《春日武彦がひいているのは気のせいではない》
別の本で読んだのですが、精神科医・春日武彦にとって、患者は「もしかしてこうなっていたかもしれない自分の姿」なのだそうです。
殺人者の独白を聞くとき、わたしたちはそこに自分の中にも確かにある何かを見て、恐怖に身をすくませるのだと思います。
(だから、「母に甘えたかった」とか「押し入れに死体を入れたらドラ●●んが助けてくれる」とか言うセリフには明らかな違和感と作為を感じ、言葉にならないほどの嫌悪感を抱くのでしょう)
平山夢明は、殺人者や狂人を何かのキャラクターのように面白がるだけで、読んでるうちに「本当に壊れているのはこの人では?」と思ってしまいました。
実はわたしも十代のころ「マーダーケースブック」の刊行を楽しみにしていた過去があるだけに、殺人鬼の虜になっちゃう気持ちもわからないわけではないのですが、
普通、年齢を重ねたら多少なりとも深化している気配が見えるはずで、それがないのは一種の畸形ではないかとすら思いました。
そういう意味でも面白い1冊でした。
■2007年秋 読了
扶桑社新書 2007年刊 【対談 犯罪者 狂気】
別の本で読んだのですが、精神科医・春日武彦にとって、患者は「もしかしてこうなっていたかもしれない自分の姿」なのだそうです。
殺人者の独白を聞くとき、わたしたちはそこに自分の中にも確かにある何かを見て、恐怖に身をすくませるのだと思います。
(だから、「母に甘えたかった」とか「押し入れに死体を入れたらドラ●●んが助けてくれる」とか言うセリフには明らかな違和感と作為を感じ、言葉にならないほどの嫌悪感を抱くのでしょう)
平山夢明は、殺人者や狂人を何かのキャラクターのように面白がるだけで、読んでるうちに「本当に壊れているのはこの人では?」と思ってしまいました。
実はわたしも十代のころ「マーダーケースブック」の刊行を楽しみにしていた過去があるだけに、殺人鬼の虜になっちゃう気持ちもわからないわけではないのですが、
普通、年齢を重ねたら多少なりとも深化している気配が見えるはずで、それがないのは一種の畸形ではないかとすら思いました。
そういう意味でも面白い1冊でした。
■2007年秋 読了
扶桑社新書 2007年刊 【対談 犯罪者 狂気】