「人間通」 谷沢(たにざわ)永一(えいいち)
私の「音読テキスト」の中から最近の日本の政治家の資質と対比してなる程と思ったはなしのひとつです。原本は新潮選書の「人間通」谷沢永一(文芸評論家)著です。
『現代及び近未来の主要(きー)人物(ぱーそん)は特技の人である必要はない。極言するなら人間の器量としては凡人でもよいのだ。世に尽くす誠意と熱情があればそれで十分である。誠意と熱情ならあながち天賦の才はなくとも心を傾け、身を務める心働きによって誰でも達すること可能である。組織の要となり世の礎となりうるための必要条件はただひとつ言える。それは他人の心がわかることである。ただそれだけである。 勿論文明の発生をみてよりこの方数千年、他人の気持ちがわかることは指導者に必須の条件であった。その資格を最も十分に満たしていたのは我が国の武家政権であったかも知れない。 それに較べて現代社会では他人の気を察ねることはなはだ疎かである。世を挙げての無関心時代となっている。日本人は今や心淋しい時代を生きているのである。』
すでに故人となった著者の評論ですが、日本の政治家に対する日本人の期待が、清濁併せ呑めて、よろしくことを運ぶという点では今も以前も変わっていないのでしょうか・・・。新型コロナ禍は世界中の大問題となりました、世界各国の首脳がどのように国民を説得、納得させて、それぞれの対策を進めたかが判ります。ドイツのメルケル氏の高評価の演説と日本の首相の演説の評価の違いを思い考えました。
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