
いただきものの中の一枚。
ほかのお着物に比べて、これだけが特出して「華やか」です。
附下だし、お若いころのものだからかな…と思っています。
どちらかというと、シャープな感じや、すっきりした感じがお好みのようですので、
これはお嫁入り前後の、お若いころのものかと…。
お気に入りだったのでしょうか。
離れて見ると、何の問題もなく見えますし、
こういう柄にはよくある、「柄の白い部分に出る茶ジミ」も、全くありません。
最初に裾の柄だけ見たときは、ラッキー…と思ったのですが…。
残念ながら細かくみたところシミと広範囲の「色変わり」が。
こういう色はヤケや褪せが出ても、ぱっと見ただけではわからないのですが、
お福ちゃんに着せてみて、表の明るいところで見たら、肩先が…。
元々ごく薄ーいグレーなんですが、それでも濃いところと薄いところがででしまう…。
残念ですねぇ。
元々この着物、裏にちょっと工夫があって、下前の裾部分、表から見てますが矢印のところで色が違います。
これは、裾回しはちょっと濃いめのグレーが普通についてますが、胴裏がピンクがかった肌色なんです。
この胴裏の色が表に透けて、表地のグレーがなんとなくピンク味を帯びるんですね。
白でそのままグレーの表にすると、ちょっとジミな気がでてしまう。
なのでわざと色のついたものを使って、表地をより柔らかいグレーにしているわけです。
現物を見ると、ただのグレーのところとの違いがよくわかります。
胴裏と八掛を外したら、元のグレーの地が出て更にダメージのチェックができそうです。
この裾のモダン柄の部分だけでも、何かに使えそうだしとにかく解いて洗うことにしましょう。
ほかにも解きたいものが…わぁぁぁ梅雨の前にやりたいこといーっぱいです。
こちらはお召し。こういうもので、八掛に肌色っぽいものが付いているのは、
昭和初期くらいの「ハヤリ」、こういうのはだいたい裏が…ほーらね、紅絹でした。
そしてお袖丈が長い。
柄が細かくてジミに見えますが、袖の紅絹裏、八掛の明るい色、そして長い袖、
こうしてみるとちっともジミじゃない。きっと朱系の帯など締めて、お召しだったのではないでしょうか。
近くで見ると、よりかわいさがわかります。
これは裏を替えて帯をジミにすれば、今の私でも着られます。
たとえばこれを…こうする…。
帯もモノトーン系か抹茶、くすんだからしなど合いそうです。
今回のいただきもので、再び昔の人の着物にたいする気遣いとか、工夫とか、
暮らし方、生き方にまで、つながるものを感じました。
今、浴衣はTシャツ感覚で、ペラペラの安いものを1~2年着てもう処分してしまう。
着物でも、アンティークで2~3000円で買ったからと、
おしりが破れたら「ついに破れましたー」と、そこまで…になってしまう。
元々洋装は、サイズや流行などで、普段用のものなどは「着られないもの」になっていきます。
それはそれなりに、また別のリサイクル方法があるものですが、
着物は特有の「繰り回し」という方法があります。
地が弱ったと言っても、裏地を貼るとか、いいところだけ切りだすとか…
最後まで使いきりたいものと思います。
まだまだ「分別作業」は続いております。お天気はなんとかなりそうですが、
このところ「急変」もありますから、お日様のご機嫌をうかがいながら、がんばりまっしょ。
本日のおまけ。普段用の腰ひもです。
お福ちゃんに着せていたら、突然指が引っ掛かりました。
柄の絞りのある部分、こんなに裂けちゃってました。いやぁよく頑張ってくれました。
これは私がまだ10代のころから使っています。50年物ですわー。
ほかの絞り部分はまだなんともありません。丈夫なものですねぇ。
ちょうど結び目にあたるところだけがボロボロ…。
さて、母だったらこれをどうしますかねぇ。そこまでは聞いてなかったー。
本当に年齢巾広く着られていいですね。
こういう腰紐は私も芯布が見えているの
あります。
昔きものの診断、たいへん興味深く読ませていただきました。
布の透けを利用しての配色、裾回しのおしゃれなど、昔のかたの知恵に感心させられます。
よい記事をありがとうございました。
柄が好きだから・・・と
肌色の地に蔦柄
裏の八掛けをグレーにすれば
表地の色が変わって
多少 落ち着くだろうと買い求めた反物。
八掛けを色を指定して
お仕立てをお願いしたのですが
呉服屋さんで猛反対にあったとの事
結局はどうしたのか・・・
ケチがついて 箪笥の肥やしになっています。
黒の小紋
八掛けの色を替えれば まだまだ着れる!
と思ったら やはり
着物の世界の奥深さを改めて勉強させられました~
昨日の再練のお話、とても参考になりました。
本当にありがとうございました。
帯や八掛など、色合わせを年代ごとに選ぶ、
そんな楽しみがありますねぇ。
この紐も芯布はまだまだしっかり。
まぁどうしようかと思案中です。
はじめまして。コメントありがとうございます。
着物の楽しみ方とか工夫とかは、
よく着ていたからこそ、培われたものと思います。
お知恵拝借で、こちらもいろいろ考えたいものと思っています。
透けてどう見えるか…は、それこそやってみないとですね。
もったいないですから、着てあげてください。
黒地は便利です。
これはお召なのでちと重いですが…。
たくさん経験していると、こんなことも、
すっと思いつくのでしょうね。
微妙な色合いがなかなかですよ。
再練、お役にたててよかったです。
私も出さなきゃです。
いつまでもこのままではますます…黄色とグレーの
まだらになっちゃいますー。