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ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

言葉のツギは文字…?

2008-07-20 18:23:48 | 着物・古布
やっと買いました、万年筆!横浜まで出かけたりの時間は
とれそうにありませんので、とりあえずネットを探しまくりまして、
やっとこれがいいかなーというのに出会いました。
しかも「二割引~!」、送料もありますけど、
買いにいっても交通費かかりますしね。買っちゃいまして、それが届きました。
ひっさしぶりの「万年筆」、やっぱりいいですねぇ。
ちょうど暑中お見舞いをあれこれ書き始めていましたので、
よっしゃと始めたのですが…ふと思い出しました。
インクジェットの官製はがきって、万年筆のインク、乗りにくいんですよね。
ありゃりゃ…、なんのこっちゃですがな。
苦労して一枚書いて、あとはまたボールペン…なんでやね~ん。

さて、書くほうは、と言いますと、これまた苦手な部類です。
特に横書きはあきまへん。子供のような字になってしまうのです。
横だと続けて書けないからなんですねぇ。
昔、高校で書道の先生に「展覧会にださないか」といわれたことがありました。
バサマはそれを聞いて「そのセンセ、眼ぇだいじょぶか」(親の言葉とは思えん)
で、張り切ってお手本をもらいにいきましたら、
「これを下においてなぞるよーに」…「はいっ?なぞる…んですか?」…。
ベッタリなぞらせていただきまして、軸に作っていただきましたが、
名前はお手本には無かったので、しっかり曲がっとりました。はっはっは。

ウチの母は「金釘流」、あっこんな言葉も、若い方には通じませんかね。
悪筆のたとえなんですが…。私は母親似のようです。
でも、私から見てバサマの字は、けっこういけると思います。
本人は「人に見られとぅないし、手紙は嫌いや」と、よく言ってますが、
私には「点ひとつ、線一本足らん字ぃの方が、悪筆より恥ずかしいねんで」と
小さいころから言い続けました。もう50年にもなろうかというのに、
いまだに「線足りてるよね」なんて「難」などという字は、
数えなおしたりして確認しているアリサマです。
ほんま「難儀」なこっちゃ。

古布で「字」の柄がでてきました。
これはちりめんの男物じゅばん。茶道具ですね。
なんと書かれているのやら~ですが…。


   


こちらもじゅばんでしたが、これは着物で着てみたかったです。
ちょっと細いところなので二行しかありませんが、
反幅ではもっとずらりとかかれているわけで…。
これまた、なんと書かれているのやら…ですが、流れるようですね。
字のよしあしはわかりませんか、こーは書けないってことだけは確かです。


            


日本では古来よりずっと縦書きで、それも平仮名ができてからは、
流れるように続けて書くのが普通になりました。
そのために「印刷技術」は発達しそこねたわけですが
(つながった字は活字にできないためです)
今に残る「美しい書」を見ると、それでよかったんだーと思います。

脱線しますが、上の「茶道具」の布ですが、ちりめんのじゅばんの染め見本。
こちらが本体です。


            


上から富士山、冊子、地紙にだるま、という柄ですが、
染め見本ですからそれぞれ少しずつ、それをまた縫いつなげてます。
はしを折り返してみました、つなぎ目が見えてます。


    


染め見本のじゅばんはよく眼にします。たいがいそのままが多いのですけれど
こんなふうに何枚も縫いつないでいるものも、たまに見かけます。
どちらにしても「ムダにしないこと」「手間を惜しまないこと」が
あたりまえのように行われています。
目の当たりにすると、着古しのTシャツをポイと捨てられなくなって…。


さて、字を書くほうのお話に戻りますが、
「時候の挨拶」というのがありますね。
便箋なんか買うと、見本に書いてあったりします。
今の季節だとこんなのがありました。
「盛夏の候 酷暑の候 蝉の声に更に暑さを覚え 
 急に暑さが加わってまいりましたが 草木も生気を失い…」
ところが、若い友人は「そのあとがわかんないんですー」と。
そりゃそうですよね。「草木も生気を失い」の後が続かなくって
書いてる本人が「生気を失い」…。
昔、後輩から「前略、益々ご清栄の段…」という手紙をもらいました。
最近は、手紙を書くということがあまりありませんし、
たとえば年賀状などで、目上の方に出す分なども、
印刷文にちゃんとはいってたりしますから、よけいにわからないかもしれません。
堅苦しい挨拶言葉は、私もちょっと苦手ですが、
日本にはたとえば、空にしても月、星、雨や風にも、花のように
たくさんの名前がついていて、ほんとうにきれいです。
ちょっとそんな言葉なんか使うと、書くのも楽しくなります。
「梅雨がようやく終わり、昨夜やっと十六夜の月が見えました」とか
「アスファルトもとけそうな暑さに、私の顔もとけてます」…こりゃイカン!
歳時記を読んでいると、こんな言葉もあるんだ…と、いろいろ眼に留まり、
いつか手紙で使ってみたい、なんて思います。
私の俳句は、全くの我流勝手流なのですが、
歳時記は、俳句をやらない人でも楽しめる「本」です。
一度本屋さんでのぞいてみてください。

さぁ、はがき書くぞぉ~~っ!


虎んく・るーむ」の方、やーっと久しぶりの更新しました。
とお知らせするほどの記事じゃないんですが。
今回は写真がきれいです。クリックしてみてください。

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8 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (陽花)
2008-07-20 20:20:04
若い頃刺繍ミシンを教えて頂いた方が
都会的な方でセシールカットに真っ赤な
マニキュアをされていました。結婚され
何年も経った頃お手紙を頂きました。
その中に「おめもじかない・・・」と筆で
書いてありました。若い頃とは180度
違う感じにとまどいましたが、流れるような
文字と言葉遣いに外見しか見ていなかったんだとつくずく反省したことがありました。
流れるような文字は憧れですが、努力もしないで書けるどうりはありませんよね。
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文章音痴 (otyukun)
2008-07-20 22:51:47
これだ!と思って書いた言葉が適切ではない事が多い私の文章で、私の周りの人はかなり嫌なめをしたと思います。
ま、とんぼさんもその一人でしょう。
独りよがりな文章は思いもかけず人を苦しめてしまいます。
反省はしているのですが、工房でのパソコンの係になっている以上、諦めてもらいます。
しかし、人様に迷惑をかけない、適切な時宜を得た言葉を確実に述べる方法は無いものでしょうか。
何時も頭を悩ませています。
返信する
文字そして俳句 (うんちく)
2008-07-20 23:25:57
あちこちで句碑を見ますが、石碑に刻んである
のは大概草書で、これが読めません。勉強しよ
うと本を買ってきて途中までは始めたのです
が、挫折したままです。書けなくても読めるよ
うになりたいものだと思っています。
とんぼさんが俳句を作られることを知りまし
た。歳時記も持っておられるよし。俳句をやる
者としてお友達ができて嬉しいです。このブロ
グの投稿者名の「うんちく」は俳号です。漢字
では雲竹と書きます。薀蓄ではありません。

返信する
Unknown (てまりばな)
2008-07-21 00:09:40
全部は読めませんでしたが
グレーの写真は能の『清経』に出てくる「淡津の三郎」について書かれているようです。
右と左では上下逆ですね。
どういう作りになっているのかしら?
こういうところから興味を広げるのも楽しいですね。
実は私も歳時記を持つ者です(笑)。
返信する
上は業平ですね (こいけ)
2008-07-21 01:15:54
ROM専のこいけです。
上は藤原業平の歌ですね。

月やあらぬ 春やむかしの春ならぬ
我身ひとつはもとの身にして

『古今和歌集』恋歌五、『伊勢物語』四段、
業平はこの歌で思う人に会えないことを嘆き、
六段で駆け落ちに失敗、七段以降は東下りに。

でもなぜに茶道具? 茶碗、水指、柄杓、
逆さになっているのは茶筅と風炉でしょうか。

茶碗と耳付きの水指の絵柄が梅。
業平が花盛りの梅を見て泣いたからかな。
あとは茶碗左横の建水(?)か何かの絵柄が
七宝つなぎの中に業平菱かな。

茶歴が無駄に長いだけの私にはわかりません。
わからないけれど、楽しい柄見本ですね。
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読み直して汗顔の至り (こいけ)
2008-07-21 01:23:13
あちゃ。恥ずかしい。穴があったら…。

藤原業平って、おい。

在原業平と藤原高子の悲恋です。
書いたり削ったりしている間にくっついちゃいました。
返信する
Unknown (ゆん)
2008-07-21 08:34:27
おはようございます


 いつも欠かさずお邪魔しておりますです(・・・で、もちろんぽちっと・も)。


 今回の記事を読んで、反省しきり!という感じです

 突然、無性に手紙やはがきが書きたくなり、人様(とんぼさんにも…)に送りつけてしまったものを、後々振り返って、「ああ、なんて独りよがりなものを書き送ったんだろう。先様を思う気持ちのないことだった~~~!!」・・ということをよくやらかしてしまいます。

 ほんの少し、季節の風を感じる言葉を添えることができていたら…。

 これから、気をつけようと思います。大切なことに気付かせてくださって、本当にありがとうございました。
返信する
Unknown (とんぼ)
2008-07-21 16:48:49
陽花様
きれいな日本語や、たおやかな言葉を見ると
ほんとにそれだけで嬉しくなりますね。
手紙って、性格もでてしまうから、
気をつけなきゃいけませんね。
といいつつ、できてなーいです。


otyukun様
そんなことはありません。
いつもやさしくて丁寧なお便りを
いただいています。
日本語は、世界でも難しい言語のひとつ、
だそうです。日本に生まれたおかげで、
けっこう使いこなしているつもりですが、
まだまだ知らない言葉がいっぱい!
一生、勉強ですね。


うんちく様
「雲竹」さまですか、いいですね。
私は誰に師事したわけでもなく、
勝手柳なんです。添削していただきたいです。
俳号は勝手につけていますが、
これもコロコロ変わりまして…。
「虎んく・るーむ」の方で、
ときどき俳句をちろっと書いています。
そのうちまとめてみようかと…
駄作ばかりですが。


てまりばな様
能ですか、ありがとうございます。
着物の柄には、よく能狂言、浄瑠璃や和歌など
字の柄がよくあります。いいものですね。
この生地は、小紋ですから上下の無いように、
逆向きの二行が、反幅に10行くらいですか、
縞模様のように染められているものでした。
古いもので傷みの部分があって、
着物としてはもう着られませんでしたので、
といてあります。とても渋いのですが、
少し陰影のある染めが好きな一枚です。


こいけ様
いつもおいでいただきありがとうございます。
「月やあらぬ」であってましたか、
そうかなとおもったのですが、その先は
「春」しか読めませんでした。
茶道具のなぞ、ですが、
この染めを見ますと、割と安価なもの用、
という感じです。つまりよくある柄、ですね。
そういうものって、あまりこだわりなく、
よくあるものの組み合わせ、というものが
けっこうあります。将棋のこまに短歌とか、
かぶとやよろいに俳句とか…。
もちろん、柄と歌の内容を
関連付けているものもありますが、
こういう図柄では「字」をデザインとして
とらえているのではないかと思います。
むしろ、おっしゃるように「業平と梅」とか、
眼から入る情報で連想させるほうに、
ポイントを置いたのかもしれません。
私はお茶のことがわかりませんので
なんともいえませんが、この図案書いたヒトが
お茶と業平のファンだった…かも?


ゆん様
ぽちっと…ありがとうございます。
おかげさまでなんだかいつも10位前後を
うろうろさせていただいてます。

お手紙もいただきましたが、ちっとも
いやな思いなんてしていませんよ。
マンガすっげーウマイっと思っています。
プロだったんでしょ。
またお手紙ください、ってもらうだけかいっ!
書きますからねぇ。

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