晴らしいことなのかもしれませんが、私には「鐘」も同じように余裕のないプログラムに感じられました。また、曲もわりと単調に聞こえますので、盛り上がりに欠ける気がしてさらに不安です。

いずれにしても、今のジャッジは、難しい技に挑戦したその意気を買うより、簡単な技でも正確に美しく決める方を評価する傾向にあります。確かに、難しい技をすべて成功させれば余裕で勝てるでしょうが、それが出来なかった場合のリスクは大きい。それに、フィギュアスケートは技術だけのスポーツではないのですから、プログラムの表現ということも重視するべきであり、特に彼女にはもっと内面からの表現力を磨いてもらいたいと思います。ですから、コーチなり振り付け師はそのあたりの戦略を誤らないでもらいたいのです。

浅田真央はまだ若いし、バンクーバーで勝てなくてもソチがあるのだからいいじゃないか、という意見もあるかもしれませんが、この先の5年、何が起こるかなんて誰にもわからないのです。だから、今の彼女が勝てるように考えてほしいと思う。

タラソワコーチのやっていることは賭けみたいなもので、当たれば大きいけれど、外れたときのダメージは大きい。ただでさえオリンピックシーズンですし、隣国のライバル選手もいるのに、コーチ自らそんな重圧をかけないでほしいと思います。

まあ、それを覆すのが浅田真央という選手だとは思うので、これから一気に調子が上がってくることを信じたいと思います。

でもやっぱり思っちゃうけど、本人は大人っぽい滑りを意識しているようですが、19歳なんだから、そんなに急いで大人にならなくてもいいのになあ。それに重くて深刻なだけが大人ではないでしょうに。もう少し今の彼女の良さが生きるような優美な曲や、EX「カプリース」のように陽気で洒脱なスケートの方がいいと思うんですけどね。彼女自身も楽しそうだしさ。どうにかできないものでしょうか??

ともあれ、JOも終わり、今週は高橋大輔の復帰戦となるフィンランディア杯も始まっており、いよいよシニアも本格的なシーズン到来となりましたね。
高橋選手、アイスショーなどで順調な回復ぶりを見せてくれましたが、復帰後初の公式戦、無理はしないでほしいけど、できれば4回転も入るといいですね。

そして、ジュニアの方も今週はクロアチアGPが開催中です。
現在、男女シングルSPで羽生くん、村上佳菜子ちゃんがトップ!
そして、アイスダンスCDでシブタニズも自己ベスト更新でトップ!
このままの成績でフリーまで突っ走ってほしいです☆

実は、東京のGPファイナル最終日のチケットを取りました。
ジュニアのアイスダンス、女子シングルとシニア・ジュニアのエキシビションの日です。このままいけば、シブタニズだけでなく、村上さんも見られそうで楽しみです。頑張ってファイナル出てね!応援します(^O^)/
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今さらながらJOの感想1

2009-10-10 01:27:14 | 滑走一直線
すっかり遅ればせながら、先週土曜日に開催されたフィギュアスケート3地域対抗戦ジャパン・オープンの感想を。(ちなみに、この大会のエキシビションに当たるカーニバル・オン・アイスの方は不覚にも録画失敗かつ放映時間取り違えで見られませんでした…(涙))

結果的には欧州1位、北米2位、日本3位だったのですが、多くの選手が、今季のFPを初披露するということもあって、なかなか期待の膨らむ一戦ではありました。
いずれにしても、団体戦であり、一応公式戦とは言われながらも何となく本格的なGPシリーズ開幕前の練習試合という感が強く、多少ミスがあってもまたこれから頑張ればいいのさ、という若干ユルめの試合でしたね…

日本からは、浅田真央、中野友加里、小塚崇彦、本田武史の4選手が出場しました。

プロスケーターである本田選手はともかく、浅田、中野、小塚の現役3選手にはちょっとほろ苦い今シーズンの滑り出しだったかもしれませんね。

中野選手はとにかく、プログラム開始後のジャンプの転倒で肩を打ったのが心配でした。結局亜脱臼だったんでしたっけ…?あまり深刻なけがでないといいのですが。

彼女の「火の鳥」については、昨年の「ジゼル」とはまた異なる強くしなやかなイメージのプログラムだと思いました。まばゆい炎に包まれて羽ばたく火の鳥。今回はけがもあって本人も思うような出来ではなかったと思うので、今後、万全の状態での滑りを見てみたいと思います。

そして、小塚選手。すでに夏に行われた「The ICE」でSPの方は見たのですが、SP「Bold as love」については、シーズン前とはいえ、本人がインタビューなどで語っている「激しさ」を出すには、彼の滑り自体がちょっと線が細すぎるような気がしたので、こちらのFP「ギター・コンチェルト」の方がプログラムとしては彼のエレガントなスケートに合っているのではないかと思いました。

真面目な話、最初のジャンプで転ぶまでは、ほんとに息をのむようなカッコ良さだったですね。ちょっとジャンプで躓いた後は失速してしまった感がありますが、本人も言っているように、下手にストーリーのある曲より、昨季のSPや今季のプログラムのようにメロディそのものを表現する方が彼には合っていると思います。あとはとにかく、4回転ですね。年下の無良くんも4回転成功してますからね。頑張ってほしいです。

そして、本田君のアランフェス。結構良かったのにな~。思ったより点が出なかったですね。

しかし、何といっても、このJOの主役はロシェット姐さん&ジェフリーのカナダ2人衆でしょう。

ロシェットの「サムソンとデリラ」。若干昨季のメリチャリがかすりつつも、本気で見とれてしまいました。昨季も良かったけど、一段としなやかさとしっとり感が増したような気がします。後半のステップやトランジション部分のうっとりするような艶やかさといい、もう、何なんでしょう、あの完成度は?!ほとんど完璧な仕上がりでしたね。

そして、ジェフリー・バトル。思わず、復帰を薦めたくなるような美しい「エクローグ」。もったいないよなあ…とは思うものの、本人がその気がないなら意味はないですからね。なんにしろ、彼はプロに転向したことでさらに魅せる滑りに磨きがかかったのではないでしょうか。

北米勢ではお気に入りの氷上の貴公子ジェレミー・アボット選手も出ていました。今季から佐藤有香さんがコーチをされています。そのせいか、アボット選手の滑走中は解説の有香さんがほとんど喋らなかったですね。やっぱり気になってそれどころではないのだろうなと思いました。今季のFPは当初の「木星」から「オルガン」に変わったようですね。そのせいか動きがややぎこちない印象を受けましたが、これは時間が解決するでしょう。昨季は、全米までの活躍は素晴らしかったですが、後半息切れした感があるので、今季はぜひオリンピック、世界選手権までコンスタントな活躍を期待したいです。

優勝を果たしたヨーロッパ勢ですが、なんといっても最大の貢献者は帰ってきたあの男!!!そして、新たな波乱の予感をもたらすヨーロッパの女王の活躍も忘れてはいけません。

ということで、お帰り、ランビエール!
やっぱり、そうこなくっちゃですよ。復帰してくれて本当に嬉しいです。
既にネーデルホルン杯優勝を引っ提げての参加ですが、さすがの貫禄、そして、誰もが目を離すことのできない、彼のアーティスティックなスケート。今季はピアソラの「ブエノスアイレスの秋」で滑るのもピアソラ好きとしては嬉しいところです。高橋大輔も帰ってきたし、今季の男子シングルはほんとに盛り上がりますね!
オリンピックにしても、誰が勝ってもおかしくないですから。いやー、楽しみだわー。

それにつけても、レピスト。なんか、また更にうまくなってないですか???
そりゃ勿論欧州1位なんだし、いつも国際大会では上位争いに出てくるし、当たり前といえば当たり前なんだけど、このJOでの「アディオス・ノニーノ」(これもピアソラ)は、彼女の持ち味の端正で爽やかなスケートに、さらに伸びやかさが加わってとても素晴らしかったです。赤の衣装も似合いますねー。本人も滑っていて楽しそうでしたし、正直、私の中ではロシェットに次いでジェフリーと2位を争っちゃうくらい良かったです。日本勢にとってはこの人も本当に手ごわいライバルですね。

で、ここで浅田真央選手について書いてみたら、つい熱が入って長くなったので、ちょっと次のエントリーに分割します。ということで、感想その1はこれにておしまい。












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フィギュアスケート JGP第2戦 at レイクプラシッド 最終結果

2009-09-06 19:28:56 | 滑走一直線
さて、レイクプラシッド大会もすべての競技を終了しました。

何よりもまず、アイスダンス、マイア&アレックスのシブタニズですが、CD、OD、FDすべてパーソナルベスト更新で、すべてのカテゴリーで1位となり、総合でも堂々の1位です!!おめでとうございます☆

CDについては昨日書いていますので、ODとFDの感想を。

ODは今年の課題が「Folk」ということで、日系の彼らが選んだのは日本の曲。
「いつかまた」と「青き風」のメドレーで、和太鼓を中心に、琴や和楽器のメロディーが重なるリズミカルな曲です。

マイア、アレックスともに白地に紫の三角うろこ模様のはっぴ姿で登場し、イントロの琴の音に合わせてダンス開始。和太鼓の力強いリズムに合わせて、スピード感あふれるシャープな滑りを見せてくれました。

とりわけ、前半のサイドバイサイドトゥイズルの素晴らしいシンクロ具合といったら!回転のスピードもかなり速いのですが、あそこまで2人の動きがぴったりなのは本当に見事でした。

そして、FDはタンゴ。ピアソラの名曲「アディオス・ノニーノ」をアレンジした「タンゴ・ラプソディ」に乗って、キレのあるステップを踏んでいきます。

衣装はマイアちゃんが真紅の衣装、アレックス君はCDのときと同じ形の白の上衣に黒のパンツですが、マイアちゃんの衣装と同じ色のバンドを腰に巻いています。

タンゴということで、昨季の名プログラム「Cinema Paradiso」の清楚な雰囲気とはまた違った躍動感のある滑りでしたが、何より、なんか二人とも大人っぽくなったな~という感想を持ちました。マイアちゃんは特にそうかも。でも、相変わらず柔らかくてしなやかな情感のある動きは健在です。

このプログラムのハイライトはやはりワンハンドのローテーションリフトかと思いますが、個人的には最後のシットスピンが見どころだと思います。はっきり見えなかったけれど、途中でマイアちゃんは足を氷に着けておらず、アレックス君の片足だけで回っていたような気が…。その間アレックス君がマイアちゃんを持ち上げている状態で、すごくバランスが難しいと思うので、これがうまく決まっているのはすごいことではないかと思うのですが…。

今季のFDは、彼ら自身で選曲したそうですが、優勝後のインタビューではアレックス君が、「タンゴは大人のダンスですが、僕たちの内面的な成長、ステップアップを示すために選びました。(中略)僕たち兄妹にとって、タンゴは情熱にあふれたもので、必ずしもロマンティックである必要はないものだと思っています。」というような話をしていました(本当はもっといろいろ言っていますが、聞き取り不能かつ適当な訳なので間違っていたらすみません。)。

これからGPシリーズは残りあと1戦ですが、12月のJGPF出場もさることながら、彼らのダンスが今後どう進化していくのか楽しみです。

さて、日本勢の結果ですが、総合で男子シングルの中村健人選手が2位、女子シングルの藤澤亮子選手が4位、ペアの高橋・トラン組が3位という結果でした。

中村君、そして高橋・トラン組の2人、入賞おめでとうございます☆

中村君はFSでは惜しくも3Lzの転倒を含むジャンプでのミスや、ストレートラインステップでのミスがありましたが、何とか立て直して総合2位に入りました。
彼のスケートを見るのは今回が初めてでしたが、FSはフラメンコギターの曲で、なかなか雰囲気がありました。表現力のある選手だと思うので、今後も期待できそうです。

高橋・トラン組のFSは、若干スロージャンプで成美ちゃんの両足着氷がありましたが、まさしく会心の出来でしたね!演技が終わった直後、ポーズを取ったままの成美ちゃんのガッツポーズがそれを物語っていました。FSでは2位という成績です。何より、キス&クライでの成美ちゃんのあのお父さんへの呼びかけ!すごく可愛かったです。本当によかったね。おめでとうございました☆

残念だったのは藤澤さん。結局今の段階でSPしか動画が上がっていないので、FSがどうだったのかわからないのですが、SPは2位につけていて、FSは8位。最終的に総合で4位となりました。スコアだけみると、FSは2点減点があったようなので、結構大きな転倒があったということなのでしょうか。

SPの方は見ましたが、結構背の小さい子なのに、リンクに立つと大きく見えますね。それだけ滑りのスケールが大きいということでしょう。端正で、スピンも、ステップも一つ一つの精度が高くて、何となく浅田真央をほうふつとさせる滑りでした。衣装のせいもあるかもしれませんが…黒とピンクで、浅田真央の今季のEX「カプリース」の衣装と同じ色遣いなので…でも、レイバックからビールマンスピンへのポジションチェンジなどは滑らかでとても美しいスピンでしたし、高い能力を持った選手であることは間違いないと思うので、ポスト浅田真央を目指して頑張ってほしいなと思いました。

しかし、やっぱりフィギュアスケートの話は長くなるなあ。
シニアの方も来月にはGPシリーズが始まりますので、こちらも頑張って試合のレビューをエントリーしていきたいと思います。



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フィギュアスケート JGP第2戦 at レイクプラシッド

2009-09-05 00:34:59 | 滑走一直線
あっという間に9月になり、フィギュアスケートのほうもぼちぼちシーズンインを迎えようとしていますが、一足先にジュニアの方は先週からグランプリシリーズが始まっております。第1戦はハンガリーで行われ、日本からは男子シングルで近藤琢哉選手が5位、女子シングルで今井遥選手が3位との結果でした。

今週も昨日から第2戦がアメリカのレイクプラシッドで行われており、日本からは男子シングルに中村健人選手、女子シングルに藤沢亮子選手、ペアに高橋・トラン組が出場しています。

しかし、なんといっても注目なのは、アイスダンスのアメリカ代表、マイア&アレックス・シブタニ組なのであります☆

今回のJGPレイクプラシッドは、アメリカで開催されているせいか、icenetworkが期間限定で試合の動画を無料配信しています。視聴には登録(無料)が必要ですが、9月4日夜現在では男子シングルSP、ペアSP、アイスダンスのCDの模様を見ることができます。

ということで、さっそくシブタニズのCDを見てみました!

今回の課題はアルゼンチンタンゴです。シブタニズは第2グループのトップで滑走。薄い金色の衣装のマイアちゃんが何となく大人っぽくなっていてどっきり。以前より身長差は少なくなったような気がします。まあ、成長期ですから少し背が伸びたのでしょう。

アレックス君も白の上衣に黒のパンツで相変わらずのスタイルの良さです。
アレックス君は3月の世界ジュニア選手権前に股関節を痛めたとのことであり、今期のGPシリーズの前哨戦となる8月のレイクプラシッド・アイスダンス選手権への出場もけがで取りやめていたとの情報がありましたので、今回はどうかなと思いましたが、さしあたり、CDに関しては問題なさそうでした。

CDは要素・ステップが決まっているとのことですが、細かい部分の優劣は見極められないものの、シブタニズは相変わらずスピードに乗った滑らかなエッジ捌きで堂々の1位となりました。一つ思ったのは、昨年に比べて落ち着きというのか、滑りに自信が伴っていて、余裕というか貫禄を感じさせる堂々たるダンスでした。
いつものように、フリーレッグのラインがきれいにそろっているあたり、見ていて気持ちがいいのです。

このあと、ODは、今年の課題が「Folk」ということで、彼らのルーツを意識してか日本の作曲家による「いつかまた」「青き風」のメドレー、FDはルイス・エンリケ・バカロフの「タンゴ・ラプソディ」(ピアソラの「アディオス・ノニーノ」のアレンジのようです)によるプログラムとのことで、今季初めて見ることになるので、楽しみです。

日本の選手も、SPを終えて、中村健人君が2位、高橋・トラン組が5位との結果です。

中村君はほぼノーミスの演技で、特にジャンプは冒頭の3Lz-2T、3A、3Fといずれもクリーンに決まりました。解説者は特に3Aをほめていましたが、実際にGOEが1.29ついたそうで、素晴らしいシーズンのスタートを切れたと思います。このままFSも調子を落とさず突っ走ってほしいですね。

高橋・トラン組は、ジャンプでの成美ちゃんの着地失敗や、トランジションの部分でマーヴィンが転倒したりとミスがあり、減点はされましたが、相変わらずリフトの高さとその間の成美ちゃんのポジションの美しさに変わりはありません。

まだ女子シングルは動画が上がっていないのですが、藤澤さんも昨年のJGPFで表彰台に上がっていますし、好成績が期待できそうです。

レイクプラシッドGPはこのあと9月5日(日本時間9月6日)まで開催されます。
順次、動画もUPされますので、引き続きチェックしていきたいと思います。



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フィギュアスケート ’08-’09シーズン 勝手にベストプログラム

2009-04-30 00:54:27 | 滑走一直線
しばらくエントリーのないうちに、CLも今朝から準決勝1stレグが始まってますし、書きたいことはそれこそ山のようにあるのですが、まずは、先日国別対抗が終わって’08-’09シーズンが終了したフィギュアスケートから行ってみたいと思います

毎年いろんな事がありますが、今季は何より、昨季までの有力選手の引退、あるいはけがでの欠場なども多く、さらに採点システムも変わって本当に波乱のシーズンでしたが、その分、男子で言えば小塚くんやパトリック・チャンのような若手選手がトップに躍り出たり、女子は「攻め」の浅田真央、「着実」のキム・ヨナというそれぞれ異なった戦略での2強対決など、昨季にも増して見応えのあるシーズンだったと思います。

ということで、そんな’08-’09シーズンの締めくくりとして、独断と偏見によりベストプログラムを選んでみました。

以下は、男女シングルそれぞれのSP,FSと男女取り混ぜてのEXのベスト3と、アイスダンスで印象に残ったプログラムのベスト3です:


男子シングル(SP)


1.ブライアン・ジュベール「RISE」
これはもう、文句なし。ジュベールの真骨頂って感じです。4回転もさることながら、ステップもカッコ良かった。体は固そうですけど…

2.パトリック・チャン「Tango de los Exilados」
音楽に合わせて滑るというより、滑りが音楽を奏でている…そう思ってしまうほどのステップ。ベストパフォーマンスはアホみたいに高得点の四大陸より、エリック杯ですね。

3.小塚崇彦「Take Five」
FSの方もベスト3に入れてるんですが、こっちのSPのようなクール路線の方が小塚くんには似合っている気がします。ちょっと不敵に客席に目線を投げる最初のポーズがお気に入り。


男子シングル(FS)


1.ジェレミー・アボット「Eight Seasons」
どこか翳のある貴公子が奏でる優雅で、しかし力強いタンゴ。GPファイナルの時のパフォーマンスは圧巻でした。後半になって調子が落ちたのが悔やまれます…

2.小塚崇彦「ロミオ」
初めて恋を知ったロミオの初々しさと小塚くんの正統派のクリーンな滑りが良く合っていたと思います。しかし、何となく、恋するロミオになりきることは最後までできていなかった気もします。それはそれとして、あの最後のイーグルの美しさ。スケーティングが上手いというのはこういうことなのね、と毎回納得の滑りでした。

3.エヴァン・ライザチェック「Rhapsody in Blue」
何となくパワースケーターという印象が強かったので、ガーシュウィンの洗練された雰囲気をどう出してくるのかと思っていましたが、「大人の男」のスケートという感じで良かったと思います。世界選手権でのパフォーマンスはとにかく素晴らしかったですね。強いライザチェックを見せつけた感じでした。

女子シングル(SP)

1.キム・ヨナ「死の舞踏」
やっぱり、これも文句なし。ジャンプの前後でまったく落ちないスピード、そしてあの妖艶さ。何度も書いていますが、特に3つ目の3Lzが圧巻です。

2.浅田真央「月の光」
何といっても浅田真央には優美でロマンティックな曲が似合うと思うのです。特に後半のサーキュラーステップやスピンは、優しくこぼれ落ちた月のしずくが湖面に描くいくつもの波紋の広がりを見るようでとても綺麗でした。

3.長洲未来「チャップリン・メドレー」
今季はけがなどでなかなか良いパフォーマンスを見せることができなかった長洲選手ですが、このプログラムはとにかく可愛い!おどけた仕草でチャップリンを演じる長洲未来の魅力があふれていたと思います。日本に負けず劣らずアメリカの女子も選手層の厚さを誇っていますが、彼女にとって来季が納得のいくシーズンであるように祈ります。


女子シングル(FS)

1.中野友加里「ジゼル」
可憐な村娘ジゼルは、中野選手のイメージによく合っていました。スピンはもとより、バレエの動きを取り入れた、爪先で跳ねるようなステップも、柔らかな表情で美しく弧を描くスパイラルも綺麗でした。もう少し試合で見ていたかったプログラムです。

2.鈴木明子「黒い瞳」
黒い瞳。本人の大きな瞳とも相まって、エキゾチックで妖艶な滑りが印象的でした。全日本でのパフォーマンスは本当に素晴らしかったですね。しかし、鈴木選手といえばやっぱり表現力。日本の女子選手ではトップだと思います。

3.浅田真央「仮面舞踏会」
もう、お疲れさまとしか言えないそれくらい見ていてしんどいプログラムでしたが、浅田真央の天才たるゆえんを見せつけられたな~、と思います。正直、プログラム自体は浅田真央のイメージにあまり合っていないと思っていますが、とにかく、彼女にしか滑ることのできないプログラムであり、改めて凄い選手だと思ったので入れました。

男女シングル(EX)

1.鈴木明子「リベルタンゴ」
鈴木明子にはタンゴがよく似合う。いやいや、カッコ良すぎです。衣装も良かったんですよね、黒でスカートの内側だけ赤で。荒川さんか八木沼さんか、誰かも言っていましたがこれ競技用のプログラムにならないのかなあ?それはさておき、あっこちゃんには今後もタンゴ・フラメンコ路線を追求してほしいです。

2.ブライアン・ジュベール「ハレルヤ」
世界選手権のエキシビで滑ったプログラム。ジュべールといえばキレのある「剛」のスケートですけれど、これは彼のスケートの別の一面を見せてくれたプログラムでした。少し哀しげな曲を、しっとりと、柔らかに滑っていて、とても良かったです。

3.ヤニック・ポンセロ「Le skieur」
スキーを履いて滑った、あのNHK杯の時のエキシビが忘れられなくて(笑)キャンデロロといい、彼といい、フランスのスケーターってユニークな演出でお客さんを楽しませてくれる人が多いですね。これで滑っているときのポン君は笑顔もキュートで大変良いです。

アイスダンス

1.マイア&アレックス・シブタニ FD「ニュー・シネマ・パラダイス」
アイスダンスはやっぱり一押しシブタニズ!!ということで、このブログの以前のエントリーにも動画貼ってありますのでぜひ見てみてください。クリーンで滑らかなスケーティングとシニア顔負けのしっとりとした表現力。まるで森の奥に流れる清らかな小川の澄んだ水のような、あるいはそっと頬に触れて吹き抜けていく一陣の風のような、そんな清楚で可憐な魅力のあるペアです。

2.ベルビン/アゴスト OD「Stepping out」

何といっても華のあるペアと言ったらベルアゴ!美女と洒落者って感じでカッコいいですし。そんなベルアゴの魅力がよく出ているプログラムだと思います。このODは衣装も素敵ですよね。ベルビンなんてお人形さんみたい。


3.デイヴィス/ホワイト FD「サムソンとデリラ」

このカップルは、同じシュピルバンド門下のテサモエにはなかなか勝てないけれど、FDなら私はこちらの方が好きです。前半と後半で曲調がガラッと変わりますが、やはり前半のしっとり部分が良いですね。情感のこもった美しいダンスだと思います。



他にもいろいろ印象に残ったプログラムはあるのですが、いやー、きりがないですね…。

来季はいよいよオリンピックイヤーですし、けがから復帰する選手もいますし、引退から現役復帰する選手がいるとかいないとかという話もありますし、今からシーズンインが待ち遠しいです!







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フィギュアスケート世界選手権 女子シングルの感想

2009-04-02 00:00:57 | 滑走一直線
安藤3位、浅田真は4位=金が世界最高点で優勝-世界フィギュア(時事通信) - goo ニュース

ちょっと間が空いてしまいましたが、続けて女子シングルの感想を。

いやいや、何といっても安藤さん3位おめでとうございます
今回は本人も大満足の滑りだったと思いますが、滑る前からいい表情をしていましたね

特に、FPは素晴らしかった実際、FPではキム・ヨナに次ぐ2位だったそうですが、確かに一番印象に残ったのは他の誰でもない安藤美姫の「オルガン」でしたプログラムの変更は大正解だったと思います。疑いなく今季のベストパフォーマンスでしたね
ほとんどノーミスの演技だったと思いますが、冒頭の3Lz-2Loをはじめ、そのあとの2A-3Tのコンビネーションジャンプなどジャンプも良かっただけでなく、今回はつなぎの部分やステップ、スピンなども丁寧に滑っていて、端正で美しいスケートを見せてくれました。

ちなみに私の勝手な意見ですが、どうも、安藤さんの場合は衣装が地味な時は調子がいいように思うのですどなたの趣味かは知りませんがいつもあんまり衣装の趣味は良くない気がするので…2007年の世界選手権優勝の時も衣装はお母さんの手作りの真紅のシンプルな衣装でしたし、今回の紫がかったブルーの衣装もシックで良かった。とはいえ、昨季の「カルメン」はかなり好きなプログラムではありますが

村主さんは総合8位に終わりましたが、ちょっとSPの方が残念でしたね~。彼女もまだまだ来年に向けてやる気満々ですし、ここはひとつフィギュア界のカズ(?!)を目指して頑張ってほしいものですって冗談にしてはいけませんが、彼女もまだ28歳だとは言え、どんどん若い選手が出てくる、台頭してくる中で、現役の選手として競技を続けるだけでも並大抵の努力では足りないのに、世界で8位なのですから、本当に凄いことです。彼女のバンクーバーへの挑戦が実り多いものであることを祈りたいと思います。

さてさて、何かと毎回話題の優勝争いですが、4大陸選手権に続き、今回もこちらに軍配が上がりました…

ということで、キム・ヨナ選手。初優勝おめでとうございます
ジャンプやスピンのミスがありながらも圧倒的な演技で会場の空気を完全に支配したFP「シェヘラザード」もさることながら、やっぱり個人的にはSP「死の舞踏」がとにかく圧巻のパフォーマンスだったと思います。実際には冒頭の3Fにアテンションがついたようですが、見た目には完全にノーミスでしたし。何よりジャンプ2つ目の3Lzが見事なんですよね。着地した後の流れというか、あの足を付かないでキュッと滑って行くところがカッコよくて好きです。

しかしまあ、この人が「世界最高」得点で優勝したことについてはいろいろなところで喧々諤々の論議が巻き起こったようですが、正直、私はルールや採点には全く詳しくないので細かいことは分からないけれど、今回の世界選手権は全般的に点数が高くなっているというか、ちょっとないほど得点が大盤振る舞いになっているような印象がありました。特に女子はシーズンベストスコアを更新する選手が続出していましたし…まあもちろんそれだけどの選手もベストの演技をしていたということではあるのですが、見ていて異様な気がしたのも事実です。そういう意味では、全体的に採点が何か変だったと言えるかもしれないと思います。

でも、シズニー選手や、サラ・マイアー選手、ゲデバニシヴィリ選手の素晴らしいFPを見ていると、確かに点数をあげたくなる気持ちはわかりますね今シーズンは特に苦しい思いをしていたと思うのですが、それだけにほんと、サラ・マイアー選手の涙はこちらもグッとくるものがありましたですよ。

苦しいといえばコストナー選手。SPの方はさておき、FPは散々でしたが、ずいぶん顔色が悪いような気がしたので、具合が悪かったのかもしれませんね。相変わらず脚も長いしスタイル良くって、成功したジャンプの回転はすごくきれいだったのですが、今年は残念でした。でもまた来年もきっとヨーロッパ勢の代表格としてスピードのあるスタイリッシュなスケートで勝負に挑んでくることでしょう。

そして、2位のロシェット選手と6位のレピスト選手。ロシェット選手はなんか、手堅いというか安定感がありますよね。スケート自体もしなやかさが加わって艶やかな滑りになってきたと思います。来年は地元でオリンピックなだけに、どうしたってメダルを意識しないではいられないでしょう。彼氏もショートトラックの選手だそうですが、2人そろってオリンピック出場ってことになるんでしょうか?それも素敵ですね

ヨーロッパチャンピオンのレピスト選手も今年本当に伸びた選手ですね。この人は北欧系にしては割と雰囲気が日本人ぽいので親しみを感じます。彼女のイメージは、爽やかな風かな。動作の一つ一つがクリーンで端正な滑りのできる人ですね。成績も安定しているし、来年のオリンピックでも最終グループに入ってくる可能性は十分にある選手だと思います。

それにしても、浅田真央ちゃんはどうしてしまったのでしょうか。
4大陸の時も精彩を欠く感じではあったけれど、今回はもうSPを滑る前から全く元気のない顔をしていて、とても心配でした。やっぱり彼女には外からいろんなプレッシャーがかかりすぎているのでしょうか。今の彼女はなんだか萎縮してしまっている気がします。

プログラムの方も、正直、今季は特に今季のFPは難易度が高くて詰め込みすぎな気がして、いつも滑るのに必死で余裕のない感じが気になったのですが、今年は冒険するけど来年はしない、とタラソワコーチは言っていたと思うので、来年は戦略を誤らないようにお願いしたいと思います。

しかし、真央ちゃんて日本で練習しているときは誰かコーチに見てもらっているんでしょうか?今の彼女はジャンプで行き詰っていると思うのですが、ジャンプだけでも国内でどなたかに見てもらったらどうかなあと思います。安藤さんも門奈コーチに見てもらっていましたが、元の先生である山田コーチとかに見てもらえたらいいのではないかと思うのですが。タラソワコーチは確かに偉大なコーチなのでしょうし、引き続きそちらはそちらでお願いすればいいと思うけれど、なんだかタラソワさんオンリーだと、真央ちゃんがロシアに練習拠点を移さない限りはあまりコミュニケーションが取れなくて技術・メンタル面ともによろしくないと思うので…

まあ、外野の素人考えはさておき、表彰台には乗れなくても、4位は決して悪い結果ではありませんし、今はとにかくゆっくり休んで、また「女の子の楽しさがいっぱい詰まった笑顔(ℂ中野翠さん)」を取り戻して、それから来年に向かってほしいと思います。(とはいえ、またすぐ国別対抗ってあるんですよね。あれってどういう基準で選手を選んでいるのでしょう?日本には中野友加里さんや鈴木明子さんをはじめ、有力選手がたくさんいるのだからあえてぐったり疲れている面々を引っ張り出さなくてもいいと思うのですが。)

ほか、5位のフラット選手や、7位のレオノワ選手など若い世代の選手のスケートも見ごたえがありました。レオノワいいよね。世界ジュニアで優勝した時は氷の上でガッツポーズしながらぴょんぴょん飛び跳ねていて嬉しさ爆発状態でしたが、この人は滑っているとき本当に楽しそうでいいです

ということでとうとう2008-2009シーズンも終わりましたが、今季も本当に楽しませてもらったなと思います。来年はいよいよオリンピック。それに向けて今後勢力図はどのように変わってくるのか、今から来シーズンの開幕が待ち遠しいです








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フィギュアスケート世界選手権 男子シングルの感想

2009-03-31 00:07:04 | 滑走一直線
小塚6位、織田7位で五輪3枠=ライサチェク逆転で初V-世界フィギュア(時事通信) - goo ニュース

世界選手権終了しましたね。
ということで、男子シングルの感想から。

まずは、日本の男子チーム(?)、五輪3枠獲得おめでとうございます

小塚くん有言実行できたね~SP、FPともに凄いプレッシャーだったと思いますが、それでも落ち着いて自分のできることをきっちりやった感じでした。

今季はGPシリーズ2戦に加えてGPファイナル出場も果たし、出場試合数も多くなっていたわけで、さすがにシーズン最終戦ともなると疲れもあったと思いますし、緊張からかなり硬くなっていたように思うので、ベストパフォーマンスとは言えないかな…という印象ですが、それでも昨季より順位も上がりましたし、よく頑張ってくれたと思います。

あとは、4回転ですね。ぜひ来季は成功させてほしいです。もちろん、バンクーバーで

織田くんは4回転成功は大変素晴らしいのだけれど、ちょっと調子良すぎましたねSPでは壁に激突、FPはコンビネーションジャンプの回数オーバーと、なんだか「…。」なミスが悲しい。特に回数オーバーについては以前にもやらかしてるそうですしシーズン開幕当初に出た某フィギュア雑誌で、田村岳斗さんがこの点に気をつけなさいという趣旨の話をしているのですが、今となってはそれもでも何より4回転の成功は来季に向けてとてもポジティヴな材料ですね

そして初出場の無良くんも、200点超えはできませんでしたが、思い切り滑れて良かったと思います。FPでの3Aも決まりましたしね。ちなみにFPの衣装と髪型は全日本までのより良かったと思います。今季は小塚くんがbreakしましたが、来季は無良くんがそうなれるのか…?楽しみです。

しかし、今年も優勝争いにはドラマがありましたねえ…

ということで、ライザチェック、優勝おめでとう
SPもさることながら、やっぱりFP!!とにかく、完璧

あの回転速くて高いジャンプも、長い手足をフルに活かした縦横無尽のステップも、どれをとってもキレがあってダイナミックな彼の良いところが本当にすべて出し切れた見事なスケートでした

ライザチェックは今回の開催地であるロサンゼルスを生活・練習の拠点にしているそうなので、地元での勝利はひときわ感慨深いことと思います。その分プレッシャーもあったと思うけれど、それがいい方向に働いたということなのでしょう。

そして、プログラム終了前からスタンディングオベーションが起こったこの演技の直後、最終滑走者のジュベールは、何を思いながらリンクに降り立ったのでしょう。

目の前で圧倒的な演技を見せたライバルへの闘争心なのか、それとも、昨季の世界選手権、4Tを成功させながらも4回転を跳ばなかったバトルに攫われてしまった優勝への強い執念だったのか。

こちらも祈るような思いで見つめる中、冒頭の4T、続いての3A-3Tは成功、ほっと一息ついたところで単発の3Aをミスしてどうなることかと思いましたが、その後は大きなミスもなく、最後までこのまま行くか、と思った矢先、最後の最後であの2Aの転倒…

自分に起こったことを一番信じられなかったのはジュベール本人だと思いますが、やっぱり負けは負け。演技終了からずっと、表彰台に上がった後もなんというか呆然としていましたが、昨季よりは評価に納得のいく(というかするしかないけど)結果だったのではないかと思いました。

今回も本人にとっては残念な結果になりましたが、それでも、この人は男子シングルを盛り上げるのには欠かせない選手です。故障や体調不良も多いけれど、健康管理に気をつけて、来年こそ強いジュベールを世界に見せつけてほしいと思います。
しかし、やっぱりこの人近未来路線が似合いますよね。ラストオブモヒカンよりマトリックスの方がどう考えても合ってる。ただ、SPとFPで同じようなものばかり滑るのもどうかと思うので、今後のプログラム作成に当たってはその辺の違いをどう出していくかが問題だと思いますが。

今回の2位はパトリック・チャン選手でしたが、正直、今回一番印象に残ったのは彼のFPでした。相変わらず美しいスケーティングなのですけれど、今回は、特につなぎのスケーティングの部分。音楽に合わせて滑るというより、滑りが音楽を奏でているというのか、氷上に美しいラインを描く彼のエッジから、そして柔らかく舞う指先からラフマニノフが聴こえるかのような素晴らしい滑りでした。
来年のオリンピックは地元開催ですから気合の入り方も格別でしょうし、この人も本当に楽しみです。

そのほか、イタリアのコンテスティ選手はすごくユニークで楽しいスケートでしたし、ベルネルも調子出てきていたみたいで良かったです。残念だったのは今季一押しのアボット選手と、ポンセロ選手。ポンセロ選手なんてTV放映なかったしアボット君は全米までは大活躍だったのになあ…疲れちゃったんでしょうかね。しかし、ジャンプなど技術面のミスはあれど、表現面ではさすがに高評価でしたが。

男子シングルに関しては、今季は開幕前からいろいろと波乱のシーズンでしたが、それまでの実力者が抜けたと思えば、新しい才能がどんどん開花していくし、今までの強豪も相変わらずの強さを見せつけるという感じで本当に最後までドラマティックな年だったなと思います。

来年はプルシェンコも復帰するとかいう話ですし、高橋大輔も戻ってきます。何よりオリンピックイヤーということで、来季は国内でも、国際舞台でも、更なる群雄割拠の予感がする…とにかく、これからしばらくは男子シングルは面白いシーズンが続きそうで今からわくわくします!





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シブタニ☆シブタニ

2009-03-08 00:40:06 | 滑走一直線
MAIA and ALEX SHIBUTANI 2009 Junior Worlds Free Dance


フィギュアスケート好きの私ですが、それほどアイスダンスに詳しいわけではありません。

でも今、アイスダンス、それもジュニアのカテゴリーでとても注目しているペアがいます。
それがこのマイアとアレックスのシブタニ兄妹です。

動画を見ていただくとわかるとおり、まんまのっぺりと日本人顔の彼らは、お父さんが日系2世でお母さんが日本人という、これってハーフなのかどうなのか、といって日本人とも言い切れない、非常に表現に困る日系のアメリカ選手なのであります。

妹のマイアが14歳、兄のアレックスは17歳で、今季からジュニアに上がってきたペアだそうですが、ジュニアGPシリーズ初出場にもかかわらず、初戦フランス杯でいきなり優勝、2戦目のスペインGPで2位という好成績を収め、JGPファイナルにも出場(4位)、全米ジュニア2位、そしてこの動画の2月末にブルガリアで開催された世界ジュニア選手権でも堂々の2位ということで、いきなり1年目から実力の片鱗を見せつけちゃってくれている兄妹チーム、それがシブタニ兄妹なのです。

とはいえ、アイスダンス、しかもジュニアとなるとなかなかTV放映がないので、彼らやその他の選手のプログラムを数多く見ることは難しいのですが、動画などで見る限りで言うと、やはりこのフリーの「ニュー・シネマ・パラダイス(Cinema Paradiso)」は好きですね。エンニオ・モリコーネの美しい調べを、シャープで滑らかなスケーティングと、指先までふんわりと柔らかな動きで、優美にしっとりと踊って見せてくれます。ちなみにこのプログラムは、初戦のフランスGPと現在とでは終盤のリフトの構成が変わっているようで、フランスGPのときのポジションチェンジしながらのリフトと、現在の片足で回りながらのワンハンドでのリフトと、どちらもいいと思いますが、現在の構成の方が見た目がきれいかもしれません。

特に私が好きなのはプログラムの前半、曲が転調した後の片手で片足を持ってもう片方の足だけでくるくる回るツィズル(技の名称がわかりません…)のところ。2人の呼吸というかタイミングがぴったり合っていて素晴らしい。これはオリジナルダンス(OD)の方にも入っていて、そちらも大変良いです。ちなみにODはマイアちゃんの衣装(赤でシンプルかつスタイリッシュ)も良いです。

彼らのダンスについて、特にマイアちゃんの方の動きがテッサ・ヴァーチューに似ているという指摘があるそうですが、シブタニ兄妹もヴァーチュー/モイアー組と同じシュピルバンド/ズエワコーチに付いているそうなので、少なからず影響を受けているのでしょう。しかしまあ、最近のシュピルバンド/ズエワのチームの勢いはすごいですね。ヴァーチュー/モイアーだけでなく、デイヴィス/ホワイトや、かつてはベルビン/アゴスト、ジュニアでもチョック/ズエレンなどなど、最近の国際大会の上位グループは石を投げれば門下生に当たる、って感じになっているというか…その分同門対決も多そうなので大変そうですが。

いずれにしても、ジュニアのレベルでこれだけの実力があるのですから、シニアに上がってきたらどうなるのか、とても期待しています。今のところ、成長期のアレックス君とマイアちゃんの身長差が大分あるので、何となくキャメル体勢のスピンなんかはやりづらそうですが、それはきっと成長に伴って解決していくでしょう。
来年のオリンピックはマイアちゃんの年齢が足りないために出られないそうですが、あと2年もすればシニアの国際大会で彼らの演技が見られるでしょうし、本当に楽しみです。

そして、彼らの国籍の状況がどうなっているのかはわかりませんが、可能であれば、日本代表として国際大会に出てほしいなあ…。とにかく見た目はほんと日本人なので、違和感なく行けそうですよね。

まあ、そうならなくても、もちろん応援しますが、そうなったら日本のアイスダンスももっと盛り上がるかなーっと、思ってみたりするわけなのであります。







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四大陸選手権の感想

2009-02-11 15:27:29 | 滑走一直線
真央3位、金妍児が優勝=村主6位、鈴木は8位-4大陸フィギュア(時事通信) - goo ニュース

先週末の四大陸選手権ですが、地上波での放送を見る限りでは、何となく地元カナダの選手以外は全体的に元気がなかったような気がしましたね…

特にアメリカ勢は国内選手権から2週間での大会参加ということもあったのか、お疲れ気味に見えました。今季からごひいきのジェレミー・アボット選手なんて、ただでさえ白い顔がさらに青白く、いかにも体調不良という様子に見えたので、滑っている間中心配でした。

日本勢も浅田真央をはじめ、織田選手あたりは精彩を欠く感じでしたねえ。

真央ちゃんの不調には驚きましたが、調子が上がらない中でもきっちりFPで1位につけたのは素晴らしいですね。ひざの故障?という報道もありましたが、今季のプログラム、特にFPは難易度の高いジャンプだけでなく、終盤の怒涛のステップまで本当に気が抜けないというか、見ている側からしてもハードな構成になっていて、ちょっと詰め込みすぎではないかという印象があるので、あまり滑り込みすぎると逆に体が持たないんじゃないかという気がしています。彼女のことですから、世界選手権までには必ず復調してくると思いますが、無理しないでうまくベストコンディションに持ってきてほしいですね。

しかし、キム・ヨナのSPは綺麗だったな~。
特に2つ目のジャンプ、3Lzの着地から片足を上げたままイタリアン・フェッテのような感じで滑ったところは素晴らしくカッコ良かったですね。ジャンプの後もスピードが落ちないのはこの人の特徴でもあると思いますが、本当に美しい流れがありました。

そして男子のパトリック・チャンのSP!
この人はGPファイナルの時はダメダメだったのに、ほんとハマると凄い力を発揮しますよね。エリック杯の時も思ったけど、もともと優れた表現力・演技力を持っている選手ですけれど、このSPは特に音楽と滑りがマッチしていて、後半のステップの部分なんかはまさしく彼の真骨頂という感じですね。本当に見入ってしまいます。

彼はプログラムに4回転ジャンプを入れていないのですが、FPも含め、あれだけの美しいスケートには相当の評価が与えられて然るべきかと思います。といいつつ、未だにスコアの付け方(付き方?)はよくわからないのですが…

それはさておき、演技力といえば、小塚くんのロミオ。
まだまだ硬い感じはするものの、なんだかだんだんロミオに見えるようになってきましたね。特に、中盤のスピンの後、そっとジュリエットの頬に触れるシーン(と思われるところ)。ロミオの表情になってきたと思いますし、雰囲気が出てきたと思います。衣装も当初と比べて袖口のフリルとか、若干ふんわり気味になっていますが、本当は、もう少し王子様風になるともっと良いような気がしますね…

四大陸選手権も終わり、いよいよあとは世界選手権を残すのみとなりました。
世界選手権まで、約1か月半の期間がありますが、ヨーロッパ勢も含め、すべての選手のベストパフォーマンスが見られることを願っています。

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フィギュアスケート雑感

2009-01-25 20:28:17 | 滑走一直線
年末に全日本を見ての感想を書きそびれて以後、自分や親の体調不良で投稿が途絶えてしまいました

全日本はとにかく小塚くん&中野さん惜しかった…というのと、村主さん&鈴木さん&織田くん良かったねというのが混ざり合った感じでした。

特に鈴木さんのフリー&EXは素晴らしかったですね
フリーの滑走終了後の彼女の涙には何だかこちらもほろっと来ました

鈴木さんについては今季のプログラムが彼女の個性に合っていることもあるのですが、表現力は今の日本の女子選手の中では間違いなくトップだと思います。
まあ浅田真央は確かに別格ですが…でも彼女が同じプログラムを滑るとしたら意外と軍配は鈴木さんに上がるかもしれないと思うのです。フィギュアスケートには、技術の精度だけでなく、いかに見ている人を魅了するかということも大切な要素であり、その点で鈴木さんは決して真央ちゃんに負けていないと思います。

2月の4大陸選手権での活躍が楽しみです。

さて、今季は特に男子シングルの方は昨季までの強豪選手が引退、けがによる休場などでGPシリーズに出場しなかったり、残った強豪選手もなかなか調子が出なかったりしてちょっと寂しい反面、小塚くんやパトリック・チャン選手といった若い選手の台頭や、アボット選手やポンセロ選手、プレオベール選手のように急激に頭角を現す選手が出てきて面白くなったなと思います。

何より、小塚くんの活躍は本当に嬉しいです。シーズン開始前はまさかこんなこと(スケアメ1位、エリック杯2位、GPF2位)になるとは全く予想できなかったですけど…

そして、ジェレミー・アボット選手
彼は私にとって今季最大の発見(?)です!

もともとフィギュアスケートのプログラムはクラシック音楽を使用して優雅で端正な滑りをするものが多いと思うのですが、今季は特にそういったエレガント系のスケーターが上位に来ることが多い気がします。小塚くん、チャン選手あたりはまさしく正統派のエレガント系ですし、ウィアー選手なんかもそうですよね。

対してジュベール、ライサチェック、ベルネルあたりの「剛」タイプの選手は不調もあってか、ここまでなかなか苦戦しているように思います。あるいは採点方式の変更の影響もあるのかもしれませんが…

そんな中、いきなりGPF初出場で初優勝を飾ったアボット選手も、基本はエレガント系ですし、何よりも音楽を良くとらえた滑りにはついつい引き込まれます。が、この人、意外と滑りは「剛」なんですよね。ここまでの試合で4回転ジャンプは入れてきていないのですが、フリーの方で、終盤に2連続、3連続のコンビネーションジャンプを入れられるあたり結構力強いと思います。ステップもキレがあってスピード感ありますし。

しかし、この人のすごいところは、ステップやジャンプが豪快なのに、まったく貴公子的な印象が変わらないところですね。

個人的な印象ですが、見た目が優美な選手が豪快に滑る、あるいは豪快系の選手が優雅さを醸し出そうとするとかなり印象が中途半端になってしまうと思うのですけれど、この人の場合は違和感がないのです。

そんなわけで今季からはアボット選手も応援するようになりました。

ちょうど今日まで全米選手権で、もうそろそろ男子フリーの結果も出た頃かなと思いますが、SP1位のアボット選手はそのまま逃げ切れたのか…

GPFでは背中の痛みで棄権したジュベールも欧州選手権優勝、さらにSPでまたシーズンベストを更新するなど好調ですし、ぜひアボット君にもトップで世界選手権に乗り込んでもらって、今度こそ小塚×アボット×ジュベールの対決を見たいです




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