統一地方選挙の後半戦の投票が、4月23日に終わった。敗軍の将は兵を語らずといわれる諺がある。ものごとに失敗した人間は、言い訳したり意見を述べたりするべきではないが、今回の“帯広市議会議員選挙”の結果について、「十勝の活性化を考える会」の元会長として、あえて述べたい。
人口16万人の帯広市は、定数29人のところに41人が立候補し、1.4倍の競争率であった。いずれの候補者も住み良い帯広を創るべく「選挙公報」で主張していた。その公約で、ゴミ中間処置施設に関して述べていたのは、我が「十勝の活性化を考える会」のk事務局長だけであった。
600億円以上もかかると予想されるゴミ中間処理施設が、十勝で1箇所のみの建設で進行している。しかも、建設予定地が現在地に近い約5.5メートルも低い場所と聞いている。十勝の広さは、私が働いていた岐阜県と同じで、岐阜県庁に問い合せると、岐阜県にはゴミ処理施設が10箇所あり、リスク管理も出来ている。
リスク管理面などを考えると、ゴミ中間処理施設の1箇所のみの建設は、あり得ないのである。水没しないようにするためには遮蔽壁を作る必要があるので、膨大な費用が掛かることを想定せねばなるまい。
十勝の人口の一人当たりでは、約20万円がかかる投資になる。東京都の人口が約1,200万人であるから約2.4兆円になる膨大な投資で、それを当選した議員が、誰も反対していないのである。何かが変であると言わざるを得ない。
当選した帯広市議会議員に水を差すようであるが、再考を求めたい。住み良い“まち”とは、リスク管理がしっかりしていることが求められるのである。今回の当選した議員は若い人が多いらしく、新ゴミ中間処理施設にも新しい考えを持つことを期待したい。なぜなら、十勝がゴミ屋敷にならんとも限らないのである。
また、投票率が史上最低の45%であったから民意を反映したものではないだろう。有権者にとっては、ゴミ中間処理施設のことなどを知らなかったかもしれないのである。
なお、帯広市議会の議員報酬は、年間報酬の約800万円に加えて、政務活動費の360万円を合わせると、1,200万円が支給されるようである。先日の私の自動車誘導係のアルバイト代は時給950円であったので、年間賃金が約200万円になる。
「十勝の活性化を考える会」会員