着物・残念シリーズ その2

なんというのか、すごくゴーカです…。地紋は細かい「紗綾型」、
地はグレー味のある薄青で、柄の範囲が広いのです。
袖が長ければ、五つ紋の大振袖にもなろうかというような…。
いわゆる「御所解き」と呼ばれる模様で、
公家や武家などの格式高い着物に使われた柄です。
ちょっと加工が難しくて、ボケてますが、これが背中です。


　　　　　


こちらが後ろ側の裾を写したもの。


　　　　　　　　


おはしょりして帯にはいるところだけは柄がない、という感じです。
こちらが前の柄、右のほうに小さなおしどりさんが見えてますね。


　　　　　


まぁわずかーに「よく見ればヤケがある…かな」という程度なのですが、
実はもっと「オソロシイ」ダメージがあるんです。
それがこちら、見えますでしょうか…ザックリと切れちゃってます。


　　　　　


これは右の脇、下から40センチくらいのところです。
開いてみるとこんな感じ…、


　　　　　　　　


もったいないでしょぅ？！
私はちゃんとした和裁をしませんので、はっきりはわからないのですが、
細身の方なら、なんとかギリギリ縫いこめられないかなと。
たぶん価格的にもかなりのものではないかと思います。
たった一つの切れ目のために、この着物が日の目を見ないというのが
とてもとても残念でかわいそうで…。

まだあります。こちらはモダーンな振袖。
実のところ、とんぼはこのテの柄は苦手部類です。


　　　　　　　　　　　


着物ショーなどで、背の高ーい「洋風メイク洋風ヘア」のモデルさんが
音楽に合わせて優雅に歩いたら…とてもステキだろうとは思うのですが、
やっぱり…どこか私の「でー・えぬ・えー」が、拒絶反応なのですー。
ともあれ、この振袖は柄の部分部分を見ると、それなりにきれいです。
例えばこちらの蝶の部分なんか、ふわりと飛んでいるところ、かわいいです。


　　　　　


こちらが袖、なんでこの色合いかなぁ…という疑問はこちへおいといて
とてもダイタン…


　　　　　　　　　　


私の好みではなくても、若くてモダンなお嬢様には、
こういうほうがすき、という方もおられるかもしれません、が…、
残念ながら、これはもうあっちこっちヤケと変色がひどくて…。
染め替えならきれいになると思います。
じっと見ていて、なんか洋服にリフォームのほうがいいかなーと思いました。

昨日と今日お見せしたのは、全て仮絵羽に縫い合わされたもの。
実はその状態であまり長く保存すると、どうしても縫い合わせたところから
ヤケや変色がおきやすいんですよね。
長く保管されていたものだと思いますが、何かの形でおんもにでられたら…、と
まさしく「じょじょはいたみぃちゃん」の気分です。
この子達にも「春」を呼んであげたいとんぼです。