ある『物語』の断片

『物語たち』は語り始める。

崩落

2007-09-09 19:49:54 | ある『物語』の断片
今まで築き上げてきたものが
音も立てずに崩れていった

あの会話も
あの風景も
あの泣き顔も
あの笑顔も

僕は、彼女のことを必死に思い出そうとした

でも、彼女の顔と声は、
どうしても思い出すことができなかった。

最後に、僕はその名前を声に出していた
誰かがこちらを向いてくれた

そして―
永遠に閉ざされた