アークエンジェルの面々が、情報収集中。
(テレビ画面の中に、無印一話でキラが見てたテレビ番組あったような・・・?)
カガリが、「入ってくるのは連合の混乱のニュースばかりだぞ」
といい、動かなくていいのか?と。
それを受けて、バルトフェルドが、キラに対して、お前はそれには反対なんだろう?と。
カガリ誘拐に対して必ずしも賛成ではなかった様子のマリューとバルトフェルドとあわせて、
基本的な方針はキラが決めているけれど、
大人組は必ずしもキラに全面的には賛成しているわけではない様子・・・も見える。
ただ、それがキラが揺るがないので(多分に、ラクスを殺されかけたというところで、キラの思考が硬直してるかもしれないという懸念もあるかも)
マリューやバルトフェルドは、客観的に見て、議長の方が正しくみえる。ザフトに味方して、連合を撃ちたくなる、と。
そんな代案。カガリも議長に直に会った者として、いい指導者だと思うといいつつ、ラクスの件のことがなければ、と判断保留。
マリューとバルトフェルドの立場が見えきらない部分もあれど、
自分の意見を持ちつつも、キラとラクスとカガリに指針を決めさせてる感じもするかも。
正直、カガリのオーブのことだって私は、にはちょっといらっとしたけど。
インジャスを前にしたアスランもそうなんだけど、
たとえ、キラやラクスに用意された道とはいえ、それを受けるなり跳ね除けるなりの責任は彼ら自身にあるわけで、
個人的に、作内で、”逃げた”印象があるのは、アスランとカガリ。
カガリは、無印初期から、半分で向き合って、半分で逃げてきた印象がある。
それはカガリが弱いからじゃなくて、カガリの抱えている問題(オーブを背負うものとしての成長)が一番大きかったから。
ヘリオポリスで、父の裏切り・・・というか、ウズミですら把握しきれない、国というものが抱えるものの大きさ、あるいは抱え込まなければならない矛盾に対して、
砂漠でも、アークエンジェルでも、宇宙でも抗っていたイメージがある・・・。
戦わないオーブに反抗して、戦うものを賛美し、自分でも戦ったり、
ウズミに言われたことに対して、もう誰にも死んで欲しくないとキラを殺したアスランを許したし、
自分たちの血の事情はわからずとも、弟かもしれないという曖昧な理解を抱えたまま、とにかくキラという個人を守ろうとしたり。
ただ、それは裏返せば、オーブを理解し向かい合うことから、
許せない人がいることを、あるいは、カガリ自身が恨まれる立場に・・・そして許されない立場にたつことを想定していない限界(それは運命でシンに突きつけられた)
そして、わからないものを、善意の覚悟で背負いきれるほど、アスハの名は軽くなかったことを。
運命で、無印地点での逃げが、いっきに吹き出た印象もあるかな、と。
キラがラクスを殺そうとした人間がいるということに、深い憤りを感じていること、
偽者という存在に呆れていること。
そして、プラントの首脳部が、多くの人間を騙していること。
そしてこのキラの態度に、ラクスは素直に嬉しさも感じている様子もみえるかなと。
もともと、ラクスがキラを好きになったのって、こういう部分の、一見青臭く見える頑なさが大きいと思うし。
全体的にいいことじゃんだとか、皆喜んでるじゃん、現実を見ようよ、みたいな、
人(周囲)に馬鹿だと思われなくないとか、わかっている人間と思われたいとか、そういう動機からくる、賢しげな、実質狡い状況迎合をしないところ。
キラが人質扱いされたラクスを返却したのもそういう人間だったからだしね。
単純に、自分の為に怒ってくれて嬉しいってだけでもなく、好きになったところ、が変わっていなかったのが嬉しかったんじゃないかなというのは感じるかも。
ところで、コーディネイター側の行為を、AAクルー側が肯定する台詞を使ったのはここで二度目。
一度目は、無印で砂漠に落ちた直後に、Nジャマーの影響に対して懸念をいったカズイに、
「核で報復されていたら、今頃地球無いぜ」
という言葉で、プラントの行動に対して批判的でない様子をみせたところ。
Nジャマーの影響で、実質的に億単位で人が死んでいる被害に対して(この被害者数も眉唾な印象もあるけど)、
地球が滅ぶほどの核を打ち込まれても仕方ないまだマシみたいな認識を、
連合の軍人であるAAクルーがしていたということ。
監督自身「ある意味恐ろしい兵器です。相手側のインフラと、報復手段を双方ともに破壊する(ツイッター)←細かな言い回しは忘れた」とNジャマーについていってる割には、
ナチュラル・コーディネイター双方に、プラントの報復は過剰かつ残酷という認識がまったく無い。
そして今回のマリューの言葉。
確かに、正論なんだろうけどさ・・・。
それじゃすまないってところで、1クールカガリは散々苦しんだんじゃないの?という部分で違和感が。(それともあれはセイランのやり口で、地球の人達はあんま怒ってないとでも)
プラントの正当性や、実際ザフトが現状地球にもたらしている恩恵に言及するのもいいけれど、
2クール以降で、自分はブレイクザワールドで酷い目にあった!家族が死んだ!生活が破壊された、という人間が一人もでてこないのは作劇的に不自然じゃないか?
アスランのザフト復帰とカガリの挫折を通ればもう用済みなのその事件?みたいな感じがする・・・・。
そういう意味じゃ、1クールと2クールって繋がってないイメージ。
その境目にキラが派手な行動(フリーダムでカガリ誘拐)やってるから、あれで話が壊れたっていう人いるけど、
キラの行動度外視しても、1クールでの「許してもらえるかな俺たちは」「あれを許せる人間などこの世にいません」
みたいなのが繋がってない気がする。キラの行動は基本的に局所的なものだしね・・・インパクトはでかいけど。
さてミーア。
ものすごく正直なこと言うと、ミーアに対しては、自分の言葉で人が死ぬのが怖くないのか?(それも他人の名前と姿を使って)という点で受け付けない。
正直、初登場時から、この子は自分のやったこと(やること)に対して責任取らないしとれないだろうな、というのは感じた。
あの「ミーアは誰にも必要じゃないけど」というのも、本物/偽者のくくりをアスランに示されたものを持つ者/持たざる者に摩り替えたことからして、
正直嫌な感じがあったんだけど・・・。
(議長に疑問をぶつけられなくて女の子に嫌味いうアスランもどうかと思うけど)
これが無印地点で、一方的に核を撃たれ、独立を果たすために戦っていたザフトの歌姫というくくりの中での戦いなら、ミーアに肯定的になったんだろうけれど、
運命ではプラントのための戦いじゃなかったからね・・・。志気を煽り戦争を冗長させてたようにしか見えなかった。
あと、最後の日記も含めて、ミーアが”ラクスがどう思うか?”という視点が一貫して抜けていること。
普通、好きな人に嫌われなくない?という心理働かないかと?ミーアってラクスのファンだったんだよね?
よくミーアを人間らしい人間らしいっていうけど、個人的な心境はむしろ逆。人間的な感性が欠如してるように見える、というと酷いけど、
とにかくひたすら幼稚的な印象が強い。
あるいはほんとに酔っていたか。偉い人、に言われたら、是非の判断力なんて簡単に麻痺するだろうしね。これはアスランも一緒だけど。
ミーアは成長キャラって扱いではなかったと思う。人間くさいというか、ある意味ミーアの心境には強烈なリアリティもあるのは確かだと思う。
前は、ミーアのキャラもライブもそれなりにけっこ好きだったんだけど、
人間らしいミーアと人間らしくないラクスとか、ラクスのやるべきことをミーアがやったとか、あまりに納得できない意見に接するたびに、
なんだかミーアに対しては拒絶反応でるようになった気がする・・・
へんに美化されてるの見るのは嫌なんですよ。
個人的に、ミーアのキャラへの好悪は別としても、ラクスに対しては同情したし・・・あれはないわ、と思った。(キャラが違うことじゃなくて、
人の名前と姿を勝手に使う、というところが・・・。
そういう人間扱いされない感じ(しかもそれをしてる側には罪悪の自覚がないんだよね・・・
このあたり、無印前半のAAでのキラの扱いに通じるものがある。
力(キラはMSパイロットとして、ラクスはその知名度を)を身勝手に利用されて、しかも利用してる側には酷いことをしてる自覚ゼロってのは、
ようは人間扱いされてない・・・そのあたり、感じた心情一緒だと。必要ならば、頭をさげて頼め、という話。
(マリューはキラに頭下げたしね。力を当てにするなら、頼むのと感謝するのが筋だろう。と思う。
ラクスがしないからとかふざけるなと思う)
プラントがミーアに熱狂したのは、ラクスがそれだけ力があったわけじゃなくて、保証がほしかったからだと思う。
”今度の議長は大丈夫”だという。
ラクスは、貴方は悪くないといいながら、悪いのはあいつだ、と撃つのに躊躇の少ない”誰か悪役”を指差してくれた。
(議長がアスランにやったのも同様。それも時間差をおいて。君は悪くないから、君が必要だ。そして悪いのはあいつだ(ロゴスだ)。
アスランも、最後の段になったときに、さすがに無印の下地があったのか、おかしい、と思いだした感じだけど)
アスランやミーアが自分の正しさを、議長の正しさに依存してたように。
(お前だって議長のやっていることを見てるだろう?言葉だって聴いただろう?(ダーダネルス)
議長の言うことは正しいのだから、それを皆聞けばいいのに(日記)
ラクスがこういっているから、という形で、正当化したかったんだと思う。
誰だって正義でありたい。だけどそれを自分で掲げると責任が発生する。それは背負いたくない。
ラクスが本当に神のごとく崇拝され、愛されているなら、
むざむざと父を殺されたり、家を荒らされることはなかったと思う。
命令したのがパトリックとはいえ、その命令の間には何人もの人間がいて、そしてそれを実行に移した人間がいるんだから。
先の戦争で、ラクスが”国家反逆者”になったことを、議長は逆手にとったんだと思う。
”第三者機関である評議会信認機関”みたいな”権威”にラクスを仕立て上げ、それに自分を支持させた。
無印後半、プラントには二つの選択肢があった。ザラ派かクライン派か。
2つ以上道があるから、選択肢が生まれるし、そこに迷いがある。選んで上手くいかなかったときのダメージも大きい。
だけど、最初からひとつしか道がなければ選ぶ必要もないし、選んだことに後悔も生まれない。
運命プランも価値観統一プランの側面が強いけど(あれは対立軸を失くすことが主眼で、巷でいわれるような弱者救済プランではないと思ってる)
とりあえず、偽のラクス、というものをたてたことで、プラントを一元化したし、
その”楽さ”にプラント市民はしがみついたんだと思う。
・・・先の戦争への反省ゼロ。
ラクスは、自分は言葉を、パトリックや、デュランダルに”ではなく”貴方(方)に対して、発したのだと、
言うためにプラントに帰ったのだとも思ったり・・・
困るのがアスランで、
このシーンをどうみたらいいのかわからない・・・。
アスランはなんて大人でカッコよくて正しいのだろう、と思えばいいのか、
ある意味、キラやカガリやシンより酷い落とされ方してんのか、とも思えるし・・・。
アスランは、一度軍を脱走して、しても今回”便宜上の処置”なんて立場で軍にいるんだし現在・・・(将来的に脱走することを置いておくとしても)
アスランがどういうつもりなのか・・・
いい面の皮だと思えばいいのか、本当にザフトのエリートをやり直すということでこの時点で腹くくっていたのか・・・
あの今回の「特務隊・アスラン・ザラです」は印象深いんだよね。個人的にはアスラン脱走とかその他MSでの活躍シーンより好きかもあの一幕。
軍に所属してる自分への嫌悪や疑問、しかし自分の肩書きと名前=居場所への安堵。矜持。そういう双方的な部分で危うげにバランス取れてる感じがしてね。
自分の想いがシンプルではっきりしてるほかのメンバー、キラやカガリやラクスやシンにはない、危うげとそこに宿る凄みみたいなのがね。
意外と簡単にバランス崩して極端な方向にいく限界もアスランだと思うが(例→キラたちのことを思い出して自分に疑問を感じつつ、それを振り切る→実際敵対したら俺は正しい!と強弁))
運命最初の方でカガリとミーアは仮面をかぶっているように見える(カガリはウズミの仮面、ミーアはラクスの仮面)
と書いたけど、アスランはここで「ザフトのアスラン・ザラ」の仮面をかぶっているように見えるね。
正しいけれど、自分の言葉ではない。
この言葉、シンに響いたとは思うけど、どこか届ききらなかったのはそういう側面もあるけど。
アスランが「自分の無力さに泣いたことがある」「だからそんな思いを”もう”したくないから、力を求めた」
というあたりで、アスランがシンに自分を重ねてるのは確かだと思うけれど、
・・・正直そこまで思い入れてはなかったとも思うんだけどね・・・
あと、ここで疑問に感じたのは、アスランの奪われた自己イメージは伝わる反面、
奪ったものとしての自己イメージがどうなってるかが見えてこなかったこと・・・
(回想もじつはあんま覚えてないんだけど、奪われたシーンが主だったかなと)
先の戦争、奪われて力を求めてから、”それ以降”が、アスランの意識で、どっか薄い気もしないでも・・・
そういう意味でも、ザフトのアスラン・ザラに戻ってんのか?
戦争後半、シンは奪われた側で、アスランは奪う側であるのは確実なはずなんだけど、
どうもそのあたり、アスランがどの程度その認識を血肉化してるのか見えてこない(正直あまりしてないと思ってる)
種シリーズって、案外、自分の(力)不足や喪失に苦しんだり泣いたりするキャラは多いけど、
自分が誰かを殺したり傷つけたりに、傷ついたり苦しんだりするキャラって実はそれほど一般的じゃない気がしてる・・・。
個人的に真っ先に浮かぶのが、キラとフレイ。
それとはちょっと違うけど、自分のせいで死ぬオーブ兵を見て泣くカガリや、アスランとメイリンを撃った以降のシンにもにたものを感じる。
あとは、「核を撃たれ、その痛みと悲しみをしる私たちが、今また同じことをしようというのですか」という意識をもっていたラクス。
個人的に、(ラクス以外の)プラント・ザフト勢には、その誰かを傷つけたことに傷つく、という認識が乏しいイメージがあるんだよね・・・。
アスランとか印象的にはそのくくり。(二次だと自分(と父)の罪や業に対して強烈に自覚的なキャラになりがちだけど、
本編見る限り、基本的に自分が悪いという発想ないタイプだよね・・・大抵、他人の罪や間違いを憂いてる感じ。シーゲルのことやトールのことも明らかに気にしてないっぽいし本編)
運命は、キラの”変わり様”よりも、アスランの”変わらなさ”の方が違和感あったんだよね。(本質的な部分じゃキラ変わってないと思うし、無印じゃ一貫して過度に抑圧的な状況にいたから、無印時代のキラを本来のキラというのも難しいと個人的には思うんだけど。
)アスランは、無印で自分自身が変わらないければならないようなことをした(銃をとったこと。軍を脱走したこと)自覚が乏しいのではないかと?だから一度脱走した軍に戻るようなまねもできたのではないかと?そういうのは正直ちらっと思う) プラントの子供達の印象って、どっかで根底が似てる気がする。善良で一生懸命な”良い子”なんだけど、我慢弱くて自省心がなく、他罰的で懲罰意識が強い。自分を測る物差しを自分の感情しかもたない感じ。
そういう危うさのまま、運命での議長に利用され、また議長を利用していった感じもするかも・・・
今回の、アスランとミーアの、自分は正しいことをしている、という自負の土台の危うさみたいなのがね・・・