
写真は「竹やぶの道で」・・カオちょっとヤイてます。(こぇ~!)
とやったら、友人から「背後霊のようでキモチ悪いから換えよ」と
メールがきました。とりいそぎ「クマ」することにしました。
旅にでることは「非日常」の時間・空間に身を置くことです。
いつもより緊張が解けたり、いつもより何かが研ぎ澄まされたり・・、
そんな状態の中で、見たり聞いたりしたことでふと思いついたこと考えたこと、
そんなことを書いてみようと思います。まずは主に「着物」に関することから。
京都はさすが「着物」「和モノ」の本場、道を歩いていて
和服の人に会うことが珍しくありません。
特に私のいく骨董市には「古着」をはじめとして「和装小物」なども
格安で販売されますので、タビなどまとめ買いする人など
着物が身近にある人が多く集います。
そういう見慣れた風景の中に、ここ数年はさらに「着物着る若いひと」が
増えてきました。元々土地柄から日舞やお琴、お茶・お花など、
お稽古事も盛んです。そういう若い人の着物姿は見慣れていますが、
増えたのはいわゆる「着物」をひとつのファッションとして、
着物ってステキ!と、着始めてくれた人たちです。
特に京都では「着物で歩こう」と称して、旅行者がそのまま洋装で来ても
着物・小物一式レンタル、着付けも致します・・というお店があります。
そういうところで全部整えて、町へ繰り出すわけで、
着物好きとしては、着物に触れてもらえるし、とてもうれしい風景なのですが、
ちょっと気になることがありました。
陽花様と一緒に産寧坂からに二年坂を下っていたとき、
下から若い女性のグループがあがってきました。
全員着物・・だったのですが、正直なところその色柄の組み合わせには
思わず足がとまってしまいました。中のお一人は「黒地に赤や黄色の花柄」の
「柄たび」をはいていました。着物は確か赤系だったと思いますが・・
とにかくその一団の着物や帯の色は「満艦飾」、とでもいうような、
あらゆる色があふれているような・・お世辞にも
「若い娘さんの着物姿っていいわね」と言えない組み合わせでした。
それで更には「関取」のようにドッタドッタと石段を上がっていきました。
着物というのは基本的に「柄物」と「柄物」を合わせます。
綸子などは更に「地模様」まであります。
着物は、以前にも書きましたように、洋服とちがって形はみんな同じです。
しかも、着物から外に出るのは首から上と手の先だけ・・。
体全体を包み込む広い面積をおおうものであり、帯はただのベルトではなく、
真ん中できちんと存在を持ちます。コレに羽織や道行が加わると、
また大きな面積がとられ、後ろ姿は上が2、下が1・・くらいの割合で
分断されます、着物というのはそういう「量」的にきまったものなのです。
そこにそれぞれどんな色柄を持ってくるか・・です。
洋装なら、袖や衿の長さや形、「フリル・レース」などの飾りの有無、
襟元の開き具合、上に着るものの長さ、スカートやパンツの形、長さ・・
そういったありとあらゆる「デザイン」で表現できるものを、
色柄の組み合わせと面積、せいぜい帯の締め方、小物の使い方くらいで
表現するのです。よく「学校の制服はみんな形が同じだから個性がない」と
女子高生は、少しでも個性を出そうと胸元のリボンの結び方を考えたり、
スカートの長さを変えたり・・・涙ぐましい努力をしますね。
着物には、それにつうじるところがあるわけで、同じ形のなかで、
いかに個性を出すか・・なんです。そのためには色柄について、
ただ「かーわいい」だの「これきれー」だけで選んでほしくないのです。
一点一点で見ればきれいだったりかわいかったりするものが、
着物・帯として、その身を包んだときにどうなるか・・、
実はよく着物を着るひとでさえ、着てしまってから
「あらちょっとこの組み合わせはジミすぎ?」なんてことだってあります。
最近着始めた方は、今までにもお話していますように、
着物についての知識を日常的に目や耳にすることが少ないため、
ほとんどのかたが「何でもはじめて」という状態が多いと思います。
そのため「着付け教室」などにいかれるわけですが、
そこで「色柄の組み合わせ」というものも、ぜひ教えていただきたいと
そう思うのです。着物と洋服では、ある種似合う色、似合う柄が違います。
また柄によって、いろいろな意味を持つものも数多くあります。
呉服を売る側、或いは貸す側、教える立場の人、そういう人は、
色柄の知識もいろいろ授けてほしいと思います。
現物がなくたって、写真で十分なのですから、
そういう授業も、みっちりと時間をかけてほしいと思うのです。
着物がきられるようになる・・というのは、ただ技術的に着られる
というだけではないと思います。
いつもいうことですが、まず「基本」をよく知ることで、
そこから先へ進めるのだと思うのです。
いろいろ聞いているうちに不安になれば「この色の着物にこの帯は
おかしいですか?」という「質問」ができます。
質問することがわからない、質問の必要を感じない、というのは
つまり「かわいそうなこと」だと思います。
骨董市では、裄の短いツンツルテンのウールの着物に、丸帯のリフォーム半幅帯、
見事な刺繍半衿にポシェット斜めにかけて、花柄タビにエナメル草履・・
なんてスタイルも見かけます。どこがどう許容範囲か、どこがゆるされないか、
一口ではいいきれないことではありますが、常々心配なのは、
やっぱり「基本的なこと、わかってやっているのかな」ということなのです。
売れればいい、借りてくれればいい、着方習いにきてくれればいい、
それだけで終わらせないでほしい・・とつくづく思ったことでした。
若い人の場合、財力がなくて、妥協して、それを選んだということもありますので、そういう場合こそ、小物で、まとまりをつけることをアドバイスすると、喜ばれる?ような気がします。
満艦飾といえば、大屋政子さんを思い出しますが、あそこまで行けば、あっぱれかなー、とも。
下記URL、原宿にくる若い人が好みそうです。ご参考まで~
http://tokyo135.exblog.jp/
ここのブログとは別に、和の学校「とんぼ塾」を開催するのは、どうでしょうか
お知らせいただいたところ、いってみました。
いいじゃありませんか、満艦飾なりのまとまり??
へんな言い方ですが、なんというのか
ただ「ハデ」「色とりどり」ではないんですね。
洋服だといいまとまりを見せる人が、
着物だとなんでそーなるかなーという
あの歯がゆさ・・説明しづらいんですよ。
どこがどう違うと言い切れない・・。
数見るよりないんですかねぇ。
「とんぼ塾」・・・( 倒れました・・)
でも、呉服の現場も、貸し衣装の現場も、そこまで、色彩の違いについて、わかっている人は、少ないのじゃないかしらね~
(続けてのコメントで、ごめんやす)
呉服屋さんで、もようについてだの色についてだの
逆に質問されたりしますね。まずは売るべし・・なんでしょうねぇ。まだ自分の思いがまとまりません。何をしたいのか、というより何をすればいいのか、更にはなんかできると思う?です。
お茶やってらっしゃるかた、流派は表と仰ってましたが
お茶
のコツを、守、破、離と仰いました。基本は守るから入るべきという点では一緒、やはり文化とすべきかもと思い直して・・・
守ということを、前の世代から受け継がれていない、というより、もう一つ前の世代?と思います。売るだけ、着せるだけ、そんな人々ももしかして基本がよくわかっていらっしゃらなかったりして、大体、親世代、よほど着物好きでないと着物をそんなに着ていませんて、
とんぼさんにたくさん生地を見せてもらいましたが、色の明度は基本的に日本人の肌色にうつる、つまりやや黄色がかっていながら、白いひとが多いという事実を踏まえて、昔のもの、今のものより明度が高いと感じています。
洋服は明度が暗い、汚い系の色が多いです。全身を覆う着物の色、肌色とのつりあいなど、また柄の組み合わせなど
ここはやはり「とんぼ塾」に期待したい所です。
「守・破。離」とは、なかなかの言葉ですね。
納得です。洋服を取り入れた日本人は、洋装の達人になったのでしょうか、そのあたりも過渡期なのかもしれない・・なんぞと思いながら、色見本を見ておりました。とんぼ塾は「それでははじめましょ・・」というわけにはいきませんが、何ができるか、少し光明が見えてきた感じがします。
色とか、色の取り合わせなども、掲載されるとすれば、たぶん、そのHP自体が、「とんぼ塾」になるのでは、と思います。 素敵~
でも、例えば古着からでも着物に興味を持って、もっと着物を知ろうとすれば、着物の知識が増えいずれ気がつくやも・・・と思っております
柄あわせ、色あわせは数字に置き換える事ができず、なかなかセンスアップするのは難しいですが、やはり数多く、見る、触れる以外にないのでは
私はかれこれ40年、毎日着物や帯に触れ続け、そりなりの自信はあります、それ故、とんちんかんな組み合わせには?
ちょと一語アドバイスを申し上げたいところですが(ブログ上でも数おおくあります)
せっかくお気に入りでお召しなさっておられます
ので、お気を悪くさせる訳にもいきません
やはり現場の小売り店がもっともっと勉強すべきこと、そしてお客さまに良きアドバイスを・・・と望んでおります。
そんな方向性も考えられる・・と気がつきまして、またちっと知恵しぼってみます。
てっちゃん様
なんでもそうですが、たくさん関わって慣れること、目を肥やすことですよね。売る側も買う側も、そしていろいろ知恵のあるものも、みんなが前向きに、本気で着物を好きでいれば、いい方向に向くと思います。そうなるといいですね。
背中を押していただき、ありがとうございました。