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ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

惜しい附下

2014-05-27 16:03:45 | 着物・古布

 

いただきものの中の一枚。

ほかのお着物に比べて、これだけが特出して「華やか」です。

附下だし、お若いころのものだからかな…と思っています。

どちらかというと、シャープな感じや、すっきりした感じがお好みのようですので、

これはお嫁入り前後の、お若いころのものかと…。

お気に入りだったのでしょうか。

 

            

 

離れて見ると、何の問題もなく見えますし、

こういう柄にはよくある、「柄の白い部分に出る茶ジミ」も、全くありません。

最初に裾の柄だけ見たときは、ラッキー…と思ったのですが…。

残念ながら細かくみたところシミと広範囲の「色変わり」が。

 

こういう色はヤケや褪せが出ても、ぱっと見ただけではわからないのですが、

お福ちゃんに着せてみて、表の明るいところで見たら、肩先が…。

元々ごく薄ーいグレーなんですが、それでも濃いところと薄いところがででしまう…。

残念ですねぇ。

元々この着物、裏にちょっと工夫があって、下前の裾部分、表から見てますが矢印のところで色が違います。

 

      

 

これは、裾回しはちょっと濃いめのグレーが普通についてますが、胴裏がピンクがかった肌色なんです。

この胴裏の色が表に透けて、表地のグレーがなんとなくピンク味を帯びるんですね。

白でそのままグレーの表にすると、ちょっとジミな気がでてしまう。

なのでわざと色のついたものを使って、表地をより柔らかいグレーにしているわけです。

 

             

 

現物を見ると、ただのグレーのところとの違いがよくわかります。

胴裏と八掛を外したら、元のグレーの地が出て更にダメージのチェックができそうです。

この裾のモダン柄の部分だけでも、何かに使えそうだしとにかく解いて洗うことにしましょう。

 

ほかにも解きたいものが…わぁぁぁ梅雨の前にやりたいこといーっぱいです。

こちらはお召し。こういうもので、八掛に肌色っぽいものが付いているのは、

昭和初期くらいの「ハヤリ」、こういうのはだいたい裏が…ほーらね、紅絹でした。

そしてお袖丈が長い。

 

                 

 

 柄が細かくてジミに見えますが、袖の紅絹裏、八掛の明るい色、そして長い袖、

こうしてみるとちっともジミじゃない。きっと朱系の帯など締めて、お召しだったのではないでしょうか。

近くで見ると、よりかわいさがわかります。

 

         

         

 

これは裏を替えて帯をジミにすれば、今の私でも着られます。

たとえばこれを…こうする…。

 

 

帯もモノトーン系か抹茶、くすんだからしなど合いそうです。    

 

今回のいただきもので、再び昔の人の着物にたいする気遣いとか、工夫とか、

暮らし方、生き方にまで、つながるものを感じました。

今、浴衣はTシャツ感覚で、ペラペラの安いものを1~2年着てもう処分してしまう。

着物でも、アンティークで2~3000円で買ったからと、

おしりが破れたら「ついに破れましたー」と、そこまで…になってしまう。

元々洋装は、サイズや流行などで、普段用のものなどは「着られないもの」になっていきます。

それはそれなりに、また別のリサイクル方法があるものですが、

着物は特有の「繰り回し」という方法があります。

地が弱ったと言っても、裏地を貼るとか、いいところだけ切りだすとか…

最後まで使いきりたいものと思います。

 

まだまだ「分別作業」は続いております。お天気はなんとかなりそうですが、

このところ「急変」もありますから、お日様のご機嫌をうかがいながら、がんばりまっしょ。

 

本日のおまけ。普段用の腰ひもです。

 

       

 

お福ちゃんに着せていたら、突然指が引っ掛かりました。

柄の絞りのある部分、こんなに裂けちゃってました。いやぁよく頑張ってくれました。

 

       

 

これは私がまだ10代のころから使っています。50年物ですわー。

ほかの絞り部分はまだなんともありません。丈夫なものですねぇ。

ちょうど結び目にあたるところだけがボロボロ…。

さて、母だったらこれをどうしますかねぇ。そこまでは聞いてなかったー。


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8 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (陽花)
2014-05-27 20:23:49
黒地の小紋は八掛、帯、半衿などで
本当に年齢巾広く着られていいですね。

こういう腰紐は私も芯布が見えているの
あります。
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Unknown (村すずめ)
2014-05-27 21:20:45
はじめまして。
昔きものの診断、たいへん興味深く読ませていただきました。
布の透けを利用しての配色、裾回しのおしゃれなど、昔のかたの知恵に感心させられます。
よい記事をありがとうございました。
返信する
Unknown ()
2014-05-27 22:36:03
色は派手だけれど
柄が好きだから・・・と
肌色の地に蔦柄
裏の八掛けをグレーにすれば
表地の色が変わって
多少 落ち着くだろうと買い求めた反物。

八掛けを色を指定して
お仕立てをお願いしたのですが
呉服屋さんで猛反対にあったとの事

結局はどうしたのか・・・
ケチがついて 箪笥の肥やしになっています。

黒の小紋
八掛けの色を替えれば まだまだ着れる!
と思ったら やはり
返信する
Unknown (古布遊び)
2014-05-28 09:33:08
今日のお話もなるほどと感心して読ませていただきました。わずかに透ける色を計算して裏を持ってくるなんてすばらしいですね~
着物の世界の奥深さを改めて勉強させられました~

昨日の再練のお話、とても参考になりました。
本当にありがとうございました。


返信する
Unknown (とんぼ)
2014-05-28 20:18:30
陽花様

帯や八掛など、色合わせを年代ごとに選ぶ、
そんな楽しみがありますねぇ。

この紐も芯布はまだまだしっかり。
まぁどうしようかと思案中です。
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こちらこそ (とんぼ)
2014-05-28 20:20:25
村すずめ様

はじめまして。コメントありがとうございます。

着物の楽しみ方とか工夫とかは、
よく着ていたからこそ、培われたものと思います。
お知恵拝借で、こちらもいろいろ考えたいものと思っています。
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Unknown (とんぼ)
2014-05-28 20:22:46
惠様

透けてどう見えるか…は、それこそやってみないとですね。
もったいないですから、着てあげてください。

黒地は便利です。
これはお召なのでちと重いですが…。
返信する
Unknown (とんぼ)
2014-05-28 20:24:53
古布遊び様

たくさん経験していると、こんなことも、
すっと思いつくのでしょうね。
微妙な色合いがなかなかですよ。

再練、お役にたててよかったです。
私も出さなきゃです。
いつまでもこのままではますます…黄色とグレーの
まだらになっちゃいますー。

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