新・秘密基地

好きな玩具やらゲームなんかを綴っていきます。

横山光輝さんの作品を語る その4

2013-07-15 21:06:46 | 漫画・アニメ
前回タイトルを「横山光輝さんの漫画を語る」にしてしまった・・・

では気を取り直して第4回は横山先生らしいSFと歴史が重なった作品「時の行者」です。

戦国時代、謎の衣装に身を包み、不思議な力で人々を救った少年がいた。
人々はその少年を行者と呼び崇めた。

少年はその10年後、年を取った様子もなく、再び人々の前に現れた。
果たして少年の正体は?その目的は?



時の行者:この作品の主人公。下に着ている物を隠すかのようにローブのようなものを身に纏っている。ある時は弱き者を救い、またある時は歴史の流れに関わる重大な予言を提示して人々を驚愕させる。本名は不明だったが、終盤で淳という名前であることが判明する。


さて、最初の画像でわかると思いますが、時の行者は戦国時代の人間ではありません。
遠い未来からやってきた未来人です。
本名同様、目的もしばらく不明で歴史介入しているだけかと思われましたが、実は悲惨な未来を変えるために飛び出していった女友達を探すことが目的でした。


歴史改変を試みようとしている友達を探しているからでしょうか、時の行者は時の権力者や反乱を起こそうとしている人物のいる場所へタイムリーなタイミングで現れ、なんらかの形で関わることになります。

しかし、時間旅行には制限があるようで、その時代に現れても数日すると自動的に元の世界に戻されます。
この時間旅行、他にもルールがあるようで、一度行った時間には二度と行けない、自分たちの時間軸に連動していて、1日が約1年分に相当し、戻ってきて翌日出発したとしても1年経過している。

そういうわけで、いくらその時代に留まろうとしたり、手助けして歴史を変えようとしても無理なわけです。
あとは予言をしてその人物に未来を託すしかないのですが、結局歴史は変えられず、時の行者は割りとあっさり歴史改変について諦めているようです。


時の行者の強力アイテム
予言なんてありがたいものですが、逆に色々な人に言いふらされると困る人もいます。
そういうわけで時の行者は時代のせいもあってよく命を狙われるのですが、そんな彼もそういう場合に備えています。



バリヤー
首に掛けた発生装置により、自分の周囲に見えない球状のフィールドを張り巡らし、全てを遮断する。
バリヤーを張ることで水面を歩行することも可能である。
あまりに無敵すぎて、作者もまずいと思ったのか、中盤辺りで急に長い時間張っていると酸素がなくなって酸欠状態になるという弱点が追加された。(痺れ薬を飲まされた際、捕獲されないよう咄嗟にバリヤーを発生させようとしたので当初はこの設定はなかったと思われる)


赤外線めがね
生物には微粒子が存在する。その微粒子の濃度によって隠れている者も見つけ出す。



高熱線銃
時の行者が持つ唯一の攻撃武器
その威力は大木をなぎ倒し、刀を溶かし、城壁すらも破壊する。
基本威嚇しかしないので、人相手には足元に大穴を開けたり、武器を持った相手の腕を打ち抜くくらいにしか使われない。

このほかに、赤外線警報装置や吸盤手袋、電気バッテリーなども持ち歩いている。

時の行者が訪れた時代

1563年?美濃領内?で野党を追い払い、領民に感謝される
1573年  美濃(岐阜城下?)で10年前に野党を退治してくれたことを感謝され、領民たちから熱烈な歓迎を受ける。
       それを聞いた信長が呼び出しているので当時、居城のあった岐阜であると思われる。武田信玄の死を予言する。
1582年  明智光秀を討った直後の秀吉と再会。
1600年  関ヶ原の戦いを目前に控えた石田三成と対面。
1614年  食あたりになったところを後藤又兵衛に救われ、その感謝として刺客の手から守り、大坂入城を見守る。
1622年  宇都宮釣り天井事件直前の本田正純と会い、すでに事が露見していることを伝える。
1631年  駿府にて徳川忠長と対面。
1637年  島原で、藩主松倉重治を糾弾する、その後予言にある天童を勘違いされ、歴史どおり天草四郎にその役を担わせる。
1642年  寛永の大飢饉に遭遇。代官と結託する商人の蔵に米が貯蔵されていることを暴く。
1650年頃?由井正雪の密談場所に居合わせる。
1660年  佐倉藩に出現。佐倉惣五郎の霊に悩まされる堀田正信を救うが、口封じされかかる。
1672年  浄瑠璃坂の仇討ちで知られる奥平源八の一味と疑われ、奥平隼人に拘束され拷問を受ける。
1685年頃?初代火盗改め長官中山勘解由と出会う。
1695年頃?生類憐れみの令真っ只中の江戸に出現。野犬殺害犯と誤解され連行される。
1703年頃?大工に紀伊國屋文左衛門を紹介される。元禄地震らしき事件に遭遇。
1713年  将軍継承争いの只中になる尾張に出現。将軍候補にあった徳川吉通急逝。
1717年  江戸で落ちぶれた紀伊國屋文左衛門と再会。火付け犯を退治する。
1729年  天一坊事件に巻き込まれる。
1737,8年?江戸に出現。吉宗と徳川宗春の闘争に巻き込まれる。
1742年  寛保の洪水を予言し、吉宗の継嗣家重と対面、その後吉宗に相談役となることを持ちかけられる。
1754年 久留米にて起こった一揆を阻止しようとするが失敗

これ以降、時間旅行をやめる。

それにしても仇討ちで赤穂浪士の討ち入りではなく、浄瑠璃坂の仇討ちを扱うのがいかにも横山先生らしい気がします。
物語の説明文で江戸三大仇討ちで最大の事件とか書かれてますが、正直言って現代では一番マイナーな気がしますね。
忠臣蔵>>>鍵屋の辻>>>(超えられない壁)>>>浄瑠璃坂の仇討ちくらいじゃないでしょうか?

実は自分もこの漫画で知るまで(゚Д゚)ハァ?最大の仇討ち???でしたよ。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (アスラ・Zos)
2013-07-18 01:26:21
全く知らない漫画ですね!読んでみたくなりました。
返信する
Unknown (直家)
2013-07-19 21:57:53
>アスラさん
あああああああああ
お返事遅れてすみません<(_ _)>
次の記事に2つコメントもらってたので先にそちらにコメントしてから、返そうと思ったら忘れてしまいました。


幕末くらいまでやるのかなあと思ったら中途半端なところで終わってしまいました。
文庫も出ているので古本屋などで見かけることもあると思います。
返信する

コメントを投稿