快読日記

日々の読書記録

「ゆるい生活」群ようこ

2015年05月06日 | 暮らし・健康・理科っぽい話
《☆☆ 5/5読了 朝日新聞出版 2015年刊 【日本のエッセイ 漢方】 むれ・ようこ(1954~)》

「人間の体は耐用年数が五十年くらいですからね。それ以降は食事などの毎日の生活習慣に注意するなり、第三者の力を借りていかないと、維持するのが難しくなりますよね」(191p)

なんかこう、決定的な大病というんではなく、体のあちこちにガタがきてるかんじ、養命酒のCMで未病という言葉を知ってはっとするかんじ、じわじわと漢方が気になります。

「若い頃は自分にいろいろなものを加えていくけれど、中高年になるとそれまで自分の身についたものを、やめる、減らす、変えることが必要になる」(214p)

漢方は、人体の「血・水・気」を総合的にみてくれるわけですが、群ようこは水が溜まりやすい体質だそうで、甘いものをやめて(糖が水を溜めて体を冷やすから)水を排出する漢方薬を服用することでかなりすっきりしてきます。
生活習慣を変える苦労は相当なもんだろうなあ、と思いつつも、その過程を読んでいると、こっちもさっぱりした気分になります。

しかし、それを維持するのは大変だし、何よりまともな体を手に入れたせいで、ちょっとした変化をダイレクトに体が察して反応してしまうってのはしんどいんではないでしょうか。
これを読んで、昔“ダダモ博士の血液型ダイエット”にハマっていた中村有志を思い出しました。
O型は小麦粉がダメだっていうんで一切口にせずにいて、ある日ちょっとパンか何かを食べただけで具合が悪くなった、だからダダモ博士は正しいんだ、という話をシティボーイズのライブで言ってました。
それに対するきたろうの答えは「おまえそれ、病気になったんだよ」でした。
群ようこがちょっと甘いものを食べたらてきめんに体が調子を崩す、それは漢方的にみたら「正しい反応であり、健康な体こその反応だ」ってことになるんですが、そして、それはその通りかもしれませんが、わたしはつい「いるか? その正しい体」とか思ってしまいます。
元々漢方にはとても興味があるし、この本とってもおもしろかったんだけど、「結局、健康って何よ?」という根本的な疑問が生まれた1冊なのでした。

/「ゆるい生活」群ようこ