萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

岳父act.1―side story「陽はまた昇る」

2011-12-09 22:39:44 | 陽はまた昇るside story
運命の交錯、ふたつ




岳父act.1―side story「陽はまた昇る」

カーテンが開いた窓はまだ暗い。
たぶん5:10位、枕元に置いたクライマーウォッチを英二はとった。
そのLEDを点けると、思った通りの時間が表示される。
今日も正解。うれしくて微笑んで、英二は時計を左腕に着けた。
それから起きてiPodをとると、セットしながら壁に凭れて片胡坐に座りこんだ。

ゆるやかなアルトヴォイスが心地いい。
この曲を周太に「翻訳してみて」と言ってから10日以上経った。
この曲は自分の想いをなぞる歌詞、いつでも自分の想いを伝えたくて翻訳をねだった。

 “Only this sense of completion And in your eyes I see the missing pieces”
 “ほんとの自分に成れた、この感じ唯それだけ
  君の瞳に見つけたんだ。僕の大切なかけら、運命の人である証”

そう、この歌詞。
この歌詞の翻訳を周太に願った朝。その夜に国村と藤岡に「自慢話しろよ」と尋問された。
そして周太との出会いを語った時、国村に言われた言葉。

―運命だ?

本当にその通りだろう。
だってあまりにも、自分と周太には随分と運命の繋がりが多い。

ふらりと行った入寮前の下見で周太と出会い、寮の部屋も隣同士になった。
なぜか同じ本を読んでいることが多かった、周太は原書で自分は和訳だけど。
自分の適性と進路は、周太のサポートに適していた。
自分の卒業配置先での射撃場に、周太の父の同期がいた。
そして自分が常連の店の主人が、周太の父の殺害犯だった。

そんなたくさんの繋がりが、自分と周太を引寄せてくれた。
そして自分に必要なものは、全て周太が与えてくれた。
一途に想い努力すること、そして掴んでいく誇り。真剣に生きる充実、そして見つける生きる意味。
それから唯ひとり唯ひとつの、自分の帰るべき居場所。

 “sense of completion”

その通り。自分は周太に出会って、ほんとうの自分に成れた。
そうして昨日自分は国村と、ひとつの誓約をした。

 ― 俺の山のパートナーは宮田だろ。だから一緒に登ってもらうよ、最高峰にね
 ― 国村、俺をトップクライマーにしてくれ。そうしたら山のパートナーをさ、一生やるよ

誓約相手の国村は、最高のトップクライマーになる運命に生きている。
その国村が、自分をパートナーに望んでくれた。

最高のトップクライマーが最高峰を踏破する、そのアイザイレンパートナーとして生きる。

それが昨日、英二に告げられた運命。
生まれながら自由に誇り高らかな山ヤ、そんな国村に宣告された自分の運命。

「…ほんとに、高望みだよな」

つぶやいて、英二はほっと息をついた。
だって自分はまだ、山ヤとして生き始めて2カ月。
これは2カ月の赤ん坊に、太平洋横断遠泳を宣告するのと同じだろう。
あんまりにも遠い夢。それは自分が一番解っている。

自分が最高峰に登る。
ほんとうに高望みの夢だと思う、けれど国村が出来ると言った。

その国村は、日本の首都の最高峰頂上で生まれた男。
そこから日本最高峰を眺めて生まれて、首都を見下ろして産湯を使った男。
そうして国村は出生の瞬間から、峻厳な山と自然の世界に帰属した。

だから国村は、人間の作ったルールに組織に束縛されない。
そんな国村の瞳は常に、真っ直ぐに真実と想いを見つめて迷わない。
だから国村の言葉はただ信じていける、それがきっと正しい選択になる。

やってみたい。

出来るものなら、叶うのならやってみたい。
だってとっくに憧れている、その最高峰の世界に。

周太が与えてくれた「生きる意味と生きる誇り」
それは山岳救助隊として、山ヤの警察官として生きる道だった。
その生きる道の最上の喜びは、「最高峰を踏破していくこと」それが山ヤの幸福な姿。
だから本当は望んでいる。与えられ選んだ道の、最上の喜びに生きること。

周太の隣に警察学校で見た、雪山に立つ山岳救助隊の姿。

白銀の世界に立つ、スカイブルーのウィンドブレーカー。
冷厳な雪山にも真直ぐ生きる、山ヤの警察官の誇り高らかな背中。
峻厳な山の生死を見つめ救助に生きる、そんな山ヤの誇らかな自由と強さ。
どこまでも誇らかな自由。

もし誇らかな自由に自分が生きられたなら、周太の束縛も壊せると思った。
そして周太の自由な姿を見つめたい、素直に幸せに生きる隣にいたい。

この誓約相手の国村は、最高に誇らかな自由に生きる男。
この男と一緒に歩む道を選べたら、きっと自分も誇らかな自由に生きる。
そうして自分こそが、周太の束縛全て解放できるなら。

「…でも、周太…きっと心配するね?」

最高峰の踏破。
それはこの世で最高の、危険地帯への挑戦になる。
それがどれだけリスクが高いか、自分だって解っている。
けれど、

「けれどね、周太…俺はやってみたいんだ」

俺の夢は周太を幸せにすること、ずっと隣で見つめること。
そしてね周太、俺、もう1つの夢に歩いて立ちたいんだ。
この世の最高峰に、最高のトップクライマーと立ちたいんだ。

「…だからね、周太?こんな夢を俺は持ったんだ」

最高峰から俺はね、周太の事を想ってみたい。
そうして最高峰から想いを届けて、最高峰から隣に帰りたい。
きっと必ず帰るから。この夢を叶える事を、どうか許してほしいよ。

「許してくれるかな、周太…」

ほっと息をついて、英二は天井を見上げた。まだこのことは、周太に話せていない。
ほんとうは昨日、電話で話そうと思っていた。
けれど話せなかった。

昨夜の電話は、周太から掛けてくれた。昨夜は周太が当番勤務だったから。
そして周太は、昨日の射撃訓練で思ったことを、率直に話して甘えてくれた。
すこし遠慮しながら「嫉妬したんだ」と恥ずかしそうに話してくれた。

あんなふうに素直に甘えてもらえて、本当にうれしかった。
あんなふうに素直に甘えて、うれしそうで幸せそうな周太が愛しかった。

愛しくて、幸せな笑顔が大切で。
そうしてなんだか話せなかった。

― 最高峰を踏破する。その夢に向かって自分は立ちたい。

その夢の孕む危険は解っている。
その危険には本当に、周太には大きな心配を掛ける。
だって周太はもう今すでに、奥多摩の雪山に心配してくれる。
その心配の為に周太は、全て捧げても「絶対の約束」を自分と結んでくれた。
その「絶対の約束」を守る為に。どんな状況からも全力で生き抜いて、自分が戻ることを信じて。

だからきっと「最高峰」はもっと心配させる。
こんなふうに離れている時に、するべき話じゃない。
そんなふうに気が付いて、だから昨夜はまだ話せなかった。

ほんとうは早く話してしまいたい、
そして笑って「行ってらっしゃい気をつけて。必ず俺の隣に帰ってきて?」そう約束してほしかった。
そんな絶対の約束が、ほんとうは今すぐにだって欲しい。

最高峰を踏破する。
それは高望みで、けれど掴めるなら離したくない夢。
そしてもう誓約してしまった、あの最高のトップクライマーになる男と。

だから今日だってもう、その為の第一歩を踏み出してしまう。
だから本当は今すぐに、絶対の約束を結びたい。
絶対に「最高峰からでも、必ず周太の隣に帰る」そんな絶対の約束がほしい。
そうして絶対の約束で、真直ぐな強い想いと意思を自分に確かめたい。

そんな想いに英二は、クライマーウォッチを見た。
時刻は5:30。英二は立ち上がって登山ザックを取り、デスクライトを点けた。
そして英二は中身を披きながら、ひとつずつ装備点検をしていく。
これから今日は、後藤副隊長と登山訓練をすることになっている。

雲取山で昨日、英二と国村は最高峰へ行く誓約をした。
昨日の英二は非番だった。だから奥多摩交番で巡視路報告を終えた後、国村を見送って奥多摩交番に残った。
そして休憩中だった後藤副隊長に、自分から申し入れた。

「副隊長。俺、トップクライマーを目指したいです。その為に俺に必要なものを、教えて頂けませんか?」

後藤副隊長は警視庁山岳会の会長。日本最高の山ヤの警察官で、国内ファイナリストの1人でもある。
そんな後藤は英二にとって、いちばん身近なトップクライマーだった。
だから英二のクライマーとして不足な点も、後藤なら適確に指摘してくれる。そう思って英二は頭を下げた。
そんな英二に後藤は、うれしそうに笑って約束してくれた。

「ああ、構わんよ。宮田は明日は週休だろう?さっそくな、近場で登ってみよう」

そして今日は6時半に青梅署前で待ち合わせする。
装備点検と救急用具の確認を終えて、英二は立ちあがった。
今日はプライベートで登山だから、私服の登山ジャケットに着替える。
白いシャツを脱いで、Tシャツに着替える。そのとき胸元の鍵に指がふれた。

そっと掌に受けて、英二は首から提げる鍵を見つめた。
この鍵は周太の実家の合鍵。そして周太の父が生前、ずっと使っていた合鍵だった。

ずっと周太と生きて行く。
その許しを周太の母に乞う為に、周太の誕生日に川崎の家を訪れた。
そして周太の母は微笑んで、涙と一緒に頷いてくれた。そして周太の母から、この鍵を託された。
この鍵を見るたびに、英二には周太の父が想える。

周太の父は、強請犯の拳銃に撃たれて殉職した。
その死の瞬間に周太の父は、看取る安本に「願い」を告げた。
「犯人を救けてほしい、償う機会を与え、温かな心を教えてほしい」
それから「周太、」と息子の名前を呼んで、永遠の眠りについた。

そうして遺された「願い」の為に、安本は警察官を辞めず生きられている。
そして犯人は今あの店の主になって、温かな目で温もりで客を迎え生きている。
その彼が作る温もりに、いつも周太は寛いで父の想いに微笑んでいる。

周太の父が遺したもの、それは真実の温もり。
その温もりに3人は生かされて、そして今は笑っている。
だから想う、周太の父は立派な男だった。
だから信じられる。周太が父の軌跡を追うことは、きっと正しいと。

そんな周太の父は、昨日の誓約を何と言ってくれるだろう?
あの書斎にまた会いに行きたいな。思いながら英二はTシャツの上に登山用シャツを着た。

食堂に行くと、藤岡と国村も一緒になった。
まだ6時前。お互いに「早いな」と笑いあいながら席についた。
そろって座ると藤岡が口を開いた。

「俺はさ、今日から寒稽古なんだよ。12月になったからね、早朝練習」
「青梅署の柔道練習か?忙しくなるな」
「うん、でも楽しいよ。あと鳩ノ巣駐在の柔道指導も、早朝練習があるらしい。国村は?」

焼鮭を口に運びながら、藤岡は楽しげに話してくれる。
きゅうりの糠漬けに箸つけながら、国村は答えた。

「俺はね。出勤前にちょっとさ、ウチの畑に種を播いてくる」
「この間の山の畑だな、12月って何を作るんだ?」
「正月用にね、小松菜とか作るんだよ」
「あ、雑煮に入れるんだ?」
「そ。青物は大切らしいんだよね。春の息吹とかさ、そんな意味だったかな」

もう12月、正月の話も出る頃。
ここに藤岡と英二が卒配されて2カ月が過ぎた。
短いような長いような濃密な2カ月だった。そんな思いに口を動かしていると、横から国村が話しかけた。

「宮田は今日は週休だよね、こんな早起きってことは山?」
「ああ。副隊長とね、今日は登るんだ」

答えて英二は、味噌汁をひとくち飲んだ。
頷きながら煮物を飲みこんで、国村が訊いてくれる。

「ふうん。宮田、副隊長と2人は初めてだよね。どこに登る?」
「うん、ウトウノ頭に行ってくる。あそこは俺、まだ登ったこと無いんだ。」
「ああ、あそこね。うん、紅葉が結構いいポイントだよ。あとね、副隊長がお気に入りのミズナラの木があるよ」

いつものように、他愛ない話をしながら食事する。
英二と藤岡は同期で一緒の教場出身だった。国村は4年前の高卒採用で同じ年になる。
同じ年で親しくなって、最近は3人で連れ立つことが多い。
そんなわけで先週3人で飲んだ時は、英二は2人に周太のことを訊かれた。
そして2人に組みつかれて、左肩の痣まで見られている。

その痣は周太がキスで刻んでくれた、周太の想いがこもる赤い痣だった。
さっき着替えた時に確認したら、まだ痣はきちんと残っている。
この痣は出来るだけ消えてほしくないな。そう考えていたら、国村から英二は小突かれた。

「宮田、またエロ顔になってるよ」
「あ、やっぱり?」

指摘が可笑しくて、英二は笑った。
その前で卵焼きを頬張りながら、仕方ないなあと藤岡の目が笑う。
英二も笑いながら、ふと気になった事を国村に訊いた。

「あのさ。このあいだ国村、専門はライフルって言っていたよな」
「うん?そうだよ。正確にはクマ撃ちだけどね」

やっぱりそうかな。思いながら英二は、次の言葉に迷った。
けれど何気ない国村の返事に、藤岡が訊いてくれる。

「へえ。じゃあ高校の部活もさ、ライフル射撃だったのか?」
「うん、幽霊部員だけどね。練習だけは出ていたよ」
「練習だけの幽霊部員って、めずらしいよな」
「そう?あ、藤岡。今度の自主トレなんだけどね、真名井北稜とかどうかな」

ふたりの会話を聴きながら、そっと英二は頷いた。
昨夜の周太の電話で聴いた、2月の大会が初エントリーになる男。
彼は同年の高卒採用任官。高校ではライフル射撃部に所属、だが大会には一切出場していない。
そして本部特練を初日の訓練で外された、けれど全然気にしていない。
おそらく国村のことだろう。周太もそう笑っていた。

「ん、きっとそうだな。俺もそんな感じがする」
「周太さ、国村と優勝争うのかもな」
「ん、そうだね。…ん。なんかいいな、楽しそうだな」

そんなふうに周太は微笑んだ。
それでちょっと妬けてしまって、英二は言ってしまった。

「でも周太。国村にはあんまり、鋭い目をしないでよ」
「ん?どうして英二?」

「国村が言っていた
 『めんどうだし拳銃は嫌いだけどさ、色っぽいの見るのは楽しいよね』
 ようするにね、周太。周太を見るのを楽しみにさ、あいつは出場するんだよ」

「…そういうもくてきでしゅつじょうされてもこまるんだけどおれ」
「でもね、周太?俺もそういう周太を見れるのはね、すごく楽しみだ」

「…恥ずかしい…でも、英二が見に来てくれるのはね、うれしいな。
 …でも当日はね、あんまり恥ずかしがらせないで?きっとすごくおれこまるから」

そう言って困る周太が可愛くて、幸せな電話だった。
あんな可愛い反応を周太にさせた国村に、英二は感謝するべきかもしれない。
そう思ってトレイを見ると、国村が好きな茄子炒めがある。
二切れほど茄子を箸にとると英二は、並んだ国村の皿に置いてやった。

「なに、宮田くれるの?」
「うん。ありがとうな、国村」
「ふうん?まあ、遠慮なく食うよ」

細い目で茄子を見、国村は口にいれた。
そして飲みこんでから英二に訊いた。

「湯原くんがらみだね?宮田」
「あ、解る?」
「お前さ、すごいエロ顔になってるよ?なんか俺が貢献したんだね」
「うん、まあね」
「ふうん、何で貢献したのかさ、教えろよ宮田」

そう国村は言うけれど。直接、国村に聴くのは何となく憚られる。
いつも武蔵野署へと射撃訓練に行くたびに、国村は「めんどうくさい」と言う。
それはきっと初日の訓練で、本部特練を外されたことに関わるだろう。
なにか国村なりに嫌な事情がありそうで、訊くのは悪いように英二には思える。
ちょっと微笑んで、さらっと英二は答えた。

「うん、そのうちにね」
「へえ、そのうち、ねえ?」

けれどなぜ国村を青梅署は、代表選出したのだろう?
それは国村の射撃の腕が優秀だからだろう。けれど国村は嫌がっている。
そして国村が暴発することを、青梅署はみんな解っていて困っていた。
そんなに困りながら、なぜわざわざ国村を選出したのだろう?

後で山を歩きながら、後藤に訊けるかな。
そう考えながら英二は、肉じゃがを飲みこんだ。
その英二の左襟を、いきなり国村が引っ張りおろした。

「…っ」

急に襟を引き下ろされて、一瞬だけ英二の体が傾きかける。
けれどすぐバランスを戻して、英二は左横の国村を見た。
その視線の先で、端正な国村の顔が得意気に笑っている。

「ほらね、藤岡。まだ残っていただろ?」
「あ、ほんとだ。国村の勝ちだな」
「そ。だから今度の飲み会は、酒代は藤岡な」

2人して英二の左肩を見て、笑いながら話している。
先々週の飲み会以来ずっと、こんなふうに痣のチェックがされてしまう。
そして2人は賭けては楽しんでいる。今回は飲み会の酒代を賭けたらしい。
ちょっと呆れて、英二は2人に言ってみた。

「なあ、警察官なのにさ、賭けごとって良いの?」
「うん?ああ、これくらいは賭博にならないね。金銭は賭けていないしさ」

まあそうかな。
思いながら英二は、次回の飲み会のことを提案した。

「今度の飲み会はさ、俺が酒代を出すよ。だってまた俺、勤務の日だろ?」
「いいって。宮田はね、またコーヒー淹れてくれればさ、それでOK」

この間も同じことを言われている、そして国村は酒を飲んだ後に言った。
「もう宮田は飲んじゃったよ、高い条件も一緒にね。さ、訊かせて貰おうか。存分の自慢話をさ」
そして周太との事を話させられ、この痣を見られてしまった。
また今度も同じパターンなのかな。なんだか可笑しくて英二は笑った。

「なに国村、まだ俺に尋問があるんだ?」
「ああ、たくさんあるね。まあ回答は任意だけどさ、宮田には同意しか選択肢はないから」

飄々と国村の細目が楽しげに笑う。
そんな国村は端正で上品な風貌をしている。けれどオヤジでえげつない。
こんな国村だけれど、最高のトップクライマーの資質が眩しい。
そしてたぶん、射撃手としても優れた資質があるらしい。
そして国村は、英二の山のパートナーで本当に良い友人だ。

英二のアイザイレンパートナーは、随分と多才で個性的だ。
こんな男と一生ともに山に登れたら、きっと退屈など程遠い人生になるだろう。
なんだか自分の人生は、思いもかけない方に進みはじめた。

でもこういうのは望外の喜びだ、きっと自分は間違っていない。
そう信じているから、今日も後藤と山に登る。

けれど。この国村との誓約、いつ周太に話せるかな。
大好きな黒目がちの瞳を思いながら、英二は4杯目の丼飯を飲みこんだ。 




(to be continued)


【歌詞引用:savage garden「I Knew I Loved You」】

blogramランキング参加中!

ネット小説ランキング
http://www.webstation.jp/syousetu/rank.cgi?mode=r_link&id=5955

人気ブログランキングへ

にほんブログ村 小説ブログへにほんブログ村

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 風音―another,side story「陽... | トップ | 第26話 岳父act.2―side stor... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

陽はまた昇るside story」カテゴリの最新記事