快読日記

日々の読書記録

「ライフ・イズ・マジック 種ありの人生と、種なしの人生と」パルト小石

2008年05月03日 | エッセイ・自叙伝・手記・紀行
《この"男の子っぽさ"が魅力です》





ナポレオンズの2番目に背が高い人、パルト小石のエッセイです。
冒頭の初代・引田天功のエピソードで「あ!(この本は)当たりだ」と確信しました。

彼らは一見、優男の二人組ですが、昔、手品をまるで超能力であるかのように演出している某マジシャンを批判、その種明かしをしたことで協会に怒られた、という逸話を知って以来、ますます好きになりました。
手品師としての矜持に満ちた骨のある人達なんですね~。

その芸はいわゆる爆笑モノではなく、思わずくすっと笑ってしまう芸です。
だからといって決して弱くはない、健全で明るい品性があって、いいかんじに毒もある。
この本もそんな芸風通りで、なんだかうれしくなりました。

国内外の有名マジシャンたち(あの前田●洋が彼らのアシスタントをつとめてたなんて!)や永六輔、円楽などが登場し、自身の生い立ちや修業時代の話もおもしろかったです。

欲を言えばクールかつクレバーな相方・ボナ植木の話がもっと読みたかったなあ。

■5/2読了 国研出版 2003年刊 【日本のエッセイ 「ほぼ日」連載】