快読日記

日々の読書記録

「女装する女」湯山玲子

2008年12月29日 | ノンフィクション・社会・事件・評伝
《12/26読了 新潮新書 2008年刊 【マーケット 社会 現代 女性】 ゆやま・れいこ(1960~)》

新しいマーケットを模索する広告プロデューサーが、当世の日本女性を分析します。
タイトルの「女装する女」から「スピリチュアルな女」「和風の女」など、全部で10種の女の生態を読むと、
カリカチュアされた自画像を見るようでもあり、思い当たる知り合いが何人も浮かんだりで、ついニヤニヤしてしまいます。

印象的なのは、ここで取り上げる女達に対する筆者の肯定的な姿勢です。
昭和後期からの流行や社会情勢をよく知る地点から新しい風潮へ向き合うまなざしには力強い明るさがあります。
だからこれだけ鋭いのにちっとも嫌味じゃない。
本当に「腕力(=知性と実行力)のある女」はおもしろい!

さらに、単なる現状報告と分析だけにとどまりません。
たとえば「ロハス、エコ女」を考察しながら実篤の「新しき村」に思いを馳せ、日本の農業の可能性を見出し、新しい農業を展開する方法を提案してくれたりするのでワクワクします。

おすすめですよ。