goo blog サービス終了のお知らせ 

種々

世界の片隅でキラへの愛をこっそりと囁くブログ

DESTINY リマスター17話「戦士の条件」

2013-07-25 23:16:07 | SEED DESTINY






アークエンジェルの面々が、情報収集中。
(テレビ画面の中に、無印一話でキラが見てたテレビ番組あったような・・・?)


カガリが、「入ってくるのは連合の混乱のニュースばかりだぞ」
といい、動かなくていいのか?と。

それを受けて、バルトフェルドが、キラに対して、お前はそれには反対なんだろう?と。

カガリ誘拐に対して必ずしも賛成ではなかった様子のマリューとバルトフェルドとあわせて、
基本的な方針はキラが決めているけれど、
大人組は必ずしもキラに全面的には賛成しているわけではない様子・・・も見える。
ただ、それがキラが揺るがないので(多分に、ラクスを殺されかけたというところで、キラの思考が硬直してるかもしれないという懸念もあるかも)
マリューやバルトフェルドは、客観的に見て、議長の方が正しくみえる。ザフトに味方して、連合を撃ちたくなる、と。
そんな代案。カガリも議長に直に会った者として、いい指導者だと思うといいつつ、ラクスの件のことがなければ、と判断保留。
マリューとバルトフェルドの立場が見えきらない部分もあれど、
自分の意見を持ちつつも、キラとラクスとカガリに指針を決めさせてる感じもするかも。

正直、カガリのオーブのことだって私は、にはちょっといらっとしたけど。
インジャスを前にしたアスランもそうなんだけど、
たとえ、キラやラクスに用意された道とはいえ、それを受けるなり跳ね除けるなりの責任は彼ら自身にあるわけで、

個人的に、作内で、”逃げた”印象があるのは、アスランとカガリ。

カガリは、無印初期から、半分で向き合って、半分で逃げてきた印象がある。
それはカガリが弱いからじゃなくて、カガリの抱えている問題(オーブを背負うものとしての成長)が一番大きかったから。

ヘリオポリスで、父の裏切り・・・というか、ウズミですら把握しきれない、国というものが抱えるものの大きさ、あるいは抱え込まなければならない矛盾に対して、
砂漠でも、アークエンジェルでも、宇宙でも抗っていたイメージがある・・・。
戦わないオーブに反抗して、戦うものを賛美し、自分でも戦ったり、
ウズミに言われたことに対して、もう誰にも死んで欲しくないとキラを殺したアスランを許したし、
自分たちの血の事情はわからずとも、弟かもしれないという曖昧な理解を抱えたまま、とにかくキラという個人を守ろうとしたり。

ただ、それは裏返せば、オーブを理解し向かい合うことから、
許せない人がいることを、あるいは、カガリ自身が恨まれる立場に・・・そして許されない立場にたつことを想定していない限界(それは運命でシンに突きつけられた)
そして、わからないものを、善意の覚悟で背負いきれるほど、アスハの名は軽くなかったことを。



運命で、無印地点での逃げが、いっきに吹き出た印象もあるかな、と。



キラがラクスを殺そうとした人間がいるということに、深い憤りを感じていること、
偽者という存在に呆れていること。
そして、プラントの首脳部が、多くの人間を騙していること。

そしてこのキラの態度に、ラクスは素直に嬉しさも感じている様子もみえるかなと。
もともと、ラクスがキラを好きになったのって、こういう部分の、一見青臭く見える頑なさが大きいと思うし。
全体的にいいことじゃんだとか、皆喜んでるじゃん、現実を見ようよ、みたいな、
人(周囲)に馬鹿だと思われなくないとか、わかっている人間と思われたいとか、そういう動機からくる、賢しげな、実質狡い状況迎合をしないところ。
キラが人質扱いされたラクスを返却したのもそういう人間だったからだしね。
単純に、自分の為に怒ってくれて嬉しいってだけでもなく、好きになったところ、が変わっていなかったのが嬉しかったんじゃないかなというのは感じるかも。



ところで、コーディネイター側の行為を、AAクルー側が肯定する台詞を使ったのはここで二度目。
一度目は、無印で砂漠に落ちた直後に、Nジャマーの影響に対して懸念をいったカズイに、
「核で報復されていたら、今頃地球無いぜ」
という言葉で、プラントの行動に対して批判的でない様子をみせたところ。

Nジャマーの影響で、実質的に億単位で人が死んでいる被害に対して(この被害者数も眉唾な印象もあるけど)、
地球が滅ぶほどの核を打ち込まれても仕方ないまだマシみたいな認識を、
連合の軍人であるAAクルーがしていたということ。
監督自身「ある意味恐ろしい兵器です。相手側のインフラと、報復手段を双方ともに破壊する(ツイッター)←細かな言い回しは忘れた」とNジャマーについていってる割には、
ナチュラル・コーディネイター双方に、プラントの報復は過剰かつ残酷という認識がまったく無い。

そして今回のマリューの言葉。
確かに、正論なんだろうけどさ・・・。
それじゃすまないってところで、1クールカガリは散々苦しんだんじゃないの?という部分で違和感が。(それともあれはセイランのやり口で、地球の人達はあんま怒ってないとでも)
プラントの正当性や、実際ザフトが現状地球にもたらしている恩恵に言及するのもいいけれど、
2クール以降で、自分はブレイクザワールドで酷い目にあった!家族が死んだ!生活が破壊された、という人間が一人もでてこないのは作劇的に不自然じゃないか?
アスランのザフト復帰とカガリの挫折を通ればもう用済みなのその事件?みたいな感じがする・・・・。
そういう意味じゃ、1クールと2クールって繋がってないイメージ。
その境目にキラが派手な行動(フリーダムでカガリ誘拐)やってるから、あれで話が壊れたっていう人いるけど、
キラの行動度外視しても、1クールでの「許してもらえるかな俺たちは」「あれを許せる人間などこの世にいません」
みたいなのが繋がってない気がする。キラの行動は基本的に局所的なものだしね・・・インパクトはでかいけど。



さてミーア。
ものすごく正直なこと言うと、ミーアに対しては、自分の言葉で人が死ぬのが怖くないのか?(それも他人の名前と姿を使って)という点で受け付けない。

正直、初登場時から、この子は自分のやったこと(やること)に対して責任取らないしとれないだろうな、というのは感じた。
あの「ミーアは誰にも必要じゃないけど」というのも、本物/偽者のくくりをアスランに示されたものを持つ者/持たざる者に摩り替えたことからして、
正直嫌な感じがあったんだけど・・・。
(議長に疑問をぶつけられなくて女の子に嫌味いうアスランもどうかと思うけど)
これが無印地点で、一方的に核を撃たれ、独立を果たすために戦っていたザフトの歌姫というくくりの中での戦いなら、ミーアに肯定的になったんだろうけれど、
運命ではプラントのための戦いじゃなかったからね・・・。志気を煽り戦争を冗長させてたようにしか見えなかった。
あと、最後の日記も含めて、ミーアが”ラクスがどう思うか?”という視点が一貫して抜けていること。
普通、好きな人に嫌われなくない?という心理働かないかと?ミーアってラクスのファンだったんだよね?
よくミーアを人間らしい人間らしいっていうけど、個人的な心境はむしろ逆。人間的な感性が欠如してるように見える、というと酷いけど、
とにかくひたすら幼稚的な印象が強い。
あるいはほんとに酔っていたか。偉い人、に言われたら、是非の判断力なんて簡単に麻痺するだろうしね。これはアスランも一緒だけど。
ミーアは成長キャラって扱いではなかったと思う。人間くさいというか、ある意味ミーアの心境には強烈なリアリティもあるのは確かだと思う。



前は、ミーアのキャラもライブもそれなりにけっこ好きだったんだけど、
人間らしいミーアと人間らしくないラクスとか、ラクスのやるべきことをミーアがやったとか、あまりに納得できない意見に接するたびに、
なんだかミーアに対しては拒絶反応でるようになった気がする・・・
へんに美化されてるの見るのは嫌なんですよ。

個人的に、ミーアのキャラへの好悪は別としても、ラクスに対しては同情したし・・・あれはないわ、と思った。(キャラが違うことじゃなくて、
人の名前と姿を勝手に使う、というところが・・・。
そういう人間扱いされない感じ(しかもそれをしてる側には罪悪の自覚がないんだよね・・・
このあたり、無印前半のAAでのキラの扱いに通じるものがある。
力(キラはMSパイロットとして、ラクスはその知名度を)を身勝手に利用されて、しかも利用してる側には酷いことをしてる自覚ゼロってのは、
ようは人間扱いされてない・・・そのあたり、感じた心情一緒だと。必要ならば、頭をさげて頼め、という話。
(マリューはキラに頭下げたしね。力を当てにするなら、頼むのと感謝するのが筋だろう。と思う。
ラクスがしないからとかふざけるなと思う)

プラントがミーアに熱狂したのは、ラクスがそれだけ力があったわけじゃなくて、保証がほしかったからだと思う。
”今度の議長は大丈夫”だという。
ラクスは、貴方は悪くないといいながら、悪いのはあいつだ、と撃つのに躊躇の少ない”誰か悪役”を指差してくれた。
(議長がアスランにやったのも同様。それも時間差をおいて。君は悪くないから、君が必要だ。そして悪いのはあいつだ(ロゴスだ)。
アスランも、最後の段になったときに、さすがに無印の下地があったのか、おかしい、と思いだした感じだけど)


アスランやミーアが自分の正しさを、議長の正しさに依存してたように。
(お前だって議長のやっていることを見てるだろう?言葉だって聴いただろう?(ダーダネルス)
議長の言うことは正しいのだから、それを皆聞けばいいのに(日記)

ラクスがこういっているから、という形で、正当化したかったんだと思う。
誰だって正義でありたい。だけどそれを自分で掲げると責任が発生する。それは背負いたくない。

ラクスが本当に神のごとく崇拝され、愛されているなら、
むざむざと父を殺されたり、家を荒らされることはなかったと思う。
命令したのがパトリックとはいえ、その命令の間には何人もの人間がいて、そしてそれを実行に移した人間がいるんだから。

先の戦争で、ラクスが”国家反逆者”になったことを、議長は逆手にとったんだと思う。
”第三者機関である評議会信認機関”みたいな”権威”にラクスを仕立て上げ、それに自分を支持させた。

無印後半、プラントには二つの選択肢があった。ザラ派かクライン派か。
2つ以上道があるから、選択肢が生まれるし、そこに迷いがある。選んで上手くいかなかったときのダメージも大きい。
だけど、最初からひとつしか道がなければ選ぶ必要もないし、選んだことに後悔も生まれない。

運命プランも価値観統一プランの側面が強いけど(あれは対立軸を失くすことが主眼で、巷でいわれるような弱者救済プランではないと思ってる)
とりあえず、偽のラクス、というものをたてたことで、プラントを一元化したし、
その”楽さ”にプラント市民はしがみついたんだと思う。
・・・先の戦争への反省ゼロ。


ラクスは、自分は言葉を、パトリックや、デュランダルに”ではなく”貴方(方)に対して、発したのだと、
言うためにプラントに帰ったのだとも思ったり・・・




困るのがアスランで、
このシーンをどうみたらいいのかわからない・・・。
アスランはなんて大人でカッコよくて正しいのだろう、と思えばいいのか、
ある意味、キラやカガリやシンより酷い落とされ方してんのか、とも思えるし・・・。

アスランは、一度軍を脱走して、しても今回”便宜上の処置”なんて立場で軍にいるんだし現在・・・(将来的に脱走することを置いておくとしても)
アスランがどういうつもりなのか・・・
いい面の皮だと思えばいいのか、本当にザフトのエリートをやり直すということでこの時点で腹くくっていたのか・・・

あの今回の「特務隊・アスラン・ザラです」は印象深いんだよね。個人的にはアスラン脱走とかその他MSでの活躍シーンより好きかもあの一幕。

軍に所属してる自分への嫌悪や疑問、しかし自分の肩書きと名前=居場所への安堵。矜持。そういう双方的な部分で危うげにバランス取れてる感じがしてね。
自分の想いがシンプルではっきりしてるほかのメンバー、キラやカガリやラクスやシンにはない、危うげとそこに宿る凄みみたいなのがね。
意外と簡単にバランス崩して極端な方向にいく限界もアスランだと思うが(例→キラたちのことを思い出して自分に疑問を感じつつ、それを振り切る→実際敵対したら俺は正しい!と強弁))


運命最初の方でカガリとミーアは仮面をかぶっているように見える(カガリはウズミの仮面、ミーアはラクスの仮面)
と書いたけど、アスランはここで「ザフトのアスラン・ザラ」の仮面をかぶっているように見えるね。
正しいけれど、自分の言葉ではない。

この言葉、シンに響いたとは思うけど、どこか届ききらなかったのはそういう側面もあるけど。

アスランが「自分の無力さに泣いたことがある」「だからそんな思いを”もう”したくないから、力を求めた」
というあたりで、アスランがシンに自分を重ねてるのは確かだと思うけれど、
・・・正直そこまで思い入れてはなかったとも思うんだけどね・・・

あと、ここで疑問に感じたのは、アスランの奪われた自己イメージは伝わる反面、
奪ったものとしての自己イメージがどうなってるかが見えてこなかったこと・・・
(回想もじつはあんま覚えてないんだけど、奪われたシーンが主だったかなと)

先の戦争、奪われて力を求めてから、”それ以降”が、アスランの意識で、どっか薄い気もしないでも・・・
そういう意味でも、ザフトのアスラン・ザラに戻ってんのか?
戦争後半、シンは奪われた側で、アスランは奪う側であるのは確実なはずなんだけど、
どうもそのあたり、アスランがどの程度その認識を血肉化してるのか見えてこない(正直あまりしてないと思ってる)




種シリーズって、案外、自分の(力)不足や喪失に苦しんだり泣いたりするキャラは多いけど、
自分が誰かを殺したり傷つけたりに、傷ついたり苦しんだりするキャラって実はそれほど一般的じゃない気がしてる・・・。
個人的に真っ先に浮かぶのが、キラとフレイ。
それとはちょっと違うけど、自分のせいで死ぬオーブ兵を見て泣くカガリや、アスランとメイリンを撃った以降のシンにもにたものを感じる。
あとは、「核を撃たれ、その痛みと悲しみをしる私たちが、今また同じことをしようというのですか」という意識をもっていたラクス。


個人的に、(ラクス以外の)プラント・ザフト勢には、その誰かを傷つけたことに傷つく、という認識が乏しいイメージがあるんだよね・・・。
アスランとか印象的にはそのくくり。(二次だと自分(と父)の罪や業に対して強烈に自覚的なキャラになりがちだけど、
本編見る限り、基本的に自分が悪いという発想ないタイプだよね・・・大抵、他人の罪や間違いを憂いてる感じ。シーゲルのことやトールのことも明らかに気にしてないっぽいし本編)

運命は、キラの”変わり様”よりも、アスランの”変わらなさ”の方が違和感あったんだよね。(本質的な部分じゃキラ変わってないと思うし、無印じゃ一貫して過度に抑圧的な状況にいたから、無印時代のキラを本来のキラというのも難しいと個人的には思うんだけど。
)アスランは、無印で自分自身が変わらないければならないようなことをした(銃をとったこと。軍を脱走したこと)自覚が乏しいのではないかと?だから一度脱走した軍に戻るようなまねもできたのではないかと?そういうのは正直ちらっと思う) プラントの子供達の印象って、どっかで根底が似てる気がする。善良で一生懸命な”良い子”なんだけど、我慢弱くて自省心がなく、他罰的で懲罰意識が強い。自分を測る物差しを自分の感情しかもたない感じ。
そういう危うさのまま、運命での議長に利用され、また議長を利用していった感じもするかも・・・
今回の、アスランとミーアの、自分は正しいことをしている、という自負の土台の危うさみたいなのがね・・・




DESTINY リマスター16話「インド洋の死闘」

2013-07-13 11:17:14 | SEED DESTINY
・・・かなり正直に言うと、今回どう見たらいいのかわからないorz


ちなみに戦場把握は疎いので、誰がどういう動きをしてたとかはさっぱり・・・←おい

前回が、アスランがいわばザフトに戻ったそもそものきっかけ(カガリの力になりたい)を見失い、
とりあえず、かつての古巣に適応してくとするのなら、
今回は、シンの戦うモチベーションが、理不尽への怒りという部分はあるかも・・・

びみょうにどちらも、国の為、軍の為、というわけでもなくて、
ある意味個人的な心象や事情を軍人という虚構で覆っている感じもする・・

艦への忠誠や、掲げたトップの思想の為というストイックさは、むしろキラの方が感じるんだよね。

アスランの言っていることは正しくもあるも、軍という所属に依存したお仕着せの言葉に過ぎない部分もあり、
またシンの怒りは正当とはいえ、彼が軍属という立場にあることを思えば、指揮系統に従わないにも問題で・・・
いまいちどっちにも共感できないというのが正直なところ。
どっちが正しいってよりかは、根本的な対立点がずれてる印象がある・・・


アスランが、なぜザフトをかつて抜けたのか、そして今度はオーブではなくザフトで戦っているのか、
それをアスランが真摯にシンに語らない限り、アスランの言葉がシンに届くことはないと思うし、
かといって、シンがアスランの言葉を聞かないなら、シンにはそもそも軍人の資格がないことになる。


1クールの段階では、所属がわかれていたことにより、ある意味じゃわかりやすかった
シンVSカガリが、アスランがザフトに移動、しかもシンの上官という立場になったことで、
その対立軸がよくわからなくなった側面はあるかも、
わりと、シンの言動が、生意気な言動、として捉われることがあるのも、
アスランがシンの言動をそう捉えて説教対象としていたから、という面もある気がするし、
答えるべきカガリも、かえってガタガタになっちゃって、まともな返答もできてなかったしね・・・
シンの糾弾(ないしは問いかけ)は、カガリに逃げられ、アスランに無視され、
宙に浮いちゃったもするし、そこに、わかりやすい強敵=フリーダムや、
具体的な力や答えをくれる議長、そして被害者としての痛みを見せたステラや、想いを語るレイに寄っていくのは、
経過的には必然な気がする。
アスランは不器用だからが、なんだかものすごい免責用マジックワードになってるけど・・・


しかし、もっと早い段階で、実際に戦闘にあったらアスランの立ち位置をどうするかってのは事前に決めておくべきだったとおもうし、
出撃してからいきなり、アスランの指揮下に入れって言われても・・・って部分がね。
正直、シンとレイとルナマリアでちゃんとバランスとれてたものが、アスラン入ったことで崩れちゃった気がするんだよね・・
ある意味じゃ疑問や緊張を齎した側面はあるかもだけど
第二期ザラ隊みたいな感じで、人気は高い気がするけれど、
アスランがミネルバに来たことで、ミネルバにメリットがあったかっていえば微妙、
アスラン自身、仮宿にしてるだけなところもあるし、
(そのあたりのフォローの為の18話の話もあるかもだけど)



新旧キャラの繋ぎ手としてアスランがいたんだろうけれど、
アスランはキラの思想もシンの事情も理解してないからね・・・
かといって、アスランが理解してると、アスラン-シン、アスラン-キラ、それぞれで話が完結しちゃうのも事実だし・・・
アスランが両陣営に上手く噛めなかった印象もあるかも・・・




以前からも度々言ってることだけど、キラがわりと大人に揉まれたり、思想的なものに触れてるのに対して、
(マリューなりムウなりナタルなり、あと連合の兵士(アルテミスの軍人やハルバートン)やバルトフェルドやウズミ)
アスランやシン達ザフト勢は、どっちかっていうと子供だけで放置されてる感じがする・・・
タリアも、優秀な軍人であるものの、物語上のほとんどの場面で、軍人、上司という枠組みにおさまっていた気がするし、
パトリックにせよ、クルーゼにせよ、デュランダルにせよ、
個人としては優秀なんだけど、「現実世界と自分の想い、価値観を折衝しよう」って”大人”ではなかった・・・
個人の痛みを、世界を拒絶したり、破壊したり、変えたりしようとした人間ばかりが上についてた、
という問題はある気もする。
シンとアスラン自身の課題が、どちらかといえば、戦争の喪失を受け入れるまでの苦しみと葛藤、
というモチーフだったのもあいまって、
役割の思想的なモチーフは、特に運命ではキラに偏った気がするし、ゆえに叩かれやすかった気もしたりと・・・



シンファンの人が、シンが殺したパイロット描写を露骨にされてるsage描写だって言ってるのは見たことあるな・・・
キラファンとして言うならば、残された人間の描写を一番やられてるのがキラだとは思うんだけど。

民間人懲役はなぁあ・・・あれリアリティーあるのかなって部分でちょっとひっかかる・・・
そもそもカーペンタリアの鼻先で基地作られてて気付かないってどうよ?哨戒とかしないの?というのも気になるし、
今回は、舞台設定に釈然としないかも・・・
どうも2クール以降の、連合ひどーい、描写が露骨すぎて。。。


どちらかといえば、今回は戦闘に合わせてのキャラ紹介の側面強いかなーー(特に運命キャラ・意図的には2話あたりと一緒)
シンについては、その一人の人間として、そして家族を失った子供であるところのシンが、
どういう痛みや怒りを抱えているか、
という反面、軍人として、力を持つものとして、その怒りの危険性、双方をやった回という感じかなと。
(直接撃ってるわけではないとはいえ、MSで生身の人間(軍人だけど)吹き飛ばしてるわけだし・・)

DESTINY リマスター15話「戦場への帰還」

2013-07-07 23:47:31 | SEED DESTINY




やはりアスランが、プラント(同胞)の為にザフトに戻ったのか、
カガリの力になれない自分を打開したくて提示された力を受け入れた(=ザフトとセイバー)なのかで受ける印象が違う違う。

後の展開見るに、キラとカガリの為、というのが本心だとは思うけど、
アスランは脱走兵だし、父親は戦犯だしプラントの為とは言えなかったくらいのフォローはできるかもしれないけれど、
そんな繊細な神経じゃないよね?アスラン・・・

運命は、アスランはこんなに複雑なんですよ、というのを描写したかったかもだけど・・・
そのあたりはしっかり提示しておいた方がよかった気がする。
作外のインタビューだったとしても。
無印地点では、プラントの為、で固まっていたキャラなのに、と思う。
無印でも、内情的には、自分の復讐心やナチュラル蔑視を、国の大義にすり替えてるだけ。自分の正当性を軍の正義に依存してるだけ、
みたいな感じだったんだけど、一見そういう否定的要素見せないからね。
あくまでパトリックの問題としてのザフト脱走があったと、運命になってからそっちの印象を強化するようなことしたし。(アスランは悪くない、的な)
アスラン描写ってけっこ一貫してナイーブな気がするというか・・・
アスランのマイナス描写がマイナス描写に見えにくい気がする・・・(むしろ周囲が身勝手に見える演出になってる感じ(キラにしてもラクスにしてもカガリにしてもシンにしても)。アスランが糾弾される描写は(36話ラクスとか28話キラとか)それでラクス豹変とかキラ逆切れとかそれで言われるのも有る気が)
当時は、アスランはプラントを守る為にザフト入ったと思っていたから、
アスランが驚いたりショック受けてるのも、先にオーブやカガリを見限って裏切ったのお前だろ?今更何ショック受けてるの?同盟や結婚なんて想定できたはずでしょ?くらいの感じだったんだけど、
主観的には、アスランはオーブの為、カガリの為に戻ったとみると、当の守ろうとした相手に拒否られたということになるわけで、
多少は見え方が違ってくるかなと。

今回感じたアスランの問題は、自分のいない間に事態が動くことをまったく想定していなかったこと。かなと思った。
アスランは、この状況下で(確かにそれほど長い間ではなかったとはいえ)離れていた間、ミネルヴァはオーブにずっとおり、同盟も結ばれてない。要は自分がオーブをでた時から、
状況はなにも変わらず、そのままあたかも凍結されているかのように、動かないと。
これは、無印段階で、キラに対して示した態度を通じるものがあって、自分と月で分かれてからのキラが、二年間で新しい人間関係を築いている、という当たり前のことが、
実感として最後までわからなかった。
アスランにとってキラは、月で分かれたあの時のまま、大切な思い出としてその場で凍結保存されてたイメージな気がする。
そういう意味ではアスランって、考えすぎてとか悩みすぎてという言われ方をしがちだけど、
どちらかといえば、世界や他人との距離感がおかしい所がある気がしてる。
自分のいないところで人や事態は動くというのが、どうも感覚的にわかっていないじゃないかと。
それは小さい頃から、「なんでもアスランが上」「その中でもアスランはトップなんだぞ」byドラマCDキラ みたいな感じで常に場の中心にいた人だから、
それが当たり前になってる、うぬぼれかつ自意識過剰としての問題。
あと、シンやフレイにも通例することとして、眼前の理不尽(家族を殺される)を経験してことにより、
状況に対して無力である、ということが我慢できない、というのは感じる。
アスランとシンは力を求めたし(軍事力という意味では、自分の家族を奪ったのと同等の力=MS)であり、
ナチュラルの少女としてそれが望みえないフレイは、キラをつかってMSの力を操ることと、キラ・ヤマトという一人の人間を自分のコントロール下におき、支配することで、
自分の不全感、無力感を補おうとした気がしてる。(そして近くにいることによってキラを理解し罪悪感を感じるようになるんだけど。自分の酷さを自覚したからこそ、それをわかって優しくしてくれてたキラの優しさの得難さをわかってキラを愛しく思うようになったわけだし)

ミーアが辿った道というのもこのパターンで、ようは「人を自分の思う通りにコントロールしたい」という欲望。
これは、他人(特に身内、近しい人)が、自分の期待に応えてくれない。自分のしてほしくないことをすることへの、有りがちな不寛容(無印前半での、アスラン→キラはその代表な気がする)
ミーアにとっては、自分が”ラクス・クライン”という憧れの対象に”なって思い通りにする”ことに夢中になり、
そして多くの人間が自分を陶然と見上げること、自分の言葉ひとつ、動きひとつに反応することは、たまらなく”面白かったはず”
(その中に、皆の役に立ちたい、平和の為に、という気持ちは当然あるんだけど、あるからこそ自己批判ができなくなる。自分はいいことをしてるとおもいこんで)
そのあたりの快楽的嗜癖に対して、種は厳しいんだと思う。

他人を自分の思い通りにしたい。(そしてそれは正義、正しさの文脈で表明、正当化されることが多い)
それをわかっていたのが、ラクス。
身についていたのがキラやカガリ。
その怖さを知っていったのがフレイ。

そしてその”自制”を国レベルで行っていた(行おうとしていた)のがオーブ。


「他国を侵略せず、他国の侵略を許さず、他国の争いに介入しない」

オーブは戦争放棄の国ではない、ことは押さえられるべきだと思う。
理想主義平和主義の国というのは、いわば罠なんだよね。
それは、オーブに暮らす子供達(=ヘリオポリス時代のキラ達や、シン)がしていた誤解であり、
「他国の人間」が、オーブの本質を理解せずに、オーブを理解したつもりになっていう言葉だから(無印でアスラン達が潜入した時の手引き人の「ようこそ、平和の国へ」)


「それこそ我々が国という集団を形成して暮らしていくにあたり、最も基本的で大切なことと考えるからです」
「地球軍の軍門に下れば確かに今、武力による侵攻は避けられるかもしれません。しかし、それは何より大切なオーブの精神への、いや、人としての精神への侵略を許すことになるでしょう。」



『侵略を許さず』


それは国同士、人同士であっても同じこと。



種の世界で、もっとも激しい罰を受けるのは、他人を自分の好きにしようとすること。他者の尊厳を省みないこと。いっこの個別の人格として扱わないこと。

悪質な形でキラやラクスを利用したフレイとミーアは、その恐ろしさ不当さに対する理解と反省こそが救いとして描かれ、
友達だからと、自分の要求(帰ってくるよな)を正当化し、キラの立場や心情を考えず、結果としてキラを自分達を守らせる為に利用することになったサイや、
コーディネイターだからと、キラのあの艦には守りたい人がいるという言葉を、利用されてるんだと卑小化し、不理解・不寛容を示し続けたアスランは、婚約者に見限られ、
同年代の中ではトップクラスくらいの自負を根底から打ち砕かれることになったと(何気にキラが本気でキレたのこの二人に対してだよね)

それは、彼らが間違っているとか、善良でないことは意味しない。
むしろ、責任感とか善良さとか優しさとかが、不正義・理不尽を許せない心、義憤。本来なら美徳とされる性質に由来していることが多い。
ただ、地獄への道は善意で舗装されている。というように、他者への線引きを引けない態度、自分の意に添わない者を許さない態度、自分の良心からでているからとそれを疑わない態度は、
より大きなものに取り込まれ、より酷い状況にしてしまうと。
(ちなみにアスランやサイ、ミーアやフレイあたりの、”他者への思慮・尊敬を欠いた感情的な判断”は、やたらと人間くさいくらいのいいようで肯定されがちではあるかなと思う(ネットで目につくだけかもだけど))
(そしてその判断の”被害者”である所のキラやラクスが受けた被害というのが意外と見えにくい演出になってる。「僕がどんな気持ちで戦っているか誰も気にもしないくせに」はあぁ、やっと言えたなという感じがあったのだけど、
「やめてよね」のインパクトが強すぎたし、状況的に筋が悪すぎた。キラは20話で、ラクスは17話で、苛立ちレベルの不快感を感じてはいるんだけど(ラクスはミーアにじゃないかもだけど)逆にそれくだいさしね。最後は、彼女らの死をうけて、なにもしてやれなかった自分という後悔に塗りつぶされたし)



種のテーマは一貫して、自己(自国)の”境界”の為なら戦うことは是として書かれてると思うし、戦わなければならないがテーマな気がする。
「でも正しいと思うよ。僕は」「オーブのとった道。一番大変だとも思うけど」(キラ)
「勝ち目がないから戦うのを止めて、言いなりになるって、そんなこと出来ないでしょ」(キラ)
「大切なのは、何の為に戦うかで。だから僕も行くんだ。ほんとは、戦いたくなんてないけど、戦わなきゃ守れないものもあるから」(キラ)
「俺達にだって解ってるさ。戦ってでも守らなきゃいけないものがあることぐらい」(アスラン)
「確かに戦わないようにすることは大切だと思います。でも敵の脅威がある時は仕方ありません。戦うべき時には戦わないと。何一つ自分たちすら守れません」(シン)
「力押しで来られたら、もう戦うしかないものね」(マリュー)
「オーブは何より望みたいのは平和だが、だがそれは自由、自立での中でのことだ。屈服や従属は選べない」(カガリ)
「だからわたくし達も戦わねばなりません」(ラクス)


種じゃ、戦争の具体的な描写をする気はないんだと思う。是非も問わない。

(そのあたりはおこがましいと監督自身インタでいっていたかな)
そういう意味じゃ、無印から一貫してるかなと。 そしてなぜか脱線したけれど(脱線だったのかよ)

それを受けてのキラのカガリへの言葉。



「でも、そうして焼かれなければ他の国はいいの? 」
「もしもいつか、オーブがプラントや他の国を焼くことになっても、それはいいの? 」
「 ウズミさんの言ったことは? 」



これは個人的な感触に近いんだけれども、キラ(あるいはウズミが)こうゆうのは、理想だからというよりは、
そうしなれば、「もっと悪くなる」からな気がする。
そういう意味じゃ、それが正しい、理想だっていうよりかは、消極的な判断な気もするし。



「でも、諦めちゃったら駄目でしょう?判ってるのに黙ってるのも駄目でしょう?その結果が何を生んだか、僕達はよく知ってる」「多分ザフトを討っても駄目だし、地球軍を討っても駄目だ。そんなことはもう散々やってきたんですから」「でも僕達はそれを知っている!分かっていけることも、変わっていけることも」
「今従ってしまえばやがて来るいつの日か、我々はただ彼等の示すものを敵として、命じられるままにそれと戦う国となるでしょう」
「連合と組めば、プラントは敵。プラントと組めば、連合は敵。例え連合に降り、今日の争いを避けられたとしても、明日はパナマの二の舞ぞ」



”どこかで”線をひかなければならない。”どこかで踏み止まらなければならない”
ブレイクザワールドで被害を受けた人たちが可哀想だから。連合が悪いことをしているから。
うつべきものは討ってしまった方がいいのではないか?(アーサー)

それをいかに押さえるか。



まだ間に合うとおもったから。
選ぶ道を間違えたら行きたいところにはいけない。

目の前に示された道。その時々で、より被害の少ない方を選んでいえばしかし、最後に行き着く先には、もっと酷い現実がまっている。そんなような。

「それを知っているから」
「いつかは、やがていつかはと。そんな甘い毒に踊らされ、いったいどれ程の時を戦い続けてきた!」

わからなくても、知っていることを、わかっていることを繰り返してはならない。
分岐を選ぶのに、ただひとつ道しるべになるのは、自分達が知ってる、自分達がわかっている、この道が間違っているという方向に行ってはいけない。
たとえその道が、いっけんよく整備された、見通しのいい道に見えたとしても。


「ばかなこと」とあえてキラが強い言葉を使ったのは、あの手紙から、カガリがマインドコントロール状態・・・というかまあそれしかないと思い込まされてるということをあの手紙から察していたからかなあと。
この一言をもってカガリファンからも叩かれることになっていった気がするが。orz


さてアスラン。
冒頭書いたとおり、今のアスランがオーブとカガリとキラの為に動いているというと、だいぶ印象変わる話。

ただいずれにせよ、いくら友好国だからといえ、事前に話もせずに、いきなりMSで領域侵犯しようとするのは理解に苦しむ話で、
(それとも議長が話通しておいてくれてるとでも思っていたのかな)
アスラン、オーブをプラントの属国だとでもおもっていたのかよ?レベル・・・orz オーブコントロールを呼ぶ声音もなんか偉そうだし、ザフトのアスラン・ザラって基本的に偉そうで好きになれないんだよ。
この勘違いした態度って、アスランから色々失わせてきた要因のひとつだとも思っている。


アスランの、カガリの為、キラの為、という言葉を信じるなら、
ちょっと留守にしていた間に、カガリは結婚していて、それをさらったのはキラというあたり、
助けるつもりの相手同士で完結してしまってアスラン出番なしの上、男としてはすでにカガリに裏切られたという展開。
意気揚々と戻ってきて早々、目的とモチベーションを失うという・・・。

シンやルナマリアになぜ戻ってきたのか?と聞いた時は、アスラン返事をしなくて
(この段階では、アスランの頭のなかには、カガリ達の為って意識が強くて、ザフト、の中では相容れないとわかっていたからもあるのかも。
かつての僚友(ザフト兵達)たちを信頼してるし、大きなくくりでみれば、平和の為、コーディネイター共存を目指すオーブとザフトが(シンの個人的遺憾はあるとしても)対立しないという意識だろうし)
ただ、その思い込みも、ルナマリアからカガリの結婚を聞かされ盛大に入り、フリーダムが動いたことで、なんというかこう、自分はなんの為に的なやるせなさを・・・
しかも、ミネルヴァクルーのオーブとカガリへの心情は非常に悪い。(当たり前だけど)
アスランとしても、出だしの曖昧な見込み(ミネルヴァとカガリ達は対立しない)がガタガタに・・・。
結果として、「キラが一緒なら大丈夫」「どのみちオーブには戻れない」という形で納得しつつ、ザフトの任務と大義、意外に拠り所がないという状態に・・・
来週以降、シンに対する言動は、アスランはシンを気に掛けていた、というよりは、軍の正義依存の表れだったのかも、とも。



ところで・・・
今回、フリーダムとアークエンジェルという単語に、「キラが」「キラが」と言ってるのは、
アスランにとってキラが一番近しい”身内”であり過去を共有する相手であり、
今気に掛けている相手であるからというのは事実だとして、
この文脈的になぜ、キラが、という認識だったのか、かなり穿った見方なんだけど、
意外とアスランの物理的な力偏重かもな、ともちらっと。
(アスランのキラ呼びにはいろいろ文脈があるので今回はという感じで。生身で対面してる時のキラ呼びはまた違った意図だし)

アークエンジェルとしてのくくり、そのメンバーたるマリューやバルトフェルドのいう大人達や、ラクスやカガリなど、名を知られた少女達、ではなく、
実行力としてはMSパイロットとしてのキラが、真っ先にくるイメージもあるんではないだろうかと。
(キラが一緒なら大丈夫だ、も。キラ(フリーダム)という巨大な力の庇護下にカガリがあることへの納得というのもあるかもだし、
力が欲しい(ある意味での力への信頼)という思いが、セイバー(と便宜的なザフト復隊)を選ばせたのもあるかもだし。
逆にいえば、情報とか信頼とか、そういう目に見えない”力”の恐ろしさを軽視しがちだった気もする。
だからこそ、議長に対する危機感(これは偽ラクスに対する危機感)をなかなかもてず(というか、最後までキラやラクスの議長への懸念は共有しきれていない気がする)

アスランが当初ミーア(偽ラクス)に対してあまり重きをおかなかったのも、単純に大したことじゃないと思っていたのかも。
情報戦とか、そういうのに対しては、キラは運命でけっこう敏感だった気がするんだよね。
自分のフリーダムの力も、きわめて局所的な力に過ぎないことを自覚してた気がする。



あとおまけ。
なぜ運命でキラがあれほどカガリに献身的だったのか。
それはオーブの理念を現実的指針とするキラにとって、カガリに託したものがあったこと、
単純に、カガリという人間が人として好きだったというのが主なんだろうけれど、
やっぱ感謝もあるかなと。

ラクスがいなければ、キラは今(心が)生きていないかもしれないというのにキラ自覚的だと思うけれど、
カガリがいなければ、キラは今頃、恨みたくない人を恨んでいたかもしれない、という心情がある気もする。
それは、フレイだったりサイだったり、マリューだったり、フラガだったりと、
自分を戦わせた人間であり、自分を利用した人間、ナチュラル。
自分の意思だったでは補いきれない、その蟠りに一番ハマりかかっていたときに、それを払拭してくれたのはカガリだからね。
その辺りの恩返し、という気持ちも多少はあるのかな、と。
キラその辺り自分を過大評価しないと思うし。(自力でなんとかできたとか)
義務感だけじゃ説明できないものがあるしね、キラのカガリへのフォロー・・・。






ものすごく個人的ながら運命1クールでわかりにくかったところ

2013-06-30 01:55:14 | SEED DESTINY
個人的な認識です(予防線)


○アスラン

アスラン=プラントの王子様、ザフトのエリートというイメージが強すぎた気がする。
アスランは、少なくとも運命1クールでは、カガリの為、オーブの為という意識で動いてると思う。(プラントの為とか世界の為とかも当然あるんだけど、アスランはそのあたりとの敵対可能性を考えていない。両立する落としどころ=それに対する自分の役割を求めてるから優先順位の問題ではあっても、どれを、というのはない気がする)

ダーダネルスの「その方がいいと思った、自分ためにも。オーブの為にも」
帰ってきてからの「守りたかった・・・カガリ・・・キラも」
を本心とするなら、アスランはプラントを守るためにザフトに入ったわけではない。
核を撃たれた時も、議長にプラントからの武力行使だけはどうかやめてくれ、と、
プラント市民と反応は違ったし、
イザークにしても、できることをしろと言ったとして、プラントを守るために一緒に戦えとは言ってない。

あとアスランは多分、先の戦争のオーブの選択を間違いだとは思っていない。
シンの糾弾を受けて、「今の彼にわかってくれといってもわからない。自分の気持ちでいっぱいで」
オーブが間違っていたわけではないが、シンの気持ちも当然のもの。くらいの感じだったと思うけれど、
一見、オーブという国(の理想)を見限ってザフトに戻ったように見えるんだよね・・・。

アスランの意識としては
①先の戦争のオーブの選択は正しかった
②シンの糾弾はシンの心情としては当然と思いつつも、シンの糾弾が正しいとは思っていない
③オーブに戻ってから武装中立を貫こうとするカガリも正しい
④正しいからこそ、カガリの想いは通ると思っていた
⑤だけどオーブにおいて自分は無力でありなにもできない
⑥いてもたってもいられず、プラントに渡って議長と話してみたら、君が必要だと言われ、力を預けると言われた
(議長がいい人でり有能な為政者であるという信頼と同時に、ある意味自分を偽物呼ばわりした相手にしこりがのこってたのかも?とも思ったり)
⑦オーブとカガリの為の力を、いわば外部から補完しようとした
ただし、オーブの理念というのを具体的には理解してない、漠然とした平和の国、理想追求の国ぐらいのイメージだった気がする。
だから、現実の力をプラントから輸入・補完しようとしたんだと思う。


という感じだと思う。

アスランは無印時代
「俺”たち”はプラントをまもるために戦ってる」
「守らなきゃいけなな僕もって思ったんです」「ニコルと同じだよ」
という感じで、その決意自体は純粋でも、
俺はプラントを守る!という確固たる信念というよりは、ある意味、皆そうしてるから、という集団心理や空気めいた部分もあるし、
母を殺されたとか、キラが裏切ったという、やりきれない心情を、プラントの為、という大義に置き換えてた気がする。
ラクスはそれを見抜いていた。「アスランが信じて戦うものはなんですか?」

「お前が地球軍にいる理由がどこにある!?」「アスランが信じて戦うものはなんですか!?」
「でもあの船には守りたい人が・・・友達が乗ってるんだ」「俺・・・俺は・・・・」
「なら仕方ない、次あう時は俺がお前を撃つ」「そうであるならば、キラはまたあなたの敵になるかもしれませんよ。そして私も」
「僕もだ」「・・・っ」

アスランが次のときに、キラについたから、アスランはラクスの最後通牒に通った、と見られがちだけど、違うと思う。むしろ逆。
田中さんも、これでアスランがついてこなかったら、これまで、的なシーンって言ってるけど・・・
アスランは、ここで俺はなんの為に戦うか、が言えなかった。問題はそこな気がしてる。
ここで俺はプラントを守るために戦っていると宣言できていれば、でもアスランは、ラクスにその意志を確認されてそれができなかった。
キラを殺してきた直後だというのに。自分が銃を持つ理由を、撃ってきた理由を、自ら宣言できなかった。自分で背負っていなかった。
母を殺されたから、ニコルを殺されたから。それは反射にすぎない。

アスランにとってプラントを守るというのは、実はそれほどはっきりした土台じゃないと思う。
理不尽への怒り、母を殺された恨み、同胞への献身、それは確かにあるんだけど、
プラントの為と煮詰まるほどのものはなかったのではないかと。

アスランの「俺が」という一人称で守ると守りたいと言ったのは、現段階ではカガリとキラなのは事実だし、
それはそんなに軽くないと思う。


ただ、カガリがアスランの傷心に気付かなかったこと、ほかの男と結婚したことに対しては、
監督はアスラン側にたったコメントしてるので、
運命以降の描写でアスランとカガリが恋愛関係に戻らない描写をする可能性があるのは事実だと思う
(個人的にはアスカガで決着つけると思ってるけど)


○オーブ


監督のツイッターを見るに、
監督は、ウズミの選択もカガリの選択も(=オーブの武装中立)正しいとして描いてる、という意図が伝わりにくい。

シンがカガリを糾弾したのも、アスランがザフトに戻ったのも、「オーブが間違っているからではない」というのがわかりにくい。
オーブが間違っているからこそカガリは糾弾され、アスランはオーブをでたと思わせた気がする。

監督は「戦いか隷属かの二択を迫られたら戦いを選ぶのは当然」という価値観を持ってる。それは全ての前提。
(それは終盤のカガリやラクスの演説からも窺える)

それでも戦端を開いてしまったのはウズミの「失敗」(限界)であり、
シンのような存在、アスカ一家のような「犠牲」を生んでしまったのは、アスハ家の「業」であり、
そのあたりオーブの理念の「負の側面」をかいてるんだろうけど、(オーブの理念の多角的描写の為の描写がオーブの理念は間違っているという演出だと勘違いさせてしまった)
それを「オーブの理念は誤ったもの」という印象を視聴者に与えてしまった気がする。
間違っているから、シンはカガリを糾弾し、アスランもカガリを庇いきれず、しかもプラントに戻ったと。

そして「甘い綺麗ごと」「間違った理想」をカガリが、ユウナの「現実の言葉」を受け入れて
せっかく現実的な手段を取ろうとしたのに「キラがせっかく破棄された甘い間違った理想に固執してしかもフリーダムという暴力でそれを無理に継続させようとした」という印象を与えてしまったと思う。キラに対する激烈な批難もこのため。

とにかく、”オーブの武装中立は正しい”、という”前提”で物語が進んでいることがわからない。


このアスランとオーブの誤解の元は
「俺の家族はアスハに殺されたんだ」
「俺は・・・パトリック・ザラの息子です」
のインパクトの強さがある気がする。家族を絡めた悲痛な叫び。
オーブの理念は間違っている。アスランの課題はオーブとカガリにではなく、プラントと父にあると思わせた。


んで次の問題


○父の呪縛はむしろキラのモチーフ

キラがクルーゼの言葉に囚われてるのは、今までの話数でクルーゼの回想を何度かしてるので明白。
「人はそんなもの」
「あってはならない存在」
キラにとって克服すべき問題は、クルーゼのこの呪いだと思う。
(アスランにとっては自分の無力さを思い知らされる場面ではあっても、以降は父親のことはそれほど課題にはなってない)
ユーレンとクルーゼの代理として、デュランダルとレイがキラにとって配置されたとするなら(あくまでキラ側からの視点)
最終戦まで引っ張られたのキラだし・・・。
そしてこれを克服する大きな力、思想の元になったのはラクスなので、
コーディネイター対ナチュラルという図式から無理やり出された(=コーディネイターですらない)キラにとっては、
自分は一人の人間であり、そして人間として、人間はそんなものでない、として人の可能性を語る道筋が
キラにとって運命の物語だし、その軸はラクスとの絆、というのも、
無印の物語と、運命の短い描写(わずかな動作や回想)から探れという、かなりハードル高いことになってる
(あくまで私の解釈内)

○カガリ

明るい太陽のような子、というイメージがありすぎて、
カガリもまた無印のときから、自分の存在とオーブの在り方に迷っていた存在だということが意外と伝わってない気がする。
だからただ情けなく見えた気が

○ラクス

なにもせずに静かに暮らしたい、というラクスの望みが伝わってなく、
力がある、権勢を求めていた、みたいな誇大イメージが強すぎた。





無印50話リマスターで見返して、運命1クール見たうえでの、現状の感触です・・・・


運命リマスター14話「明日への出航」

2013-06-30 00:29:48 | SEED DESTINY
・・・OPキャラ注視しすぎてオオトリの確認忘れてた・・・orz

OP後半で気づいて、最後のザフト勢の決めポーズをぼーぜんと眺めちゃったよもう・・・orz
OP変更はオオトリと(見過ごしたが)シンキラがシンステに差し替えになってたのと、すっかり通例になった
機体+キャラのとこに機体名と名前が入るやつだね。
無印のときに、ザフトレッドの新規と印象的なキラフレカット(というかキラのトラウマカット)ははいったから
毎回いろいろ期待しちゃうんだけど、以降あんまし新カットとかないなー


さて本編。
またおうち壊れちゃったという子供たちが痛ましい・・・のだけど、(短期間に二度目だしね)
昨夜銃声をまじかに聞いたばかりだからね、それどころじゃないのでしっかりケアしてほしいところだが・・けっこ逞しそうだ。

収容されたフリーダムを前に話し込むキラとラクスとバルトフェルドとマリューさん。
なんていうか、フリーダム収容後、どういう経過でフリーダムが修理されたのとか、自分には隠されたとかというのが全くないのにキラの度量を感じた・・・のだけど、あのドラマCDの後だと、むしろ天然のなせる姿勢かなとも思った。
ロールアウトされたばかりの機体でまだ正規軍でもない、という部分が確認される。
(こういうところ見ると、ダーダネルスでキラがアスランに与えた情報は片手落ちではあったかなと思う。
まぁ、暗殺と事実と偽物の存在から危機感持てないアスランに話にならないと思ったキラの判断が間違っているとも思わないけど)

キララク的に注目は、なぜ私を?というラクスにキラが気遣うように手差し伸べているところ。
マーナが入った時にはしっかりラクスの肩抱いてたしね。
こうゆうの見ると、ただ13話でキラがラクスに向き合いだしたわけじゃなくて、
こういう身体的なコミュニケーションはこの二年で常態化してる感じがするんだよね・・
ラクスも不思議そうな感じないし。
どうも12話まではふさぎ込んでて、13話で覚醒したってわけでもなくて。
自分であたったソースじゃないけど、キララクはこの二年でそれなりに進展してる設定っていうし・・・

んで、マーナの手紙。なにを見てたのかと言われそうだけど、どうも手紙がうつってる部分がカットになってたらしい・・・
それはさておき。手紙の内容。
キラが察したのは、カガリの置かれている状態のまずさだよね。
○身内であるキラと直接話ができないどころか、手紙一枚渡すのすら、はばかりながらこっそり託さなければならない。
○カガリの大切な私物であるところの指輪ですら、捨てるかとりあげられるかの二択。アスランに将来的な婚約の意図もあるとはいえ、
国家元首という立場にありながら、指輪ひとつ保持することができないほど内面までを支配下におかれようとしているというカガリの現状。
実際に身に着けるわけにはいかないにせよ、しまっておくという可能性すら奪われた状態(例えるならある意味キラがラクスにハロ捨てろっていってるようなものではなかろうかと)
○両親がいないことを理由に、国家元首のカガリをセイラン家に強引にとどめ置き、行動を制限し、
カガリの幼少時からの世話役であるところのマーナにすら、カガリの今後がわからないという現状。
カガリは国家元首という立場にある。そのカガリにこれだけの制約を強いる結婚がまともなものであると見做すことの方が難しい。
これは対外的なパフォーマンスですらなく、セイラン家の人間にカガリが隷属させられ、傀儡にさせられようとしていると判断するには十分かなと。

プラントとオーブ、双方がこれで居場所ではなくなった。
それで腹は決まったかなという感じがする。

「諦めちゃったら駄目でしょう」

という声にかぶるクルーゼの回想。キラの運命の土台ってやっぱクルーゼの呪縛なんだろうなって思う。
ここで回想される相手がフレイとムウなのは、キラとマリューが失ったものの土台なんだろうか。
ところで、キラは「僕達はよく知ってる」って言葉には、ヒポクラテスの「知りながら害をなすな」という意識とかあるのかな?
最終回でのデュランダルへの宣言にもそのベースにどっかそんな感じあるかも。

マリューのえぇ。声が印象的だったなと。
二人の目指すものがしっかりと見えてるというよりは、同じ過去、傷を共有するからこそ、共有できるもの
望むものは一緒だと、そして大切なこと(こうしてただふつうに暮らせて死んで行けたらそれが一番幸せ)を知っている、
高らかな理想ではなく、それこそが守るべきものだと知っている人間同士の絆な感じがする。

仲間との再会と、カリダとの別れ。
カリダのこともヴィアのことも、両方母と呼べるキラは凄いと思うんだ。(正確にはヴィアのことは呼んでないけど。父親はユーレンって言ってるし)
キラがすでに知ってることをわかったうえで、もう一度キラを送り出したカリダは、キラのことを信じてるんだろうけれど。
逆に、フリーダムを準備してたことといい、ラクスもバルトフェルドも皆キラのことを信じていたんだと思うし、
そこに痛ましさも罪悪感も感じていたかもしれない。
ほんとは送り出したくなかったよね。
ただ、キラがもしかしたら死ぬかもしれないってだけじゃなくて、
キラが振るう力というのは、”義兄”が人道をはずしていわば作り出した力だということもカリダは知ってるんだし・・・。
でも、キラの意志を曲げることは(最高のコーディだからこうしろとかこうするなとか)
、逆に、キラの生まれによってキラを定義することでもあり、
キラが生まれたその日から、キラを育ててきてくれた人だからこそ、キラの意志を信じて送り出したのかなとも。


すぐにパイロットスーツに着替えるあたり、軍服をきたのはキラなりに出発の儀式だったのかも。
出発時にブリッジにいたのも。
そしてフリーダム、正式的な初出撃。
ラクスのアナウンスで。ここではよろしいですか。
ストフリ初出撃もラクスだしね。こちらは発信どうぞ。
両方ラクスの声で送り出す演出に合わせたんだろうね。

これってアークエンジェルとフリーダムだよな、というオーブ軍に本気で迎撃の意図なさそう。
間に合わなかったのも事実なんだろうけれど。

一方カガリ。アスランとの出会いから、アスランとのことを回想していますが・・・なかなか殺伐としてる・・・ってか、
ぶつかってきたなぁという感じが・・・
しかしこの文脈でアスランの君は俺が守るを回想されるとアスランが・・・嘘つきに・・・みえ・・・orz
(これが初期フレイなら嘘つきっ、くらいは言っただろうし・・・)
ユウナといい、カガリに守るって言った男は肝心な時にいなくて、そして逃げちゃって(ユウナね)
頼りになるのは身内のキラだけみたいなことになってないかなこれ??
・・・運命の方のキスシーンの方回想にしとけば(カガリもがんばれ)カガリが頑張れなかったって感じになったきもしつつ。
アスランにしてもユウナにしても、まぁ相手が悪すぎたよね(アスランは立場の壁、ユウナはフリーダム)


それでフリーダム登場!
鳩と一緒に飛び立ちます。
・・・あのカガリをコクピットに入れるところと(フリーダムのコクピット構造が活かされた場面だよね!)
ラスト、膝を曲げてカガリを座らせて降りるキラが当時凄い萌えだったのを覚えてる

個人的にユウナ可哀想とか全然思わないな~カガリを盾にした挙句に逃げたのがこの男のすべてだし、
式の前に酒飲む男だぜ?どうしようもないよこの男・・・
女性の髪形や、二人きりの時の素の言葉使いを矯正しようとするあたりもさ。
キラやカガリが嫌いなあまり持ち上げる人いるけどさ。


以降、キラ好きの妄言レベルだけど、
キラは運命で、ヤキンの姫君たちとフリーダム、みたいなのを最大限利用してるイメージある。
(フリーダムがある程度伝説化してることは、アーサーやヨップ達の言動からわかるし)
先の戦争の英雄機たるフリーダムと共にある、ということで、
姫君達のイメージ、を利用する人間=デュランダルとユウナ を牽制してる気がするんだよね。
相手がフリーダムと思えばこそ、ラクス(の名声=ミーア)やカガリ(の人気)を抱えようとするデュランダルやユウナも、
おおっぴらにフリーダムを指名手配できなかったんじゃないかな、とか。
(ラクスの場合は、26話。あれだけフリーダムで暴れてみせたのも、ある意味牽制ある気がする)
ラクスとカガリがフリーダムと共にあるなら、彼女らの意志は、フリーダム(アークエンジェルも)と共にある方が”本物”であることがわかるからね。
オーブ政府は事態をあまり外に出したがらなかったし、議長も中盤に展開で、フリーダムを”敵”として、お得意の扇動をしなかった。
(31話の演説で、あそこで合わせてフリーダムを”抵抗勢力”に仕立て上げることだってできたはず。むしろ存在を伏せた。
運命におけるザフトの戦史の対MS部門個人戦でで、最も輝かしい成果であるところの対フリーダム撃破をお得意のプロパガンダに組み込めなかったのも、フリーダムの名前は、先のラクスの戦いを密に結びついてる以上、水面下で処理せざるを得ない部分があるのだと)


今回も、フリーダムだったからこそ、トダカ達はそれが”カガリの仲間”であることを察したわけだしね。
作品内に根拠は薄いけど、キラ達が今回の行動において、ある程度大義的なものを掲げるとすれば、
君側の奸を討つ、くらいしか落としどころないし。


今回はアークエンジェルクルー集結回だよね、と思う。
オーブを理念を理解し、あるいは憎しみの連鎖を超えたもの、という感じがする。
初期クルーばかりじゃなく、ラクスもバルトフェルドも。

DESTINY リマスター13話「よみがえる翼」

2013-06-25 23:26:55 | SEED DESTINY
待ちに待った13話。

シンの帰還。無印29話のキラとの対比かなという感じもあるけど、
37話でアスランとメイリンを撃って帰ってきたときの対比かもと思った。
シンが 軍人であるゆえの場面かなと両方とも。

種割れ、についてパイロットが主観的に語った「クリアになる」ってだけだけど、の場面。
最後まで繋がる、レイの価値観が垣間見える言葉。

プラントに避難することを考えるバルトフェルド。
カリダと家事に勤しむラクス。
そして海を見ながら考えこむキラ。

キラとラクスは水辺のイメージ強いよね。
キラは、海や水を見ながら考えこんでること多いイメージ。

そして災厄は海からやってくる。
ユニウシセブンによる津波、海の上で見た戦場、そして海からくる侵入者。
1クールは、キラ達が静かに過ごした海が惨禍に染まり、直接にそこから刺客がきたイメージも。

(ハロはセキュリティシステムとリンクしてたのだろうか?とか、なぜこの惨状にオーブ軍が動かないのか?とかはとりあえずスルーで)


異変を察したのが虎とマリューとキラ。
ただし、着替えてかつ銃をもって応戦した虎とマリューに対して、
寝巻そのままででていくキラは、異変を察してもなにが起こっているかまでは思いもよらなかったんだろうな。
キラ自身、銃を持たされていなかった感じもする。
コペルニクスでは撃っていて腕も悪くなかった(手榴弾を撃ったのがキラだと監督がツイッターで言っていたと思う)
このことがあってAAで練習した可能性もあるかも。


シェルターの扉の前で、銃口がラクスに向けられていたことから、
この襲撃の目的がラクスだということがわかる。
フリーダム決意前にもキラの至るシーンというのはいくつかあって、
10話のトールとフレイを思い出して手を握るシーンと、
ラクスに銃口の照準が向いていることを目の当たりにしたショックと、
おそらく考えるより先に叫んだ名前と動いた体。

倒れ込んだ2人が、キラが先に立ってラクスの手をとってふたりでシェルターにかけ込む部分は新規。
もともとはお互い不安そうな表情だった感じが、
今回はお互い微笑みかけながら。
「狙われたのはラクス」ということがわかっての、お互いに向ける微笑みだと思う。
ラクスはショックだっただろうということがわかった上での、
キラの微笑みを手の差し伸べであり、それをわかってのラクスの穏やかな笑みだと思う。

コーディネイターだわ。

狙われたのは、私なのですね?

この二つが、アークエンジェルのその後の進路(=プラントは目下信用できない)を決めることになる。

そして。
「ラクス、鍵は持っているな?」「いえ、でも、これは」

キラは知らなかった。
気付いて、そしてほんのわずかな時間で決断した。
この時間の短さがキラという人間だと思う。
フリーダムが用意されていた。駆け巡る想いは色々あったかと思う。
フリーダムを再建していたこと。それが自分には知らされてなかったこと。現実的に他に手がないこと。
「このまま君たちのことすら守れずに。そんなことになる方がずっと辛い」
乗る理由を脚色しないのも。
その方が辛いから、乗る。
高らかな理想や信念ではない。キラが守れなかったことに傷ついてきたこともラクスは知ってるし、
多くの犠牲と引き換えに与えられた異端の力を、できるなら使いたくなかったというのも当然な心情。
キラの生きる理由になってもいいと、キラの出生を知った時にラクスはそう言ってるし、
そして今、こんなことになっているのは自分が原因だということが判明してる。
フリーダムの鍵をラクスが持っていること。
ハロに入れる形という形で、常に傍においていたこと。
ラクスの心情は、ただ愛する人を戦場に送りたくないというだけでなく、
キラがどう思うか、
そしてキラにどう思われるか、というのもあったかもしれない。
女のとして、どう思われるか、と同時に、
キラが自分自身をどう思うか、結局力だけだと思うのではないだろうかと、そんな自己評価をしてしまうのではないかと、
そういうのもあったかもしれない。
だけどラクスは、けしてそんなふうにキラは思わないと理解しているし、
理解しているからこそ、フリーダムを再建し鍵を持っていた自分に忸怩たるものがあったのかなと。


お互い理解しているしわかっているけれど、隔てられる。ぴしゃりと閉じる扉は、
キラとラクスが繰り返してきたモチーフかなとも。
それはストライクの閉じるコクピットであり、最初にフリーダムに乗った時にも。

そして、キラの迷いのない強さ。
フリーダムの翼を広げた姿の圧倒的な存在感は、
そのままキラの矜持に繋がっているからだと思ったりも。
背中の後ろに何を守っているのか。それはアークエンジェルブリッジから見えた姿であり、
背中に守るもの。
自分の力への自覚。
これは自分の意思だという自覚。
その意思と力によって奪うもの。
キラは、力があればなにかできる。この力があれば何かできる、という考え方はしないんだと思う。
(他人にはそれを許すけど)
守るもの、力、自分の望み、その全ての形を知ってるからこそのフリーダムの揺るぎなく毅然とした姿なのかなとも。

後の展開見るに、キラわりと情報戦とか駆け引きとか弁えてる感じもするので、
戦意喪失させて情報を聞き出そうという意図もあった気がするねあの武装と手足をもいでいく様子。

キラは、せっかく殺さなかったのに、という考え方はしない気もするけれど、
その強靭な意思、ラクスを殺そうとした意思と、それが適わずならば機密維持のために、自爆(自殺)を選ぶ、
その凶悪で歪んだ意思とその背後にあるものへのショックは強かったと思う。
ラクスの殺害、ただ殺そうとしただけじゃない、失敗に終われば、次々と自殺を選ぶ、
その”背景”
41話リフレインで、「何かとてつもなく大きな意思と力が、この戦いの影でうごめいているのを」
ただ、ラクスを殺そうというのなら、それを為す感情はあるかもしれない。
ただ、自殺を選ぶというのは、個人の思想・感情を超えている。
これを企てた人間は、殺そうとする相手のみならず、”味方”の命までも、手段として切り捨てる相手だと。
そしてその命を受けた人間が、それに従うほど、大きく絶対的で、そして歪んだ背景があると。


キラとラクスの新規は、悲しみと微笑みが逆になっている。
ラクスに向けた笑顔は笑みだったキラだけど、
最後の、トリィを見て顔をあげたキラは、従来はふっきったよような強い表情だったけれど、
今回は、ふっきったとはとても言えない悲しげな顔で、それでもトリィが来る前よりは、顔を上にあげている。
行こうとおもっていたプラントにもこれではいくことができず、
従来のナチュラル対コーディネイターという図式が崩れた今(ラクスがコーディネイターに狙われたことで)
カガリの手紙が、AAの方向性を決める。
オーブの理念、三隻同盟の想いをつなぐ、あたかも箱舟のような。






運命リマスタ12話「血に染まる海」

2013-06-15 09:19:23 | SEED DESTINY
はじめに白状すると、キララク新規あるらしい特殊EDに気をとられるあまりあまり真面目に見てませんでしたーーー

のであっさり。


○海におりてきた惨禍

「なんでだろう・・・なんでまた?」


視覚的にキラが見えていたわけじゃないだろうけれど、戦闘の気配を感じた?
それは音なのかもしれないし、空気ともいうべきものかもしれない。
ラクスが気付いていなかったなら、戦士であるからこそ察せられるもの。
見える位置に移動するために、家にあがったのかもなーとも。

ユニウスセブン墜落
核攻撃「あれは・・・核の光だ」
「誰かが泣いてる」

遠くの空に見上げた災禍が、海にまでおりてきた。

「大丈夫・・・ここはまだ・・・平和です」「ずっとこのままこうしていられたらいいですわね?」

演出意図としてはこのあたりと同一かな・・・とも。
(それで次回のラクスが狙われた→フリーダムで出撃という流れになるかなと


○オーブの選択、かつて中からみた景色 今外からみる景色


この緊張感の作り方はなかなか楽しい
ミネルヴァのおかれた物理的状況。
これがカガリの選択ではないけれど、外からはそれがわからない。
そして、カガリの選択ではないと知ってる視聴者も、カガリに向ける視線は様々で。

ユウナ側は、ロゴスに対する恭順を。
連合側は、ザムザザーに対するデータ取りのために仕組まれた戦闘。

さてユウナ。めんどくさいのでちょっと前にツイッタに書いたのをそのまま転載


ユウナは1クールの段階で既に売国奴の奸臣だったと思うけど私は なんでそこから王子様がお姫様(比喩表情)を救い出す展開は監督的にはバリバリ王道だったと思うんだけど(多少世界観考えようよ感は有) まー1クールのカガリ批判をキラがもってく勢いだしユウナ可哀相とか言われてるし

同盟を結ぶだけならまだしもミネルバを売る必要はなかった 連合から要求されたわけでもなくセイランの独断だし トダカの苦い憤りと呆れの視線は遠からず世界中がオーブに向けることになる類の行為であれをリアリズムに分類するむきは人間の品性というものを低く見積もりすぎてる

ミネルバはユニウスセブン墜落の被害を激減させた恩人の舟であり オーブにとってプラントは現段階では友好国だった 媚びを売られた連合側としてもオーブは信用できない国と見做す どこの世界に状況が変わったからと昨日までの友を売り払う人間を信用する人間がいるかと

所詮あれはセイランのロゴスへの忠誠を示すパフォーマンスでしかなく セイランにとってはカガリもオーブも権勢の為に利用して使い捨てる為の存在でしかなく その辺り伝わってなくてガチでユウナ持ち上げる人間いるのが監督気にいらないんじゃないかなとか思う


カガリを1クール前半馬鹿に見える演出でやり過ぎたから 同文脈でカガリが間違ってると思わせた部分あるかなとも さじ加減的には色色うまくいってない部分あるかなあ キラやカガリが非難罵倒されてるシーンは無条件で支持って層も厚いし(ダーダネルスのアスランへも)


監督がサイ達ヘリオポリス組に厳しいのも同じ感覚な気がする(伝わってない) 彼らがいかに無自覚にキラを傷つけ利用したかがあまり伝わってない 声優陣にしてからがあの辺酷いし


-引用ここまで

今回見ると、もう少し連合側の要求もあったかもしれないけどね・・・
ただ、ミネルバに対する怨嗟は連合にはこの時点ではないし、
積極的にミネルバを引き渡すよう要求したとも思えないんだけど。



ここの場面あることで、以降の、マリューやアスランの、カガリがいればオーブ出兵は防げたかもしれない
というのはただの願望にすぎず、
キラのあの時のカガリには無理だった、が完全に証明されてる気がするよ。

無理なだけならまだしも、衆目の中で罵倒されて、冷たい視線で見られている始末だし。
これは、”カガリ落し”の続きだと思う。
ユウナ=感傷によらない国益基準でものを考える
カガリ=感傷で国を玩具にする
というイメージを刷り込んだ
実際ユウナがやったことは、昨日までの友であり恩ある相手と、オーブという国の信頼を切り刻んだ上で安値で売り払う行為でしかないんだけど。
(っーかそもそも連合艦隊全滅したことでユウナ何らかの責とわれなかったのかよ。
表面上はオーブは領海防衛のためにでてたっていっても、仕掛け人の一人だろと)





そしてシン。オーブが・・・本気で?と茫然としたのが隙になり、ザムザザーに捉えられたのみるに、
シンにとってもショックが大きかったんだと。

かつて裏切りに思えたオーブの、「自分達の敵ではない」ザフトとは言われるままには戦わない。とう選択
そして、今度。自国を守る(という建前で)ザフトに砲撃をむけるオーブ。シンはオーブに裏切られ続けている。

そして当時から指摘されてることだけど
キラが「アークエンジェルは沈めさせやしない」「アークエンジェルはやらせない」
という心情で種割れ、パーサーカー状態なのに対して、
シンは守るべきもののためでなく、失ったものの為に、奪ったものへの怒りで戦うという対比。



○トダカ登場

ユウナのご高説(嫌味)のすぐ後にトダカの台詞「そういうの恩知らずっていうんじゃないのか?」
カガリが正しいっていうならば、もうすこし作内で説明できるキャラいればと思ったけれど、トダカがいたか。
「おれは政治家じゃないんでね」
は、のちの偽ラクスを見ての虎の「これも政治ってもんかもしれないが」に通じるけどね。
このあたりのトダカの「良識」は、キラの「でも皆を騙している」に通じるものがある気がして、


政治的なもの(裏切りでも嘘でも国益になるならば)と理想的なものが対立しつつ、なおかつ後者を弁えてるのが軍人、
って対比パターンは、わりとありがちなエンタメのパターンかもな、とは思うかも
(腐敗した政治中枢部と清廉な軍人って対比)

キラやトダカといった、立ち位置限定されてる(軍人)キャラだけでなく、
政治的視点ももちつつ、カガリの肩もてるキャラいえば、もうすこしカガリの描写も説得力ました気もしないでも・・・





運命リマスタ11話「選びし道」

2013-06-09 17:22:56 | SEED DESTINY



○キラの決意と物理的に隔てられはじめる予兆が見えてきたキララク。


アスハ家の別荘のベランダで椅子に座るキラ。
前半において、椅子に座って考え込んでいるキラと、ガラス越しにそれを見守るラクスの絵が描かれる。
6話以降、こうしたキラを見守るラクス、という絵は毎回のようにでてきているけれど、
今回はガラス越し。
スペエディ移植の、二人の散歩している場面で、おだやかな笑みを浮かべてキラを見ているラクスという絵から、
再び戦争の兆しが見えてきた現状、その顔からは笑みが消えているのは、
フリーダムの鍵を預かってる身として、キラがわが身を戦火のなかにどう置くかというのが、ラクスの懸念だったかな?と。

そして夜。ラクスが(子供たちと)眠っている中、
キラが椅子の上で、守れなかったトールとフレイの回想とともに、手を握り締める描写。
ある意味、ラクスが待っていた(こないで欲しいという心情が強いので、待ち望んでいた、ではなく、恐れを込めて待っていた)
そのキラの動作だったのではないかと?
ラクスの見ていない所で。(キラがラクスの視線の、このときはラクスの視線がないゆえだったのかは不明だけど)
逆にいえば、ラクスはこの時のキラを知らないから、13話で、フリーダムをキラに提示するときに、より抵抗があったのかもしれないけれど、
キラは、決意済だった、と言えるかもしれない。
そして、ガラス越しに隔てられた二人は、13話での、鋼鉄の扉に隔てられる二人、26話において地球と宇宙に隔てられる二人、の前兆でもあるかも。(これは、39話(あとスペエディラスト)の、両扉から飛び出して抱き合う二人という絵で回収されるんだと思うけれど)


○自由の牢獄・アスラン

必要なのは、想いか力か。

「何か」という言葉に取りつかれたアスラン。
今回の墓参りにおいて、イザークは「俺はプラントや仲間を守るために戦っている」「だからお前も何かしろ」

「オーブはどう動く?」に対して、わからない、と応じるアスランに、
アスランはオーブで思うように動けていない(そもそもこの状況でプラントにいる時点で、オーブにおいて国政にかかわる立場ではないことは明白)
力をオーブではふるえないなら、プラントに戻って来いといった。
かつての”ライバル”が、置かれている状態で”なにもできない状態に歯がゆさを感じたイザークは、
「力を有効に使うために」
プラントに戻ってこい、とは言ったけれど、
「俺と同じようにプラントの為に戦え」とは言っていない。
「だからお前もなにかしろ」

なにをするかは、アスランが自分で決めろと言っている。そしてきっとそれはプラントや同胞のためでなくても構わなかった。

偽りの存在だとしても、できることをするというミーア。
力をくれるという議長。
力があるならなにかしろ、というイザーク。

全員が、それぞれの形でアスランの背中を押した。
ただ、全員がアスランに「これをしろ」とは言わなかった。

ここでなら、”必要とされている”とアスランは感じたと思う。

キラもラクスもカガリも、アスランか、自分の望む(選ぶべき)道か、という中で、後者を選んだ。

その生き方に、自分の生き方を重ねることが、アスランにはできず、選ばれなかった自分という自己イメージの空しさに囚われがちだった気がする。

ただ、いずれにせよ、アスランが「なにをすべきか」という具体的答えを、プラントで得られたわけではない。
肯定された、望まれた、力をくれたという高揚感のまま、
ただ、本来は方便として与えられた枠組み=ザフト、というくくりのまま振る舞って、
オーブやかつての仲間との敵対をもたらしたと。


「何か」というのが、無印後半からアスランに渦巻いている。
キラを撃った時から、カガリやラクスの糾弾を受けたときから。
キラにおいては、発想の転換という意味合いで了解されたそれが
(命令のまま戦うのはやめたんだ。でも正しいと思うよ、オーブの取った道は)
アスランはどこまでまだ具体的に撃つべき敵、正しい道、があると思ってる気もするかな。

力がなくてはなにもできない。
ただ、アスランには「なにをする」という外圧的な縛りがない。
キラもカガリもラクスも、議長もイザークもミーアも、アスランに「これをしろ」とは言わない。
「自分を守って」とも言わないし、「これと戦え」とも言わない

ある意味、キラは最初からずっと、アークエンジェルを守るという縛りがあった。無印前半では、事実上、友人たちを人質にとられながら。
そして運命では、カガリやラクスの為に戦うという縛りを自分自身に課してぶれなかった。



目的なき力は、力そのものを目的として、その力をくれた相手(=軍と議長)の為に戦うという錯誤をおこした。

「なにかしたいと思ったときに、なにもできなかったら、それがきっと一番辛くない?」

それでも、力ではなく、その何かしたいという想いこそが、その人そのものであると帰結するかなと。



○もっとも感情的だった二人が、もっとも正しかったという現実 カガリとシン

一見駄々を捏ねてるように見えたカガリこそが一番正しかった(武装中立)というのが監督の意図だったらしい。(わからないよ正直・・・)


①そもそも、二年前に国を焼いた相手と同盟を結ぶなどあり得ない。
②同盟を結んだ上で、うまく立ち回る道は、現実的に無理
③同盟を結ばない状態でなら、オーブが(連合・同盟国に)攻撃を受ける大義名分はないが、
 同盟を結んでしまえば、それがザフトにとって攻撃をしかける大義名分になりえる
④オーブが受けた被害については、オーブとプラントの一国対一国の交渉によって損害賠償を受ければいい話である。


かな??(自信はない)
正直本編見てると、カガリが感情的で、セイランが正しいように見えるよ正直orz
このあたり、もちっと作内に、カガリが正しかった、ということを具体的に説明できるキャラおいといた方がよかった気もする。

ちなみに、この二年の復興はすくなくともセイランの手腕があったのでは?という質問には、
そもそも先の戦争については、オノゴロ島のみの戦闘であり、それほど大きな被害を受けたわけではい。という設定らしい。

おそらく、この二年で、セイランが、自分達と利害が一致する人間となにし、多勢に無勢タイプの、信念や見識のない人間ばかりで
閣僚を固めておいた可能性が高いな。
あとカガリ失墜のテクニック的手法として、

①「子供じみた主張はおやめください」とカガリの言動を、カガリ自身と周囲の人間に対して、子供じみた主張だと印象付ける
②質問は答えを限定する、という通りに「伝統や正義、正論か それとも国と国民の安全か?」とさも二択の問題のように状態を設定したこと。その二つが本当に対立する道なのか、同盟が本当に国を守るか、そのあたりの具体的検討はない。これも印象操作。
同盟を結ばない=国や国民の安全はどうでもいい、という一種の洗脳をカガリに対しておこなった。
③ふたりきりになった後に、「問題が大きすぎるんだ」と言って、すこし間をおいて「君には」 これによって、問題が大きいんだと、ひるんだところに、「君には」とカガリには無理だという思い込みをさせた
④人前で散々貶めたうえで、ふたりきりになってから、優しい声で懐柔する。貶めたこともあくまでカガリの為だとして、
自己を正当化うえで、自分は君の見方だと懐柔することで、感謝・依存させる。
周囲の尊敬や信頼を失ってく中では(それもセイラン家のやり口のせいなんだけど)、ユウナは唯一の味方に思えるはず。こいつどこのDV野郎だ。
⑤我々は大西洋連邦と同盟を結びます、と、そんな権限ないんだけど、そう断言することで、カガリに対してすでに決定事項だと錯覚させる。
ただでさえ無力感に苛まれているカガリには、お前が決めることじゃな、と言える力はもう残っていないだろうし。





「あの時オーブを攻めた地球軍と今度は同盟か!?」
「オーブはずっとそうであったように中立独自の道を・・・」

というシンとカガリが正しかったっぽい。
といっても、タリアも虎も予想の範囲内だった状況、現実的に避けられたかは難しいんだけど・・・

SEED DESTINY10話「父の呪縛」

2013-06-02 01:38:16 | SEED DESTINY
何を間違えたか初めサブタイトル名を運命の呪縛とか書いちゃったよ・・・
そしてGATEにキラの新作フラッシュきてることに気づいて(いつからかは不明)気分上昇~~
しつつ、とりあえず今回は、アバンタイトル部分のみに言及(キララク)←私的今回の本編


おぉ?と思ったのが、今話。
キラが、核の光を見て、クルーゼを連想するのと、
次回、手を握り締めながら、トールとフレイを回想するキラ、というのは、

わりと近い時期に、再び機体にのるアスランとキラの、”それぞれの剣”であるところの”動機”において、
今回一致してるような気がした。

今回アスランが、タイトル通りにパトリックについての心情を議長に吐露するわけだけど、
キラは、核が撃たれた空を見て、クルーゼを連想した。
わりと、キラとアスランの、対戦争(ないしは対人類)への考え方の違いって、
先の戦争の終盤、クルーゼの”呪い”を受けたか、パトリックの呪いを受けたかで変わっている気がするんだけど、
アスランが”動”の苦悩なら=プラントに行く、議長に心情をぶちまける。
キラが”静”の苦悩=あくまでこの二年の生活の中で、惨劇を見て、クルーゼを思い出す。

ある意味クルーゼも、キラにとっては父の呪縛だからね。ユーレン・ヒビキという”元凶”


運命のキラの戦いと言うのは、”人はそんなものである”というものへの抗いにあると思っているので
(人はそんなものじゃない→”それでも”守りたい世界があるんだ”→だけど僕達はそれを知ってる。わかっていけることも、かわっていけることも)
人はそんなものである、という風景を立て続けに見る、
「ブレイクザワールド」「報復の核攻撃」「オーブ近海の戦闘(12話)」という経験を積み重ねているのは、
キラのよみがえる翼に向けての仕込みな感じがする。
興味深いのが、キラが全てそれを「直接自分の目で」見てるところかな。
ブレイクザワールドの、あの浜辺の印象的な絵も、今回見上げている様子も、オーブ近海も。
アスラン、現場や現場に近いところにいるんだけど、モニター越しだったりあとから聞いたりな感じで。
その辺りの演出は意図的かな?とは思うけど。
1クールは、アスランがザフトに戻る為の経過描いてるクールに見せて、
キラも相当細かく積んでいる印象。
それで印象的なのは、多くの場面でラクスがキラと一緒にいて、
そして”キラを見る””キラを見ている”様子が描かれている面。
ラクスは、既にフリーダムの鍵を持っているわけだから、キラがどんな想いを積み重ねているか、そして力を求めるか、恐れも込みで見守っていたのではと。そしてその時は、”ラクスがコーディネイターに殺されそうになる”というある意味ラクスにとってもっとも残酷な形でくることになるわけだけど・・・

んで次の回。アスランがニコル達の墓参りにいく回で、
キラもまた、守ってやれなかった死者を思い出す。
キラとアスランの呪縛、先の戦争での悔恨と、それに報いようとする意思。
キラの方が割かれている紙面は圧倒的に少ないうえに、アスランに比べて格段に、そもそもが”静”な動作で描かれているから
(僅かな動作と、回想と、表情)
アスランの動機付けとしっかり連動しているし、
無印見ていれば、キラの心情は当然追える作りになっていると思う。


フライング込みの最近のカガリの推移個人的感想

2013-06-01 22:56:40 | SEED DESTINY
カガリについてだいぶ印象変わってきたなという感覚。
わりと、当時から、無印のカガリは駄目で、運命のカガリはわりと肯定的だったんだけど。

カガリって、竹を割ったような性格、太陽のような子、という印象が先行しすぎてる気がする。
それが、間違いってわけじゃないんだけど、カガリの傷とか繊細さとか、ある意味での駆け引き的なこともしてんだけど、
それが見えにくくなってんじゃないかな?という感じがしたりも。

カガリも、他のキャラに負けず劣らず、無印1クールからずっと奔流してるキャラなんだなというのが、リマスターあたりからの印象。
あの「お父様の裏切り者」からカガリの物語は始まっているからね。
色々と納得できない状態で、父を失い、国を焼かれ、自分が実の娘じゃないことを知り、
そしてそれを解消できていない状態のまま、父の立場に立ち、そして父の選択への弾劾を受けるという。

キラとカガリって強さの本質みたいなのがやっぱ似てる気がする。
性別の違いと立場の違いから、その発露の仕方がだいぶ違ってみえるんだけど。
(コーディネイターとナチュラルの違いというのはあまり感じなかったり)

運命当初のカガリというのは、愛しているのは確かなんだけど、結局、私にとって、あの人にとって私はなんだったんだろう、というのを消化しきれないまま、表面上はウズミの真似をしていた時期かなと思う。
よくわからないけれど、それらしく。あまり突き詰めて考え抜いてない、消化してないままだから、
表に出てるのは、ただ横暴にすら見える、なにか勘違いしてんじゃないか?みたいな元首の姿になる。
(このあたりは、正直ミーアも似たような感じかなと思う)
無印では、カガリとフレイが対であり(どちらかというとキラを挟んで)
運命では、カガリとミーアが対なイメージ(こちらはアスランを挟んで)
無印のテーマ的主軸にはフレイがいて、運命のテーマ的主軸にはカガリがいる気がするかな。

種シリーズは、オーブ(の理念)とそれに根付く(対立、否定含む)キャラの描写が濃厚な感じ。
キラにせよカガリにせよシンにせよ、あと後天的にオーブを選んだアスランやマリューやラクスも。
あまり純プラントとプラント側のキャラには紙面を割く気がないってか、物語の外部側な感じ。


んで、ウズミのお面を被っていたカガリだけど、それをシン引っぺがされる。
引っぺがされるだけならともかく、それを踏みつけれて泥をつけられた感じ。
カガリとしては拠り所にしていたそれを、泥で汚れたそれを、前と同じ感じでもう一度付けることもできずに、
守るように抱きしめながら、久しぶりに素顔で周囲を見回してみれば、
ユウナとか、アスランとか、一番身近人間と、”カガリ・ユラ・アスハとして”、まともにコミュニケーションもとれていなかった現実を知り始める。
それを知るきっかけになったのも、シンの、あの人が可哀想だよ、もあるかなと。これはキツい。
必ずしもシンがアスランをわかっていて、カガリがわかっていなかったわけじゃなくて。
一部だけ事情をしった人間が、その場の感情で相手を可哀想とジャッジすることは多分現実にもよくあるんだろうし。
ただ、そうは言われても、カガリには、アスランにどういっていいのかいいか、なにをしてあげたらいいのかなんてわからない。
議長みたいに、アスランの”言ってほしいこと”を先回りするように、半ばシステマティックに、言い募ってあげることなんてできないだろうし。
そもそも、”父の所業”を、シンなり、ユウナなりに否定的に言われている状態で、
父親とお前は違うだろう、父親の選択や行動はお前とは関係ないだろう?なんて言えたもんじゃないだろうし。

なにをしてあげていいからわからないから、アスランがプラントに行きたいって言った時に、
最大限便宜を図ったんだと思う。
カガリ・ユラ・アスハの特使、という形で議長と話ができるようにしたわけで。
あの指環の場面、色々と深読みはできるけど、基本的には、
相手の力になれないことに歯がゆい思いをしていた2人が、相手の喜ぶ顔が見たいというのが基本的な動機だろうし。
(ただ、権力にものを言わせたカガリと、左手の薬指に指環という形に求めたアスランという所に問題があるんだろうけれど)

ただ、これによってカガリは、完全にオーブの中枢内で孤立して、
オーブの理念なんて誰も求めていない、ウズミの選んだ道など誰も認めていないというところで
心が折れて、とにかく自分と結婚しさえすれば、アスハの名を持つ者のしての最低限の責務は果たせる、
国民を戦火に晒さなくて済むという誘いにのったと。
その間、ユウナはカガリを無力で馬鹿な女の子、扱いすることで自信やら自尊心やら破壊してコントロールしやすくする言行動を取ってたとおもうけど、それは時々やろう。

んで、あの結婚式というのは、ある意味では、ウズミの子であることも、アスランの恋人であることも、オーブの元首であることもはく奪された、無力で愚かな女の子、が国の為、皆のためにという”ファンタジーにも等しいフィクション”を唯一の矜持として、自発的に登ったと言い聞かせつつ、生贄的に捧げれた”祭壇”から、
”弟”が、ひっさらいに来てくれたと。(多分監督的イメージ映像)

ただ、それは新たなる辛苦の道の始まり。
ウズミの真似をしていることも、ユウナの妻であることも、ある意味では、楽な道、だからね。
だけど、本当に”オーブ国家元首、カガリ・ユラ・アスハ”に”なる”為の物語が始まる。わけだと。

あの戦闘乱入は、カガリの望むままにやらせる、以上の意図はないかなと。
あの一連で、
①自分の選択(同盟を結ぶ)の結果を”目の当たりにする”
②誰の真似でもない、自分の言葉でオーブの民・軍人に言葉を発する
③その結果、アスランとの敵対を齎すが、それを振り切れるか。

あたりの目的があった気がする。
個人的に、カガリが、オーブの方がアスランより大事の選択は、カガリが指環を外した時ではなくて、
あれだけアスランの怒りをかい、背を向けられた後に、さらに一度決めた選択を貫けるか的な試練になっていたと思うし、
キラの後押し(だから君は行かなくちゃ)を受けたカガリの選択を受けた上で、キラはアスランを切ってるかなと。
カガリに決意を促す分、キラも相当覚悟きめてると思う。対セイバーにしても、対インパルスにしても(カガリをオーブに。それを第一にとか)
んで、
31話で、オーブ軍人と話をしていた部分というのが、カガリが”自力で”得た初めての同志であり、
しかし、それでも、まだ迷いや恐れは残っている。

それを振り切るきっかけになったのが、オーブ侵攻で。
「オーブと一緒にこの身を焼かれた方がまし」
ついで、ウズミの手紙の言葉を聞くことで。

まだわからなくても、これから成長していけばいいし、しなければならない。
そしてそれには周囲の人間と理解と助けが必要である。
そして、おそらくずっと迷っていた、ウズミとか、自分にとってなんだったのか、ウズミにとって自分はなんだったのか。
その辺りの”再構築”は、イメージなんだけど、キラとラクスの関係に似てる気がするんだよね。
貴方がなんであれ、私は貴方を愛します。貴方を望みます。
血のつながらない親子。最高のコーディネイターという生まれ。
ただ、ウズミの娘であることで、カガリに、オーブ元首という苦難に満ちた道を眼前にひいてしまった。
ラクスの傍にいることで、MSのパイロットとしてのキラが必要となってしまった。
ウズミにもラクスにも、その辺りの罪悪感があるんだと思う。
ただ、キラとカガリにとっては、それを自分の戦いとして引き受けてるし、
与えられた愛情に感謝しているんだろなと。自分が何者かわからなくても。
”僕はただの一人の人間だ””私はウズミ・ナラ・アスハの子。カガリ・ユラ・アスハ”

ただ、ラクスの立場に近しい立場にいるのが、カガリで。
キラが、ラクスの立場を前提として、皆のところへ、という形で、ラクスの選択肢を最大限尊重しつつ、自分がラクスの為に選択する(=白服)あるいは、選択できる、というのに対して、
カガリの場合は、自分がその立場だからこそ”私は傍にいれない”という宣言で、アスランを縛りたくない、という形を、
あの指環を手放す(キラに託す、しまい込む)で表現したんだろうと。
自分の好きな相手に自分で別れは言えないと(弱さともいえるし、女心ともいえる)
アスランが、傍にいてくれる女性を選ぶなら、応えてやってほしい、私はそれには応じられないからという、意思表示かなと。
ある意味で選択をアスランとメイリンにまかせた。結婚時に、指環をキラとアスランに託したように。
わりとこのあたりは、カガリがそう単純な性格でもないところかなと。絡め手でもあるしなと。