快読日記

日々の読書記録

「謎の1セント硬貨 真実は細部に宿る in USA」向井万起男

2009年12月18日 | エッセイ・自叙伝・手記・紀行
《12/16読了 講談社 2009年刊 【日本のエッセイ アメリカ論】むかい・まきお(1947~) 》

愛妻・チアキちゃんに会うために毎年渡米するマキオちゃん。
そんななかで彼が気付いたアメリカの多くの謎を、ネットとメールを駆使して解明していく本です。書きおろし。

マックのトイレみたいな軽めの話題から、人種・宗教に関わるテーマまで、マキオちゃんは率直に、とことん追いかけます。
"マキオちゃん節"ともいえる独特の表現にも、そのしつこさにも、ますます磨きがかかって素敵です。
さすが「毎晩ニンニクを丸ごと一房食べる(45p)」男です。
アメリカ人(じゃない人もいるけど)たちの返信も誠実で、アメリカにあまり関心がないわたしでも「へえ~」の連発でした。
とくに、クリスタルシティの日系人強制収容所を訪れた話や、アーカンソー州にある巨大なキリスト像をめぐるあれこれには、
アメリカという図体のでかい国が抱える問題点が垣間見え、マキオちゃんの武骨な一面も伝わり、なかなか読み応えがありました。

マキオちゃんの著作は全て読んでいるわたくしが今回、新たに感じたのは「彼の魅力は案外この"空気全然読まない"ところにあるのかも」ということです。
建て前や社交辞令を好まないストレートさが、アメリカ人と合うのかもしれません。