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ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

夏至がすぎてた・・

2006-06-28 19:30:32 | 着物・古布

梅雨も真ん中まっさかり、九州方面のかたは、
たいへんな大雨のようで、お見舞い申し上げます。
せめて一足お先に「夏の風物」を・・。
絽の色留袖、色を抑えた「朝顔」です。
朝顔の花は、桔梗咲き種の先がとがった花びら、
それでよけいにシャープな印象になっています。
着物はもうあと少し濃いめです。着用可能、状態いいです。
夏の色留袖、着る機会はほんとになさそうですが、着てみたい一品です。

では本日は「朝顔」について・・。
小学校の頃、春先に種をまいて「夏休みの朝顔日記」なんてのをやりましたなー。
この朝顔、日本に入ってきたのは1200年も前、
遣唐使が持ち帰ったもの・・といわれております。
その頃は「薬草」でした。今でも朝顔は「牽牛子(けんごし)」と言う名前で、
漢方薬として使われています。種を粉末にするのだそうで、
下剤・利尿剤として使われるそうです。

朝顔が花としてめでられ、さまざまな「変種」が作られたのは
江戸時代に入ってからで、いわゆるブームが何度か起きているわけです。
最初のブームは「文化文政」のころ、えーと1800年代の初頭くらい、
次が「嘉永安政」のころ、これはしらべました、1800年代、中ごろです。
このブームで生まれたものを「変化朝顔」といい、
とにかくいろいろな形の花が作られました。
一般的には朝顔イコール「円形」というイメージがありますが、
この「変化朝顔」は花だけではとても「朝顔」とは思えない・・というより、
まったく別の花のように見えるものもあります。
朝顔は、葉も斑入りがあったり、またツルを絡ませるということで、
花だけでなく全体が「観葉植物」として好まれました。
江戸の昔は「遺伝子」だのなんだのということはわかりませんから、
そういう中で、図譜ができるほど、いろいろな朝顔をつくったわけで
当時の園芸職人はたいしたものだと思います。
庶民の間に広まり、市がたったりまた「品評会」のようなことも盛んでした。
江戸時代の「園芸」ブームで珍重されたのは、美しいというより
「奇抜」とか「珍妙」というものが多くありましたので、
朝顔も、牡丹のようなものとか八重咲きのようなものなどが好まれたようです。
江戸時代には「黄色い朝顔」があったとされているそうですが、
現代では「黒い朝顔」とともにまだ作られておらず「幻の朝顔」だとか。

さて、朝顔のお話しはひとまずおいて、いつの間にか夏至が過ぎてました。
夏至と言うのは一日の昼間の長さが一番長い日、ですね。
春先暖かくなってきて、窓の外などもよく見るようになり、
毎日少しずつ日が伸びていって、やがて夕方でも明るい日が続く、
ふと「あらもう6時、明るいからきがつかなかった」なんて・・。
その夏至も過ぎて、もう少しずつ昼間は短くなってゆくのですね。
今は梅雨時で、きれいな夕焼けもみられませんが、
とんぼの飛ぶ夏はもうすぐそこですねぇ。

夏至当日に何かお話を・・と思っていたのに、すっかり忘れていましたので
一つ先の「半夏生(はんげしょう)」について。こちらも「花」のお話しです。
夏至は二十四節句のひとつですが「半夏生」は七十二候のひとつ、
夏至から数えて11日と言うのが昔の決まりで、今は7月2日くらいです。
この日はいわゆる「物忌日」、この日降る雨には毒がある、といって
井戸に蓋をしたり、農家は前日までに農作業を一段落させて、
この日からは数日間外に出ない・・というようなしきたりもあります。
元々暦は「農耕民族」日本の暮らしにあっていたために使われたわけですから、
こういった風習も農家中心で、思うに田植えからこっち、
やすみなく働いてきた農家の人たちが、ゆっくりできる休日として
いい理由になったのではないでしょうか。
これって以前「正月三が日は女は台所に立たない」という決まりは
「女性のためのお休み」じゃないか・・といったのと似てますね。

さて、この「半夏生」という名前ですが、これは植物の名前です。
この半夏の花が咲く頃・・という意味だそうですが、
実はちとややこしいのです。「半夏」と言う植物は「からすびしゃく」という
花ともいえないようなジミな花でして、朝顔と同じく漢方薬の原料にもなります。
「半夏」と言うのは漢方の名前です。
それとは別に「半夏生」という植物があり、葉の白くなる植物で、
毒性があります。花は栗の花みたいにひょろひょろっと房になっていて
めだたないのですが、花のすぐ下の葉が真っ白になるという
おもしろい植物です。この「白くなる」ところから「半化粧」とも言われたそうで
その「音(おん)」が同じで、どちらも同じ頃に花を咲かせますし、
そんなこんなで、ごっちゃになったようですね。
実際の「半夏」は薬になるのに、「半月生」は毒性がある、
そのへんがまざって「雨に毒がある」とか・・。ややこしい話しです。
よく○○の日には何々を食べる・・というのがありますが、
関西ではこの日に蛸を食べる・・ときいたことがあります。
真偽のほどはわかりませんが、それにしても蛸になった由来はなんなんでしょう。

なんだかまとまりのないお話になりました。
梅雨なので、せめて「傘さしたおまけ写真」を・・。
これ、夏じゃないんですけど・・ま、傘さしてるってとこでお許しください。
でてきたんです、こんな写真が・・。
番茶も出花のちょっと前、17歳のとんぼです。
肩上げなんぞして、いちおー若いッ!




とりあえず梅雨はまだ真ん中、体調に気をつけて、
夏の朝顔を待ちましょう・・・って植えてないよ今年・・・。

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ウソ~!!! (萬屋千兵衛)
2006-06-28 22:17:42
可愛いじゃん!(笑)

へえ~、、、こんな時もあったんだね~!

花かんざし付けちゃって、とっても可愛い!

今度から、この写真のイメージのとんぼちゃんにコメントしようっと!(笑)



でもマジな話、こういうお嬢さんが時々でもいいから、自然な形で街を歩いていて欲しいですよね?

なんだか、とっても純情な感じがして、いいよ!(笑)

今の娘達って、水商売してるような化粧の子が多いんだもん!たとえ学生服着ててもね!(笑)
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Unknown (陽花)
2006-06-28 22:30:33
とんぼ様



まあっ かわい~い!

この髪型は桃割れでしょうか。

花簪も付けておしとやかで、とっても

素敵なお写真ですね。

もう一度この頃にもどりた~いって

思いませんでした?
返信する
Unknown (百福)
2006-06-28 23:09:21
うつむき加減の横顔のなんと愛らしくていらっしゃること!舞妓さんがお稽古におでかけって感じです。蛇の目がまたよくお似合い。こんなに可愛い方が蛇の目でおでかけなんてお姿を拝見したら、一目ぼれしちゃいそう♪



このブルー、コバルト・ブルーみたいな色なんでしょうか。蓼藍の紺みたいにもみえますね。綺麗な色ですねえ。よく色褪せしないで、こんなにきれいなままで。



こんな朝顔があるのですか。浴衣によくあるまあるいのしかみたことがないですが、探してみたいです。つるの描写、葉の描写が素晴らしいですね。まるで日本画のよう。野菊?都忘れ?









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Unknown (とんぼ)
2006-06-28 23:12:12
千兵衛様

へぇへぇ「こんな時」もあったんでございやすよっ。

もしこの先、千様にお会いすることがあったら、

ゼッタイ「ウソだろー!」って言われる・・。

人生の波風ってなぁ・・キツいんですよぉ・・。

ところで、最近は「お正月」でも、

こういう髪を結うとか、こういうかんざしさすとか、

ありませんね。せいぜい「七五三」どまり??

中学生くらいの女の子が着物着るとかわいいんだけど

「うざい」とかなんとか言われそう・・。



陽花様

このときは確か少し長さがたりなかったので、

「新日本髪」とかいうので「桃割れ風」に

結ってもらいました。コタツでつっぷして

寝た記憶があります。箱枕なんてなかったし

あってもアレってすごく肩こりそうですよね。

ああ、若かったなぁ、顔より体型が戻りたい??

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はずかしっ! (とんぼ)
2006-06-28 23:37:54
百福様

「舞妓さん」だなんていっていただいて・・。

この頃はまだお肌もツルツルでしたしねぇ。

着物の青は、ほとんどこのまま、

ライトがあたってわずかに明るくなった感じです。

浴全体を見ると、かたのあたりとか、

すこし褪色した部分もあるんですが、

ほとんど目立ちません。

よく残ってくれたと思います。

一番褪めやすいタイプの色ですから。

変化朝顔については、写真だけですが、

こんなページがありました。

私もびつくりしましたが、朝顔はやっぱり

丸いほうがいいなぁと思ってます。



http://www.rekihaku.ac.jp/kikaku/index54/asagao.html
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女優? (Fujipi)
2006-06-29 08:43:43
とんぼ様、



 まぁ~!とても可愛らしいです。しかも、小道具から背景からポーズから全てがマッチしていてまるで映画のワンシーンのようです。とんぼさんて女優さんだったのですか? それともこのお姿が日常だったのでしょうか?千兵衛さんも書いていらっしゃるとおりに「純情路線」ですね。素敵。
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舞妓さん♪ (因幡のりさこ)
2006-06-29 09:51:08
とんぼさま♪

どこかの置屋の舞妓ちゃんかと思いきや、なんと、とんぼさまではござりませぬかぁ~お美しい♪

この色調のカラー写真は昭和四十年代あたりかと思うのですが…そうすると、御歳が…(^^; これは思考停止しておきまするm(_ _)m
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Unknown (とんぼ)
2006-06-29 19:54:32
Fjipi様

まぁ、ほんとにどーしましょ、これはたまたまかんざし顔にかかっテテ浴見えない、暗い、ピントあってない・・でなんか「純情路線」の見えてるだけで、正面から見たら「下膨れの不細工」なんですー。たまたまシチュエーションよく写ってますが、傘も母の借り物、お正月なので髪を結ってただけでして。ただ、今よりずーっとスマートだったことだけは「確か・・」です。



因幡のりさこ様

おっしゃるとーり、昭和40年にはいってまもなく・・です。さすがですねー。この頃のアルバムはカラーとモノクロが、入り混じっております。
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わぁ、可愛いとんぼ様♪ (ぶり)
2006-06-29 21:32:26
朝顔の花、夕顔のようにも見えますが、

葉とツルが違うのでしょうか。
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Unknown (えいどん)
2006-06-29 22:13:35
結髪から帰ってきたところの舞妓はん。肩上げも初々しくてべっぴんさんどす。

 こういう感じの舞妓さん以前見ましたよ。
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