昨日の「銘仙」のお話しで、「座布団のサイズの銘仙判とは?」という
コメントを頂戴しました。本日は座布団のお話しです。
それにしたって、なんなのこの「コ汚いざぶとん」は・・・。
すみません、とんぼ愛用の座布団です。
すでに紙のごとく真っ二つに折れるというミゴトなまでの「せんべい座布団」。
これは、主人の亡くなった両親の家にあったもの。
どちらがすわっていたのかわかりませんが、いい具合にヘタって、
お尻の落ち着きがいいのです。貧乏性なのでしょうか、
フカフカ座布団に座ると、いつのまにかズリッとコケる私です。
まず、座布団の歴史ですが、布団の歴史とも重なってきます。
そこからちょっとのぞいてみましょう。
寝るときに布団を使うようになったのは江戸時代に入ってからで、
それ以前は身分が高くてもふとんはナシ。なぜって「綿」がなかったから。
薄い畳にりっぱなヘリをつけたものを敷いて、これが敷布団。
上は着ていた着物を掛けて寝る・・まぁ十二単ならあったかかったかも。
綿が輸入されるようになってから、ようやく「ふとん」というものができました。
初めて綿を見た人達は、そのふかふか感と保温力に
「こんなあったかいもんがあったのか」とカンゲキし・・・たと思うんですが。
とりあえず冬という季節のある日本では、まず「着物」に綿を入れて着ました。
「綿入れ」というと、今は「半てん」を思い浮かべますが、布団ができてからも
かなり後の時代まで、普通の着物に薄く綿を入れて着る・・ということは
行われていました。えーとりあえず、布団というものは、かくのごとく
日本の歴史においては「最近」のものなんですね。
高貴なかたでも薄縁に寝ころがって、着てた着物を被って寝た・・
庶民なんてのは板の間にゴロリ、着てたきものをパサリ・・。
他にはせいぜい「むしろ・ゴザ」の類を使ったと思われるそうで・・。
毎日が「アウトドア・ライフ」みたいですー。今の時代に生まれてエガった!
で、なんで布団のお話しから入ったかといいますと、
こんな風に「下に敷くもの」というのは、昔の人にとっては
「富と権力の象徴」でもあったわけです。つまり身分が高いほど、
床の上に敷く「薄畳(うすじょう)」がりっぱなものであったわけです。
最初はグー・・じゃなくて、最初は「畳」で、畳が布団や座布団のかわりでした。
それが綿の輸入によって、ふとんや座布団が作られるようになったわけですが、
どっちにしても、当初はそれを敷くものは「高貴」なおかただったわけです。
さてさて、やっと現代に近づいて参りました。
で、物の本によれば、座布団に綿が入ったのは江戸中期、
更に庶民に広まるまでには、相当時間がかかり、明治大正に入るそうです。
で、更に更に「座布団側」として専用の生地が作られるようになったのは
なんと昭和だそうで・・。このあたりはちょっと自信がなかったので、
「座布団やさん」のHPで調べました。幸い前述の「歴史」も
ほぼマチガイありませんでした。(ホッ)
で、ここからが、ご質問の「銘仙」と座布団、になります。
座布団のサイズは「銘仙判」と「八端判」の2種類がよく知られていますが、
そのほかにも「夫婦判」といういわばWサイズのものや、
ちっちゃい「茶席判」というのもあります。一番使われるのが「銘仙判」。
これは55cm×59cm、八端判は59cm×63cm。
こちらはいわば「来客用」ホラ、法事なんかでお坊さんにきていただいた時などに
お出しする、あのキンキラキンの・・あれっ?うちにそんなの、あったっけ?
このセンチ誰が決めたの・・って聞かないで下さい、それ、知らないんです。
このサイズの名前というのは、実は「座布団に使われるその織物の名前」が
そのまま使われて「サイズ」を表している・・というのがお答えになります。
あーひっぱりましたねぇ、ここまで・・。
たとえば銘仙は伊勢崎や秩父などで作られ、八端は地名というより、その産地、
つまり「甲斐絹」といわれた山梨です。「ふとん側の織物産地」だったわけです。
以前ふとんやさんに聞いたことがあるんですが、JIS規格というのもあって
一応「S.M.L」と銘仙や八端にあてているのだそうですが、
これはMサイズです、と売っているところは少ないそうで、
今でも「銘仙判」「八端判」のほうが通りがいいそうです。
というわけで、座布団のサイズの名前はそのまま産地の名前がそうなった、
ということです。昔は座布団の側って全部絹だったんですね。
ではここで「座布団豆知識」、座布団は正方形ではありません。
どーして?・・・これは、人が正座した時、体の横幅よりも、
重ねて収めた足の裏が飛び出た分、ちょっとだけ長くしているわけです。
つまり、つま先までちゃんと座布団の上に収まるように・・ですね。
次に、座布団にも「前後」と「裏表」があります。
前後は座布団の場合、へりに縫い目のない方、
つまり長方形の布を二つに折った方、これが前になります。
「裏表」は、真ん中のとじ糸の房が出てる方が表です。
座布団カバーにも「前後、裏表」はあるのですが、
最近のものは「作り勝手」のせいでしょうか、本来後ろになるところが
横に来ているものもありますので一概には言えなくなってしまいましたが、
基本的には、カバーの場合「座布団を入れる口のあるほうが後ろ」、
裏表は、ファスナーやスナップを隠すおおい布のあるほうが表、です。
もうひとつ、関東と関西では、真ん中の綴じ方も違うんです。
これは母から聞きました。関東は十文字、つまり+型に綴じますが、
関西では三方向、つまりY字型に綴じるそうです。
関西では数え方も「一枚二枚」ではなく「一畳二畳」だそうで、
もともとお公家さんのふるさとですから、平安の昔、畳が権威の象徴であった頃の
名残なのかもしれません。(でも、バーチャン京都だけど「一枚」って言うなぁ)
銘仙版の客座布団5枚と八端版の夫婦座布団2枚を持って来ました。
と思っていたのですが、夫婦版というのが有るんですね~。
本当にいつもいつも毎日毎日為になります。
読む片端から忘れていく今日この頃ですが、
これだけ読めば少しは留まっていてくれるかと。
顔の皺を脳の皺に移動!
知識が半端ではないですね。師匠より教授の方が呼び名としては最適なのでは。敬服いたしました。
父が九月に亡くなって、部屋の整理や、壁の塗り替えや襖や障子の張替えを行いましたが、鴨居を取りたかったり、床の間を潰したいとか考えますが、良く考えると無くなるのも淋しいですね。でも掛け軸や短冊などの季節の架け替えは、私では出来そうにありません。処分はしたくないのですが、上手い活用法も解りませんね。
古いものは好きなのですが、ただ仕舞って置くだけでは、結局価値がありませんね。足踏みミシンや柱時計を早く捨てろと言われるのですが、捨てられません。
粗茶ですがどうぞ・・・・
私のはただの雑学、広くそしてごくごくあさ~~く
興味のあることだけ・・・なんです。
へぇ~とお楽しみいただければ幸いです。
それにしても、私も嫁入りに夫婦座布団
持ってはきたけど、使ったかな~。
さすらい様
教授だと狂授になりそーです。
今10枚の座布団に、必死にしがみついて登り、
おいしいお茶をズズーッといただきました。
ほぉ~~・・。そだ、ここまできたら
明日は「綿」のお話しかな?
版ではなくて判でしたね。
やはり 脳の皺が減ってきている。
座布団みんな取られちゃった!!?
ブログだって書いた後、何回も読み直してるのに、
アップしてからの修正が多いこと!
私もカオの皺、ぜ~~~んぶ脳に移したいっ!
外からモンでも皺増えないしー。
CMにもなりませんなー。
ほんとに「モノ忘れ」「見落とし」「勘違い」
なんとかせにゃーです。