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日日是好日(?)日記

つれづれなるままにサッカー、フィギュアスケート、ときどき映画など。

下半期コンサートを振り返る

2011-12-28 00:17:39 | 音と映像の日々
あっという間に2011年も終わりそうです。

今年はわりとコンサートに行った年でした。
3月の大震災で中止になったコンサートもありました。
風邪を引いたり体調がすぐれず断念したコンサートもあります。

しかし、明日も長尾さんがメンバーになっているクヴェレ・カルテットの公演(ライブかな?)に行くのですけれど、何だか長尾さんに始まり長尾さんに終わる1年のような気が…

さておき、9月以降行ったコンサートについて手短に感想など:

・9月23日 響きの森クラシック・シリーズ Vol.37 東京フィル フレッシュ名曲コンサート
 指揮:小林研一郎 Vn:三浦文彰 文京シビックホール

 ムソルグスキー(リムスキー=コルサコフ編):交響詩「はげ山の一夜」
 メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェヘラザード」Op.35(Vn solo: 三浦章宏)

炎のコバケンとハノーファー国際コンクール史上最年少優勝のヴァイオリニストの共演ということでわくわくしながら行って参りました。曲目を見た瞬間、フィギュアスケートファンとしては何だかニンマリしてしまうラインナップ(笑)しかも、コンマスとソリストは親子共演ということで、メンコン終了後やたらにコバケン氏が煽る煽る(笑)ちなみにコバケン氏は熱い!でもちょっと愛らしいオジサマって感じ。

ソリストの三浦くんは19歳。現在、ウィーンに留学中とのことですが、若さと、何て言うのか自負みたいなものが音に出ているような活きのいい演奏でした。ただ、元気いっぱい爆発じゃーみたいな弾き方(?)というわけではなくて、イマドキな外見に比して、音はとても繊細な感じ。男性としてはやや音が細いのではなかろうか、と思ったくらいです。正直に言うと、メンコンは勿論素晴らしかったけれども、個人的には、メンコンよりも他の曲を聴いてみたいかなーと思いました。このコンサートの直前にCDを出していて、そちらではプロコフィエフを弾いているそうです。ちなみに、私達の前の列がずっと空席だったのですが、メンコン終了後、なんとご本人が来られましてビックリ。早速隣の席のおばさま方の攻撃(口撃?)にあっておられました(笑)ご本人は何というのか、若くてかわいらしい男の子でございました。

実のところ、この日、一番良かったのは最後の「シェヘラザード」でした。ソロを務めたのはお父様でコンマスの三浦章宏氏ですが、お父様のヴァイオリンの音の美しさと言ったら!素晴らしかったです~。こんな演奏でヨナさんにシェヘラザードを滑って欲しいなあ…。荒川さんでもいいけど…。あっ、真央ちゃんのも悪くはないですよ、でもね、音源のせいもあるけど私の中ではあれは「マオラザード」なんで。ちなみにこれは褒めコトバなので、怒り狂ってコメントしないで下さいな。可憐で愛らしい知恵モノの姫君より謎めいた妖艶な美女の方が好みってだけですから。



・10月16日 イ・ムジチ合奏団 横浜みなとみらいホール
 Vn solo:アントニオ・アンセルミ

 モーツァルト:セレナード第13番 ト短調 K.525「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
 モーツァルト:交響曲第40番 ト短調 K.550
 ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集 「四季」

日本人はイ・ムジチ好きですよね。わかりやすくて上手いからでしょうか。イ・ムジチ合奏団は今年で結成60周年ということで、別の公演では記念の曲がプログラムに入っているところもあったようですが、この日はモツとお家芸の「四季」でした。実はウチのオットがバイオリンを始めてからずっとこの「四季」の「冬」の第2楽章を練習していて、2週間後に発表会というタイミングで聴きに行ったわけです。

しかしまあ、12人いて、どうしてあんなにひとつの綺麗な音になるのか。目の覚めるような美しい音がどこまでもどこまでもほとばしる。とは言え、実はモツの40番で寝落ちました…。まあ、40番て暗めですしね、というか、クラシック聴きながらだとみょーに気持ちよく眠れますよね。能を見ていてもそうですが。何かα波が出るという話があります。どうなんでしょうか。

気を取り直して「四季」は素晴らしかったです。若干、音をハズしたとこもありましたが。今回はかの高名なアーヨ氏が引退してしまったということで、若手のアンセルミ氏がソリストを務めていました。そのせいか、ちょっと激しめの独奏だったような。アンセルミ氏は外見がイエス・キリストみたいでした。

公演後もイ・ムジチの皆さんはサービス精神旺盛で、なんとアンコールが4曲もありました。特に「赤とんぼ」のチェロのメロディーと「サンタルチア」が印象的。「サンタルチア」、中学の時大好きだった音楽の先生を思い出しました。


・11月23日 ニューフィルハーモニー千葉 第90回定期演奏会
 指揮:藤岡幸夫 Vn:長尾春花  千葉県文化会館
 
 チャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット」
 メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
 チャイコフスキー:交響曲第5番 ホ短調 Op.64

5月のバラコンサート以来久々の長尾さんの演奏でしたが、これが「年末長尾春花3連戦(?)」の幕開けでした。
プログラムはこれまたフィギュアスケートファンには嬉しいデースケさんの「ロミジュリ」から始まりました。

あとで知った話なのですが、ニューフィル千葉は、正規の団員さんが少ないため、この日も全体の3分の2は他のオケから集めた演奏者だったそうですが、そんなことは全然感じられない、よくまとまった演奏でした。ことにチャイ5は素晴らしかったようです(すみません、また寝落ちたのでここはオットの感想です…)。

肝心の長尾さんのメンコンですが、これが、ものすごっっっっっっっっっっく良かったのです。
これまで、彼女の演奏を聴いてきて、彼女はその時々の感情がものすごく音に出やすいタイプのように思っているのですが、今まではわりと音が細かったり、不安定だったりもしていたのが、ソリストの風格十分!というか、音に力強さと揺るぎなさのようなものが加わったように思います。自信みなぎるというのか。第1楽章の繊細な美しい高音も、優美で豊かに歌い上げる第2楽章も、リズミカルに刻む第3楽章も徹頭徹尾素晴らしく、聞き惚れました。

長尾さんは5月に芸大のモーニングコンサートで演奏したブラームスのコンチェルトがとても良かったそうなのですが、昨年の1月に同じ曲を聴いた時にはまだまだという感もあったので、次回は是非ブラコンも聴いてみたいものです。しかし、今回のメンコンは本当に名演でした。個人的にはメンコンは女性ヴァイオリニストの方が合うような気がします。とはいえ、ミルシテインのメンコンが好きではあるのですが。

長尾さんについては12月24日にも学士会館のウィンターコンサートで3曲ほど聴き、明日は室内楽でまた聴くことになります。続きの感想は、年が明けてからまたゆっくり。

では皆様、良いお年を。











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びぼうろく(コンサートなど)

2011-09-04 09:23:25 | 音と映像の日々
忘れそうなので近況報告を兼ねてメモ。

●7月以降行ったコンサート

・7月3日 N響+神尾真由子(埼玉会館)
 指揮 パブロ・ヘラス=カサド
 チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲
 シベリウス 交響曲第2番

神尾さんはすごかったですねーわりと音が重めに聞こえたのと最初はあまり楽器が鳴ってなかった気がしたのだけど、第1楽章のカデンツァの高音の綺麗なこと!
シベ2も良かった。ヘラス=カサド氏は顔はコワイけど私より若いんだなー。どうでもいいけど、埼玉会館は暑かった。

・7月23日 清水和音 ブラームス・プロジェクト4(トッパンホール)
共演 松田理奈(Vn) 林悠介(Vn)鈴木康浩(Va)上森祥平(Vc)

ブラームス ピアノ三重奏曲第1番 ロ長調 Op.8
ブラームス ピアノのための4つの小品 Op.119
ブラームス ピアノ五重奏曲 ヘ短調 Op.34

共演のうちの1人がオットの大好きな松田理奈さんだったので行ったのですが、前日に職場の同僚さんと打ち上げで朝方まで呑んでいたせいで会場着いて席に着くなり爆睡最初に演奏の3名が登場して拍手で起きたのは良かったんですが、ピアノトリオはほぼ熟睡状態で全く覚えておりません2曲目以降から復活して聴いておりました。2曲目については、清水氏が結構バンバン叩くタイプなのか、ブラームスの曲がそう言う曲なのかわかりませんが、寝ていられるような音ではなかったのですよ。でも、とにかく、最後のクインテットが素晴らしく格好良かった。演奏者の皆さんもノリノリで、それぞれのせめぎ合いというのか何というのか、エネルギーがぶつかり合って熱い五重奏でした。

●これから行くコンサートなど

・9月23日 東フィル+三浦文彰(文京シビックホール)
 指揮:小林研一郎
 メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲 ほか

・10月16日 イ・ムジチ合奏団(横浜みなとみらいホール)
・10月23日 日本音楽コンクール ヴァイオリン部門本選会
(東京オペラシティ)

ほか、11月に長尾春花さんが千葉のオケでメンコンを弾くそうなので聴きに行くつもりです。三浦君は楽しみ。ハノーヴァー国際コンクール史上最年少優勝(16歳)だそうですから(現在は19歳)。あと音コンの本選もなにげに楽しみ。

●番外編 入手できて嬉しかったもの

・第三舞台の封印解除+解散公演のチケット

土日しかダメだし、無理じゃろと思って抽選申し込みしたら、当たりました。思えば封印公演を見ているので解除公演も見られて嬉しいですが、解散なのは残念です。とは言え、仕方ないかな~とも思う。これも時代の流れなのか、自分が年を取ったということなのか。両方でしょうかね。
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成田達輝さんのリサイタル

2011-03-21 13:47:33 | 音と映像の日々
3月18日、ヴァイオリニスト成田達輝さんのソロリサイタルに行ってきました。

3月5日に東京フィルとの共演でチャイコフスキーの協奏曲を聴いて以来、成田さんの演奏をまた聴きたいと思っていたのですが、このコンサートも、そして23日に予定されていたロン・ティボー国際コンクール入賞者ガラ・コンサート(中止になりました)も平日開催と言うことで、もともと、行けないものと思ってあきらめていたのです。というのも、今の仕事では、通常、どんなに頑張っても定時で帰ることは難しく、また、定時で上がったとしても開演に間に合わないため、平日開催のコンサートに行くには休みを取らなければなりませんが、3月は年度末でもありそれも難しいのです。成田さんのコンサートはこの後、休日にも予定されていますが、同僚の結婚式等で予定が合わず、次の機会を待つとは言っても、とても残念に思っていたところでした。

そのような中で震災が起こり、東北地方に比べれば程度は軽いものの、東京でも、3月11日を境に、私達の生活は大きな不安に取り巻かれることになりました。そうした震災や原発や停電の影響の中、いくつものコンサートやイベントが中止されました。フィギュアスケート世界選手権の東京開催中止もそうですし、コンサートの関係では私も楽しみにしていた3月19日の松田理奈さん×東響のコンサートが中止になって残念でした。状況を考えれば、やむを得ないとは思うのですが…

このため、てっきり私は3月18日の成田さんのソロリサイタルも中止されるだろうと思っていたのですが、予定通り開催されることを当日の朝に知りました。

職場では、停電等の影響で電車の運行が不安定であることから、定時帰宅が奨励されているとは言え、その中を自分が自分の楽しみのためだけに抜けるのはどうなのか、また、定時に出たとしても開演ぎりぎりになるのは目に見えており、当日券も確実に残っているかはわからないことからさんざん迷いましたが、それでも、どうしても行こうと決めました。震災以降、自分自身が先の見えない漠然とした不安を抱えた日々を過ごしており、少しでもそれを払拭したかったし、何よりも、この機会を逃したら次はいつになるのかわからないと思った時、大げさかも知れませんが、ここで行かなければ自分は後悔するだろうと思ったのです。

途中、京浜東北線が事故で止まっていてもうだめかと思ったりもしましたが、幸い、定時で職場を出ることもでき、会場には開演の19時を少し過ぎたくらいに着いて、どうにか演奏開始の直前で滑り込むことができました。

会場は定員が180人程だったと思いますが、ほぼ満員でした。

冒頭、今回の震災の犠牲者への哀悼の念と被災者への励ましの祈りを込めてとのことで、バッハの「G線上のアリア」が演奏され、その後、下記の7曲(アンコール含め8曲)が休憩を挟んで演奏されました。

サラサーテ:序奏とタランテラ 作品40
ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ
バルトーク:ヴァイオリン・ソナタ第2番BB85
ショーソン:ポエム 作品25
ファリャ:スペイン舞曲
ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ ト長調
ヴィエニャフスキ:華麗なるポロネーズ 第1番
(アンコール)ヨセフ・ヨアヒム・ラス:カヴァティーナ

前回のチャイコンの時に、成田さんの演奏スタイルが非常にスマートだ、と書いたのですけれど、今回聴いてみて思ったのは、必ずしもそれだけではないなということでした。1曲目のサラサーテから、本当に豊かでカラフルな生き生きとした音色で、そして、音が力強い。音量という意味でも強い音が出ていました。これは、男性だからということもあるのかな、と思いますが…ドビュッシーやバルトークなど聴く側にとっても非常に難しい曲もありましたが、テクニックの素晴らしさは言うまでもありません。何より、コンクールの決戦でも素晴らしい演奏をされたラヴェルのソナタを生で聴けて本当に幸せでした。コンクール受賞後と言うこともあると思いますが、全体に、これからぐんぐん昇っていく、そんな勢いを感じる演奏で、ファリャやヴィエニャフスキの華やかな曲も良かった。何となく、スペインとかフランスとか南欧方面の曲が似合う感じの音なのかなと思いました。このあたりはやはり長尾さんとは違うなと言う感じ。当たり前と言えば当たり前ですが。

ひとつ注文を付けるとしたら、ショーソンの曲はちょっと個人的には元気が良すぎるかな、と思いましたので、あと10年後くらいにもう一度聴いてみたいと思います。

いろいろ後で他のブログなど読んでみますと、ご本人も親戚の方が青森にいらっしゃったり、ガラ・コンが中止になったりで心配や不安やがっかりを抱えての演奏だったようですが、そんなことを微塵も感じさせない素晴らしい演奏で、本当に大きな元気をもらうことができ、行って本当に良かったと思いました。何より、こんな大変な時ですが、音楽の素晴らしさ、力を改めて感じました。

状況が状況なだけに、リサイタルの開催は非常に勇気の要る決断だったと思いますが、成田さん、ピアノの新居さん、そして主催のマネジメント会社の方々にも、予定通り開催して下さってありがとうございますと伝えたいです。そして、成田さんの今後の活躍がとても楽しみです。






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Concerts♪

2011-03-05 23:49:48 | 音と映像の日々
前回、長尾さんのコンサートの話を書いてからやや(結構)間が空いていますが、その後もわりによくクラシックのコンサートには行っております。

ちなみに、前回以降行ったコンサートはこんな感じ:

2/3  松田理奈さん(Vn) ミニライブ@山野楽器
2/6  栃木県交響楽団第90回定期 (チャイコン・Vn 奥村愛さん)
2/11 長尾春花さん(Vn)リサイタル@東京文化会館
3/5  東京フィルフレッシュ名曲コンサート
     (チャイコン・Vn 成田達輝さん)

ちなみに、本当は2/20に府中で行われた青木尚佳さんほかのコンサートに行くはずだったのですが、夫婦揃って風邪で断念しました無念です…

そうです、ここでお気づきの方もいらっしゃるでしょう。
「ナンダ、結局見た目で選んでるんじゃんかー。」と。

むむむ正直、否定はできません。今日行った成田くんを除いてはチケット取りもオット主導ですし、皆さんそれぞれ容姿端麗ですからね~。でも、この中でやはり私が好きなのは長尾さんですし、今日聴いてきた成田くんの演奏にも惹かれています。

まあ、それはさておき。なるべく簡単に行ってきた分を振り返ろうと思います。

2/3 松田理奈 ミニライブ@山野楽器

昨年11月に出た彼女のイザイの無伴奏もののCD発売記念のミニライブ。なんと、寒い中裸足で弾いてました!イザイの曲はもちろん良かったのですが、個人的にはラフマニノフの「ヴォカリーズ」を人声の調製で弾いたのが何かグッときました。終わった後のサイン会でそのこと言ったら引き気味でしたけどね、松田さんが…

2/6 栃木県交響楽団第90回定期 (チャイコン・Vn 奥村愛さん)

何とこれが初・生チャイコン。1月に奥村さんのCD発売記念ミニライブに行ったオットがこのコンサートの情報を聞きつけて(?)急遽宇都宮までえっちらおっちら、2時間以上も在来線に揺られて行って参りました。栃響は、アマチュアのオケだそうですが、すごく皆さん熱意にあふれていて、公演自体は大盛況でした。チャイコンは、うーん、奥村さんも上手いヒトではあるんですが…何カ所か音が外れていたところがあったのと、何となく気を抜いているような演奏だった気がして物足りなさを感じました。

2/11 長尾春花さん(Vn)リサイタル@東京文化会館

長尾さんのソロ・リサイタルです。曲目を書いた方がいいのだけど、長くなるので割愛。フランス物の曲が中心でした。前半最後のラヴェル「ツィガーヌ」の途中で、何と、弦が切れるハプニングがあり、後半のはじめに弾き直しされたのですが、かえってスイッチが入った感じでなかなか鬼気迫る演奏が聴けました。プログラムの中で、シマノフスキの「ノクターンとタランテラ」という曲があったのですが、長尾さんはわりとゆったりした曲より、リズムのはっきりした熱狂的な舞曲系の方が合うのかなと思っていたら、アンコールの「タイスの瞑想曲」が素晴らしくて、心が洗われるようでした演奏後、例によって性懲りもなく(!)長尾さんに声をかけさせていただいたところ、前回持って行ったプレゼントのことを覚えていてくれて、ちょっと感激ちなみに、カルメン幻想曲は弾かないの?と聞いたら、「昔やったんですよ~」とのことでした。また弾いて欲しいな~。似合うと思います。でもその前にチャイコン聴きたいです

3/5  東京フィルフレッシュ名曲コンサート(チャイコン・Vn 成田達輝さん)

東京フィルが、「オーケストラ&バレエ」ということでチャイコフスキーの曲目から白鳥の湖のハイライトをバレエ付き(スターダンサーバレエ団)で演るという企画の中で、チャイコンが演奏されると知ったのが1月の終わりくらいで、その時すでに日本人の男性バイオリニストがロン・ティボー国際コンクールで2位入賞とのニュースは知っていたのに、それが成田達輝さんとは結びついていなかったという…そんなお粗末な我々でしたが、チケットを取ってすぐそれがわかって、もの凄く楽しみにしていました。

オケのみで演奏の1曲目が終わって、登場したのは、写真で見ていた素朴な感じの男の子ではなく、すらりとしたイケメン風バイオリニストちょっと中村獅童さんぽい感じかな。本当に、スッとしたきれいな姿勢のまま、演奏スタイルも何というかスマートな感じでした。

ちなみに、これまでのコンサート歴からもおわかりいただけると思いますが、我々夫婦にとって、男性ソリストの演奏を生で聴くのは初めてでした。それで、演奏が始まってすぐに思ったことは、音が強い!ということ。これまで長尾さんを含め、女性ソリストさんのオケとの共演を聴いていると、何となく線が細い感じがしていたのですが、今回の成田くんは、音量というのか、大きさとはまた別として、やっぱり力強くしっかり音が出ているなというのが最初の印象でした。それもあってかと思いますが、何か、ソリストとしてオケを従えている感じで、存在感がありました。演奏は、第一楽章でオケが付いていききれてないところや、後半やや疲れ気味?とか、高音のキレが??という部分も多少はありましたが、全体に疾走感があってとても好きな感じのチャイコンでした特に第三楽章は素晴らしかったと思います。アンコールもやって欲しかったのですが、時間がなかったようで残念。また是非ほかの曲も聴いてみたいと思います。さしあたり、来週のリサイタルに行きたかったのですが、平日につき断念ロン・ティボーのガラ・コンも平日につき断念。嗚呼…

コンサートはこの後、バレエ付きで「白鳥の湖」のハイライトシーンのプログラムがあり、こちらもなかなか良かったです。途中、黒鳥オディールの踊りは、宮本すばるを思い出しながら観ていました(笑)MOON、続き早く出ないかしらん?


ということで、本当は長尾さんと成田くんの演奏スタイルについても書きたかったのですが、いい加減長くなったのでまたの機会にしたいと思います。ちなみに今後は、再来週に松田理奈さん、5月にアンネ=ゾフィー・ムターさん、7月に神尾真由子さんのコンサートに行く予定です。

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長尾さんウィーク♪(その2)

2011-01-23 17:18:18 | 音と映像の日々
ということで、その2です。

2.1月22日(土)CONCERT DUO 2011 "今・一番輝いている2人"
銀座十字屋ホール 景山梨乃(hp)長尾春花(Vn)

昨日は、銀座で行われたハーピストの景山梨乃さんとのデュオ・コンサートに行ってきました。景山さんは現在パリに留学中だそうですが、長尾さんとは以前にも共演していて、仲良しなのだそうです。この日は2人が色違いでおそろいのドレスでとても可愛かったです。

ハープの演奏を聴くのもまた初めてでしたが、ハープってきれいな楽器ですねえ大きいので、自分の楽器をどうやって持ち運ぶのかギモンではありますが。

コンサートは、第1部の前半が2人の合奏、後半は景山さんのソロ、第2部の前半が長尾さんのソロ、後半がまた2人の合奏になっていました。前半の合奏の曲は、それぞれドニゼッティ、ジャン・クラの曲ということで、両方とも初めて聴く曲でした。仲の良い2人ということで、演奏の息もぴったり。

私は初めてだったのでどうしてもハープに目がいってしまったのですが、ハープって何か月夜が似合いそうですよね。音も、カチッとした音も出せるんだろうけど、なんか全体的に柔らかくて、夜の静寂に吸い込まれていくような響き。他の楽器に比べても圧倒的に癒し系の音だと思います。オットは実際、癒されちゃったようで、景山さんのソロの時は大分うとうとしていたようです

第2部はまず長尾さんのソロで、バッハの無伴奏ソナタと、パガニーニのカプリース第1番、第11番の演奏がありました。端正な音のバッハと、超絶技巧のパガニーニ。パガニーニは一瞬つまったかな?と思ったところがありましたが、よくもまあ、あんなに指というか手が動くものですね~。長尾さん、サラサーテのカルメン幻想曲は弾かないのかな?是非聴きたいなと思いながら聴いていました。

そして後半は、私が12月の池袋でノックアウトされたバルトークのルーマニア民族舞曲のハープ伴奏と、サン=サーンスのファンタジーの演奏でした。

ファンタジーももちろん良かったのですが、うーん、やっぱり長尾さんのバルトークが良いです最初の入りから、何とも言えない。この曲は、途中にハーモニクス?というのか、かすれ音?というのかで弾くところがあるのですが、格好良すぎ彼女がロン・ティボーのコンクールの決勝で弾いたのもバルトークの協奏曲だったそうなので、合う作曲家なのかもしれませんね。

最後にアンコールでショスタコーヴィチのセレナーデワルツを2人でやってくれましたが、これも素晴らしかった。前述のように柔らかい印象のあるハープですが、激しい感じも出せるのだなーと思いました。

そして、この日はオットの発案で2人にプレゼントを持って行ったのですが、終了後に直接渡すことができて良かったです。

しかし、オットはずるい。なんか、自分で渡すのが恥ずかしいと言って結局全部私が渡したのですが、それって私だけが熱烈なファンみたいじゃないですか??おまけにヤツの緊張がうつってこちらまでアガってしまい、とんちんかんなことを言って長尾さんに苦笑されましたいずれにしても、何か、友達に頼まれて代わりに告白する高校生のようでしたわ(笑)やれやれ

長尾さんに関しては、2月11日に上野でコンサートがあります。またそれにも行く予定ですが、その前に2本ほど他のヴァイオリニストさんのライブ&演奏会に行くことになっています。そちらも楽しみです。また行ったら感想書くことにしますね~。
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長尾さんウィーク♪(その1)

2011-01-23 17:14:43 | 音と映像の日々
遅くなりましたが、最近お気に入りの若手ヴァイオリニスト、長尾春花さんの演奏会に2週連続で行ってきましたので忘れないうちに感想を。

そもそも、長尾さんを知ったきっかけは…

時々つぶやいてますのでお気づきの方もいらっしゃると思いますが、オットの影響でヴァイオリンの曲を聴くようになってから、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲が特に気に入って色んなヴァイオリニストの演奏を聴くようになりました。そのうち、当初は興味を示さなかったオットも私に感化(洗脳?)されたのか、いつの間にやらチャイコフ好きーになっておったのです。

そんな彼がある日、「この子カワイイしかも上手い」と言って見つけてきたのが、長尾さんが2007年の日本音楽コンクールで優勝した際のチャイコンの動画でした。聞けば、2008年のロン・ティボー国際コンクールでも5位(1位なし)に入ったということで、なかなか有望なヴァイオリニストさんではないか、と思い、12月にヤマハ池袋店で行われたミニライブに行ってみたところ、3曲目のバルトークにがっつりやられてしまった、という次第です。

さて、前置きが長くなりましたが、急いで感想を。

1.1月16日(日)きたもとニューイヤー名曲コンサート
共演:東京フィルハーモニー交響楽団 指揮:北原幸男 ピアノ:井後優弥

実は、我々はこれまでソリストさん単独のコンサートには行ったことがあったのですが、オーケストラを聴きに行くのは初めてでした

もともと、この演奏会のチケットを取るかどうか考えた時に、「北本ってドコ?」ということで、場所がよくわからなかったので一度は見送ったのです(北本市の方、すみません…)しかし、長尾さんのオーケストラとの共演を是非聴いてみたいと思い、よくよく調べてみたら、埼玉だということがわかって(!)、めでたく遠征と相成ったのでありました。

当日の曲目は、次の3曲でした。
1 グリーグ:組曲「ホルベアの時代から」(東フィル)
2 グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調(井後さん+東フィル)
3 ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調(長尾さん+東フィル)

東フィルについては、いろいろな評価があるようですし、オーケストラとして当たり前のことなのでしょうが、私はとにかく生で聴くのは初めてなので、あの弦楽器の各パートの音のそろい具合と、音の厚みというか奥行きに感動しました。ホール自体はそれほど大きなところ(700名収容)ではありませんでしたが、音はとてもきれいに聞こえていたのではないかと思います。1曲目は、ヴァイオリンとヴィオラの各主席奏者の掛け合いなどもありましたが、いずれもお見事!でした。

2曲目のピアノ協奏曲は、今年はフィギュアスケートの安藤美姫・織田信成両選手がFPで使用していることもあり、なじみのある曲でしっかりと聴けました。第1楽章の冒頭のピアノソロが印象的な曲ですが、特に第2楽章が良かった。洋上から、フィヨルドの入り江を俯瞰で追っていくようなイメージでした。今回のピアニストの井後さんは、北本市主催のピアノコンクールのグランプリ受賞者だそうです。このグリーグの曲は、コンクールの際に弾いた曲なのかな~、と思いますが確認はできていません。多分そうだと思いますが。彼は芸大の学生さんで、演奏が終わって拍手に応える際も緊張気味なのが微笑ましかったです。

そして、お待ちかねの長尾さんのブラームス。
実のところ、我々はチャイコンに関してはいろんな音源を持っていますが、ブラームスの協奏曲についてはミルシテイン+ヨッフム+ウィーンフィルのものがあるだけで、それも第3楽章にくるまでは何となく聞き流してしまう感じだったのでお互い集中して聴けるかちょっと心配だったのですが、いったん始まったらとにかく引きこまれました。

正直、第1楽章のヴァイオリンソロが始まった時、ちょっと大丈夫かな~、少し音が細いんじゃないかな~、と思ったのですが、後半に行くに従って、だんだん熱が入って来るというのか、長尾さんも乗ってきて力奏(?)になって一安心。第1楽章の中盤手前あたり(?)の高音の旋律は特に美しく情感にあふれた音で良かったです。オーボエの音が柔らかな第2楽章を経て、第3楽章は指揮者もノリノリでオケ全体も弾むような感じがあってなかなかでした。ただし、贅沢を言うようですが、少し全体的に線の細い演奏だった感じはしました。長尾さんにとっては今回が初めてのブラームスと言うことなので、慎重に弾いていたのかも知れません。またいつか違う組み合わせでも聴いてみたいと思います。

と、いうことで。長くなったので続きはその2に行くことにします。
  
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映画まとめて感想Vol.3(その2)

2009-04-15 23:35:19 | 音と映像の日々
続きです。こうして見ると大体平均で10本くらい見たあたりで感想書かねば、となるような気がするなあ…

4.ターンレフト・ターンライト

まだ気が付いていないけれど、「運命の人」はひょっとするとすぐ隣にいるのかもしれません。すれ違い続けているだけで…ということでとにかくすれ違い続ける2人の物語。最後がまあ、何というかすごい力技なんですが…

主役の2人にはそれぞれ邪魔をする相手がいるのですけど、この2人がまたすごいキャラで、濃すぎてある意味怖いです

それはさておき、金城君の相手役で主演のジジ・リャンは水野美紀みたいな感じで可愛いです。とりあえず、電話番号やアドレスを交換する際には水性ペンに気をつけましょう。

5.LOVERS

とにかくこの映画はビビッドな色遣いが印象的で、映像がとても綺麗です。チャン・ツィイーももちろん綺麗ですが…

金城君に関して言えば、これはハマり役最近の作品の中ではベストの1本だと思います役どころはなんというか、色男の役ですね。イケメンで女好きで、強くて優しくて、名前が随風というのですが、まさしく風のような自由人。

うーん…大方の女性はこういう男性に弱いんですよね。ここではないどこかへ連れ出してくれる人というのか…。もちろん、地味な性格でも自分ひとりを愛して大切にしてくれる人は素敵ですし、そういう相手を選んだ方が幸せにはなれそうなんですが、かといってその相手を愛せるわけではないということで…今も昔も、男女共通、万国共通の愛の問題なわけですね。

でもって、結局アンディ・ラウのことも捨てきれなかった、というのであの終わり方なのでしょう。選ばれた方も、選ばれなかった方も、そして選ぶ方も、みな何かを失ってしまった。切ないラストでした。

6.リターナー

ひとことでいうと、マトリックスとターミネーターとスター・ウォーズとE・Tの混ざった映画。映像はなかなかカッコ良かったです。しかし、鈴木杏、金城武、樹木希林と来て、そこで敵役が岸谷五朗ってのは…。いやいや、クレイジーさはそこそこ出てたんですけどね。ただ、肝心な場面で凄味がないというか、凄んでみせてもお笑いになってしまうんですよね…。惜しかった。そういえば、鈴木杏の英語はそこまでうまくないと思いました。彼女自体はボーイッシュで良かったですが。

7.スペーストラベラーズ

何というか、ウェルメイドな映画。ザッツエンターテインメント、さすがは「踊る大捜査線」の制作チームということでしょうか。金城君の日本語が滑らかで、その点、彼の出た邦画の中では一番良かったかな。金城君も若いのでなんかイケメンっぷりがきらきらしてますねあとは鈴木砂羽さんと筧さんが出ていて嬉しかったです。でもでも、思い切って言っちゃうけどやっぱり深津絵里は苦手だあ…それはさておき、全体として面白い話でしたし、最後まで楽しめました。

8.ソルジャーボーイズ

これも金城ものなんですけど、いやー、これはなんというか、珍品。ストーリーは、徴兵されたやる気のない落ちこぼれ部隊の皆さんが、厳しい隊長の着任後、一念発起して頑張る、という、言ってみれば兵役に取られた若者たちの青春群像というような話で、かなーり地味な映画です。女の子はほとんど出てきませんし、ストイックといえばストイック。なんか教育映画のような趣すらありますが、深刻なムードではなく全体的にゆるーい感じなのは一応アイドルものだからでしょうか。
金城君が「恋する惑星」でブレイクする以前のアイドル時代に撮った作品だそうですが、金城君以外にも台湾(?)のアイドルが出ていて、そちらの方が主役です。金城君も主演の1人ですが、ほとんどセリフはなくて、ラグビーのスター選手だけど協調性がないので無理やり軍に入れられたアウトローな青年の役です。まあ、その彼もだんだん皆に馴染んできて最終的にはすっかり溶け込んでみんなと一緒に頑張っちゃうんですが。

題材としてはひたすら軍隊生活で、台湾軍だか香港軍だかわかりませんが、そういった内情(?)を垣間見られたり、エドワード・ヤンとかが出てくる前の台湾の映画ってこんな地味だったのか、というような感想を持ったりでなかなか興味深い映画ではありました。あと、鬼隊長の役の人は結構カッコ良かったです。しかし、キャストに関する情報は全くわかりません…

9.レッドクリフ PartⅡ

先週から公開の始まったジョン・ウー版三国志「赤壁の戦い」の続編ですが…。

正直な感想を言うと、こちらの方が話的にはクライマックスですが、なんか、冗長かも。

原因の一つは、戦闘シーンがあまりにも長すぎることではないかと思います。とは言っても、それがメインなのだけれど…。私は見るだけでぐったりでしたが、映像的には迫力があって圧巻の戦いですから、それを見なければ話にはならないので、とにかく、これから観に行かれる方は体調を整えてから出かけられるようお勧めします。でも、孔明と「矢」のエピソードとか、騙し騙されで裏の裏を掻く戦略は確かに見ていてなるほどねえ、と思いました。あと、孔明が風を吹かせた(?)シーンはカッコ良かったです。









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映画まとめて感想Vol.3(その1)

2009-04-15 22:36:44 | 音と映像の日々
とうとうこのスタイルでVol.3まで来ました。なるべく短く行きたいと思いつつ、やっぱり長くなる…まあ、長いことは前提で始めたいと思います!

1.レッドクリフ Part I

Vol.2で「Sweet Rain~死神の精度~」について書いたのですが、それが始まりだった金城祭り第2弾!ということで、つい先日PartⅡが公開されて何かと話題のジョン・ウー版三国志「赤壁の戦い」であります。私は三国志をきちんと読んでいないのでそれほど抵抗感なく観られたのだけど、実際には孔明と周瑜は敵対していたみたいですし、人によっては評価が分かれる作品のようです。

映像的にはとにかくスケールでかいっす出てくる人数も半端ないですし。しかし、冒頭の劉備軍三武将の戦いっぷりはカッコ良かった特に関羽渋いですよ~それに劉備の子供を救出する趙雲。超人的な活躍ですそして、圧巻なのは最後の曹操軍との戦闘ですね。画としてもすごいのだけれど、あの盾の使い方、それと伏線でしばしば登場する亀!こういうことなのね~と感心すること請け合いです

こんな奇想天外な戦略を次々と思いついて成功させるのが金城君演じる天才軍師諸葛亮孔明ですが、成功して周りがいろいろ言ってもさらっと涼しい顔のニクいヤツという感じで、飄々とした雰囲気が俳優本人の個性とマッチしていてなかなか好演だと思います。とりあえず、やっぱり金城君には中国語が似合うわーあとはトニー・レオン。なんか若返ってる「ラスト、コーション」の時はおっさんだったのに…金城君と同い年くらいにしか見えないなんというか、改めて、美丈夫やねえ、と思った次第です。

この映画は音楽もいいですね。特にメインテーマはうまく編集して、パトリック・チャン君に滑らせたいですあの綺麗なスケーティングでゆったりと雄大な感じが出せそう…見た目もアジア系ですしね。あっ、ベルネルもいいですね何といっても「勇名トラ」ですものそれは冗談としても、ベルネルも結構踊りで見せてくれますから、レッドクリフ、やってみたら似合うんじゃないかと思います。

2.チルドレン・オブ・ホァンシー

時は1930年代末、日中戦争中の南京に潜入した1人の若きイギリス人ジャーナリスト。生死の境を潜り抜けた彼を待っていたのは、戦災で家族を失い、荒れ果てた孤児院に暮らす60人の子供たちだった…。この物語は、主人公であるジョージ・ホッグと彼が出会った戦災孤児たちが、激化する日本軍の攻撃と孤児たちの徴兵を逃れるために、孤児院のあった黄石(中国読みでホァンシー)からゴビ砂漠を抜けてシルクロードの先にある安住の地を徒歩で目指したという実話に基づくものです。

まずは、これが実話だということに感嘆するのですが、それにも増して、「ヒューマニティ」ということについて考えさせられる映画でした。戦火の中で、人種も国籍も超えて、何かを守るということ、助け合うということ、そして生き延びるということ。ジョージ・ホッグを演じたのはごひいき俳優のJRMことジョナサン・リース=マイヤーズでしたが、こういう正統派の正義漢もできるんです南京で日本兵に見つかって殺されかける場面での恐怖もリアルでしたが、何より孤児たちに深い愛情を注ぐホッグを丁寧に演じていて、素晴らしかった。デビュー作の印象のせいか、エキセントリックな役が多い俳優さんですが、こういう好漢の役がもっと増えるといいのに、と思います。

なお、この映画は日本では公開されなかったのですが、それってやっぱり冒頭の南京のシーンのせいなんでしょうか…うーん。

3.ワルキューレ

トム・クルーズ主演のこれまた実話もの。こちらは第二次大戦中のドイツでヒトラー暗殺によるクーデターを企てた人々(主に軍人)の物語ですが…

いやー、凄い。あのヒトラー総統一色のドイツで、こんなことを実行に移した人々がいたとは…。上の「チルドレン…」で描かれたヒューマニティにもつながっていくと思うのですが、良心とは、正義とは、勇気とは、そして愛国とは何かを考えさせられる作品です。そして、結果的に彼らの企ては失敗に終わりましたが、成功していたら歴史はどう変わっていたのか、そう考えると失敗がさらに重く感じられもします。しかし、このワルキューレ計画以外にも何度かヒトラー暗殺の試みはあったそうですが、すべて失敗に終わっていることを考えると、ヒトラーという人物の悪運の強さというか、良くも悪くも強運であることは確かに選ばれし者の証なのかという気がしました。

いずれにしても、全編に流れる緊迫した空気が、最後まで見る者の目を捉えて離さない、そんな映画でした。
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最近見た映画Vol.2(その2)

2009-03-14 23:41:40 | 音と映像の日々
映画の感想の続きです。
1つのエントリーで全部書きたかったのですが、長くなったので分割しました。

6.ウォンテッド
 最近DVDの出たマカヴォイ君主演のアクション映画、ですが、アンジェリーナ・ジョリーの出演作と言った方がわかってもらえそうなのが悲しい(T^T)
 合わない上司からはダメ人間扱いされ、恋人は友人に寝取られ、いつも人に謝ってばかりの冴えないサラリーマンに、実は暗殺者としての潜在能力が!というわけで組織に加わり、組織を裏切った相手を倒すべく訓練によって才能を開花させていくが、その相手は実は…というのがストーリー。
 アクション映画ってことで、車は空を飛び、スピンに合わせて人を拾うというありえないカーチェイス、銃を撃てばありえない弾道を描いて弾が跳んでいく、しまいには時間軸をもゆがめる驚異の身体能力と、ありえない尽くしでやりたい放題、まさに荒唐無稽を絵に描いたような映画ですが、荒唐無稽もここまで行くと痛快。ネズミ爆弾とか、なんだそりゃ、なモノも多いのですが。
 しかし何しろ、アンジーがカッコいいのですよ。マカヴォイ君の前半の怯えっぷりも素晴らしいですが。ただ、惜しいのは日本語の吹き替え。DAIGOに罪はないけど、ひどすぎます。

7.ウィンブルドン
 愛情深い両親のもと、のほほんと育ったイギリス人テニスプロのピーター。かつてはそれなりの成績を納めていたものの、30も超えて、そろそろ引退か…というやる気のなさで迎えた最後のウィンブルドンで、アメリカ人女子プレーヤーで優勝候補のリジーと出会い…というテニスもの。
 とにかく、リジー役のキルスティン・ダンストが可愛い!そりゃもう、彼女に会うためなら、無理やり窓から侵入するという間抜けな真似もするわなあ、と思ったりします。ピーター役のポール・ベタニーは、「ダヴィンチ・コード」でシラスの役をやってた人だそうで、所変われば人変わる、じゃないけど、映画が違えばずいぶん違うものだなあとしみじみ思いました。
 この映画の見所は試合の映像ですが、特に、これまでカメラが入ったことのなかったウィンブルドンのセンターコートで実際に撮影されたという決勝の試合は、特殊な撮影装置とCGの処理によって、本当にプロが試合をしているような、非常に臨場感ある映像になっています。
 
8.Sweet Rain~死神の精度~
 久しぶりの邦画。金城武を見たかったのですが、やっぱり、金城武に日本のスクリーンは小さすぎますね。この映画では特に浮いた感じの役なのでそれでいい部分はありますが、それにしても、なんだか日本で映画やTVに出ているときの彼は窮屈そうに見えてしまうのです。
 でも、映画自体は面白かった。光石研が良かったなあ。同僚の死神で出ていた村上淳も良かったです。
 しかし、最初のエピソード、いくら声がいいからって、あれじゃあストーカーだよね。

9.ナルニア国物語第1章~ライオンと魔女~
 基本的にファンタジー系は苦手なのですが、マカヴォイ君のタムナスさん見たさで見てみた作品。ですが、意外に面白かったです。
 なんとなく、出てくるクリーチャーがスターウォーズみたいだなあと思ったら、それもそのはず、ILMが参加しているそうなので、まあデザインが似通ってくるのはもっともな話だと思います。
 ルーシー役の子が何となくフィギュアスケートの鈴木明子選手に似ていると思いました。タムナスさんは愛らしくて良かった。歩くのが大変そうでしたが。

 
10.さよなら。いつかわかること
 軍人である妻がイラクに派遣され、残された娘2人と暮らすスタンリー。娘たちには何となくぎこちなくしか接することのできない彼のもとに、ある朝、妻の戦死の知らせが届く。娘たちにどう話せばいいのか、悩んだ彼は、行きたがっていた遊園地へ行こうと、娘たちを連れて旅に出る…。
 大切な人を失った悲しみと衝撃、それを娘たちに伝えなければならない父親の辛さ。そして、厳しく、いつもはそっけない父親の不可解な行動を訝しがり、戸惑う上の娘。一見無邪気だけれど、本当は寂しさをこらえている下の娘。全体的に静かな映画ですが、それだけに、ラストに向かってものすごく訴えかけてくるものがありました。
 主人公を演じたジョン・キューザックはもちろんですが、娘2人を演じた子役もそれぞれとても良かった。上の子は、最初は父親に対してなかなか素直になれないけれど、旅の中で少しずつ父親を理解していく様子、下の子は無邪気に喜んだりさびしがったりする表情や行動が本当に自然に出てきていました。それと、父親の弟役の俳優さん。どこかで見たなと思ったら、「GOAL!」のガバン役の人でした。思わぬところで出てきたけど、この人も結構重要な役どころです。
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最近見た映画Vol.2(その1)

2009-03-14 21:30:59 | 音と映像の日々
最近見た映画(DVD)の感想第2弾です。
なるべく短めにいきたいと思いますが、どうなることやら…

1.つぐない
 1930年代のイギリス、家族同然に育った高級官僚の娘とその家の使用人の息子。身分の違いはあれど、学歴もあり教養もありの彼は彼女と相思相愛、幸せな恋のはずだったのが、運命のいたずらか、不幸な誤解と嫉妬から彼女の妹(13歳)がついた嘘によって2人は引き裂かれ…という悲恋もの。
 はっきり言ってこの映画の中での妹のつぐないについては、自己満足だろ!と突っ込みたくはなりますが、償いというものは結局はそういうものなのかもしれませんね。とりあえず、手紙を出す時は事前に良く内容を確認しましょう。
 映画自体はとても素晴らしいです。前半は特に、ストーリーの中で起きる出来事を捉える時間軸の設定がうまい。それぞれの視点というか、視線というか…とりわけ、妹のブライオニー、主人公の一人である青年ロビーの青い瞳が印象的。ヒロインを演じたキーラ・ナイトレイについて、見ている間は口元とか口調がちと品のない感じで残念に思ったのだけど、あとで原作を読んでみたら、まさしく原作のイメージにぴったりの女優さんだったことがわかりました。ちなみに13歳の妹を演じたシアーシャ・ローナンは凄い。ちょっと昔の広末涼子みたいですが。
これで初めてジェームズ・マカヴォイを見てハマりました。

2.ぺネロピ
 祖先の不行跡による呪いのために豚鼻を持って生まれてきたヒロイン。呪いを解く手だては一つ、同じような上流階級の男性と結婚すること…なんておとぎ話なシチュエーション。まさしく女の子のための映画です。設定も、お洋服も、部屋のインテリアも可愛くて、そして豚鼻のクリスティーナ・リッチも可愛いのです。
 豚鼻とはいかなくても、誰しもコンプレックスはあるもの。それも含めて、ありのままの自分自身を受け入れて愛することができたなら、きっと素敵な日々が始まる、そういう前向きなメッセージを持った愛らしい映画です。
 そして、個人的には、これがマカヴォイ祭り第1弾(笑)。この作品のマカヴォイ君は大変女性に人気があるようです。まあ無理もないと思いますが…だって、まんま「白馬の王子様」だもの。とりあえず劇中、楽器を当てるシーンはすごく楽しそうで良いですね。
 
3.ジャンパー
 ヘイデン君の映画ですが、敵役がサミュエル・L・ジャクソンって…メイス・ウィンドウじゃん!ってことで何気にスターウォーズ対決なのですね。スタンガンで電気ショックもいいけどライトセイバーで戦えば…?なんて言ってみたりして。映画自体がちょっと雑な作りに思えたのが残念です。

4.少年メリケンサック
 とりあえず、無茶苦茶に可笑しい映画。この映画の登場人物って、「巷で見かけるイタイ奴」みたいな人をさらにパワーアップさせたような感がありますが、なんか妙に説得力がありますね。それはやっぱり俳優によるところが大きい。この映画は細かいところまでキャスティングに成功していると思うのですが、中でも佐藤浩市、宮崎あおいは良かった☆正直、ここまでやるのか、とも思いましたが。それと、田辺誠一。拍手でお迎えしたいです。TELYAってなんなんだ(笑)よくやったの一言に尽きます。

5.ラスト・キング・オブ・スコットランド
 タイトルだけ聞くとスコットランドの王様の話か、と思うのですけれど、どっこい、アフリカはウガンダの話です。1970年代、ウガンダ大統領として権力をほしいままにした独裁者イディ・アミンを、ひょんなことから彼の侍医を務めることになったスコットランド人若手医師の目を通して描いた作品です。
 この若手医師をジェームズ・マカヴォイが演じており、若さゆえの軽率さから調子に乗って深みにはまっていく様を説得力を持って見せてくれるのですが、何より凄いのは、アミンを演じたフォレスト・ウィテカー。誰からも慕われる包容力と、権力者であるが故の人間不信と孤独と、権力への執着から生じる残虐さとを併せ持ったカリスマ的な独裁者を見事に演じています。とにかく、見つめられるともう目を離すことができない。近寄りがたい恐怖を感じるのに、魅入られてしまう。圧倒的な演技力です。いずれにしても結構残虐な場面もあり、マカヴォイ君もかなりひどい目に遭うので見ていてちと辛かった。
 しかし、どんなに理想に燃えて政権の座に就いたとしても、その権力ゆえに何かを見失って誤った方向に走り出していく。そしてそれを止めてくれる人は誰もいない。ヒトラーなんかもそうだと思いますが、独裁者ってある意味同じようなパターンで出来上がり、失墜していく気がします。権力って、コワイ。

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