ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

着物、難しく考えないで・・

2006-05-05 23:47:33 | 着物・古布

今日はこどもの日、こいのぼりのかわりに、
「鯉の柄のはぎれ」、真鯉と緋鯉がシンクロ・・やってる?

さて、昨日の続きです。
とんぼのブログでは、着付けを習っている人向け、とか
着物を着られる人、というふうに決めないで、
習っていてもいなくても、着られても着られなくても、
とにかく着物好きで着たいの・着てみたいの・・という人に
楽しく着物が着られるように・・とやっていきたいと思います。

昨日、裄が短くて腕がむき出しだとおかしい・・というお話をしました。
人間というのは基本的に「視覚」で最初にとらえますから、
「パッと見」、ってのは結構大事なんですね。
ちょっとお遊びイラスト、極端な例です、ははは。





これも書きましたが、なにしろ着物というのはどれも全身を覆うものであり、
直線的で平面的、シンプルな分、目立つところも決まっているわけです。
もっとも目立つ「色柄」については、今日はちょっとこっちへ置いときます。
そうなるとめだつところのひとつが「裄」というわけ、
ほかにも「おはしょりがやたら短い(長い)」
「着付けが短くて足首見えてる」「半衿の出方がヘン」
「着物が下でひろがってる」で、どーして着物着てそう歩くかなぁ・・?!まで。
これは、ひとつに昨日も書きました「身に合っていない着物」が原因であること、
それから「着付け」の問題・・ですね。
順番にいきましょう。

リサイクルの着物を購入するときの注意点、これは昨日書きました。
裄、着丈、身幅、です。まずは「合う」ものを探しましょう。
それが楽しい着物ライフの第一歩です。
それでもなにもかもピッタリというのはなかなか・・その上襦袢も
羽織も何から何まで・・なんてのは、かなり難しいことになります。
少々の「差」は我慢して、それからみっともないところはなんとかしましょう。
昨日のコメントでいただいた「着物と襦袢の袖丈が合わない場合」の工夫、
そういう小技もいろいろ覚えて、合わない着物との距離を縮めていきましょう。
その方法については、次からにしましょう。

それではまず、着物を見に行ったり買ったりするときに耳にする言葉、
話す言葉を、覚えてしまいましょう。
たとえば「た○すやさん」などのお店で着物をアサる?ときも、
何も知らないより知っているほうが、着物をさがすのに自信が持てます。
たとえばたたんである着物を出す前に「これ着丈と裄はどれくらいですか?」と
聞くことができたら、店員さんも「おっ着物知ってるな」と思ってくれます。
これって相手に対してのプレッシャー??そうじゃなくて、お互い話が早い、
ということです。



着丈と裄・・はわかりますね。
あとは、着物がどんな出来具合かを知るのには、
後ろ幅、前幅、おくみ幅、この三つ、名前も覚えてほしいのですが、
とりあえずコレは何かというと、おヤセの私にこれ大きくないかしら、
ちょっとふくよかな私に、コレ着られるかしら・・がわかるもの。
後ろ幅は、×2が、着物の後ろいっぱいの幅、
前幅とおくみ幅を足したのが、前身ごろの幅です。
だいたい標準寸法としては

* 後ろ幅は28センチくらい
* おくみ幅と前幅で38センチくらい

これは一般的な数字、着物というのは洋服の「S・M・L」のように
ウエスト58~60センチなんていう細かい数字で分かれていません。
狭い範囲ではないのです。たとえば、私はつい10年前までは
ウエストサイズはMの真ん中へん、そして今はLの大きいほう、
「えっ?どして?何センチなの?」というご質問には一切お答えできません。
それでも着物の身幅はぎりぎり同じで平気なのです。
さすがに座るときのことを考えて、今後は後ろ幅を1センチだけ
増やしてもらうことにしたのですが、それでも全体で2センチしかかわりません。
これでも着物は平気なのです。着物の許容範囲は大きいのですよ。
それでも「タテ」と裄の長さはそこまでは行きません。
横に太くて腕の長い人もいれば、背が高くて腕の短い人もいます。
だから、自分のサイズをまず知ること、そして、できるだけ
それに近いサイズを探すこと・・なんです。それが着易くてラクな着物です。
ほんとは巻尺を持って歩くといいのですが、そこまでしなくても、
お店の人に「後ろ幅どれくらいかしら」といえば、計ってくれます。
そんなふうに「私のサイズはこうなんだけど」とアピールすることは、
向こうも仕事がやりやすいし、もし向こうが「えっ後ろ幅って・・」
なぁんてことだったら、わかる人呼んでください・・です。
知っているということは、有利であるということでもあります。

さて、もうひとつ、実は実際にはおってみれば一番早い!
そうなんですね。でははおってみてください。
まずちょうどいいおはしょりとれるかな、手を横に伸ばして、
手首のぐりぐり近くに袖口はくるかな、それから身幅、
これはさっきも書きましたが、意外と許容範囲は大きいです。
ただ、美しく着るためにはポイントがあります。
着物で気をつけること、背縫いは背中の中心にまっすぐ着る、
次に、着物を体にまきつけるとき左の「わきぬい」の線を必ず自分の体の真左、
ここに持ってくること、そこをピタリとあわせてまず右の身頃を左に入れ込み、
次に左身頃を右に持ってきます。これ、きまりごと。
背縫いがまがったり、左脇の線が体の真横より前だったり後ろだったりは
「着物の着方しらないな」とわかるところ。
うしろの帯から下の背縫い線が真ん中でなくとも、右脇の線が内側に入ってても、
それはかまいません。あわせるのは上半身の背縫いと左脇・・です。

極端に言ってみましょう、そうやって着てみました。
すると左身頃が、おへその右5センチくらいのとこしかきません。
これがあなたにとって身幅の狭すぎる着物、逆に右の脇のまだ後ろまで
いっちゃう、これはあなたにとって身幅が広すぎる着物、ということですね。
今のは極端な表現ですから、少しくらいなら大小はなんとかなります。
狭めの着物は、歩くと前がはだけ易く、座ると左前がズレやすいです。
逆に広めは体に着物がまきつきすぎて歩きにくいです。
やせている人の場合、体にあった身幅の着物でも、きっちり着ると
右の身頃が奥に入って着づらいし動きにくいです。
そういう時は、右身頃を左にもっていくときに「おくみ」分か、
もう少し少ない目を外側に折り返して着ます。これで足さばきがよくなります。
かつてそーやって着てたのに・・いつの間にあたしの胴は
こんなにぶっとくなったのよ・・・しくしく・・。
あっ独り言ですから・・。

どうでしょうか、着物についてなんにもしらなくても、
着物がちょっと近くなった感じはしないでしょうか。
こういうことを知ったうえで「それでも私は着づらいのがまんする、
腕にょっきりでちゃうから、できるだけ手を引っ込めて、
目立たないようにがんばる!だからこの着物着たい!」
それならそれでがんばればいいのです。腕にょっきりがみっともないことだ、と
知っていて気をつけるのと知らずににょっきりで歩くのとは、
大きな違いがあります。私はそう思います。
「基本を知っていること」それは、あなたにとって「大きな自信」になります。

さて、明日は「やっぱ気になる、ちょっと直してみようか・・」
というお話にしましょう。


こんな感じてちょっとずついろいろ進めていきたいと思いますが、
何かご意見やご要望ありましたら「とんぼへのおたより」でも、コメント欄でも
お寄せください。







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9 コメント

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イラストかわい~ (てっちゃん)
2006-05-06 00:25:41
何時もながら、微笑ましいイラストですね

説明も着物初心者にも解かりやすいし

明日はお直しですか・・・・私はお針仕事が大のにがてなもんで。

でも頑張りますもでご指導宜しく
返信する
融通無碍 (蜆子)
2006-05-06 07:03:46
着物サイズフリーと油断めされるな

洋服の9号から7号、もしくは11号ぐらいになったのは我慢なります、

でも9号から13号、これはちと、

前蚊帳つったようになります。ましてやお茶のように座ってにじる、まわる、身幅の足りないのは大変、

結論、着物といえどもダイエットは必要なのです。これが実感だから悲しい・・・
返信する
Unknown (陽花)
2006-05-06 09:50:49
とんぼ様



本当に下前が左脇までくると歩きにくい

ですし腰とか足が疲れます。

以前友達と出かけた時下前を折り返さず

着ていて難儀しまして慌ててトイレで

下前を折り返した経験あります。
返信する
鯉の柄、オモロイ♪ (ぶり)
2006-05-06 10:04:45
Tシャツとか、アロハにしたら、売れそー!

昨日から、この記事読んで、着物着る云々よりも、この鯉の柄使えるぅ~、と考えてました。

帯とか、襦袢でも、オモロイ!
返信する
Unknown (とんぼ)
2006-05-06 10:28:55
てっちゃん様

わかりやすいでしょうか。書きながら

「こういう書き方でわかるかな」と

四苦八苦してます。お直しといっても

「やればできるよ」てーどの説明です、

だいじょーぶ、実は私も直しは好きくなーい!

んなこと言ってどーする!



蜆子様

お茶をなさっていると、座る、にじるがありますね。

着物はサイズフリーと書いたつもりはないのですが

誤解を招く表記だったでしょうか、ごめんなさい。



陽花様

私、やせてたころ、ほんとーにコケたことあります。

突然走り出して・・・。折り返しておかないと

「着る」というより「包んじゃう」感じですね。



ぶりねぇ様

あの鯉は、親指のアタマくらいの大きさなんです。

しかもハギレ・・・。着物のカタチしていたときに

出会いたかった・・・。

以前教えていただいた「プリント」して・・って

やってみたいです。

返信する
やっぱり、小さい柄でしたか (ぶり)
2006-05-06 10:46:52
それでは、鯉を拡大、多数並べて、、、とか、画像加工技術で、版下を作れば、なんとかなりそー。 あーっ、でも、これ、設備投資要るぅ。。。
返信する
せっ、せつびとーし・・ (とんぼ)
2006-05-06 10:55:20
ぶりねぇ様

そーですよねぇ・・でも、

フォトショもやってるし(はじめたばっかじゃん)

PCの先生もいるし(人を頼るなっ!)

なんとか版下は自分のとこで(セコいっ)

できるかどうか、チャレンジしてみるのは

わるくない・・ですよねー。

返信する
若人のブログへ営業要る? (ぶり)
2006-05-06 21:21:29
えーっと、反省なんですけど、この数日の記事は、どちらかというと、若者向けですよね。

たぶん、若い皆様も、見てらっしゃるはずなのだけど、熟年パワーのコメントで、前に出て来れないのじゃないかなー と言うことに気がついたので、しばらく控えますね♪

それと、判りやすいかどうかは、若い人にインタビューしてみないと、何がわからないのかが判らないと思う。。。
返信する
お心遣い、いたみいりまする・・ (とんぼ)
2006-05-06 23:09:24
ぶりねぇ様

そんなことおっしゃらずに・・。

わたしのところに「若い」部類にはいるの友人、

後輩ですね、メールがきて「なんとなくわかる、

絵を多くしろ」と、あんたの想像力が貧困なんだ、

といったのですが、いわれてみれば・・・。

次はイラスト・マニュアルかなぁ?
返信する

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